JP2668318B2 - 扁平タイヤの取外し方法及びその装置 - Google Patents

扁平タイヤの取外し方法及びその装置

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JP2668318B2
JP2668318B2 JP5067568A JP6756893A JP2668318B2 JP 2668318 B2 JP2668318 B2 JP 2668318B2 JP 5067568 A JP5067568 A JP 5067568A JP 6756893 A JP6756893 A JP 6756893A JP 2668318 B2 JP2668318 B2 JP 2668318B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はホイールからタイヤを取
外しする方法及びその装置に関するものであり、上記タ
イヤは扁平タイヤを対象とする。
【0002】
【従来の技術】ホイールからタイヤを取外す場合、一般
にタイヤの着脱装置が用いられて該タイヤ取外し作業の
効率化が図られている。タイヤの着脱方法もタイヤサイ
ズによって違っており、例えばトラック等の大型タイヤ
であれば、ホイールを上記タイヤ着脱装置の回転テーブ
ルに固定した状態でビードローラをタイヤ側面に押圧し
ながら回転するだけで、該タイヤの着脱を行うことが出
来る。しかし、小型乗用車に装着されているタイヤは、
上記大型タイヤのように単にビードローラにて押圧しな
がら回転するだけでは着脱を行ない得ない。これは小型
乗用車タイヤは大型タイヤに比べて柔らかいためで、タ
イヤ側面をビードローラでもって押圧しただけでは該タ
イヤ全体が変形するだけとなり、タイヤのビードをホイ
ールのビード部から外したり、逆にホイールのビード部
へ嵌込むことは出来ないため、タイヤビードをタイヤ爪
に係止してホイールへの着脱作業を行なう。
【0003】すなわち、水平に揺動するアーム端から垂
下するロッドの下端にタイヤ爪を備え、回転テーブルに
は同じくホイールを固定し、該タイヤ爪をタイヤビード
に係止した状態で、ホイール並びにタイヤを回転するこ
とで、タイヤの着脱を行なう。勿論、このように上記回
転テーブルとタイヤ爪を備えたアームを有すタイヤ着脱
装置は従来から知られていて、多方面で利用されている
が、同じ小型乗用車用タイヤであっても、扁平率が50
以下といったタイヤの場合、従来のタイヤ着脱装置を用
いて容易に該タイヤの着脱作業を行うことが出来ない。
【0004】扁平率が50以下のタイヤを装着している
ケースは近年多く、この種のタイヤは一般乗用車用タイ
ヤに比べて剛性が高くなっているため、タイヤ爪をタイ
ヤビードに係止するに際して、普通タイヤであればレバ
ーを使用することにより簡単に行い得るが、上記扁平化
したタイヤはレバーでもってタイヤ爪をタイヤビードに
係止出来ない。無理にレバーを差込むならば、タイヤビ
ード及びホイールをキズ付けてしまう。それにこの種の
タイヤが装着されるホイールは幅広であるために、タイ
ヤビードをホイールのビード部に沿って動かすことも非
常に困難となる。したがって、大きさは小さくても2人
〜3人の作業者がいなければ、該タイヤの着脱を行うこ
とが出来ないのが実状である。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】このように、扁平化
の大きいタイヤの着脱作業には上記のごとき問題があ
る。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であっ
て、普通タイヤと同じように、作業者1人で上記扁平タ
イヤをホイールから取外すことの出来る方法及びその装
置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】扁平タイヤの取外し方法
は、普通タイヤと同じく回転テーブルにホイールを固定
し、一方のタイヤビードをタイヤ爪に係止した状態で回
転しながらホイールから外し、更に他方のタイヤビード
を同じく該タイヤ爪に係止して回転することで、ホイー
ルから取外すものであり、基本工程は同じである。しか
し、扁平化したタイヤは上記のように剛性が高いため、
タイヤビードをタイヤ爪にレバーを用いただけで係止す
ることが出来ない。またホイールのビード部をタイヤビ
ードが移動することも出来ない。
【0007】そこで本発明では、上記タイヤ爪の他にデ
ィマウントローラを用い、ディマウントローラによっ
て、タイヤ側面を押圧しながらタイヤビードをタイヤ爪
に係止する。すなわち、タイヤ側面を押圧することで、
タイヤビードをホイールのドロップ部へ落し、対向側の
タイヤビードに余裕を与えたところで、タイヤ爪に係止
する。タイヤ爪に係止した後は従来と同じように回転し
てホイールから離脱させる。対向する他方のタイヤビー
ドをホイールから外す場合も、ホイールのドロップ部に
該タイヤビードを位置させたところで、タイヤ爪に係止
する訳であるが、タイヤをホイールのビード部に沿って
移動させてドロップ部へ落し込むことが、人手によって
は不可能であるため、同じく上記ディマウントローラを
用いて回転させながらタイヤ側面を押圧し、上記ドロッ
プ部へタイヤビードを落し込む。
【0008】ホイールのドロップ部に落し込まれたタイ
ヤビードはレバーによってタイヤ爪に係止し、その後は
該ホイール及びタイヤを回転させながらタイヤビードを
ホイールから離脱させる。ここで上記ディマウントロー
ラは1本だけ備えることで、その位置を変更してタイヤ
の両側面を押圧可能に構成してもよく、各々の側面を押
圧するための2本のディマウントローラを装着すること
も出来る。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。
【0009】
【実施例】図1a、bは本発明に係る扁平タイヤの取外
し装置を示す実施例である。1は装置本体、2は回転テ
ーブル、3はタイヤ爪、4はディマウントローラを示
す。タイヤ5を装着しているホイール6は、上記回転テ
ーブル2にチャック爪7、7…を介して固定される。チ
ャック爪7、7…は回転テーブル2の半径方向にスライ
ドして、上記ホイール6の大きさがいかようであっても
固定出来る。同図では上記チャック爪7、7…がホイー
ル6の内周面に当接しているが、外周面にも当接して固
定出来る形状となっている。
【0010】本体1の上方へは柱8が起立し、柱8の上
端に設けている受け9に沿って水平棒10はスライド可
能とし、また水平棒10の先端にはスリーブ11を有し
ている。前記タイヤ爪3を下端に取着したロッド12は
上記スリーブ11を上下動することが出来、上記水平棒
10の突出長さ及びロッド12の上下位置を適当に調整
することで、タイヤ爪3を所定の位置に定め得る。位置
決めされたタイヤ爪3は、作業中に動かないように、水
平棒10はロック装置13によって、またロッド12は
ロック装置14によってそれぞれ固定される。このロッ
ク装置はエヤシリンダーのピストンロッドを突出させる
ことで、水平棒10及びロッド12に係止しているプレ
ートを傾斜させて、そのスライドを阻止する構造となっ
ている。
【0011】一方、本体1の側部には別の柱15が起立
し、この柱15に取着したガイドシャフト16にはアー
ム受け台17が上下動可能に装着され、アーム受け台1
7には本体1に下端を止着したエヤシリンダー18のピ
ストンロッドが連結している。よって、エヤシリンダー
18のピストンロッドが突出すれば、アーム受け台17
はガイドシャフト16に沿って上昇する。アーム受け台
17には同図に示すごとくアーム19が揺動可能に支持
されており、アーム19先端に設けたスリーブ20には
ロッド21が上下動調整可能な状態で取着され、そして
ロッド21の下端にはディマウントローラ4を設けてい
る。このディマウントローラ4の位置も、アーム19の
揺動とアーム受け台17の高さ調整でもって自由に変え
ることが出来る。同図のディマウントローラ4はタイヤ
5の下側面22に位置して、該下側面22を押圧した
り、逆にタイヤ5の上側面23に位置して、該上側面2
3を押圧する。
【0012】図2は前記図1の場合と異なって、ホイー
ル6の外周をチャック爪7、7…で固定し、ディマウン
トローラ4はタイヤ5の上側面23を押圧している。タ
イヤ5の下ビード24は、前もってホイール6のビード
部25から外された状態で回転テーブル2に固定され、
ディマウントローラ4はタイヤ5の上側面23を押圧し
て、上ビード26をホイール6のドロップ部27へ落し
込む。上ビード26がドロップ部27へ落し込まれるこ
とによって、対向する反対側の上ビード26には多少の
余裕が生じ、この部分にレバー28を差込んでタイヤ爪
3を係止する。
【0013】扁平化したタイヤ5は上ビード26をドロ
ップ部27へ落し込まないで、タイヤ爪3に係止するこ
とは出来ず、本発明ではディマウントローラ4を利用し
て簡単に上ビード26をドロップ部27へ落し込む。上
ビード26がタイヤ爪3に係止してしまうならば、回転
テーブル2を回して該上ビード26をホイール6から外
してしまう。そして、下ビード24も同じようにタイヤ
爪3に係止した状態で回転テーブル2を回さねばならな
い。
【0014】ところで、図2に示すホイール6のよう
に、ビード部25の幅が狭い場合には、下ビード24も
ドロップ部27に落し込まれているケースが多いが、図
3のようにビード部25の幅が大きい場合には、ディマ
ウントローラ4でもってタイヤ5を押し上げねばならな
い。すなわち、人手によって持ち上げても、扁平タイヤ
の下ビード24をビード部25に沿って動かすことは出
来ないため、タイヤ5の下側面22にディマウントロー
ラ4を当てて押圧しながら回転テーブル2を回す。
【0015】このようにしてタイヤ5を押し上げ、下ビ
ード24がドロップ部27に落し込まれたところで、同
じくレバー28を下ビード24へ差込んでタイヤ爪3に
係止する。そして係止された下ビード24は回転テーブ
ル2の回転とともに、ホイール6から外される。以上述
べたように、本発明に係る扁平タイヤの取外し方法は、
タイヤのビードをタイヤ爪に係止したり、タイヤをビー
ド部に沿って移動させる場合にディマウントローラを用
いるもので、次のような効果を得ることが出来る。
【0016】
【発明の効果】本発明は扁平タイヤを対象とした取外し
方法及びその装置であるが、ディマウントローラを用い
ることで、剛性の高い扁平タイヤ側面を押圧して、タイ
ヤのビードをドロップ部に落し込むことが出来る。した
がって、タイヤビードがホイールのドロップ部に落し込
まれた状態で、対向する反対側のビードをタイヤ爪に係
止してホイールから取外し得る。このように剛性の高い
扁平タイヤであっても、ディマウントローラの使用によ
り、何ら労なくして1人の作業者がタイヤの取外し作業
を行うことが出来、作業性は大幅に向上する。従来のよ
うにタイヤビードにテコを無理に差込んで、タイヤ爪に
係止する必要がなく、よってタイヤビードをキズ付ける
ことはなく、更にホイールの耳部がテコでキズ付けられ
たり、変形するといったことも解消出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る扁平タイヤの取外し装置の実施例
で、aは正面図、bは平面図。
【図2】タイヤの上側面をディマウントローラで押圧し
て、上ビードをタイヤ爪に係止する状態。
【図3】タイヤをホイールのビード部に沿って押し上げ
る状態。
【符号の説明】
1 本体 2 回転テーブル 3 タイヤ爪 4 ディマウントローラ 5 タイヤ 6 ホイール 7 チャック爪 8 柱 9 受け 10 水平棒 11 スリーブ 12 ロッド 13 ロック装置 14 ロック装置 15 柱 16 ガイドシャフト 17 アーム受け台 18 エヤシリンダー 19 アーム 20 スリーブ 21 ロッド 22 下側面 23 上側面 24 下ビード 25 ビード部 26 上ビード 27 ドロップ部 28 レバー

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扁平化したタイヤをホイールから取外し
    する方法において、ホイールを回転テーブルにチャック
    爪を介して固定し、該タイヤの上側面をディマウントロ
    ーラにて押圧してタイヤの上ビードをホイールのドロッ
    プ部へ落し込み、対向する反対側の上ビードにテコを差
    込んでタイヤ爪に係止し、上記回転テーブルを回すこと
    で上ビードをホイールから外し、その後、タイヤの下ビ
    ードがドロップ部に落し込まれていない場合には、該タ
    イヤの下側面にディマウントローラを当てて押し上げ、
    下ビードがドロップ部に落し込まれた状態で上ビードと
    同じようにテコを差込んでタイヤ爪に係止し、上記回転
    テーブルを回すことで下ビードをホイールから取外すこ
    とを特徴とする扁平タイヤの取外し方法。
  2. 【請求項2】 ホイールを回転テーブルに固定する前
    に、タイヤの両ビードをホイールの耳部から外した請求
    項1記載の扁平タイヤの取外し方法。
  3. 【請求項3】 扁平化したタイヤをホイールから取外し
    するために、該ホイールを固定するための回転テーブル
    を有し、また水平移動可能な水平棒の先端にはスリーブ
    を設け、このスリーブには上下動可能なロッドを取付け
    し、そして、ロッド下端にはタイヤのビードに係止する
    タイヤ爪を備え、タイヤを回すことでホイールから取外
    しする装置において、垂直柱には長いアームを揺動出来
    るように取着したアーム受け台を上下動可能に設け、ア
    ーム先端にはスリーブを設けるとともに、該スリーブに
    はロッドを上下動出来るように取付けし、そしてロッド
    下端にはタイヤ爪と対向する側のタイヤの側面に当接し
    て押圧するためのディマウントローラを装着したことを
    特徴とする扁平タイヤの取外し装置。
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