JP2015028979A - 電磁石装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この電磁石装置において、可動鉄心又は中央脚の少なくとも一方の中心部を空隙とし、外周部に永久磁石が発生する磁束を集中して流すことで、吸引状態で永久磁石の磁束が、前記対向面で鉄心周辺部に集中して流れるので、開極速度が上がる(例えば、特許文献1参照)。
又、永久磁石の周囲に直接に開極用電磁コイルを巻回し、開極用電磁コイルの発生する磁束を永久磁石に加えると、永久磁石が減磁して可動鉄心と固定鉄心の間の吸引保持力が低下し、開閉装置の安定した閉極保持の妨げになっていた。
この発明は上記のような問題を解決するために、固定鉄心と可動鉄心の対向部に電磁コイルを配置して、永久磁石の磁束を電磁コイルの磁束で効果的にキャンセルできるようにしたものである。
なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当部分を示す。
図1は、この実施の形態1における電磁石装置を採用した開閉装置の断面図、図2〜5は電磁石装置の概念を示し、且つ動作を説明するための説明図である。
以下、図1〜5に基づいて実施の形態1を説明する。
図1において、実施の形態1における電磁石装置を採用した開閉装置は、固定接点1と可動接点2を有する真空バルブ3と、真空バルブ3の可動接点2を固定接点1に接離する方向へ変位させる電磁石4と、真空バルブ3と電磁石4とを連結する連結装置5と、可動接点2を固定接点1から離れる方向へ附勢する附勢体である開極ばね6とを有している。
又、開極側プレート13より外側に突出した駆動軸9の先端部側には、ばね受け16が固着されており、開極側プレート13とばね受け16との間の駆動軸9の軸部に、先に説明した開極ばね6(附勢体)が挿入されている。開極ばね6は、例えば圧縮されたコイルばねであり、開極側プレート13とばね受け16との間で軸方向Yに弾性反発力を発生している。
固定鉄心7及び可動鉄心8は、薄板を積層して構成されている。
固定鉄心7は、軸方向Yに対して直交方向に延びる横鉄心である第1固定鉄心部材7aと、この第1固定鉄心部材7aの端部両側に並設され且つこの第1固定鉄心部材7aによって各永久磁石11を介し連結されると共に当該端部から軸方向Yに延びる一対の縦鉄心である第2固定鉄心部材7bとによってコ字形に構成されている。
又永久磁石11は、上記のように第1固定鉄心部材7aの両端部と第2固定鉄心部材7bの連結部である固定鉄心7の中間部に介在している。更に又、固定鉄心7は、その板面の両側、すなわち積層方向の両面から支柱12で挟まれて支柱12に締め付けて固定されている。
なお、固定鉄心7、可動鉄心8の材料としては、透磁率の高い磁性材料であればよく、例えば鋼材、電磁軟鉄、珪素鋼、フェライト及びパーマロイ等が挙げられる。
又、駆動軸9の材料としては、透磁率の低い材料(低磁性材料)、例えばステンレス等が用いられている。
又この永久磁石11は、可動鉄心8を前進位置に保持する保持用磁束を発生するものであり、二つの磁性体(可動鉄心8と固定鉄心7)が、移動方向に垂直な面で接触し、移動方向と同じ方向の磁束が発生している時に、永久磁石11の吸引力が発生する。
又この閉極用電磁コイル10は、可動鉄心8を後退位置から前進位置に移動させる閉極動作時において、一時的に通電されると図5に示すように固定鉄心7及び可動鉄心8を通る磁束Φ10を発生し、可動鉄心8の吸引力として作用する(後述)。
この実施の形態1では、この開極用電磁コイル101は、永久磁石11と離間した位置であって、固定鉄心7と可動鉄心8とが対向する次の3か所に配置されている。
すなわち、開極用電磁コイル101は、可動鉄心の分岐鉄心部材8bと第2固定鉄心部材7bとがそれぞれ対向する近傍の2箇所、及び可動鉄心の基幹鉄心部材8aと第1固定鉄心部材7aとが対向する近傍の1箇所にそれぞれ次のように配置され永久磁石11の磁束Φ11をキャンセルする。
又、上記2箇所の開極用電磁コイル101は、図2、図3に示すように可動鉄心8が前進位置に変位し、分岐鉄心部材8bの第2可動面8b2が、第2固定鉄心部材7bの第2固定面7b2に小間隙を介し最接近した時、この接近部(固定鉄心7と可動鉄心8の対向部)の近傍であり且つ第2固定鉄心部材7bをそれぞれ囲む状態で第2固定鉄心部材7bにそれぞれ巻回されている。
電磁石4は、板状の支持部材19に取付支柱20を介して支持されている。
真空バルブ3の可動接点2に固定された可動電極棒3bと電磁石4の駆動軸9とを連結する連結装置5は、可動電極棒3bに連結された絶縁ロッド21と、その絶縁ロッド21と駆動軸9との間に介在させた接圧装置22と、絶縁ロッド21に接続した連結棒21aが支持部材19を貫通する部分おいて、ガス容器の一部である支持部材19に対して連結棒21aが気密を保って移動可能なように、連結棒21aと支持部材19を繋いで設けられたベローズ23と、を有している。なお、ベローズ23は、支持部材19の構成によっては、不要の場合もある。
図1では、電磁石4の軸線と、真空バルブの軸線とを一直線に合わせたものを示しているが、連結装置5部にレバー等を介在させて方向を変換した構成でも良い。
まず、閉極動作について説明する。
図1において、可動接点2が固定接点1から離れた開極状態にあるときは、可動鉄心8は開極ばね6の附勢力で後退位置にある。
閉極のため、制御基板(図示せず)から閉極用電磁コイル10へ通電されると、図5に示すように固定鉄心7及び可動鉄心8を通る磁束Φ10を発生し、可動鉄心8が固定鉄心7に吸引され、開極ばね6の荷重に逆らって、後退位置から前進位置に向かって変位する。これにより、可動接点2は、固定接点1に向かって移動する。
圧縮ができなくなると、閉極動作に支障を来すことになるので、これを阻止するためにタイムラグをもたせてある。
可動鉄心8が前進位置に達すると、図2に示すように、可動鉄心8と固定鉄心7が、移動方向に垂直な面で接触することにより永久磁石11の吸引力が発生し、閉極用電磁コイル10の消勢後も永久磁石11の保持用磁束Φ11によって固定鉄心7に対する可動鉄心8の吸引状態が保持され前進位置が保持される。
固定接点1と可動接点2の開極は、可動鉄心8の前進位置の保持を解除することで行われる。
可動鉄心8を前進位置に保持するための吸引保持力は、前記したように図2に示す永久磁石11の磁束Φ11が通過している第1可動面8a1と第1固定面7a1、及び第2可動面8b2と第2固定面7b2の各対向部で発生している。
この後、可動鉄心8の後退位置に向かう変位が進むと、外れ止め板25がばね枠24に係合される。これにより、可動接点2は固定接点1から離れる方向に変位する。可動鉄心8が更に変位して開極側プレート13に当接して密着し、図1、図4に示す後退位置に達することで開極動作が完了する。
開極動作を開始すると開極用電磁コイル101の磁束Φ101は、永久磁石11の磁束Φ11が通過している第1可動面8a1と第1固定面7a1、及び第2可動面8b2と第2固定面7b2の各対向部で永久磁石11による磁束Φ11をキャンセルすると共に開極途中の経路で可動鉄心8に影響(可動鉄心8と固定鉄心7の距離に応じた吸引力)する永久磁石11の磁束Φ11をキャンセルしている。
又、開極途中の経路における可動鉄心8は、永久磁石11の磁束Φ11による吸引力を受けないので、温度によって変化する永久磁石11の磁束量変化の影響を受けることがない。
従来の技術では、可動鉄心8の開極速度に対する永久磁石の影響は、回避できなかったが、この実施の形態1では温度の変化に影響されず安定した開極速度を得ることができる。
永久磁石の周囲に開極用電磁コイルを直接巻回し、開極用電磁コイルの発生する磁束を永久磁石に加える構成の場合は、永久磁石が減磁して可動鉄心と固定鉄心の間の吸引保持力が低下するため、開閉装置の安定した閉極保持の妨げとなる欠点がある。
又、開極用電磁コイル101と永久磁石11の距離を、開極用電磁コイル101外周の短辺側の距離以上離すことで、距離効果が大きくなり、有効に減磁を抑制できる。
又、可動鉄心8は、温度によって変化する永久磁石11の磁束量変化の影響を受けることがなく、永久磁石11の温度変化に影響されない安定した開極速度を得ることができる。更に、永久磁石11は、固定鉄心7と可動鉄心8との各対向部から離間した位置に配置できるので、開閉装置の閉極保持力を安定化することができる。
これは、開極用電磁コイル101の磁束Φ101が電磁コイルの軸方向に離れると、磁束が広がり、吸引力が急速に低下するためである。(図3、図4に示すとおり、開極用電磁コイル101の磁束は、開極用電磁コイル101の周辺の磁束が強い。)。
3b:可動電極棒、 4:電磁石、 5:連結装置、 6:開極ばね、
7:固定鉄心、 7a:第1固定鉄心部材、
7a1:第1固定鉄心部材7aの第1固定面、
7b:第2固定鉄心部材、 7b2:第2固定鉄心部材7bの第2固定面、
8:可動鉄心、 8a:基幹鉄心部材、 8a1:基幹鉄心部材8aの第1可動面、
8b:分岐鉄心部材、 8b2:分岐鉄心部材8bの第2可動面、 9:駆動軸、
10:閉極用電磁コイル、 101:開極用電磁コイル、 11:永久磁石、
12:支柱、 13:開極側プレート、 14:閉極側プレート、
15a、15b:軸受、 16:ばね受け、 18:ボルト、 19:支持部材、
20:取付支柱、 21:絶縁ロッド、 22:接圧装置、 23:ベローズ、
24:ばね枠、 25:外れ止め板、 26:接圧ばね。
Claims (6)
- 可動接点と固定接点を有する開閉器、この開閉器の可動接点と連結された可動鉄心、
この可動鉄心に間隙をおいて巻装され上記可動接点と上記固定接点との閉極動作時に、上記可動鉄心を閉極方向に移動させる閉極用電磁コイル、上記可動鉄心と対向するように配置されると共に上記可動鉄心を接離させる固定鉄心、及びこの固定鉄心に配置されこの固定鉄心に上記可動鉄心が当接した時、この可動鉄心を当該位置に保持する磁気吸引力を発生する永久磁石を備え、上記可動鉄心と上記固定鉄心との対向部の近傍に、開極用電磁コイルを配置したことを特徴とする電磁石装置。 - 上記可動鉄心と上記固定鉄心との対向部の近傍すべてに開極用電磁コイルを配置したことを特徴とする請求項1に記載の電磁石装置。
- 上記永久磁石は、上記可動鉄心と上記固定鉄心との対向部から離間した上記固定鉄心の内部に配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電磁石装置。
- 上記固定鉄心は、両側に並設した一対の第1固定鉄心部材と、この両第1固定鉄心部材を連結する第2固定鉄心部材とによってコ字形に形成され、且つ上記可動鉄心は、中央の基幹鉄心部材と、この基幹鉄心部材から両側に延びた一対の分岐鉄心部材とによってT字形に形成され、上記分岐鉄心部材を上記両第1固定鉄心部材にそれぞれ対向、接離させると共に上記基幹鉄心部材を上記第2固定鉄心部材に対向、接離させ、上記永久磁石は、上記第1固定鉄心部材と上記第2固定鉄心部材間の連結部に介在させたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電磁石装置。
- 上記開極用電磁コイルは、上記永久磁石と離間した位置であって、上記可動鉄心の分岐鉄心部材と上記第1固定鉄心部材とがとそれぞれ対向する近傍、及び上記可動鉄心の基幹鉄心部材と上記第2固定鉄心部材とが対向する近傍のすべてに、それぞれ配置したことを特徴とする請求項4に記載の電磁石装置。
- 上記開極用電磁コイルの中心軸方向のコイル長は、上記可動鉄心往復動方向の移動距離の50%以下としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電磁石装置。
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