JP4901642B2 - 電磁石装置、及び電磁操作開閉装置 - Google Patents

電磁石装置、及び電磁操作開閉装置 Download PDF

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Description

この発明は、電磁コイルへの通電により可動鉄心を固定鉄心に対して変位させる電磁石装置、及び電磁石装置の駆動力によって接点を開閉する電磁操作開閉装置に関するものである。
従来、開閉装置の接点を開閉するために、電磁石装置が用いられることがある。電磁石装置では、可動鉄心が固定鉄心に対して変位可能になっている。接点は、可動鉄心が固定鉄心から離れることにより開き、可動鉄心が固定鉄心に近づくことにより閉じる。
可動鉄心は、プランジャと、可動鉄心の変位方向について、プランジャの端部に固定された円盤状鋼板とで構成されている。固定鉄心は、プランジャが内部に挿入された鋼管と、鋼管内に取り付けられ、可動鉄心の変位方向についてプランジャの端部に対向する凸型鋼材と、鋼管内に取り付けられ、プランジャの側面に内周面が対向するリング状鋼材とで構成されている。
リング状鋼材には、接点が閉じた状態を保持するための磁束を発生する永久磁石が固定されている。永久磁石は、可動鉄心の変位方向についてN極及びS極のいずれかのみが円盤状鋼板に対向するように配置されている。即ち、永久磁石が円盤状鋼板に対向する部分では、永久磁石の磁束の方向が可動鉄心の変位方向とほぼ同じになっている。
また、固定鉄心内には、プランジャが内側に挿入された環状のコイルが設けられている。コイルは、凸型鋼材とリング状鋼材との間に配置されている。また、コイルは、接点が閉じた状態での可動鉄心の吸引保持を解除するために永久磁石の磁束に逆らう磁束を発生し、接点が開いた状態から接点を閉じるために永久磁石の磁束と同じ方向の磁束を発生する(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−222438号公報
可動鉄心が吸引保持されているときの円盤状鋼板と、永久磁石が設けられたリング状鋼材との間の間隔が、リング状鋼材の内周面とプランジャの側面との間の隙間よりも狭くなる場合には、コイルの磁束が永久磁石を通ることになるので、永久磁石が減磁してしまう。
従って、永久磁石の減磁の進行を抑制するために、上記の従来の電磁石装置では、可動鉄心が吸引保持されているときの円盤状鋼板とリング状鋼材との間の間隔を、リング状鋼材の内周面とプランジャの側面との間の隙間よりも広くしている。
しかし、電磁石装置の使用による可動鉄心の摩耗等により、円盤状鋼板と永久磁石との間の隙間が減少するので、衝突防止のため摩耗量を考慮して、円盤状鋼板と永久磁石との間の隙間を広くしておく必要がある。また、永久磁石と円盤状鋼板との隙間を広くすると、リング状鋼材と円盤状鋼板との間の間隔も広くなるため、吸引力を確保するために永久磁石を大きくする必要がある。従って、電磁石装置の小形化を図ることが困難になってしまう。
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、永久磁石の減磁の進行をより確実に抑制することができるとともに、小形化を図ることができる電磁石装置、及び電磁操作開閉装置を得ることを目的とする。
この発明に係る電磁石装置は、軸線方向へ投影したときに互いに離れた位置になるように第1固定面及び第2固定面が設けられた第1固定鉄心部と、第1固定鉄心部に設けられた第2固定鉄心部とを有する固定鉄心、軸線方向について第1固定面に対向する第1可動面が設けられた基幹部と、基幹部に設けられ、軸線方向について第2固定面に対向する第2可動面が設けられた分岐部とを有し、固定鉄心から離れた後退位置と、後退位置よりも固定鉄心に近い前進位置との間で軸線方向へ変位可能な可動鉄心、一対の磁極を有し、第2固定鉄心部に設けられ、かつ軸線方向に垂直な方向について一対の磁極のいずれかのみが可動鉄心に対向するとともに軸線方向への投影面内において第1可動面及び第2可動面の各領域外に配置されている永久磁石、及び第1固定鉄心部に設けられた電磁コイルを備え、永久磁石は、軸線方向に垂直な方向について第2固定鉄心部と可動鉄心との間に配置され、可動鉄心を前進位置に保持する保持用磁束を発生し、電磁コイルは、第1可動面及び第1固定面間において保持用磁束と逆方向となる磁束を発生することにより、前進位置での可動鉄心の保持を解除させ、第1可動面及び第1固定面間において保持用磁束と同じ方向となる磁束を発生することにより、後退位置から前進位置へ可動鉄心を変位させる。

この発明に係る電磁石装置では、可動鉄心が軸線方向へ変位されるとともに、可動鉄心の基幹部に設けられた第1可動面と、固定鉄心に設けられた第1固定面とが軸線方向について対向し、可動鉄心の分岐部に設けられた第2可動面と、固定鉄心に設けられた第2固定面とが軸線方向について対向しており、固定鉄心に設けられた永久磁石のN極及びS極のいずれかのみが、軸線方向に垂直な方向について、基幹部と対向しているので、可動鉄心の前進位置での保持を解除するときに、永久磁石を避けて解除用磁束を発生させることができる。これにより、永久磁石の減磁の進行を抑制することができる。また、永久磁石と可動鉄心との間の寸法は、可動鉄心の軸線方向への変位によって大きく変化することがない。即ち、可動鉄心の摩耗等によって可動鉄心の前進位置や後退位置がずれた場合であっても、永久磁石と可動鉄心との間の隙間寸法は変わらない。このことから、可動鉄心の摩耗等を考慮することなく、永久磁石と可動鉄心との間の隙間寸法や永久磁石の厚さ寸法を小さく設定することができる。従って、電磁石装置の小形化を図ることができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による電磁操作開閉装置を示す縦断面図である。また、図2は、図1の電磁操作開閉装置の接点が閉じている状態(閉極状態)を示す縦断面図である。なお、図1は、電磁操作開閉装置の接点が開いている状態(開放状態)を示す図である。図において、電磁操作開閉装置1は、固定接点2と、固定接点2に接離可能な可動接点3と、固定接点2及び可動接点3を収容する真空バルブ4と、固定接点2に接離する方向へ可動接点3を変位させる駆動装置5と、駆動装置5と可動接点3とを連結する連結装置6とを有している。
可動接点3は、電磁操作開閉装置1の軸線方向(以下、単に「軸線方向」という)への変位により固定接点2に接離する。電磁操作開閉装置1の接点は、可動接点3が固定接点2に接することにより閉じ、可動接点3が固定接点2から離れることにより開く。
真空バルブ4内は、固定接点2及び可動接点3間の消弧能力の向上のために真空に保たれている。可動接点3の固定接点2に対する接離は、真空バルブ4内で行われる。
駆動装置5は、板状の支持部材7に支持されている。この例では、支持部材7は配電盤の支持板とされている。また、駆動装置5は、連結装置6を介して可動接点3に連結された駆動軸8と、可動接点3が固定接点2から離れる方向へ駆動軸8を付勢する開放ばね(付勢体)9と、開放ばね9の付勢力に逆らって、可動接点3が固定接点2に接する方向へ駆動軸8を変位させる電磁石装置10とを有している。
駆動軸8は、支持部材7を軸線方向へ変位可能に貫通している。また、駆動軸8は、透磁率の低い材料(低磁性材料)(例えばステンレス等)により構成されている。駆動軸8には、開放ばね9の付勢力を受ける開放ばね受け11が設けられている。
開放ばね9は、支持部材7と開放ばね受け11との間に縮められている。これにより、開放ばね9は、支持部材7と開放ばね受け11との間で軸線方向に弾性反発力を発生している。駆動軸8は、開放ばね9の弾性反発力により、可動接点3が固定接点2から離れる方向へ付勢される。また、開放ばね9は、電磁石装置10と連結装置6との間に設けられている。
電磁石装置10は、取付部材12を介して支持部材7に取り付けられている。駆動軸8は、可動接点3が固定接点2に接する方向(閉極方向)、及び可動接点3が固定接点2から離れる方向(開放方向)のいずれかへ、電磁石装置10が制御されることにより選択的に変位される。
連結装置6は、可動接点3に固定された可動棒13と、可動棒13の中間部に設けられた絶縁ロッド14と、可動棒13及び駆動軸8間に取り付けられた接圧装置15とを有している。駆動装置5は、可動接点3に対して絶縁ロッド14により絶縁されている。
可動棒13は、軸線方向に沿って配置されている。また、可動棒13は、真空バルブ4を貫通している。
接圧装置15は、可動棒13に固定されたばね枠16と、駆動軸8の先端部に固定され、ばね枠16内に配置された外れ止め板17と、ばね枠16と外れ止め板17との間に縮めて接続された接圧ばね18とを有している。
駆動軸8は、外れ止め板17とともに、ばね枠16に対して軸線方向へ変位可能になっている。接圧ばね18は、可動棒13から離れる方向へ駆動軸8を付勢している。可動棒13から離れる方向への駆動軸8の変位は、外れ止め板17のばね枠16に対する係合により規制される。
可動接点3が固定接点2から離れているとき(図1)には、駆動軸8が軸線方向へ変位されると、連結装置6及び可動接点3が駆動軸8とともに変位される。このときには、外れ止め板17が接圧ばね18の付勢力によりばね枠16に係合している。また、可動接点3が固定接点2に接しているとき(図2)には、駆動軸8は、接圧ばね18の付勢力に逆らって、ばね枠16に対して閉極方向へさらに変位可能になっている。これにより、接圧ばね18がさらに縮められ、接圧ばね18の弾性反発力によって可動接点3が固定接点2に押し付けられる。
可動接点3が固定接点2から離れている状態から閉極動作を行うときには、開放ばね9が縮められながら、駆動軸8が連結装置6及び可動接点3とともに閉極方向へ変位される。この後、可動接点3が固定接点2に接すると、連結装置6及び可動接点3の変位が停止される。この後も、駆動軸8が閉極方向へさらに変位され、接圧ばね18が縮められる。これにより、可動接点3が固定接点2に押し付けられる。
可動接点3が固定接点2に接している状態から開放動作を行うときには、開放ばね9及び接圧ばね18が弾性的に復元されながら、駆動軸8が開放方向へ変位される。これにより、外れ止め板17がばね枠16に対して変位さればね枠16に係合される。この後も、駆動軸8は開放ばね9の付勢力により開放方向へさらに変位される。これにより、可動接点3は固定接点2から離れる。
図3は図1の電磁石装置10を示す断面図、図4は図3のIV-IV線に沿った断面図である。また、図5は図2の電磁石装置10を示す断面図、図6は図5のVI-VI線に沿った断面図である。さらに、図7は図3の電磁石装置10を示す斜視図、図8は図7の電磁石装置10を示す正面図、図9は図7の電磁石装置10を示す側面図、図10は図7の電磁石装置10を示す上面図である。図において、電磁石装置10は、固定鉄心19と、駆動軸8が固定され、固定鉄心19に対して軸線方向へ変位可能な可動鉄心20と、固定鉄心19に設けられ、通電により磁界を発生する電磁コイル21と、固定鉄心19に設けられた永久磁石22とを有している。
可動鉄心20は、固定鉄心19から離れた後退位置(図5及び図6)と、後退位置よりも固定鉄心19に近い前進位置(図3及び図4)との間を変位可能になっている。可動接点3は、可動鉄心20が後退位置にあるときに固定接点2から離れ、可動鉄心20が前進位置にあるときに固定接点2に押し付けられる。
可動鉄心20は、軸線方向に沿って配置された基幹部23と、基幹部23の側面から互いに反対方向へ突出する一対の分岐部24とを有している。各分岐部24は、軸線方向に垂直な方向に沿って基幹部23から突出している。基幹部23内には、ねじ穴が設けられた固定用部材25が嵌められている。駆動軸8は、固定用部材25に螺合されることにより可動鉄心20に固定されている。
固定鉄心19は、第1固定鉄心部26と、第1固定鉄心部26に設けられ、可動鉄心20が変位する領域を避けて配置された一対の第2固定鉄心部27とを有している(図7)。
第1固定鉄心部26は、各分岐部24と平行に配置された横鉄心部28と、横鉄心部28の両端部から各分岐部24に向かって延びる一対の縦鉄心部29とを有している。横鉄心部28には、駆動軸8が軸線方向へ変位可能に貫通している。この例では、軸受けが横鉄心部28に設けられ、駆動軸8が軸受けを貫通している。なお、軸受けが支持部材7に設けられ、駆動軸8が軸受けを貫通していてもよい。各縦鉄心部29は、軸線方向に沿って配置されている。第1固定鉄心部26の少なくとも一部は、軸線方向への投影面内において、可動鉄心20の領域に重なっている。
各第2固定鉄心部27は、一方の縦鉄心部29及び他方の縦鉄心部29間にそれぞれ接合されている。また、各第2固定鉄心部27は、軸線方向に垂直な方向について、各縦鉄心部29を挟んでいる。さらに、各第2固定鉄心部27は、軸線方向への投影面内において、可動鉄心20の領域外に配置されている。さらにまた、各第2固定鉄心部27は、横鉄心部28と平行な渡し鉄心部30と、渡し鉄心部30と各縦鉄心部29との間にそれぞれ介在する一対のスペーサ31とを有している。
各渡し鉄心部30は、軸線方向に垂直な方向へ基幹部23から離れて配置されている。従って、渡し鉄心部30と基幹部23との間の間隔は、可動鉄心20が軸線方向へ変位されたときであっても、変化しない。各渡し鉄心部30及びスペーサ31の材料は、磁性材料(例えば鋼材、電磁軟鉄、珪素鋼、フェライト及びパーマロイ等)である。
横鉄心部28の中間部には第1固定面32が設けられ、各縦鉄心部29の先端部には第2固定面33が設けられている(図3〜図6)。即ち、第1固定鉄心部26には、軸線方向へ投影したときに互いに離れた位置になるように第1固定面32及び第2固定面33が設けられている。第1固定面32及び各第2固定面33は、軸線方向に垂直な面である。
基幹部23には、軸線方向について第1固定面32に対向する第1可動面34が設けられ、各分岐部24の先端部には、軸線方向について第2固定面33に対向する第2可動面35が設けられている。第1可動面34及び各第2可動面35は、軸線方向に垂直な面である。
また、軸線方向への投影面内において、第1固定面32及び第1可動面34が互いに重なる部分の面積は、第2固定面33及び第2可動面35が互いに重なる部分の面積よりも大きくなっている。また、渡し鉄心部30と基幹部23との隙間寸法は、可動鉄心20が前進位置にあるときに、第1固定面32と第1可動面34との隙間、及び第2固定面33と第2可動面35との隙間の合計寸法よりも広くなる。
永久磁石22は、各渡し鉄心部30のそれぞれに設けられている。また、永久磁石22は、各渡し鉄心部30と基幹部23との間にそれぞれ配置されている。さらに、各永久磁石22は、軸線方向への投影面内で第1可動面34及び第2可動面35の各領域外に配置されている。この例では、各永久磁石22は、軸線方向への投影面内において、可動鉄心20の領域外に配置されている。
各永久磁石22は、N極及びS極(一対の磁極)を有している。これにより、永久磁石22は、可動鉄心20を前進位置に保持する保持用磁束を発生している。また、各永久磁石22は、軸線方向に垂直な方向について、N極及びS極のいずれかのみを基幹部23に対向させて配置されている。即ち、各永久磁石22が発生する保持用磁束の方向は、永久磁石22と基幹部23との間において、軸線方向に対してほぼ垂直になっている。この例では、各永久磁石22のN極が基幹部23に対向し、各永久磁石22のS極が渡し鉄心部30に固定されている。
電磁コイル21は、基幹部23と縦鉄心部29との間を通るように配置されている。この例では、電磁コイル21は、軸線方向への投影面内において、基幹部23を囲んでいる。これにより、電磁コイル21は、通電されると、固定鉄心19及び可動鉄心20を通る磁束を発生する。また、電磁コイル21が発生する磁束の方向は、電磁コイル21への通電方向の切り替えにより、反転可能になっている。なお、電磁コイル21の中心軸線は、電磁操作開閉装置1の軸線とほぼ一致している。
図11は図7の可動鉄心20を示す正面図、図12は図11の可動鉄心20を示す側面図である。図において、可動鉄心20は、磁性材料により構成された複数の薄板36を有している。可動鉄心20は、各薄板36が軸線方向に垂直な方向へ積層された積層体である。各薄板36は、積層方向へ通された複数のボルト37と、各ボルト37に螺合されたナット38とによって締結されることにより、一体となっている。
図13は図12の薄板36を示す正面図であり、図13(a)は積層方向の両端部に配置された薄板を示す正面図、図13(b)は積層方向の中間部に配置された薄板を示す正面図である。図に示すように、各薄板36の形状は、可動鉄心20内に固定用部材25が嵌め込まれることから、可動鉄心20の積層方向の両端部と中間部とで互いに異なっている。可動鉄心20の積層方向の両端部に配置された薄板36aの形状は、軸線方向に平行でかつ基幹部23及び各分岐部24をいずれも含む平面での可動鉄心20の断面形状と同一形状となっている。また、可動鉄心20の積層方向の中間部に配置された薄板36b及び薄板36cの形状は、薄板36aの形状から、固定用部材25及び駆動軸8が配置される部分を除去した形状とされている。この例では、薄板36b及び薄板36cが分離して成形されているが、薄板36b及び薄板36cを一体に成形してもよい。
なお、可動鉄心20の材料としては、透磁率の高い磁性材料であればよく、例えば鋼材、電磁軟鉄、珪素鋼、フェライト及びパーマロイ等が挙げられる。また、可動鉄心20は、例えば鉄粉を圧縮して固めた圧粉鉄心としてもよい。
図14は図7の固定鉄心19を示す正面図、図15は図14の固定鉄心19を示す側面図である。図において、第1固定鉄心部26は、磁性材料により構成された複数の薄板39を有している。第1固定鉄心部26は、各薄板39が軸線方向に垂直な方向へ積層された積層体である。各薄板39の形状は、軸線方向に平行でかつ横鉄心部28及び縦鉄心部29をいずれも含む平面での第1固定鉄心部26の断面形状と同一形状となっている。各薄板39は、積層方向へ通された複数のボルト40と、各ボルト40に螺合されたナット41とによって締結されることにより、一体となっている。
各渡し鉄心部30は、直方体に成形された鋼材である。スペーサ31は、板状に成形された所定の厚さの鋼材である。渡し鉄心部30及びスペーサ31は、第1固定鉄心部26の薄板39の積層方向について、スペーサ31及び渡し鉄心部30の順に第1固定鉄心部26に重ねられている。
第2固定鉄心部27は、一方の渡し鉄心部30、一方のスペーサ31、各薄板39、他方のスペーサ31及び他方の渡し鉄心部30の順に通された複数のボルト42と、各ボルト42に螺合されたナット43とによって締結されることにより、第1固定鉄心部26と一体となっている。
なお、固定鉄心19の材料としては、透磁率の高い磁性材料であればよく、例えば鋼材、電磁軟鉄、珪素鋼、フェライト及びパーマロイ等が挙げられる。また、固定鉄心19は、例えば鉄粉を圧縮して固めた圧粉鉄心としてもよい。さらに、この例では、複数の薄板39を積層することにより第1固定鉄心部26が作製されているが、磁性材料の一体成形により第1固定鉄心部26を作製してもよいし、複数の分割体を組み合わせることにより第1固定鉄心部26を作製してもよい。また、この例では、渡し鉄心部30が磁性材料の一体成形により作製されているが、薄板を積層することにより渡し鉄心部30を作製してもよいし、複数の分割体を組み合わせることにより渡し鉄心部30を作製してもよい。
図16は、図7の可動鉄心20が永久磁石22の保持用磁束により前進位置に保持されているときの電磁石装置10を示す一部破断斜視図である。図において、永久磁石22が発生する保持用磁束は、第1磁束経路44あるいは第2磁束経路45を通っている。第1磁束経路44は、永久磁石22から、基幹部23、第1可動面34、第1固定面32、横鉄心部28、縦鉄心部29、スペーサ31及び渡し鉄心部30の順に通って、永久磁石22に戻る経路である。第2磁束経路45は、永久磁石22から、基幹部23、分岐部24、第2可動面35、第2固定面33、縦鉄心部29、スペーサ31及び渡し鉄心部30の順に通って、永久磁石22に戻る経路である。
可動鉄心20が前進位置にあるときには、第1固定面32と第1可動面34との隙間、及び第2固定面33と第2可動面35との隙間は、可動鉄心20が後退位置にあるときよりも狭くなっている。これにより、第1磁束経路44及び第2磁束経路45の磁気抵抗が小さくなる。従って、第1固定面32と第2可動面34との間の吸引力F1、及び第2固定面33と第2可動面35との間の吸引力F2が大きくなり、可動鉄心20は、開放ばね11の付勢力に逆らって前進位置に保持される。
図17は、図16の可動鉄心20の前進位置での保持を解除するときの電磁石装置10を示す一部破断斜視図である。図において、可動鉄心20の前進位置での保持を解除するときには、電磁コイル21は、通電により、第1固定面32及び第1可動面34間において保持用磁束と逆方向となる解除用磁束を発生する。これにより、電磁コイル21が発生する解除用磁束のほとんどは、永久磁石22を避けて設けられた第3磁束経路46を通る。第3磁束経路46は、第1可動面34、基幹部23、分岐部24、第2可動面35、第2固定面33、縦鉄心部29、横鉄心部28及び第1固定面32を通って、第1可動面34に戻る経路である。
即ち、可動鉄心20が前進位置にあるときには、第1固定面32と第1可動面34との隙間、及び第2固定面33と第2可動面35との隙間の合計寸法は、渡し鉄心部30と基幹部23との隙間寸法よりも狭くなっている。また、電磁コイル21が発生する解除用磁束の方向は、永久磁石22において保持用磁束の方向と逆方向となる。これにより、第1磁束経路44の磁気抵抗は、第3磁束経路46の磁気抵抗よりも極めて大きくなる。従って、電磁コイル21が発生する解除用磁束のほとんどは、第3磁束経路46を通ることとなる。これにより、解除用磁束が永久磁石22を通ることが抑制され、永久磁石22の減磁の進行が抑制される。また、図18に示すように、第1磁束経路44には渦電流47が流れるため、永久磁石22の減磁の進行がさらに抑制される。
解除用磁束が発生しているときには、第1固定面32と第1可動面34との間を通る保持用磁束の方向が解除用磁束と逆方向であるので、吸引力F1が小さくなる。また、軸線方向への投影面内において、第2固定面33及び第2可動面35が重なる部分の面積が第1固定面32及び第1可動面34が重なる部分の面積よりも小さいので、第2固定面33と第2可動面35との間を通る保持用磁束及び解除用磁束が飽和しやすくなり、吸引力F2の増加が抑制される。これにより、可動鉄心20と第1固定鉄心部26との間の吸引力が全体として低下し、可動鉄心20は開放ばね9の付勢力により前進位置から後退位置へ変位される。このようにして、可動鉄心20の前進位置での保持が解除される。
図19は、図7の可動鉄心20が後退位置から前進位置へ変位されるときの電磁石装置10を示す一部破断斜視図である。図において、後退位置から前進位置へ可動鉄心20を変位させるときには、電磁コイル21は、通電により、第1固定面32及び第1可動面34間において保持用磁束と同じ方向となる閉極用磁束を発生する。閉極用磁束の発生は、解除用磁束を発生するときの通電方向と逆方向へ電磁コイル21に通電することにより行われる。これにより、電磁コイル21が発生する閉極用磁束は、第1磁束経路44及び第3磁束経路46を通る。
閉極用磁束が発生しているときには、第1固定面32と第1可動面34との間を通る保持用磁束の方向が閉極用磁束の方向と同じ方向であるので、吸引力F1が大きくなる。第2固定面33と第2可動面35との間では、閉極用磁束の方向が保持用磁束の方向と逆方向になるが、可動鉄心20が後退位置にあるときには電磁コイル21による閉極用磁束が保持用磁束よりもはるかに大きく、可動鉄心20が前進位置にあるときには吸引力F1及び吸引力F2のバランスにより、可動鉄心20と第1固定鉄心部26との間の吸引力は全体として大きくなる。これにより、可動鉄心20が後退位置から前進位置へ開放ばね9の付勢力に逆らって変位される。
図20は、図7の可動鉄心20及び第1固定鉄心部26の磁性材料についての磁束密度Bと磁化力Hとの関係を示すグラフである。図に示すように、第1固定鉄心部26及び可動鉄心20のうち、少なくとも第1固定面32、第2固定面33、第1可動面34及び第2可動面35のそれぞれが設けられた部分の磁性材料の特性は、永久磁石22の保持用磁束によって磁束の飽和が始まる範囲A内に設定されている。これにより、可動鉄心20の前進位置での保持のために、永久磁石22の保持用磁束を効果的に寄与させることができる。
また、可動鉄心20の前進位置での保持を解除するときには、第1固定面32と第1可動面34との間で磁束密度を低下させる方向へ解除用磁束が発生し、第2固定面33と第2可動面35との間で磁束密度を増加させる方向へ解除用磁束が発生する。この場合、可動鉄心20及び第1固定鉄心部26の磁性材料が範囲A内に設定されているので、第1固定面32と第1可動面34との間の磁束の低下(図20の矢印X)が速やかに行われ、かつ第2固定面33と第2可動面35との間の磁束の増加(図20の矢印Y)が抑制される。これにより、可動鉄心20と第1固定鉄心部26との間の吸引力を全体として速やかに低下させることができる。即ち、可動鉄心20の保持の解除のために、電磁コイル21が発生する解除用磁束を効果的に寄与させることができる。なお、電磁コイル21が発生する解除用磁束が大きいので、磁性材料のヒステリシスは無視できる。
次に、動作について説明する。可動接点3が固定接点2から離れた開放状態であるときには、可動鉄心20は開放ばね9の付勢力により後退位置に変位されている。電磁コイル21への通電により、第1磁束経路44及び第3磁束経路46を通る閉極用磁束が発生すると(図19)、可動鉄心20が第1固定鉄心部26に吸引され、開放ばね9の付勢力に逆らって、後退位置から前進位置に向かって変位される。これにより、可動接点3は、固定接点2に向かって変位される。
この後、可動接点3が固定接点2に接すると、可動接点3の変位は停止される。しかし、可動鉄心20はさらに変位されて前進位置に達する。これにより、接圧ばね18が縮められ、可動接点3が固定接点2に押し付けられて閉極動作が完了する(図2)。
可動鉄心20が前進位置に達すると、第1磁束経路44及び第2磁束経路45を通る永久磁石22の保持用磁束によって可動鉄心20が第1固定鉄心部26に吸引保持され(図16)、可動鉄心20が前進位置に保持される。
可動鉄心20の前進位置での保持を解除するときには、閉極動作時と逆方向へ電磁コイル21への通電が行われる。電磁コイル21への通電が行われると、第3磁束経路46を通る解除用磁束が発生する(図17)。これにより、可動鉄心20と第1固定鉄心部26との間の吸引力が全体として低下し、開放ばね9及び接圧ばね18の各付勢力によって、可動鉄心20の前進位置から後退位置への変位が開始される。このとき、可動接点3は、固定接点2に押し付けられたままとなっている。
この後、可動鉄心20が後退位置に向かってさらに変位されると、外れ止め板17がばね枠16に係合される。この後も、可動鉄心20が後退位置に向かって変位されることにより、可動接点3は固定接点2から離れる。この後、可動鉄心20がさらに変位されて後退位置に達する。これにより、開放動作が完了する(図1)。
このような電磁石装置10では、可動鉄心20が軸線方向へ変位されるとともに、可動鉄心20の基幹部23に設けられた第1可動面34と、固定鉄心9に設けられた第1固定面32とが軸線方向について対向し、可動鉄心20の分岐部24に設けられた第2可動面35と、固定鉄心9に設けられた第2固定面33とが軸線方向について対向しており、固定鉄心19に設けられた永久磁石22のN極及びS極のいずれかのみが、軸線方向に垂直な方向について、基幹部23と対向しているので、可動鉄心20の前進位置での保持を解除するときに、永久磁石22を避けて解除用磁束を発生させることができる。これにより、永久磁石22の減磁の進行を抑制することができる。また、永久磁石22と可動鉄心20との間の寸法は、可動鉄心20の軸線方向への変位によって大きく変化することがない。即ち、可動鉄心20の摩耗等によって可動鉄心20の前進位置や後退位置がずれた場合であっても、永久磁石22と可動鉄心20との間の隙間寸法は変わらない。このことから、可動鉄心20の摩耗等を考慮することなく、永久磁石22と可動鉄心20との間の隙間寸法や永久磁石22の厚さ寸法を小さく設定することができる。従って、電磁石装置10の小形化を図ることができる。
また、軸線方向の投影面内において、第1固定面32及び第1可動面34が互いに重なる部分の面積が、第2固定面33及び第2可動面35が互いに重なる部分の面積よりも大きくなっているので、可動鉄心20の前進位置での保持を解除する解除用磁束を発生させることにより、第1固定面32と第1可動面34との吸引力の低下を速やかに行うことができるとともに、第2固定面33と第2可動面35との吸引力の増加を抑制することができる。従って、可動鉄心20の前進位置での保持の解除を早期にかつより確実に行うことができる。
また、固定鉄心19は、第1固定面32及び第2固定面33が設けられた第1固定鉄心部26と、永久磁石22が設けられた第2固定鉄心部27とを有し、第1固定鉄心部26は、軸線方向に垂直な方向へ複数の薄板39が積層されて構成され、第2固定鉄心部27は、各薄板39の積層方向について第1固定鉄心部26に重ねられているので、第1固定鉄心部26と第2固定鉄心部27との接合部分で渦電流が発生することにより、保持用磁束と逆方向の解除用磁束が永久磁石22を通ることを抑制することができる。これにより、永久磁石22の減磁の進行をさらに抑制することができる。
また、このような電磁操作開閉装置1では、駆動装置5が、可動接点3に連結された変位される駆動軸8と、可動接点3が固定接点2から離れる方向へ駆動軸8を付勢する開放ばね9と、開放ばね9の付勢力に逆らって、可動接点3が固定接点2に接する方向へ駆動軸8を変位させる電磁石装置10とを有しているので、上記の電磁石装置10と同様の効果を得ることができるとともに、電磁石装置10において可動鉄心20の前進位置での保持が解除されたときに、開放ばね9の付勢力により、固定接点2から可動接点3をより確実に切り離すことができる。これにより、電磁操作開閉装置1の動作の信頼性の向上を図ることができる。
なお、可動鉄心20が前進位置にあるときには、第1固定面32と第1可動面34との間に隙間があってもよいし、第1固定面32と第1可動面34とが互いに接していてもよい。また、可動鉄心20が前進位置にあるときには、第2固定面33と第2可動面35との間に隙間があってもよいし、第2固定面33と第2可動面35とが互いに接していてもよい。
また、上記の例では、永久磁石22のN極が基幹部23に対向しているが、永久磁石22のS極を基幹部23に対向させるようにしてもよい。この場合には、解除用磁束及び閉極用磁束を発生するときの電磁コイル21への通電方向が上記の例と逆方向とされる。このようにしても、上記の例と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、軸線方向への投影面内において、永久磁石22が可動鉄心20の領域外に配置されているが、第1可動面34及び第2可動面35の各領域外にあれば、永久磁石22が可動鉄心20の領域内にあってもよい。従って、各分岐部24と電磁コイル21との間の空間に各永久磁石22を配置してもよい。
実施の形態3.
実施の形態1では、軸線方向の投影面内において、第1固定面32及び第1可動面34が互いに重なる部分の面積が、第2固定面33及び第2可動面35が互いに重なる部分の面積よりも大きくなっているが、可動鉄心20が前進位置にあるときに、第1固定面32と第1可動面34との間の隙間寸法が、第2固定面33と第2可動面35との間の隙間寸法よりも小さくなるようにしてもよい。このようにしても、可動鉄心20の前進位置での保持を解除するときに、第1固定面32と第1可動面34との間の吸引力を速やかに低下させることができるとともに、第2固定面33と第2可動面35との間の吸引力の増加を抑制することができる。
実施の形態4.
図21は、この発明の実施の形態4による電磁石装置の要部を示す断面図である。図において、永久磁石22は、磁石取付部品51によって渡し鉄心部30に固定されている。磁石取付部品51は、永久磁石22を覆う押さえ部51aと、押さえ部51aの両端部に設けられ、渡し鉄心部30にねじ等により締結された一対の締結部(図示せず)とを有している。磁石取付部品51は、透磁率の低い低磁性材料(例えばステンレスや黄銅等)により構成されている。
永久磁石22と基幹部23との間に低磁性材料(押さえ部51a)が介在していても、永久磁石22と基幹部23との間の磁気抵抗はほとんど変わらない。従って、永久磁石22と基幹部23との間の隙間寸法gPMAは、押さえ部51aが永久磁石22と基幹部23との間に介在しない場合と同様の寸法とされている。即ち、隙間寸法gPMAは、可動鉄心20が前進位置にあるときの第1固定面32と第1可動面34との間の隙間、及び第2固定面33と第2可動面35との間の隙間の合計寸法よりも小さく設定されている。押さえ部51aの厚さ寸法は、隙間寸法gPMAよりも小さくされている。他の構成は実施の形態1と同様である。
このようにしても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、永久磁石22を渡し鉄心部30に容易に取り付けることができる。
実施の形態5.
実施の形態4では、磁石取付部品51の材料が低磁性材料とされているが、磁石取付部品の材料を磁性材料としてもよい。
即ち、図22は、この発明の実施の形態5による電磁石装置の要部を示す断面図である。図において、永久磁石22は、磁石取付部品61によって渡し鉄心部30に固定されている。磁石取付部品61は、永久磁石22を覆う押さえ部61aと、押さえ部61aの両端部に設けられ、渡し鉄心部30にねじ用により締結された一対の締結部(図示せず)とを有している。磁石取付部品61は、透磁率の高い磁性材料(例えば鋼材、電磁軟鉄、珪素鋼、フェライト及びパーマロイ等)により構成されている。
押さえ部61aと基幹部23との間の隙間寸法gPMBは、可動鉄心20が前進位置にあるときの第1固定面32と第1可動面34との間の隙間、及び第2固定面33と第2可動面35との間の隙間の合計寸法よりも小さく設定されている。他の構成は実施の形態1と同様である。このようにしても、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
実施の形態6.
図23は、この発明の実施の形態6による電磁石装置の要部を示す断面図である。図において、可動鉄心20は、軸線方向の寸法が軸線方向に垂直な寸法よりも大きくされた第1直方体71と、軸線方向について第1直方体71に接し、軸線方向に垂直な寸法が軸線方向の寸法がよりも大きくされた第2直方体72とを有している。軸線方向に垂直な方向について、第2直方体72の寸法は第1直方体71の寸法よりも大きくされている。これにより、この例の可動鉄心20の外形は、実施の形態1の可動鉄心20の外形と同一とされている。第1直方体71及び第2直方体72には、軸線方向へ貫通する貫通穴73がそれぞれ設けられている。
駆動軸8は、貫通穴73の内径よりも大きな外径を持つ大径軸部74と、軸線方向に沿って大径軸部74に設けられ、貫通穴73の内径よりも小さな外径を持つ小径軸部75とを有している。従って、大径軸部74と小径軸部75との境界には、段差が設けられている。
小径軸部75の先端部には、ねじ部75aが設けられている。小径軸部75は、第1直方体71及び第2直方体72の順に貫通穴73を通されている。また、第1直方体71には、大径軸部74と小径軸部75との境界に設けられた段差が係合し、第2直方体72からは、ねじ部75aが突出している。
駆動軸8は、ねじ部75aに螺合されたナット76と大径軸部74との間で締め付けられることにより、可動鉄心20に固定されている。第1直方体71及び第2直方体72は、ナット76と大径軸部74との間で締め付けられることにより、一体化されている。可動鉄心20及び駆動軸8の各材料は、実施の形態1と同様である。他の構成は実施の形態1と同様である。
このようにすれば、可動鉄心20を容易に作製することができ、駆動軸8を可動鉄心20に容易に固定することができる。
実施の形態7.
図24は、この発明の実施の形態7による電磁石装置の要部を示す正面図である。図24は、永久磁石22を可動鉄心20から見たときの正面図である。また、図25は、図24の永久磁石22を示す側面図である。図において、渡し鉄心部30は、永久磁石22が取り付けられた磁石固定部81と、磁石固定部81の両側部から延びる一対の磁石支持部82とを有している。磁石固定部81の軸線方向(即ち、可動鉄心20が変位される方向)についての寸法(縦寸法)は、各磁石支持部82の軸線方向についての寸法(縦寸法)よりも大きくされている。この例では、渡し鉄心部30の外形は、磁石固定部81の位置で軸線方向へ突出する凸形になっている。
永久磁石22は、可動鉄心20から見たときに、磁石固定部81に重なっている。また、永久磁石22の軸線方向についての寸法(縦寸法)は、磁石固定部81の縦寸法と同一とされている。即ち、永久磁石22の縦寸法は、磁石支持部82の縦寸法よりも大きくされている。
渡し鉄心部30は、複数の薄板83が積層された積層体である。各薄板83の積層方向は、永久磁石22が磁石固定部81に重なる方向とされている。各薄板83の形状も凸形になっている。他の構成は実施の形態1と同様である。
このようにすれば、永久磁石22の軸線方向についての寸法を大きくすることができる。これにより、可動鉄心20を前進位置に保持するための吸引力を大きくすることができ、可動鉄心20を前進位置により確実に保持することができる。
なお、上記の例では、渡し鉄心部30の外形が凸形とされているが、磁石支持部82の縦寸法を磁石固定部81の縦寸法と同一にして、渡し鉄心部30の外形を長方形にしてもよい。
実施の形態8.
実施の形態1では、絶縁ロッド14が接圧装置15よりも可動接点3に近い位置に設けられているが、絶縁ロッド14及び接圧装置15の位置を入れ替えて、接圧装置15を絶縁ロッド14よりも可動接点3に近い位置に設けてもよい。
即ち、図26は、この発明の実施の形態8による電磁操作開閉装置を示す縦断面図である。図において、絶縁ロッド14は、可動棒13と駆動軸8との間に接続されている。可動棒13の中間部には、接圧装置15が設けられている。
可動棒13は、可動接点3に設けられた部分と、絶縁ロッド14に設けられた部分とに分離されている。接圧装置15のばね枠16は、可動棒13の可動接点3に設けられた部分に固定されている。接圧装置15の外れ止め板17は、可動棒13の絶縁ロッド14に設けられた部分に固定されている。接圧ばね18は、ばね枠16と外れ止め板17との間に接続されている。他の構成は実施の形態1と同様である。このようにしても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態9.
実施の形態1では、開放ばね9が電磁石装置10と連結装置6との間に設けられているが、これに限定されない。
図27は、この発明の実施の形態9による電磁操作開閉装置を示す縦断面図である。図において、駆動軸8は、可動接点3に近づく方向へ可動鉄心20から突出する接点側駆動軸91と、可動接点3から離れる方向へ可動鉄心20から突出する反接点側駆動軸92とを有している。接点側駆動軸91及び反接点側駆動軸92は、可動鉄心20内に嵌め込まれた固定用部材25に螺合されることにより、可動鉄心20にそれぞれ固定されている。接点側駆動軸91及び反接点側駆動軸92は、同軸上に配置されている。接点側駆動軸91は、連結装置6を介して可動接点3に連結されている。反接点側駆動軸92には、開放ばね受け11が固定されている。
固定鉄心19には、反接点側駆動軸92が軸線方向へ変位可能に貫通する受け部材93が固定されている。開放ばね受け11と受け部材93との間には、開放ばね9が縮めて設けられている。これにより、開放ばね9は、可動鉄心20が前進位置から後退位置へ変位される方向へ反接点側駆動軸92を付勢している。なお、固定鉄心19は、図示しない支持部材に固定されている。他の構成は実施の形態1と同様である。このようにしても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
この発明の実施の形態1による電磁操作開閉装置を示す縦断面図である。 図1の電磁操作開閉装置の接点が閉じている状態を示す縦断面図である。 図1の電磁石装置を示す断面図である。 図3のIV-IV線に沿った断面図である。 図2の電磁石装置を示す断面図である。 図5のVI-VI線に沿った断面図である。 図3の電磁石装置を示す斜視図である。 図7の電磁石装置を示す正面図である。 図7の電磁石装置を示す側面図である。 図7の電磁石装置を示す上面図である。 図7の可動鉄心を示す正面図である。 図11の可動鉄心を示す側面図である。 図12の薄板を示す正面図であり、図13(a)は積層方向の両端部に配置された薄板を示す正面図、図13(b)は積層方向の中間部に配置された薄板を示す正面図である。 図7の固定鉄心を示す正面図である。 図14の固定鉄心を示す側面図である。 図7の可動鉄心が永久磁石の保持用磁束により前進位置に保持されているときの電磁石装置を示す一部破断斜視図である。 図16の可動鉄心の前進位置での保持を解除するときの電磁石装置を示す一部破断斜視図である。 図7の固定鉄心に渦電流が発生しているときの状態を示す斜視図である。 図7の可動鉄心が後退位置から前進位置へ変位されるときの電磁石装置を示す一部破断斜視図である。 図7の可動鉄心及び第1固定鉄心部の磁性材料についての磁束密度Bと磁化力Hとの関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態4による電磁石装置の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態5による電磁石装置の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態6による電磁石装置の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態7による電磁石装置の要部を示す正面図である。 図24の永久磁石を示す側面図である。 この発明の実施の形態8による電磁操作開閉装置を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態9による電磁操作開閉装置を示す縦断面図である。
符号の説明
1 電磁操作開閉装置、2 固定接点、3 可動接点、5 駆動装置、8 駆動軸、9 開放ばね(付勢体)、10 電磁石装置、19 固定鉄心、20
可動鉄心、21 電磁コイル、22 永久磁石、23 基幹部、24 分岐部、32 第1固定面、33 第2固定面、34 第1可動面、35 第2可動面。

Claims (5)

  1. 軸線方向へ投影したときに互いに離れた位置になるように第1固定面及び第2固定面が設けられた第1固定鉄心部と、上記第1固定鉄心部に設けられた第2固定鉄心部とを有する固定鉄心、
    上記軸線方向について上記第1固定面に対向する第1可動面が設けられた基幹部と、上記基幹部に設けられ、上記軸線方向について上記第2固定面に対向する第2可動面が設けられた分岐部とを有し、上記固定鉄心から離れた後退位置と、上記後退位置よりも上記固定鉄心に近い前進位置との間で上記軸線方向へ変位可能な可動鉄心、
    一対の磁極を有し、上記第2固定鉄心部に設けられ、かつ上記軸線方向に垂直な方向について上記一対の磁極のいずれかのみが上記可動鉄心に対向するとともに上記軸線方向への投影面内において上記第1可動面及び上記第2可動面の各領域外に配置されている永久磁石、及び
    上記第1固定鉄心部に設けられた電磁コイル
    を備え、
    上記永久磁石は、上記軸線方向に垂直な方向について上記第2固定鉄心部と上記可動鉄心との間に配置され、上記可動鉄心を上記前進位置に保持する保持用磁束を発生し、
    上記電磁コイルは、上記第1可動面及び上記第1固定面間において上記保持用磁束と逆方向となる磁束を発生することにより、上記前進位置での上記可動鉄心の保持を解除させ、上記第1可動面及び上記第1固定面間において上記保持用磁束と同じ方向となる磁束を発生することにより、上記後退位置から上記前進位置へ上記可動鉄心を変位させることを特徴とする電磁石装置。
  2. 上記軸線方向の投影面内において、上記第1固定面及び上記第1可動面が互いに重なる部分の面積は、上記第2固定面及び上記第2可動面が互いに重なる部分の面積よりも大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載の電磁石装置。
  3. 上記可動鉄心が上記前進位置にあるときに、上記第1固定面と上記第1可動面との間の隙間は、上記第2固定面と上記第2可動面との間の隙間よりも狭くなっていることを特徴とする請求項1に記載の電磁石装置。
  4. 記第1固定鉄心部は、上記可動鉄心の変位方向に垂直な方向へ複数の板が積層されて構成され、
    上記第2固定鉄心部は、各上記板の積層方向について上記第1固定鉄心部に重ねられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電磁石装置。
  5. 固定接点、
    上記固定接点に接離可能な可動接点、及び
    上記可動接点に連結された駆動軸と、上記可動接点が上記固定接点から離れる方向へ上記駆動軸を付勢する付勢体と、上記付勢体の付勢力に逆らって、上記可動接点が上記固定接点に接する方向へ上記駆動軸を変位させる電磁石装置とを有し、上記固定接点に接離する軸線方向へ上記可動接点を変位させる駆動装置
    を備え、
    上記電磁石装置は、
    上記軸線方向へ投影したときに互いに離れた位置になるように第1固定面及び第2固定面が設けられた第1固定鉄心部と上記第1固定鉄心部に設けられた第2固定鉄心部とを有する固定鉄心と、
    上記軸線方向について上記第1固定面に対向する第1可動面が設けられた基幹部と、上記基幹部に設けられ、上記軸線方向について上記第2固定面に対向する第2可動面が設けられた分岐部とを含み、上記駆動軸とともに変位可能な可動鉄心と、
    一対の磁極を有し、上記第2固定鉄心部に設けられ、かつ上記軸線方向に垂直な方向について上記一対の磁極のいずれかのみが上記可動鉄心に対向するとともに上記軸線方向への投影面内において上記第1可動面及び上記第2可動面の各領域外に配置されている永久磁石と、
    上記第1固定鉄心部に設けられた電磁コイルと
    を有し、
    上記可動接点は、上記可動鉄心が上記固定鉄心から離れた後退位置へ変位されることにより上記固定接点から離れ、上記可動鉄心が上記後退位置よりも上記固定鉄心に近い前進位置へ変位されることにより上記固定接点に接するようになっており、
    上記永久磁石は、上記軸線方向に垂直な方向について上記第2固定鉄心部と上記可動鉄心との間に配置され、上記可動鉄心を上記前進位置に保持する保持用磁束を発生し、
    上記電磁コイルは、上記第1可動面及び上記第1固定面間において上記保持用磁束と逆方向となる磁束を発生することにより、上記前進位置での上記可動鉄心の保持を解除させ、上記第1可動面及び上記第1固定面間において上記保持用磁束と同じ方向となる磁束を発生することにより、上記後退位置から上記前進位置へ上記可動鉄心を変位させることを特徴とする電磁操作開閉装置。
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