JPS5844894Y2 - プレス金型セッティング用ロ−ラ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプレス金型セツティング用ローラ装置に関する
ものである。

プレス作業においてプレス金型セツティングの省力化と
時間短縮は、生産性の向上とコストの底減を図る重要な
要素である。

その一つの手段として金型の出入れを容易にするため、
ボルスタプレートにローラ装置やボール装置が設けられ
ている。

その従来のローラ式のものは、例えば特開昭５１−１１
７３８１号公報に見られるように、プレス機械の前後方
向に対応してボルスタプレートの前後方向に溝を形成し
、ホルダ付のローラをその回転方向が溝と同じ前後方向
、即ちローラの軸が溝とは直角の左右方向となるように
して、溝内にバネを介して内装しである。

この種のものは、ローラの回転方向が溝と同じ前後方向
に一定であるため、金型をプレス機械の前部から前後方
向に挿入・搬出することだけしかできない。

しかしプレス機械では金型を常に前から出入れするとは
限らない。

側部に金型が出入可能な空所をもつプレス機械、例えば
フレームがＣ型のプレス機械や直立型で側部に窓のある
プレス機械等で、それを多目的に使いたい場合や横長状
の金型を用いる場合は、プレス機械の側部から金型な出
入れする必要がある。

また自動化装置がプレス機械の前部に付設されると、金
型は機械の側部から出入れせざるを得ないことになる。

このような場合に、上記の如きローラの回転方向が前後
方向に一定のローラ装置では役に立たない。

他方ボール式のものは、金型をいずれの方向へも移動可
能とする点ではローラ式よりも優れるが、金型の支持は
ローラと異なり点接触となるため集中的に荷重がかかる
。

それゆえ金型の移動に伴ない金型下面に条状の傷が生じ
やすく、またそれを防ぐためにはボールを多数説けなく
てはならぬ等、従来のものには問題点があった。

本考案はプレス金型セツティング用ローラ装置に関し、
従来のものが有する上記問題点を解決しようとするもの
である。

即ちその目的とするところは、従来のボール式のように
金型下面を傷つけたりせず、またそれを防止するのに多
数個を設ける必要をなくすとともに、従来のローラ式の
如く金型の出入方向が一定ではなく、一種類のローラ装
置により金型の出入れが前・横を問わず、必要に応じて
容易・迅速に出入方向に対応できるようにした、プレス
金型セツティング用ローラ装置を提供することにある。

以下に本考案に係るローラ装置Ａを図示実施例によって
説明する。

１はホルダ係合用孔であり、ボルスタプレート２に上部
開口の丸孔として適数個（第１図では２個）を形成して
あり、かつ孔１内の底面３でボルスタプレート２の前後
方向から４５度の位置に、ホルダ回止め手段４としての
係止用片４ａを立設しである。

５はローラホルダで、４角材の４隅を前記孔１内で可回
動な曲面に形成し、その高さは前記孔１の深さよりも低
い寸法とし、かつ該ホルダ５の上部には対向する側面間
にローラ取付用の縦凹所６を形成し、下部には下部開口
のバネ内装用孔７を形成しである。

８はローラであり、前記ホルダ５の縦凹所６内に上部が
突出する如く横軸９により軸支しである。

１０はカバー板で、前記ホルダ係合用孔１の内周に沿う
円板状で中央に角孔１１を有し、該角孔１１からローラ
８上部が饋かに突出する如くに装着しである。

１２はホルダ押上げ用バネで、ホルダ５内の前記バネ内
装用孔７内に上端で該孔７の上面１３を支承する如く設
け、かつ該バネ１２下端は後記支持部材１４の上面で支
承する。

支持部材１４は上部の鍔部１５が前記バネ内装用孔７内
周に設けた止め輪１６により下方へ抜けぬよう係止され
てその上面で前記の如くバネ１２下端を支承し、かつ該
部材１４下部はバネ内装用孔γから突出してボルスタ２
のホルダ係合用孔１の底面３に当接している。

４ｂはホルダ回止め手段４としての係止用孔で、ホルダ
５下部で４隅の厚内部１Ｔの位置、すなわちローラ８の
軸線Ｘとは水平方向に４５度をなす４箇所の位置に、前
記係止用片４ａを係合可能に形成しである。

上記構成において、バネ１２の力は全体としてローラ８
上に載置されたダイプレート１８がクランプ１９で押え
られぬ限りはそれやダイ（図示略）等をボルスタプレー
ト２上に浮上らす力があるようにする。

また本ローラ装置Ａはバネ１２による最伸長時にカバー
板１０上面がボルスタプレート２上面と同一面となり、
その際に２Ｒ１Ｌ程度突出していたローラ８がその上に
ダイプレート１８・ダイ等を載置してクランプ時にホル
ダ５がバネ１２に抗って２關程度下降するようにしであ
る。

次に本考案の使用状態・効果を上記実施例によって説明
する。

まず金型なボルスタプレート２に前方から出入れする場
合は、本考案の各ローラホルダ５をローラ８の回転方向
がボルスタプレート２０前後方向と一致するように、す
なわちローラ８の軸線Ｘがボルスタプレート２の左右方
向と一致スるように各ホルダ係合用孔１に入れる。

この際、前記係合用孔１の底面３に立設した係止用片４
ａが、丁度ホルダ５下部の係止用孔４ｂに係合すれば、
各ローラホルダ５の差込み方向が正しいことになり、か
つこれによりホルダ５は孔１内で回動して方向がずれる
ことがない。

そこでこの状態でダイプレート１８を介してダイ等を突
出したローラ８上に載置すれば、それらの進行方向とロ
ーラ８の回転方向とが一致しているので移動はきわめて
スムーズに行える。

なお所定位置でダイプレート１８をクランプ１９により
押えれば、ホルダ５がバネ１２の力に抗って押下げられ
ダイプレート１８はボルスタプレート２上に載置固定さ
れる。

また、例えば金型が横長状のものや、プレス機械の前部
に自動化装置が付設され、金型を前部から出入できない
ような場合は次の如くすればよい。

即ち前記各ローラホルダ５を、少し持上げて縦軸上で９
０度回わし、そのローラ８の回転方向がボルスタプレー
ト２の左右方向と一致するように、すなわちローラ８の
軸線Ｘがボルスタプレート２の前後方向に一致するよう
に各ホルダ係合用孔１に差入れる。

そして各孔１の係止用片４ａが、ホルダ５の丁度その位
置における係止用孔４ｂに係合すれば、前記と同様にロ
ーラホルダ５の正確な差入れと回止めとが行われたこと
になる。

それゆえ、各ローラ８が左右方向に可回転となるので、
プレス機械の側方から金型をスムーズに出入れできるこ
とになる。

この場合にクランプ１９は、それを係合するＴ型溝（図
示略）がボルスタプレート２の前後および左右方向に十
字状に設けであるか、またはクランプ１９が縦軸に対し
可回動で首の向きを変えられるようにしてあれば、金型
の出入はクランプ１９と関係なく行われる。

なお上記実施例ではローラホルダ５を４角材にて形成し
たので、係止用孔４ｂはローラ８の軸線Ｘと４５度をな
す厚内部１７に形成し、またホルダ係合用孔１の係止用
片４ａもそれに対応してボルスタプレート２の前後方向
に対して４５度の位置に設けた。

しカルホルダ５に円柱材を用いれば、係止用孔４ｂおよ
び係止用片４ａの位置はローラ８の軸線Ｘがボルスタプ
レート２０前後方向または左右方向と一致するような位
置に設けることができる。

また係止用孔４ｂをホルダ係合用孔１内部に設け、係止
用片４ａをホルダ５に設けてもよいし、あるいは係止用
片を可動としバネにより突出可能として係合用孔にはま
り込むようにしてもよい。

さらに第５図の如くホルダ係合用孔１の内周部に縦溝４
ｃを設けるとともに、ローラホルダ５０カバー板１０周
縁部に９０度間隔で縦溝４ｄを設け、両溝４ｃ、４ｄの
合致した状態で静止用片４ｅを挿入してもよい。

さらに上記実施例で９０度間隔で設けた係止用孔４ｂや
縦溝４ｃ、４ｄ等は必ずしも図示の如く４箇所でなくて
２箇所でもよく、これ等いずれの場合も上記実施例とほ
ぼ同様の使用状態である。

そして上記ホルダ回止め手段４は９０度間隔で設ければ
実用上は充分であるが、小さい間隔で設けてもよいこと
は勿論である。

以上で明かな如く本考案によれば、従来のポール式の装
置験異なり金型下面と線接触のため、下面に条状の傷を
つけることがないし、またそれを防ぐために装置を多数
個設ける必要がなくなる。

しかも本考案ではローラを軸支したローラホルダが、ホ
ルダ係合用孔に昇降と縦軸に対し可回動に装入され、ロ
ーラの回転方向をボルスタプレートの少なくとも前後ま
たは左右方向で任意に係止でき、その後はホルダも回動
せず方向がずれない。

そのため、例えばＣ型フレームのプレス機械や、直立型
で側部に窓のあるプレス機械の如く、側部に金型が出入
可納な空所をもつプレス機械において、従来と異なり金
型を前方からだけでなく側方から出入れしたい場合には
、容易・迅速にそれに対応できる。

したがって、プレス機械を多目的に使いたい場合や、横
長状の金型を用いる場合、あるいは自動化装置がプレス
機械の前部に付設された場合等において、従来と異なり
金型を側部からも出入れてきることになり、金型セツテ
ィングの省力化と時間短縮が図られ、プレス加工での生
産性の向上とコストの低減に貢献できるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであり、第１図はそれを
設けたボルスタプレートの一部切欠正面図、第２図は一
部縦断の拡大正面図、第３図は第２図のＩＩ−ＩＩＩ断
面図、第４図は一部切欠の斜め正面図、第５図は他の実
施例の正面図である。 図面符号Ａ・・・・・・ローラ装置、１・・・・・・ホ
ルダ係合用孔、２・・・・・・ボルスタプレート、４・
・・・・・ホルダ回止め手段、５・・・・・・ローラホ
ルダ、８・・・・・・ローラ、１２・・・・・・押上げ
用バネ、１８・・・・・・グイプレート、Ｘ・・・・・
・ローラの軸線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ 側部に金型が出入可能な空所をもつプレス機械にお
   いて、ボルスタプレート２に形成の上部用口のホルダ係
   合用孔１に、上部にローラ８を設けたローラホルダ５を
   、下部にホルダ押上げ用バネ１２を介装して昇降可能で
   、縦軸に対して可回動に装入し、該ローラホルダ５とホ
   ルダ係合用孔１間に、ローラ９の軸９の軸線Ｘが、ボル
   スタプレート２の少なくとも前後方向か左右方向のいず
   れかと一致時に係止可能なホルダ回止め手段４を設けた
   ことを特徴とする、プレス金型セツティング用ローラ装
   置。 ■ ホルダ回止め手段４として、ホルダ係合用孔１の下
   部に係止用片４ａを立設するとともに、ローラホルダ５
   下部に前記係止用片４ａを係合可能な係止用孔４ｂを、
   ９０度間隔で４箇所に形成してなる、実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載のプレス金型セツティング用ローラ
   装置。 ■ ホルダ回止め手段４として、ローラホルダ５の上部
   １０に縦溝４ｃを形成するとともに、ホルダ係合用孔１
   の内周部に縦溝４ｄを９０度間隔で４箇所に形成し、両
   溝４ｃ、４ｄの合致した状態で係虚する係止用片４ｃを
   挿入可能としてなる、実用新案登録請求の範囲第１項に
   記載のプレス金型セツティング用ローラ装置。 ■ ローラホルダ５下部のホルダ押上げ用バネ１２を、
   ホルダ５の下部から形成したバネ内装用孔７の上面１３
   と、ホルダ５とは別体で下部がホルダ係合用孔１の底面
   １３に当接する支持部材１４の上面との間に介装させて
   なる、実用新案登録請求の範囲第１項に記載のプレス金
   型セツティング用ローラ装置。