JP4580814B2 - 電磁アクチュエータ - Google Patents

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本発明は、例えば真空バルブを操作ロッドにより開閉操作する操作機構に用いられる電磁アクチュエータに関する。
一般に、真空遮断器や真空開閉器などの開閉器において開路或いは閉路操作を行うための操作機構としては、電磁アクチュエータが使用されている。すなわち、上記電磁アクチュエータを用いた真空遮断器および開閉器は、永久磁石とソレノイドコイルを動力源として、メインシャフト等の連結部品を介して主回路接点である真空バルブ可動軸を動かし、電路の開閉を行うものである。
図6は、上記電磁アクチュエータを用いた真空遮断器および開閉器の構造を示すものであって、それぞれ左に開路状態、右に閉路状態を示す。図6に示すように、電磁アクチュエータは、磁路を構成する円筒状のヨーク1と、非磁性体からできている操作ロッド2とともにヨーク1内を上下に可動するように設けられた磁性体であるアーマチュア3と、そのアーマチュア3を可動もしくは閉路保持するための永久磁石4と、その永久磁石4の下面に配設されたコア5と、上記永久磁石4、コア5及びアーマチュア3の外周に配置され、ヨーク内の磁束を増減させる閉路コイル6aおよび開路コイル6bとから構成されている。
上記操作ロッド2の上端には連結部材7が装着されており、その連結部材7にワイプばね装置8が連結されている。上記ワイプばね装置8のワイプばね8aには真空バルブ可動軸9が連結されており、その真空バルブ可動軸9に真空バルブ10の可動側接触子10aが固着され、上記真空バルブ可動軸9の上下により上記真空バルブ10の可動側接触子10aが固定側接触子10bに接触或いは離間され、閉路或いは開路されるようにしてある。さらに、閉路時には、上記ワイプばね8aにより真空バルブの可動側接触子10aが固定側接触子10bに対して加圧されるように構成されている。また、上記連結部材7には、真空バルブの可動側接触子10aを開極した際に開路状態を保持するための力が開路ばね11により加えられている(特開2002−270423号公報参照)。なお、図中符号12はヨーク1の開放端部を密閉するように設けられた非磁性材からなるストッパプレートである。
しかして、上記開閉器の開閉動作は、次のように行われる。開路状態で閉路指令が入力されると、永久磁石4による磁束とともに閉路コイル6aの励磁による永久磁石4の磁束と同方向の磁束が生じ、アーマチュア3がコア5とアーマチュア3のギャップ13を縮める方向に吸引される。これにより、アーマチュア3とともに真空バルブ可動軸9と連結されている操作ロッド2が押上げられ、可動側接触子10aが固定側接触子10bに接触され、開閉器は閉路状態となる。閉路状態では、閉路コイル6aは無励磁であり、閉路保持は永久磁石4による磁力のみである。
一方、閉路状態で開路指令が入力されると、永久磁石4による磁束とともに開路コイル6bの励磁による永久磁石4の磁束と逆方向の磁束が生じる。そのため、ヨーク1やコア5等により構成されている磁路内の磁束が減少し、ワイプばね8aおよび開路ばね11による開路方向荷重の作用により、アーマチュア3が開路方向に移動する。これにより、アーマチュア3とともに操作ロッド2が引下げられ、開路状態となる。
このような構造により、アーマチュア3の動きと真空バルブ可動側接触子10aの動きが連動し、真空遮断器や真空開閉器などの開閉器の開閉操作が行われる。
特開平2002-270423号公報
ところが、前記のような電磁アクチュエータにおいては、閉路コイルを励磁することにより、ギャップに磁束を発生させ、アーマチュアを閉路方向に動作させるものであり、電磁アクチュエータを小型化した場合、ギャップの断面積も小さくなる。一方、吸引力は断面積に比例するため、断面積が小さくなると吸引力が弱くなり、同じ力を得るためにコイル電流が増加し、大きな電力が消費されるという問題があった。
本発明は、このような点に鑑み、電磁アクチュエータを小型化した場合においても大きな力を発生させることのできる電磁アクチュエータを得ることを目的とする。
本発明は、磁路を形成するためのヨークと、このヨーク内を可動するように設けられたアーマチュアと、このアーマチュアを可動もしくは閉路保持させておく永久磁石と、上記永久磁石の一端面に設けられ、上記アーマチュアと対向するコアと、前記ヨーク内の磁力を増減させるためのソレノイドコイルとを有する電磁アクチュエータにおいて、上記アーマチュアにおける前記コアと対向する部分に、その断面積がアーマチュア中央部の断面積よりも大きい大径部が形成されていることを特徴とする。
本発明は、アーマチュアにおける前記コアとは反対側に、上記アーマチュアの側面に対向するようにヨークの内周面から突設されたヨーク凸部の端面と対向するフランジ状部を形成するとともに、上記アーマチュアの側面と上記ヨーク凸部の内周面とのギャップが、開閉器の可動側接触子を加圧するワイプばねに負荷がかかる直前における、ヨーク凸部と上記アーマチュアのフランジ状部間のギャップ寸法よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする。
本発明は、前記アーマチュアの大径部とヨーク凸部とのギャップを、アーマチュア側面とヨーク凸部とのギャップよりも大きくなるように形成したことを特徴とする。
本発明は、永久磁石の断面積が、アーマチュアと対向する永久磁石の端部に存在するコアの断面積よりも小さく形成されていることを特徴とする。
本発明は、開閉器において、上記記載の電磁アクチュエータを備えていることを特徴とする。
本発明は、上述のように構成したので、電磁アクチュエータを小型化した場合においても、電流を増加させることなくアーマチュアに発生する吸引力を大きくすることができる、しかも、アーマチュアの軽量化を図ることができ、アーマチュアの動作速度を大きくすることができる。
以下、図1乃至図5を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図6と同一部分については同一符号を付しその詳細な説明は省略する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における電磁アクチュエータを有する開閉器の断面図であって、それぞれ左に開路状態、右に閉路状態を示す。
開閉器の開閉を行う真空バルブの可動接触子を可動させるための操作ロッド2を動かす原動力である電磁アクチュエータの構造は、ヨーク1、コア5およびアーマチュア3の磁路を構成する磁性構成物と、ストッパプレート12および操作ロッド2の非磁性構成物と、永久磁石4と、閉路コイル6aおよび開路コイル6bの磁束を発生させる動力発生部品から構成されている。電磁アクチュエータの全体形状は円筒形であり、それに合わせるように構成部品は円筒形状である。操作ロッド2には、閉路時に真空バルブの固定側接触子10bと可動側接触子10aとを加圧するために設けられたワイプばね装置8が取付けられており、そのワイプばね装置8のワイプばね8aが真空バルブ可動軸9に連結されている。
磁路を構成するヨーク1は、磁気漏洩を少なくするために円筒構造となっている。ヨーク1の内周面には周方向に延びるヨーク凸部20が突設されている。電磁アクチュエータのヨーク1内中心軸線上には、アーマチュア21を可動させ、もしくは閉路保持するための永久磁石4が配置され、その永久磁石4の下部には、吸引力を発生する吸着面であるコア5が設けられている。また、上記永久磁石4及びコア5を貫通する操作ロッド2にはコア5と対面するようにアーマチュア21が設けられており、そのアーマチュア21が操作ロッド2とともにヨーク1内で上下に移動可能になっている。また、ヨーク1の内周面には、永久磁石4、コア5およびアーマチュア21の周囲を囲むように閉路コイル6aおよび開路コイル6bが配置され、これらを励磁することにより、ヨーク1、コア5およびアーマチュア21内の磁束を増減させてアーマチュア21を上下に可動させる構造となっている。
上記アーマチュア21の前記コア5と対向する上端部には、その断面積がアーマチュア21の中央部21aの断面積よりも大きい大径部21bが形成されており、また、上記アーマチュア21におけるコア5と反対側には、上記アーマチュア21の側面に対向するようにヨーク1の内周面から突設された周方向に延びるヨーク凸部20の下端面と対向するフランジ状部21cが形成されている。
そこで、この電磁アクチュエータにおいては、閉路コイル6aを励磁させることによりコア5とアーマチュア21の大径部21bとの間のギャップ23a、およびヨーク凸部20とフランジ状部21cとの間のギャップ23bに吸引力を発生させることで、アーマチュア21をギャップ23aおよび23bを縮める方向に動作させ、開閉器を開路状態にさせる。 ところで、電磁アクチュエータを小型化することを考慮した場合、ギャップ23aにおけるアーマチュア上部の断面積が小さくなることが考えられる。ところが、アーマチュア21に発生する吸引力はこの断面積に比例し、ソレノイドコイル起磁力の2乗に比例する。そのため、断面積が小さくなるとこの吸引力が減少する。そこで、吸引力を維持するにはソレノイドコイルの起磁力が増加し、すなわちコイル電流が増加し、制御回路等の電流容量を大きくしなければならず、コストが増加する等の問題がある。
このようなことから、本実施の形態においては、アーマチュア21の中央部21aに比べアーマチュア21の上部に、中央部21aの断面積より大きな断面積を有する大径部21bが設けられている。こうすることにより、ギャップ部23aの断面積を大きくすることができ、大きな吸引力を発生させることができる。そのため、電流を増加させることなくアーマチュア22に発生する吸引力を大きくすることができる。また、アーマチュア中央部21aの断面積をアーマチュア上部の大径部21bの断面積よりも小さくすることにより、アーマチュア21の軽量化につながり、アーマチュアの動作速度を大きくすることができる。
図2に真空遮断器の一般的な負荷特性を示す。開閉器には可動側接触子10aが通電電流等の電磁反発力により開かないよう、可動側接触子10aを加圧するためのワイプばね8aが設けられている。そのため、可動接触子10aが固定側接触子10bに接触すると上記ワイプばね8aが作動し、電磁アクチュエータには図2に示すように階段状の負荷がかかることとなる。そこで、電磁アクチュエータには、このワイプばね8aの力に打ち勝つ力が必要とされる。
図3に、アーマチュア動作時の磁気回路を示す。図3(a)に示すように、ヨーク1の凸部20とフランジ状部21cとの間のギャップ23bがアーマチュア中央部21aの外側面とヨーク凸部20の内周面とのギャップaより大きい部分では、磁束は上記ヨーク凸部20からアーマチュア中央部21aへ向かう磁気回路Aを通り、吸引力は中央ギャップ23aに発生する力のみである。一方、図3(b)に示すように、ヨーク凸部20とフランジ状部21cとの間のギャップ23bがアーマチュア中央部21aの外側面とヨーク凸部20の内周面とのギャップaより小さい部分では、磁束はヨーク凸部20からアーマチュア21のフランジ状部21cへ向かう磁気回路Bを通ることになり、ギャップ23aでの吸引力とともに下部のギャップ23bにおいても吸引力が発生する。
しかして、中央ギャップ23aおよび下部ギャップ23bの2段で吸引力が発生することにより、大きな力を発生させることができる。
そこで、本発明の第2の実施の形態における電磁アクチュエータは、アーマチュア21の側面とヨーク凸部20とのギャップaを、ワイプばね8aに負荷がアーマチュア21にかかる直前におけるヨーク凸部20とアーマチュア21のフランジ状部21cとの間のギャップよりも大きくすることにより、ワイプばね8aの負荷がアーマチュア21にかかる直前になると2段分の吸引力が発生し、アクチュエータに大きな吸引力を発生させることができる。しかして、アクチュエータ21をワイプばね8aの力に抗して確実に作動させることができる、。
また、図4に示すように、開閉器が開極状態の時にアーマチュア21の大径部21bとヨーク凸部20との間のギャップbが、アーマチュア21の側面とヨーク凸部20とのギャップaより小さくなるようなものにおいては、この状態において投入動作時に閉路コイル6aを励磁した際には、永久磁石4の発生する磁束は、ヨーク凸部20からアーマチュア21の大径部21bへ向かう磁気回路Cを通ることとなり、アーマチュア21をコア5と反対の下方向に移動させる吸引力が発生することとなる。そのため、アーマチュア21を可動接触子を閉方向に動作させるのに要する力が大きくなり、コイル電流が増加してしまう。
そこで、本発明においては、図1等に示すように、アーマチュアの大径部21bとヨーク凸部20とのギャップbが、アーマチュア21の側面とヨーク凸部20とのギャップaよりも大きくなるように形成されている。しかして、可動接触子を閉方向に作動させる場合には、磁束は上記ヨーク凸部20からアーマチュア中央部21aへ向かう磁気回路を通り、アーマチュア21を下方向へ向かう吸引力が発生することはない。すなわち、ギャップbをギャップaより大きくすることにより、下方向への吸引力を減少させ、コイル電流を増加させないようにすることができる。
図5は、本発明の他の実施の形態を示す図であり、永久磁石4の断面積が、アーマチュア21と対向する上記永久磁石4の端部に存在するコア5の断面積よりも小さく形成されている。しかして、この実施の形態においては、アーマチュア21の大径部21bの断面積をアーマチュア中央部21aの断面積よりも大きくしたことによる効果に加え、コア5の断面積を変えずに永久磁石4の断面積を小さくすることで、永久磁石4の使用量を最小限に抑えることができ、コストの低減を図ることができる。また、コア5の断面積が変化しないため、投入動作時のギャップ23aにおける吸引力も低下することはない。
本発明の電磁アクチュエータを有する開閉器の断面図。 真空遮断器の一般的な負荷特性を表す図。 (a)、(b)はそれぞれ図1のギャップ部の磁気回路を説明する図。 開閉器が開極状態の時にギャップbがギャップaより小さい場合における磁気回路の説明図。 本発明の第2の実施の形態を示す断面図。 従来の電磁アクチュエータを有する開閉器の断面図。
符号の説明
1 ヨーク
2 操作ロッド
4 電磁石
5 コア
6a 閉路コイル
6b 開路コイル
8 ワイプばね装置
8a ワイプばね
10a 可動側接触子
10b 固定側接触子
20 ヨーク凸部
21 アーマチュア
21a アーマチュア中央部
21b 大径部
21c フランジ状部
23a、23b ギャップ

Claims (1)

  1. 磁路を形成するためのヨークと、このヨーク内を可動するように設けられてワイプばねに連結されたアーマチュアと、このアーマチュアを可動もしくは閉路保持させておく永久磁石と、記永久磁石の一端面に設けられ、記アーマチュアと対向するコアと、前記ヨーク内の磁力を増減させるためのソレノイドコイルとを有し、
    記アーマチュアには前記コアと対向する一方端部に、その断面積がアーマチュア中央部の断面積よりも大きい大径部形成し、他方端部にその断面積がアーマチュア中央部の断面積よりも大きいフランジ状部を形成し、
    前記ヨークには、前記アーマチュアの側面に対向するとともに、内周面から突出したヨーク凸部を突設し、
    前記アーマチュアが移動してワイプばねが圧縮される直前において、前記アーマチュアの側面と前記ヨークの内周面との間の半径方向のギャップは、前記ヨーク凸部とフランジ状部との間のアーマチュアの移動方向のギャップよりも大きいことを特徴とする、電磁アクチュエータ。
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