JP2005268257A - 電子部品収納用パッケージおよび電子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電子部品収納用パッケージの小型化,薄型化により絶縁基体の一辺の長さや厚みが非常に小さくなったとしても、外部より温度補償情報を安定して電気チェック用パッドを介して入力できる電子部品収納用パッケージおよび電子装置を提供することにある。
【解決手段】 電子部品収納用パッケージは、上面に第1の電子部品3を収容するための第1の凹部4を有し、下面に第2の電子部品5を収容するための第2の凹部6を有する絶縁基体1と、第1の凹部4および第2の凹部6の各内面から絶縁基体1の外面に導出された配線導体11と、絶縁基体1の下面の第2の凹部6の周囲に形成された窪み部8と、窪み部8の内面に形成された、配線導体11に電気的に接続された電気チェック用パッド9とを具備している。
【選択図】 図1
【解決手段】 電子部品収納用パッケージは、上面に第1の電子部品3を収容するための第1の凹部4を有し、下面に第2の電子部品5を収容するための第2の凹部6を有する絶縁基体1と、第1の凹部4および第2の凹部6の各内面から絶縁基体1の外面に導出された配線導体11と、絶縁基体1の下面の第2の凹部6の周囲に形成された窪み部8と、窪み部8の内面に形成された、配線導体11に電気的に接続された電気チェック用パッド9とを具備している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、水晶振動子や半導体素子等の電子部品を絶縁基体の上面側および下面側にそれぞれ収容する電子部品収納用パッケージおよび電子装置に関するものであり、特に、収容された電子部品に対して電子情報を入出力することが可能な電気チェック用パッドが形成された電子部品収納用パッケージおよび電子装置に関するものである。
従来、温度変化に対する発振周波数の変動を抑制し、安定した出力を得ることが可能な温度補償型の発振器は、水晶等の圧電振動子と、その圧電振動子の温度に対する振動周波数の変動を計算し補正するための半導体素子(半導体集積回路素子)とを、このような2つの電子部品を収容するための凹部を有する電子部品収納用パッケージに収容し、電子部品収納用パッケージの配線導体を介して互いに電気的に接続した構成である。
このような電子部品収納用パッケージとして、例えば酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等から成るセラミックス製パッケージが用いられている。
図3は従来の電子部品収納用パッケージおよび電子装置の一例を示す側面透視図である。従来のパッケージは、図3に示すように、絶縁基体33と、絶縁基体33の上面に形成された圧電振動子31等の第1の電子部品を収容するための直方体状の第1の凹部32と、絶縁基体33の下面に形成された半導体素子41等の第2の電子部品を収容するための第2の凹部42と、第1の凹部32および第2の凹部42の各内面から絶縁基体33の下面等の外面に導出された配線導体40とを具備している。
例えば、絶縁基体33の第1の凹部32内に圧電振動子31(第1の電子部品)を、その主面が第1の凹部32の底面に対向するように収納するとともに、この圧電振動子31の端部に形成されている電極を第1の凹部32内に露出する配線導体40に導電性接着剤等の電気的接続手段39の電気的接続手段を介して電気的に接続し、しかる後、絶縁基体33の上面の第1の凹部32の周囲に蓋体37を接合することにより圧電振動子31の封止が行われる。
なお、第1の凹部32は、蓋体37を絶縁基体33の上面の第1の凹部32を取囲む部位に形成された封止用メタライズ層38に銀ろう等のろう材を介してシームウエルド法等で接合することにより気密封止される。
そして、絶縁基体33の下面の第2の凹部42内に、圧電振動子31の温度補償を行う半導体素子41等の第2の電子部品を収納するとともに、この半導体素子41の主面(収納時には下面になる)の外周部に形成されている電極を第2の凹部42内に露出する配線導体40にボンディングワイヤ等の電気的接続手段(図示せず)を介して電気的に接続し、半導体素子41を封止用樹脂等で覆って封止することにより半導体素子41の封止が行われ、例えば、温度補償型の発信器等の電子装置が完成する。
なお、このような電子部品収納用パッケージや電子装置においては、絶縁基体33の側面等の外面に、配線導体40に電気的に接続された電気チェック用パッド50が形成されている。
このようにして形成された電子装置は、電気チェック用パッド50にコンピュータ等の外部電子機器と接続された導通端子を接触させて外部電子機器から電子情報を入力することにより、半導体素子41のメモリー内容等を書き換えることが可能となり、圧電振動子31の振動特性や電子装置の使用環境等に対応して正確に温度補償することができるように半導体素子41の機能を調整することができる。
例えば、電子装置が発振器の場合、発振器を恒温槽に納めて雰囲気温度を変化させて各々の温度における補償データを半導体メモリに記憶させるよう構成している。そして、固有の温度補償データを記憶させる作業を行う場合には、外部から各温度に応じたデータを送り込んで半導体メモリに書き込むことができる。
また、電気チェック用パッド50に電気検査用の機器の端子を接触させて第1の電子部品(圧電振動子31)や第2の電子部品(半導体素子41)の電気特性をチェックすることもできる。
電子装置は、第2の凹部42の周囲の絶縁基体33の下面に形成されている外部接続用の端子51を外部電気回路(図示せず)にはんだ等の導電性接合材(図示せず)を介して電気的、機械的に接続することにより実装され、第1の電子部品(圧電振動子31)や第2の電子部品(半導体素子41)と外部電気回路との間で周波数、時間等の基準信号や作動用電力等の授受が行われる。
特開2001−274628号公報
しかしながら、近年、上記電子部品収納用パッケージおよび電子装置においては、小型化,薄型化により絶縁基体33の一辺の長さは5mm以下となり、またその厚みは2mm以下と非常に小さくなっていることから、電気チェック用パッドを十分な大きさで形成するだけのスペースを絶縁基体の外面に確保することが非常に困難となってきている。
本発明は、かかる問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、電子部品収納用パッケージの小型化,薄型化により絶縁基体の一辺の長さや厚みが非常に小さくなったとしても、電気チェック用パッドを絶縁基体の外面に、外部の電子機器との接触が容易な形態で形成することができ、外部より例えば温度補償情報を安定して入力できるような、信頼性に優れた電子部品収納用パッケージおよび電子装置を提供することにある。
本発明の電子部品収納用パッケージは、上面に第1の電子部品を収容するための第1の凹部を有し、下面に第2の電子部品を収容するための第2の凹部を有する絶縁基体と、前記第1の凹部および前記第2の凹部の各内面から前記絶縁基体の外面に導出された配線導体と、前記絶縁基体の下面の前記第2の凹部の周囲に形成された窪み部と、該窪み部の内面に形成された、前記配線導体に電気的に接続された電気チェック用パッドとを具備することを特徴とする。
本発明の電子部品収納用パッケージにおいて、好ましくは、前記窪み部は、その底面が前記第2の電子部品の下面よりも下方に位置していることを特徴とする。
また、本発明の電子部品収納用パッケージにおいて、好ましくは、前記絶縁基体は、平面視で長方形状であるとともに前記絶縁基体の下面の前記第2の凹部の周囲の4つの角部に外部接続用の端子が前記配線導体に電気的に接続されて形成されており、前記窪み部は、前記絶縁基体の下面の対向する長辺部のそれぞれの中央部に複数形成されていることを特徴とする。
また、本発明の電子部品収納用パッケージにおいて、好ましくは、前記窪み部は、その幅が内周側よりも外周側の方が大きいことを特徴とする。
本発明の電子装置は、上記に記載の電子部品収納用パッケージと、前記第1の凹部内に収容されるとともに前記配線導体に電気的に接続された第1の電子部品と、前記第2の凹部に収納されるとともに前記配線導体に電気的に接続された第2の電子部品とを具備していることを特徴とする。
本発明の電子部品収納用パッケージは、上面に第1の電子部品を収容するための第1の凹部を有し、下面に第2の電子部品を収容するための第2の凹部を有する絶縁基体と、第1の凹部および第2の凹部の各内面から絶縁基体の外面に導出された配線導体と、絶縁基体の下面の第2の凹部の周囲に形成された窪み部と、窪み部の内面に形成された、配線導体に電気的に接続された電気チェック用パッドとを具備することから、電子部品収納用パッケージの小型化,薄型化により絶縁基体の一辺の長さや厚みが非常に小さくなったとしても、形成した窪み部の分、表面積が増えるとともにその底面等の内面に電気チェック用パッドを形成するスペースを確保することができる。
また、この窪み部は、絶縁基体の内面に形成された電気チェック用パッドに、絶縁基体の側面側から容易に外部電子機器の接触用端子を接触させることができ、第2の電子部品への電子情報の入力(メモリーの書き込み等)等の電子情報の入出力を容易に行うことができる。その結果、外部より例えば温度補償情報等のデータを安定して電気チェック用パッドを介して入力することが可能となる。
さらに、絶縁基体の下面の第2の凹部の周囲を外部電気回路基板に接合した場合、その接合部と電気チェック用パッドとの距離を大きくすることができ、外部電気回路基板と絶縁基体との接合部に発生する熱応力が電気チェック用パッドに伝わるのを有効に抑制して電気チェックパッドと配線導体とが断線する等の不具合が発生するのを有効に防止することができる。
本発明の圧電振動子収納用パッケージは、好ましくは、窪み部は、その底面が第2の電子部品の下面よりも下方に位置していることから、
第2の電子部品を配線導体に接続するボンディングワイヤ等の電気的接続手段と電気チェック用パッドとの間に十分な間隔を確保することができ、電気的接続手段と電気チェックとの間で電気的な短絡等の不具合が生じることをより確実に防止することができ、より一層電気的な信頼性に優れた電子部品収納用パッケージを提供することができる。
第2の電子部品を配線導体に接続するボンディングワイヤ等の電気的接続手段と電気チェック用パッドとの間に十分な間隔を確保することができ、電気的接続手段と電気チェックとの間で電気的な短絡等の不具合が生じることをより確実に防止することができ、より一層電気的な信頼性に優れた電子部品収納用パッケージを提供することができる。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージは、好ましくは、絶縁基体は、平面視で長方形状であるとともに絶縁基体の下面の第2の凹部の周囲の4つの角部に外部接続用の端子が配線導体に電気的に接続されて形成されており、窪み部は、絶縁基体の下面の対向する長辺部のそれぞれの中央部に複数形成されていることから、長方形状の圧電振動子、特にいわゆるATカットや音叉型等の水晶振動子を第1の凹部に効率よく収納するのに適したものとすることができ、特にTCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator)等の温度補償型発信器において、小型化を効率よく行うことができる。
また、この第1の電子部品、特に水晶振動子の電極に対応して絶縁基体の下面の第2の凹部の周囲の4つの角部に形成された外部接続用の端子を外部電気回路にはんだ等を介して接続したときに、絶縁基体と外部電気回路基板との間の熱膨張係数の差に起因して生じる熱応力等の応力が、長い絶縁基体の長辺側に沿って作用したとしても、その応力を窪み部における絶縁基体のわずかな変形で効果的に吸収緩和することができ、絶縁基体や、絶縁基体(電子部品収納用パッケージ)と外部電気回路との接合部分にクラック等の機械的な破壊が生じることを効果的に防止することができ、より一層長期の信頼性に優れた、小型の電子部品収納用パッケージを提供することができる。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージは、窪み部はその幅が内周側よりも外周側の方が大きいことから、絶縁基体の窪み部の内面に形成された電気チェック用パッドに、内部メモリー書き換え用の導通端子を接触する場合において、内部メモリー書き換え用の導通端子を窪み部の内面に形成された電気チェック用パッドに確実かつ速やかに接触させることができる。よって、内部メモリー書き換え用の導通端子による設計上の制約を受けることがない。
また、例えば、第2の電子部品を封止用樹脂で覆って封止する場合、封止用樹脂の一部が窪み内の一部に電気チェック用パッドを覆わない程度に入り込んで封止用樹脂の接合面積をより広くすることができるとともに、封止用樹脂と絶縁基体との接合面の外周部分(窪み部の部分)において接合面を入り組んだ形状として外周部分からの封止用樹脂のハガレ等を効果的に防止し、第2の電子部品の封止の信頼性をより一層優れたものとすることができる。
本発明の電子装置は、上記に記載の電子部品収納用パッケージと、第1の凹部内に収容されるとともに配線導体に電気的に接続された第1の電子部品と、第2の凹部に収納されるとともに配線導体に電気的に接続された第2の電子部品とを具備していることから、内部に収納する第1の電子部品および第2の電子部品を所定の性能で安定して動作させること、例えば、第1の電子部品の温度補償を第2の電子部品で確実かつ高精度に行うことが可能な高信頼性で、かつ小型のものとすることができる。
次に、本発明の電子部品収納用パッケージおよび電子装置を添付の図面を基に説明する。図1は本発明の電子部品収納用パッケージおよび電子装置の実施の形態の一例を示した側面透視図である。また、図2において、図2(a)は図1の絶縁基体の上面側から見た平面図であり、図2(b)は絶縁基体の下面側から見た平面図である。
同図において1は絶縁基体、2は蓋体、3は第1の電子部品、4は第1の電子部品3が収納される第1の凹部、5は第2の電子部品、6は第2の電子部品5を収納する第2の凹部、7は電気チェック用パッド、8は電気チェック用パッド7が形成された窪み部、9は外部接続用の端子、11は配線導体である。そして、主として絶縁基体1、第1の凹部4、第2の凹部6、電気チェック用パッド7、窪み部8および配線導体11で本発明の電子部品収納用パッケージが構成されている。この電子部品収納用パッケージにおいて、第1の凹部4に第1の電子部品3を、また第2の凹部6に第2の電子部品5を収納し、第1の凹部4を蓋体2で塞ぐこと等の手段で第1の電子部品3を封止することにより本発明の電子装置が構成される。
絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)や窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミックス等のセラミックスや樹脂から成り、例えば一辺の長さが3〜20mm程度で厚みが1〜5mm程度の直方体状である。
また、絶縁基体1の上面に、第1の電子部品3を収納するための例えば直方体状である第1の凹部4が、さらに絶縁基体1の下面に、第2の電子部品5を収納するための例えば直方体状である第2の凹部6が形成されている。
このような絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、以下のようにして作製される。まず、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バンイダ、溶剤、可塑剤等を添加混合して泥漿状となし、これを従来周知のドクタブレード法やカレンダーロール法等によりシート状に成形し、複数枚のセラミックグリーンシートを得る。しかる後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施して、四角板状のものと四角枠状のものとを形成し、四角板状のものが中央の層に位置するように、四角枠状のものが上層および下層に位置するように上下に積層して上面に第1の凹部4を有し、下面に第2の凹部6を有する積層体を形成し、その積層体を高温(約1600℃)で焼成することにより作製される。
第1の凹部4および第2の凹部6の底面等の内面から絶縁基体1の下面等の外面に配線導体11が導出されている。
配線導体11は、第1の凹部4に収納される第1の電子部品3や、第2の凹部6に収納される第2の電子部品5の電極を電気的に接続するためのパッドとして機能する。
また、配線導体11は、第1および第2の電子部品3,5を外部に導出して外部電気回路に接続するための導電路として機能する。
なお、配線導体11は、第1および第2の電子部品3,5を互いに電気的に接続するための導電路として機能させることもできる。
第1の電子部品3は、例えば、水晶振動子や弾性表面波素子等であり、通常、その外形が四角形状の平板状であり、その端部には電極が形成されている。また、振動を妨げられず、正確に振動するために、その絶縁基板1側の主面(上面)が第1の凹部4の底面に対して20〜50μmの隙間を空けて対向するように第1の凹部4内に搭載されているのがよい。
また、第2の電子部品5は、例えば、半導体素子(演算素子)やメモリーICチップ等であり、通常、その外形が四角形状の平板状であり、その絶縁基体1側の主面(上面)や絶縁基体1と反対側の主面(下面)には電極が形成されている。この場合、上面に電極が形成される場合は、例えば半田バンプ等(図示せず)により、また、下面に電極が形成される場合は、例えば金ワイヤー等のボンディングワイヤ(図示せず)により第2の凹部の底面に露出した配線導体11に接続される。
本発明の電子部品収納用パッケージにおいては、絶縁基体1の下面の第2の凹部6の周囲に窪み部8が形成され、窪み部8の内面に、配線導体11に電気的に接続された電気チェック用パッド7が形成されている。
この構成により、電子部品収納用パッケージの小型化,薄型化により絶縁基体1の一辺の長さや厚みが非常に小さくなったとしても、形成した窪み部8の分、絶縁基体1の表面積が増えるとともにその底面等の内面に電気チェック用パッド7を形成するスペースを確保することができる。また、この窪み部8は、絶縁基体1の内面に形成された電気チェック用パッド7に、絶縁基体1の側面側から容易に外部電子機器の接触用端子を接触させることができ、第2の電子部品5への電子情報の入力(メモリーの書き込み等)等の電子情報の入出力を容易に行うことができる。その結果、例えば外部より温度補償情報を安定して電気チェック用パッド7を介して入力することが可能となる。
また、本発明の圧電振動子収納用パッケージは、窪み部8は、その底面が第2の電子部品5の下面よりも下方に位置していることが好ましい。
これにより、第2の電子部品5を配線導体11に接続するボンディングワイヤ等と電気チェック用パッド7との間に十分な間隔を確保することができ、ボンディングワイヤ等と電気チェックとの間で電気的な短絡等の不具合が生じることをより確実に防止することができ、より一層電気的な信頼性に優れた電子部品収納用パッケージを提供することができる。
この場合、第2の電子部品5の下面と窪み部8の底面との間の高さの差は、例えば、絶縁基体1が上述したような、一辺の長さが3〜20mm程度で厚みが1〜5mm程度の直方体状の形状である場合、0.1mm以上とすることが好ましい。この高さの差が0.1mm未満では、ボンディングワイヤ等と電気チェック用パッドとの間に電気的な短絡等の不具合が生じることを防止することが難しくなる傾向がある。
また、本発明の電子部品収納用パッケージは、絶縁基体1は、平面視で長方形状であるとともに絶縁基体1の下面の第2の凹部6の周囲の4つの角部に外部接続用の端子9が配線導体11に電気的に接続されて形成されており、窪み部8は、絶縁基体1の下面の対向する長辺部のそれぞれの中央部に複数形成されていることが好ましい。
これにより、長方形状の圧電振動子、特にいわゆるATカットや音叉型等の水晶振動子を第1の凹部4に効率よく収納するのに適したものとすることができ、特にTCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator)等の温度補償型発信器において、小型化を効率よく行うことができる。
また、この第1の電子部品3、特に水晶振動子の電極に対応して絶縁基体1の下面の第2の凹部の周囲の4つの角部に形成された外部接続用の端子9を外部電気回路にはんだ等を介して接続したときに、絶縁基体1と外部電気回路基板との間の熱膨張係数の差に起因して生じる熱応力等の応力が、長い絶縁基体1の長辺側に沿って作用したとしても、その応力を窪み部における絶縁基体1のわずかな変形で効果的に吸収緩和することができ、絶縁基体1や、絶縁基体1(電子部品収納用パッケージ)と外部電気回路との接合部分にクラック等の機械的な破壊が生じることを効果的に防止することができ、より一層長期の信頼性に優れた、小型の電子部品収納用パッケージを提供することができる。
この場合、窪み部8は、応力を効果的に吸収する上では、幅が0.2mm以上、深さが0.2mm以上であることが好ましい。
また、窪み部8は、応力の集中を避けるために、辺の中央部に同じ間隔で形成することが好ましい。
また、本発明の電子部品収納用パッケージは、窪み部8はその幅が内周側よりも外周側の方が大きいことが好ましい。
これにより、絶縁基体1の窪み部8の内面に形成され導出され広面積となるように平面的に形成された電気チェック用パッド7に、内部メモリー書き換え用の導通端子を接触する場合において、内部メモリー書き換え用の導通端子を窪み部8の内面に形成された電気チェック用パッド7に導通端子を確実かつ速やかに接触させることができる。
このような内部メモリー書き換え用の導通端子は、例えば、その直径が0.2〜0.5mm程度であり、先端部が曲面となるようなピン形状となっている。この内部メモリー書き換え用の導通端子と電気チェック用パッド7との確実な電気的接触性を得られるように、その表面には金めっきやロジウム等からなる腐食防止の被覆金属が形成されている。
本発明の電子部品収納用パッケージによれば、上述のように、絶縁基体1の下面の第2の凹部5の周囲に窪み部8を形成し、その内面に電気チェック用パッド7を形成するようにしたことから、設計の自由度が大きくなり、通常必要とされる2〜6個程度の電気チェック用パッド7を形成しても、それら複数の電気チェック用パッド7に一度に接続させることのできる内部メモリー書き換え用の端子の数が絶縁基体1の大きさによって制限されることはなく、すべてのメモリー書き換え用の端子を絶縁基体1の窪み部8の内面に形成された電気チェック用パッド7に良好に接触させることが可能となる。
また、例えば、第2の電子部品5を後述するように封止用樹脂(図示せず)で覆って封止する場合、封止用樹脂の一部が窪み部8内の一部に電気チェック用パッドを覆わない程度に入り込んで封止用樹脂の接合面積をより広くすることができるとともに、封止用樹脂と絶縁基体との接合面の外周部分(窪み部の部分)において接合面を入り組んだ形状として外周部分からの封止用樹脂のハガレ等を効果的に防止し、第2の電子部品5の封止の信頼性をより一層優れたものとすることができる。
なお、電気チェック用パッド7や封止用メタライズ層10、および配線導体11は、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀等の金属材料からなり、例えばタングステンからなる場合であれば、タングステン粉末に有機溶剤、バインダー等を添加し混練して作製した導電ペーストを、絶縁基体1となるグリーンシートの表面等に所定パターンに印刷することにより形成される。
なお、電気チェック用パッド7や封止用メタライズ層10、および配線導体11の露出表面には、電気チェック用パッド7や封止用メタライズ層10、および配線導体11の酸化腐食を防止するとともに、電気チェック用パッド7と内部メモリー書き換え用の導通端子との接続や、第1の電子部品3および第2の電子部品5と配線導体11の各電極との接続や、外部接続用の端子9と外部電気回路基板との接続を強固なものするために、例えば1〜10μm程度の厚みのニッケルめっき層と0.1〜3μm程度の厚みの金めっき層とが順次被着されているのがよい。
また、第1の電子部品3および第2の電子部品5は、必要に応じて気密封止される。気密封止の手段としては、蓋体や封止用樹脂を用いることができる。
例えば、第1の電子部品3が圧電振動子で、第2の電子部品5が半導体素子の場合、第1の凹部4を塞ぐようにして蓋体2を絶縁基体1の上面に取着し、第2の凹部6内に封止用樹脂を充填して半導体素子を覆うような構造が、気密封止の信頼性が良好で生産性に優れ、外部電気回路への接続も容易であることが好適に用いられる。
これは、第1の電子部品3が、水晶振動子等の圧電振動子の場合、発振が可能なように、中空状態で気密封止する必要があること、半導体素子は機械的な動きがないので封止樹脂で直接覆っても機能上支障がないこと、等の理由による。
また、絶縁基体1の上面の第1の凹部4の周囲には、例えば、蓋体2が金属製であれば、蓋体2との接合を容易なものとするために第1の凹部4を取囲むようにしてタングステンやモリブデン、銅、銀等の金属粉末メタライズから成る四角枠状の封止用メタライズ層10が形成されている。封止用メタライズ層10は、厚みが10〜30μm程度、各辺の幅が0.2〜0.5mm程度であり、蓋体2を接合するための下地金属として機能する。
封止用メタライズ層10は、封止用の金属枠体が銀ろう等のろう材12を介してろう付けされてもよい。封止メタライズ層10の表面に金属枠体をろう付けする場合、ろう材12との濡れ性を良好とするために、例えば、封止用メタライズ層10の表面に厚みが0.5〜5μm程度のニッケルめっき層が予め被着されているのがよい。
金属枠体は、例えば鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属材料から成り、蓋体2を絶縁基体1に溶接するための下地金属部材として機能する。この金属枠体は、例えば、その内周が第1の凹部4の外形寸法と同じ大きさであり、厚みが0.1〜0.5mm程度、各辺の幅が0.15〜0.45mm程度である。
金属製の蓋体2を封止用メタライズ層10に接合する方法としては、蓋体2の下面に予め20〜50μmの厚みの銀ろうを被着しておき、この銀ろうが被着された下面を封止用メタライズ層12上に載置してシーム溶接やエレクトロンビーム等で加熱することにより、容易に蓋体2と封止用メタライズ層12との間を気密性よく、かつ強固にろう付けすることができる。
そして、圧電振動子等の第1の電子部品3を絶縁基体1の第1の凹部4に収納し、第1の電子部品3の端部に形成された電極(図示せず)を第1の凹部4の内側面に形成された配線導体11に導電性接着剤等の電気的接続手段13を介して接続する。次に、蓋体2を封止用メタライズ層10の上面にシーム溶接法やエレクトロンビーム法等の溶接法やろう付け法等で接合することにより、第1の電子部品3が絶縁基体1と蓋体2からなる容器の内部に気密封止される。
なお、蓋体2がセラミックスや樹脂から成る場合は、ろう付け法や溶接法によって蓋体2を封止用メタライズ層10に接合ができるようにするために、蓋体2の接合面にメタライズやめっき等により金属層を形成しておくのがよい。
また、蓋体2の形状は、その下面の外周部を絶縁基体1の上面の第1の凹部4の周囲に接合することにより第1の凹部4を気密封止するのに適した形状であり、四角平板状や下面に凹部を有する四角形状等である。
さらに、演算素子やメモリーICチップ等からなる第2の電子部品5を絶縁基体1の下面の第2の凹部6に収納し、第2の電子部品5の端部に形成された電極(図示せず)を第2の凹部6の底面に形成された配線導体11に半田バンプや金ワイヤー等の電気的接続手段1を介して接続する。
上記構成を有した絶縁基体1、蓋体2、第1の電子部品3、第2の電子部品5、外部接続用の端子9から成る温度補償型の電子装置は、通常の表面実装型デバイスと同様にその入出力端子となる外部接続用の端子9を介して外部電気回路基板(図示せず)上に半田付けされ固定される。
本発明の電子装置は、上記構成の電子部品収納用パッケージと、第1の凹部4内に収容されるとともに配線導体11に電気的に接続された第1の電子部品3と、第2の凹部6に収納されるとともに配線導体11に電気的に接続された第2の電子部品5とを具備していることから、内部に収納する第1の電子部品3および第2の電子部品5を安定して動作させることが可能な高信頼性で、かつ小型のものとすることができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、種々の変形は可能である。例えば、絶縁基体1は5層以上のセラミック層を積層することにより形成されていてもよい。
また、上述の実施の形態の例では、主に、第1の電子部品が圧電振動子で、第2の電子部品が半導体素子である、温度補償型の発信器(TCXO等)を主に例に挙げて説明したが、第1の電子部品および第2の電子部品は、それぞれ、他の電子部品であってもよい。
例えば、第1の電子部品、第2の電子部品が両方とも半導体素子(一方が演算素子等の処理用素子で、他方がメモリ素子の組み合わせ等)、一方がいわゆるMEMS等のマイクロマシン類で他方が容量素子(デカップリングコンデンサ等)やインダクタ回路素子(インピーダンスの整合用等)等の受動素子、一方が固体撮像素子等の光半導体素子で他方が半導体集積回路素子、等の種々の電子部品を組み合わせて用いることができる。
また、第1の電子部品3が圧電振動子、第2の電子部品が半導体素子5の組み合わせの場合でも、半導体素子5は、温度補償用のものに限る必要はなく、この電子装置が実装される電子機器の処理用の演算素子(いわゆるマイコン)であってもよい。
また、電気チェック用パッド7は、図2(a)では窪み部8の内面の4箇所に形成したが、絶縁基体1の電極の配置等に応じて他の数でもよい。
さらに、窪み部8は、その位置が絶縁基体1の短辺側に形成されていてもよい。
1・・・・・絶縁基体
2・・・・・蓋体
3・・・・・第1の電子部品
4・・・・・第1の凹部
5・・・・・第2の電子部品
6・・・・・第2の凹部
7・・・・・電気チェック用パッド
8・・・・・窪み部
9・・・・・外部接続用の端子
11・・・・配線導体
2・・・・・蓋体
3・・・・・第1の電子部品
4・・・・・第1の凹部
5・・・・・第2の電子部品
6・・・・・第2の凹部
7・・・・・電気チェック用パッド
8・・・・・窪み部
9・・・・・外部接続用の端子
11・・・・配線導体
Claims (5)
- 上面に第1の電子部品を収容するための第1の凹部を有し、下面に第2の電子部品を収容するための第2の凹部を有する絶縁基体と、前記第1の凹部および前記第2の凹部の各内面から前記絶縁基体の外面に導出された配線導体と、前記絶縁基体の下面の前記第2の凹部の周囲に形成された窪み部と、該窪み部の内面に形成された、前記配線導体に電気的に接続された電気チェック用パッドとを具備することを特徴とする電子部品収納用パッケージ。
- 前記窪み部は、その底面が前記第2の電子部品の下面よりも下方に位置していることを特徴とする請求項1記載の電子部品収納用パッケージ。
- 前記絶縁基体は、平面視で長方形状であるとともに前記絶縁基体の下面の前記第2の凹部の周囲の4つの角部に外部接続用の端子が前記配線導体に電気的に接続されて形成されており、前記窪み部は、前記絶縁基体の下面の対向する長辺部のそれぞれの中央部に複数形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子部品収納用パッケージ。
- 前記窪み部は、その幅が内周側よりも外周側の方が大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子部品収納用パッケージ。
- 請求項1乃至請求項4記載の電子部品収納用パッケージと、前記第1の凹部内に収容されるとともに前記配線導体に電気的に接続された第1の電子部品と、前記第2の凹部に収納されるとともに前記配線導体に電気的に接続された第2の電子部品とを具備していることを特徴とする電子装置。
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- 2004-03-16 JP JP2004074080A patent/JP2005268257A/ja active Pending
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