JPS5846465Y2 - 電子楽器の鍵盤装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電子オルガン等の電子楽器の鍵盤装置に関
し、特に鍵な上方に回動付勢するためのスプリングを保
持するために鍵に設けられたスプリング保持部を改良し
、鍵盤装置の組立作業の簡便化を図ると共に演奏時の打
鍵に際してもスプリングのがたつき、共振などを防止し
うるようにしたものである。

従来の鍵盤装置は、例えば第１図に示すように鍵１の後
端上面に形成された支点溝１ａが鍵盤フレーム２の後方
立上り部２ａに形成された窓部２ｂの上縁に嵌合し、鍵
１の支点溝１ａの手前に設けられたスプリング保持部１
ｂと鍵盤フレーム２上に設けられたスプリング受部２ｃ
との間に圧縮スプリング３が介装されて合鍵が夫々鍵盤
フレーム２の後方立上り部２ａを支点として上方に回動
付勢される鍵盤装置において、スプリング保持部１ｂは
単に円錐台状の突起として構成されているだけであった
。

このため鍵盤装置の組立作業に際し、鍵の支点溝１ａを
窓部２ｂの上縁に嵌合し終るまで作業者はスプリング３
をスプリング保持部１ｂから離脱しないように押え続け
る必要があり、作業性が悪い欠点を有していた。

さらにまた、スプリング保持部の構造が上記したような
ものであるため楽器演奏のための打鍵に際しても、打鍵
の衝撃で圧縮スプリング３ががたついたり共振したりす
ることにより雑音発生の原因となっていた。

この考案はこれらの点に鑑みてなされたものであって、
鍵のスプリング保持部にスプリングを係止スるための突
起部を設けることによってスプリング保持部からのスプ
リングの離脱、スプリング自体のがたつきおよび共振を
防止しようとするものである。

以下、添付図面の第２図乃至第７図を参照してこの考案
の実施例を説明する。

第２図及び第３図はこの考案の第１実施例の要部を示す
図であり、１１は鍵であって、その後端上面には支点溝
１１ａが形成され、第１図における鍵盤フレーム２の後
方立上り部２ａに形成された窓部２ｂの上縁と嵌合して
鍵の揺動支点を構成する。

支点溝１１ａの手前にはスプリング保持部１１ｂが突設
されている。

該スプリング保持部１１ｂは基本的には円筒状をなして
いるがその外周面１１ｃ上に１個以上の突起部１１ｄが
円筒軸方向に沿って伸設されている。

この突起部１１ｄの外接円直径をｄｏとし、スプリング
保持部１１ｂに係合使用される圧縮スプリング１３の内
接円直径をｄ（とすれば（第３、第４図参照） ｄ、＞ｄ１’ となるようｄｌはｄ１′よりも若干大きく構成されてい
る。

第５図及び第６図はこの考案の第２実施例の要部を示す
図であり、鍵１１に支点溝１１ａが形成されている点は
上記第１実施例の場合と同様である。

支点溝１１ａの手前にはスプリング保持部１１ｅが穿設
されている。

該スプリング保持部１１ｅは基本的に円筒状をした孔で
あるが、その内周面１１ｆ上には１個以上の突起部１１
ｇが円筒軸方向に沿って伸設されている。

この突起部１１ｇの内接円直径ｄ２と使用される圧縮ス
プリング１３の外接円直径ｄ２′とは（第４、第６図参
照）、 ｄ２〈ｄ２′ となるようｄ２はｄ２′よりも若干小さく構成されてい
る。

このように構成された上記各実施例によれば、鍵１のス
プリング保持部１１ｂ又は１１ｅに圧縮スプリング１３
を挿入した際、スプリング保持部１１ｂ又は１１ｅに設
けられた突起部１１ｄ又は１１ｇによって圧縮スプリン
グ１３がその直径方向に若干伸縮を行い上記突起部１１
ｄ又は１１ｇと緊着係合状態を保持することになる。

そこで、鍵盤装置の組立作業に際しては、鍵１１に設け
たスプリング保持部１１ｂ又は１１ｅに予め圧縮スプリ
ング１３な挿入しておけば、圧縮スプリング１３はスプ
リング保持部に緊着保持されて離脱しないため、そのま
ま圧縮スプリング１３の下端部を第１図におけるスプリ
ング受部２ｃに挿入して位置決めし、鍵１１の後端部を
幾分押下げて鍵盤フレーム２の窓部２ｂに挿入すれば、
支点溝１１ａが窓部２ｂの上縁に嵌合し、鍵１１０組付
けが簡単に行なえろ。

また、楽器演奏のための打鍵に際しても、打鍵の衝撃に
よる圧縮スプリングのがたつき、共振などが生ぜず、こ
れらによる雑音の発生も完全に防止できるものである。

さらに、第７図はこの考案の第３実施例であり、前述の
第１、第２実施例においては圧縮スプリングを用いた鍵
盤装置であるのに対し、この第３実施例は引張りスプリ
ングを用いた鍵盤装置にこの考案を適用した例である。

第１図において、鍵盤フレーム１２には切り起しによっ
て後方立上り部１２ａが形成され、その後方にスプリン
グ受台１４が合成樹脂体によって鍵盤フレーム１２上に
一体成形等によって形成されている。

このスプリング受台１４には引張りスプリング−３′
を押込んだとき、その最下部と係合して抜は止めする係
合溝１４ａを有している。

一方、鍵２１には、その後方部に鍵盤フレームの後方立
上り部１２ａの上縁と係合する支点溝２１ａが形成され
、その後方にスプリング保持部２１ｂが設けられ、その
内周面には引張りスプリング１３′ を押込んだとき
、その最上部を容易に抜けないように緊着保持する複数
個の突起部２１ｃが内周方向に沿って設けられている。

したがって、第７図に示すように鍵盤フレーム１２と鍵
２１との間に引張りスプリング１３′ を装着すると、
その両端部が緊着保持され、鍵２１は鍵盤フレームの後
方立上り部１２ａを支点として右旋回動され、上動位置
制限ストッパによって略水平に保たれろ。

この第３実施例においても、鍵の組付けが簡単であり、
又雑音防止の効果もあることは第１、第２実施例と同様
であり、スプリング受台を適度に弾性を有する合成樹脂
体によって形成すれば、雑音防止効果は一層向上する。

以上のようにこの考案によればスプリングは鍵のスプリ
ング保持部内に緊着保持されるから鍵盤装置の組立作業
におけろ作業負担を軽減し、また楽器演奏にとって致命
的な雑音発生の防止も図ることのできろものであって実
用上の効果が極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の鍵盤装置の一例を示す鍵の長手方向の側
断面図、第２図及び第３図はこの考案の１実施例の要部
を示す図であって第２図は鍵の側断面図、第３図は第２
図の矢示Ａ方向からみた底面図である。 第４図はこの実施例に用いるスプリングの断面図、第５
図及び第６図はこの考案の第２実施例の要部を示す図で
あって、第５図は鍵の側断面図、第６図は第５図の矢示
Ｂ方向からみた底面図、第７図はこの考案の第３実施例
の要部を示す鍵の長手方向の側断面図である。 １．１１．２１・・・・・・鍵、１ａ、１１ａ、２１ａ
・・・・・・支点溝、１ｂ １１ｂ １１ｅ ２
１ｂ・・・・・・スプリング保持部、ｌｌｄ、’Ｎｇ、
２１ｃ・・・・・・突起部、２，１２・・・・・・鍵盤
フレーム、２ａ１２ａ・・・・・・後方立上り部、２Ｃ
・・・・・・スプリング受部、３・・・・・・圧縮スプ
リング、３１１０１１０．引張りスプリング、１４・・
・・・・スプリング受台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鍵盤フレームの後方立上り部を支点とし、複数の鍵に対
   応した各スプリング保持部と前記鍵盤フレーム上に設け
   られた各スプリング受部との間に介在する各スプリング
   によって合鍵が夫々回動付勢されろ電子楽器の鍵盤装置
   において、前記鍵のスプリング保持部に前記スプリング
   を緊着保持するための突起部を設けたことを特徴とする
   電子楽器の鍵盤装置。