JPS5844575Y2 - 釈放形電磁石装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は一般に電気機器の開閉器または遮断器等にお
ける引外し装置として使用できる耐衝撃性能のすぐれた
釈放形電磁石装置に関するものである。

従来、この種の釈放形電磁石装置においては第１図、第
２図に示すように磁性体からなるＵ字形枠１と蓋枠２と
により磁性枠を形成し、Ｕ字形枠の挟辺に固定鉄心３の
一端が装着され、この固定鉄心３の周囲に引外しコイル
４が巻装されている。

可動鉄心５は一端が固定鉄心３の他端と対応しており、
可動鉄心５の他端は蓋枠２の貫通孔２′を貫通して作動
レバー６に連結されている。

一対の永久磁石７，７′がＵ字形枠１内にて可動鉄心５
の両側に設けられていて、可動鉄心５が固定鉄心３と接
した状態で磁気回路が閉ループとなるように所定位置に
てＵ字形枠１に固着されている。

磁性枠上に設けられた作動レバー支持部材８は作動レバ
ー６を回動軸９により支承し、溝孔１０が設けられてい
て、この溝孔１０内に可動鉄心５と作動レバー６との連
結軸１１が摺動自在に支持されている。

引外しスプリング１２は作動レバー６の一端と磁性枠上
に設けられたスプリング架は部材１３との間に架設され
、常時は可動鉄心５を開離しようとする方向に作用して
いる。

引外しリンク１４は、作動レバー６が引外し位置に回動
することによって引外しリンク１４が開閉器または遮断
器等の開閉機構を崩潰して開路するように引外し部材（
図示しない）と接続されている。

この様に構成された釈放電磁石装置は取付板１５によっ
て所要部分に固着されている。

上述の構成において、第１図のように可動鉄心５は永久
磁石７，７′によって与えられる磁束により引外しスプ
リング１２の作用力に抗して固定鉄心３に吸引保持され
ている。

永久磁石７，７′からの主磁束は永久磁石７，７′から
夫々ギャップを通り、可動鉄心５、固定鉄心３、Ｕ字形
枠１を通って永久磁石７，７′に戻る磁気回路で働き、
可動鉄心５を固定鉄心３に吸引位置に保持するに十分な
強さをもっている。

今、引外しコイル４に上述の永久磁石７，７′が作る磁
束を打ち消す方向に直流電流が附勢されると、吸引力が
）威少して引外しスジ９フフ１２０作用力が吸引力より
大きくなり、可動鉄心５は固定鉄心３から開離して第２
図のように作動レバー６が回動軸９を支点として回動し
、引外しリンク１４を連動して開閉器または遮断器の引
外し部材を作動して開路するようなすものである。

このように構成された従来の釈放形電磁石装置では第１
図に示すように可動鉄心５が固定鉄心３に吸引保持され
た状態で外部矢印方向から衝撃力が加わった場合、この
衝撃力は直接可動鉄心５に伝わり、通常の状態では固定
鉄心３と可動鉄心５の吸引保持力が十分であっても、固
定鉄心３と可動鉄心５の相互の吸引面の接触状態が変化
して、永久磁石７，７′の作る磁気回路に影響し、磁束
が減じて可動鉄心５の吸引保持が出来なくなったときに
、また可動鉄心５に加わる衝撃力が過大で可動鉄心５の
慣性力が吸引保持力を上廻ったときに、第２図のように
可動鉄心３から開離して引外しスプリング１２により作
動レバー６が回動して不用意に開閉器または遮断器の引
外し動作に至らしめる場合があり、一般に釈放形電磁石
装置は引外しコイルを微小電流で励磁することにより釈
放される構造であり、衝撃力に弱く不安定の動作を伴う
等の欠点があった。

従って、この考案の主な目的は従来の釈放形電磁石装置
のもっている衝撃力に弱い点を改善し、少くとも船舶、
艦船において生じる外来の振動や衝撃力に対しても動作
特性に影響を与えない耐衝撃性能のすぐれた釈放形電磁
石装置を提供することにある。

この考案の上述の目的およびその他の目的と特徴は以下
の添付図面に沿っての詳細な説明から一層明らかとなろ
う。

第３図ないし第６図はこの考案の一実施例の釈放形電磁
石装置の側断面図および要部斜視図で、特に第３図は吸
引位置にある状態を示す図で、第４図は引外し位置にあ
る状態を示す図、第５図は吸引位置にあって矢印方向の
衝撃力が加わった場合の状態を示す図で、第６図は要部
分解斜視図である。

以下に図面を参照してこの考案を具体的に説明するが、
前述の第１図ないし第２図と同等部分には同一符号を付
してここではその要部についてのみ説明する。

固定鉄心３は細径部３′を有するよう段付状に形成され
ている。

磁性材料からなる固定鉄心ガイド部材１６はＵ字形枠１
の挟辺に設けられた貫通孔１′に嵌合する円筒状の段付
突起部１６ ａを一端に有しており、中心部に段付突起
部側から段付状の貫通孔１７が固定鉄心３の大径部のガ
イド孔１７ ａおよび固定鉄心３の細径部３′が突出す
るガイド孔１７ｂが連続して設けられている。

ワッシャーとナツトとから戊るバネ架は部材１８が固定
鉄心細径部３′の突出端に装着されており、スプリング
からなる第２の弾性部材１９が固定鉄心３の細径部３′
を貫挿して、固定鉄心３の一端に装着されたバネ架は部
材１８と固定鉄心ガイド部材１６の端部との間に架設さ
れている。

固定鉄心３用のゴム等からなる第１の弾性部材２０が固
定鉄心ガイド部材１６の段付貫通孔１７の内部膜棚部に
装着される。

次に第３図ないし第５図を参照してこの考案の一実施例
による釈放形電磁石装置の動作について説明すると、先
づ第３図のように可動鉄心５は永久磁石７，７′によっ
て与えられる磁束によって引外しスプリング１２の作用
力に抗して固定鉄心３に吸引保持され、作動レバー６は
通常の位置に保持される。

この状態で引外しコイル４に永久磁石７゜７′が作る磁
束を打ち消す方向に直流電流が附勢されると、吸引力が
減少して可動鉄心５は引外しスプリング１２の作用力に
より固定鉄心３から開離して第４図の状態となり、作動
レバー６は引外し位置へ回動する。

また、第３図のように可動鉄心５が固定鉄心３と吸引状
態にあるとき、第５図のように矢印方向の衝撃力が加っ
た場合には、衝撃力は第２の弾性部材１９を介して固定
鉄心３と可動鉄心５とに加わるために、この衝撃力は大
幅に減少され、更に可動鉄心５の受ける慣性力が吸引保
持力を土建るような強大な衝撃力に対しても固定鉄心３
が第２の弾性部材１９を圧縮して可動鉄心５と共に動き
、固定鉄心３と可動鉄心５との吸引状態は変化せずに保
持される。

また、永久磁石７，７′から夫々のギャップを通り可動
鉄心５、固定鉄心３、Ｕ字形枠１を通って永久磁石７，
７′に戻る主磁束は固定鉄心３が通常の位置にあっても
衝撃によって可動鉄心５と共に動かされた位置において
も固定鉄心３とＵ字形枠１との間は磁性材料からなる固
定鉄心ガイド部材１６を介して磁束の変化がないように
構成されるために、外来の衝撃力が加えられても可動鉄
心５は固定鉄心３と吸引状態が変化しないように保持す
るものである。

また、第５図の矢印と反対方向の衝撃力に対しては固定
鉄心ガイド部材１６の段付貫通孔１７の内部膜棚部に装
着した第１の弾性部材２０によりこの衝撃力を吸収し、
その反作用によって可動鉄心５が固定鉄心３より開離し
ようとする作用力が緩和される。

以上のように一対の磁性体により形成された磁性枠に磁
気通路を形成するように取付けられた段付貫通孔１７を
有する固定鉄心ガイド部材１６と、この固定鉄心ガイド
部材１６の段付貫通孔１７の段棚部に第１の弾性部材２
０を装着し、この段付貫通孔１７に細径部３′を有する
固定鉄心３を貫挿して、固定鉄心の細径部３′の導出部
に第２の弾性部材１９を設け、固定鉄心３を第１、第２
の弾性部材２０゜１９により支持したものであるので、
固定鉄心３と可動鉄心５とが吸引状態にあるときに、外
部で発生する衝撃力による両鉄心３，５間の開離作用に
対して、固定鉄心３が第１、第２の弾性部材２０．１９
の何れかを圧縮して衝撃力を緩和し、可動鉄心５を吸引
状態に保持するので、強力な衝撃力を受けても動作特性
の変化しないすぐれた耐衝撃性能をもつことができる等
の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来の釈放形電磁石装置の側断面図で
第１図は吸引位置にある状態を示し、第２図は引外し位
置にある状態を示す図、第３図ないし第６図はこの考案
の一実施例の釈放形電磁石装置の側断面図および要部斜
視図で、第３図は吸引位置にある状態を示す図、第４図
は引外し位置にある状態を示す図、第５図は吸引位置に
あって矢印方向の衝撃力が加わった場合の状態を示す図
、第６図は要部分解斜視図である。 図中、１・・・・・・Ｕ字形枠、２・・・・・・蓋枠、
３・・・・・・固定鉄心、３′・・・・・・細径部、４
・・・・・・引外しコイル、５・・・・・・可動鉄心、
６・・・・・・作動レバー、７，７′・・・・・・永久
磁石、８・・・・・・作動レバー支持部材、１０・・・
・・・溝孔、１２・・・・・・引外しスプリング、１４
・・・・・・引外しリング、１６・・・・・・固定鉄心
ガイド部材、１７・・・・・・貫通孔、１７ ａ 、１
７ ｂ・・・・・・ガイド孔、１８・・・・・・バネ架
は部材、１９．２０・・・・・・弾性部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対の磁性体により形成された磁性枠と、この磁性枠内
   で対応する段付状の固定鉄心および可動鉄心と、この可
   動鉄心が前記固定鉄心に対して開離方向に作用するよう
   に設けられた引外しスプリングと、前記可動鉄心が固定
   鉄心に接した状態で前記引外しスプリング力に打ちかつ
   て前記両方の鉄心が相互に吸引保持する磁気回路を形成
   するよう可動鉄心の両側に置かれた一対の永久磁石と、
   これら永久磁石がつくる磁束を打ち消す方向に附勢する
   よう前記固定鉄心を巻回する引外しコイルと、前記固定
   鉄心の一端に設けられて固定鉄心を細径部と大径部とか
   ら成るよう形成する段付部と、前記磁性枠に取付けられ
   た前記固定鉄心の僅かな動きを案内し且つ磁束通路を形
   成する段付貫通孔を有し固定鉄心の細径部が段付貫通孔
   の小孔部分に嵌合するよう固定鉄心が段付貫通孔を貫挿
   している固定鉄心ガイド部材と、前記段付貫通孔の段棚
   部に設けられた第１の弾性部材と、前記固定鉄心の細径
   部の前記固定鉄心ガイド部材と前記第１の弾性部材を貫
   通して外方に導出した部分に設けられた第２の弾性部材
   とから構成され、前記固定鉄心を前記第１、第２の弾性
   部材を介して取付け、前記固定鉄心ガイド部材の段付貫
   通孔の段棚部をこれら第１、第２弾性部材にて挾持し、
   且つ第１弾性部材が前記固定鉄心ガイド部材の段棚部と
   前記固定鉄心の段付部に挟持され、前記第２弾性部材は
   両端が前記固定鉄心ガイド部材と前記固定鉄心のバネ架
   は部材とに係合して押圧力をバネ架は部材を介して固定
   鉄心に作用することを特徴とする釈放形電磁石装置。