JP3044851B2 - 永久磁石を用いた双安定機構 - Google Patents

永久磁石を用いた双安定機構

Info

Publication number
JP3044851B2
JP3044851B2 JP3202731A JP20273191A JP3044851B2 JP 3044851 B2 JP3044851 B2 JP 3044851B2 JP 3202731 A JP3202731 A JP 3202731A JP 20273191 A JP20273191 A JP 20273191A JP 3044851 B2 JP3044851 B2 JP 3044851B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
permanent magnet
mover
magnetic
shaft
bistable mechanism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3202731A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0547545A (ja
Inventor
常男 上津原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP3202731A priority Critical patent/JP3044851B2/ja
Publication of JPH0547545A publication Critical patent/JPH0547545A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3044851B2 publication Critical patent/JP3044851B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久磁石の磁気力の作
用によって一方の機械的位置に吸着、安定している可動
子を、外部操作力によって、永久磁石の磁気力の作用す
る他方の安定位置に吸着、安定させる機械的安定機構に
関し、さらに詳しくは、施錠具、水槽水栓、流体用安全
弁、あるいは電気用スイッチ等産業、民生の広範な分野
に利用されている機械的ラッチングを行う永久磁石を用
いた双安定機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上述の機械的ラッチング機構には、従
来、スプリング、レバー並びにカム等の組合わせ機構が
利用されていることは周知の通りであるが、従来技術に
は次のような点に問題があった。 (1)スプリングの抗力はその変位量の一次函数に比例
するため、可動子の変位に対応する抗力の変化が微少で
ある。
【0003】(2)機構が複雑であり、可動子の変位に
対応するスプリングの抗力を大きくしようとすると装置
の大型化を招く。 (3)また、固定子と可動子の摩擦抵抗の増大、或は摩
擦部の損耗の恐れがあり、動作信頼性や寿命に影響す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の従来技
術の欠点を除去し、従来技術のスプリングの抗力に代
り、永久磁石の磁気エネルギーを利用することによっ
て、小型、軽量で単純、頑丈な構造をもち、高性能で長
寿命の機械的な双安定機構を提供することを課題とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題を解
決するもので、次の技術手段を採った。すなわち、
(1)一方端を中心軸受孔をもつ底板で閉じ、他方端は
開口した筒状ヨークの一対を、両開口端面間に所定軸長
の環状非磁性体を介在させて同軸に接合してなる固定子
と、(2)両軸受孔に挿通される非磁性体シャフトと、
ヨーク内にシャフトを囲繞して固設され軸方向に磁化し
た永久磁石と、永久磁石両磁極のそれぞれに固着された
磁極片を備えると共にシャフトに両端から交互に軸方向
操作力を印加することにより2安定位置間を移動する可
動子と、からなることを特徴とする永久磁石を用いた双
安定機構である。
【0006】また、固定子と可動子間の軸方向にスプリ
ングを設けると好適である。さらに、シャフトに印加さ
れる操作力をレリーズ機構によって伝達するように構成
してもよい。
【0007】
【作用】図1は本発明の一実施例の説明図であり、図1
(a)は軸方向断面図、図1(b)は図1(a)のA−
A矢視断面図である。図1(a)に示すように、固定子
は、中央部に環状非磁性体5を備えた左右対称形のヨー
ク10、10aからなり、両側面は軸受孔2を備えた底
板1、1aが設けられている。また、可動子は非磁性体
シャフト6、シャフト6を囲繞して固設され軸方向に磁
化した円柱状又は中空円柱状の永久磁石3、永久磁石3
の両磁極面に固着され側面がヨーク10、10aの内側
面と微少間隙を介して対向する一対の磁極片4、4a等
から構成されている。
【0008】ここで、可動子は固定子のヨーク10、1
0a内に微少間隙を介して同軸に、シャフト軸方向の操
作力によっ軸方向の摺動可能に挿入され、対面する固定
子の両底板1、1a間を往復動するように構成されてい
る。また必要に応じて、永久磁石3と磁極片4、4aを
被覆する非磁性ガイドパイプ7を設けることもできる。
【0009】次に図2(a)は、可動子が、ヨーク10
と磁極片4が密着し、ヨーク10aと磁極片4aが離隔
する一安定状態にあり、図示実線矢印の永久磁石3の磁
束によって固定子と可動子は吸着状態にある。ここでこ
の吸着力に打勝つ操作力をシャフト6を介して軸右方向
に加えれば、可動子は固定子に対し変位し、変位の増大
とともに磁気吸引力は指数的に急減し、図2(b)に示
すように可動子が固定子の中央部位置で、永久磁石によ
る磁束の分流から明らかなように磁気力の作用は零とな
る。さらにこの位置から右方向への操作力を印加すれ
ば、操作力と右方向への永久磁石の磁束が重畳され、可
動子は右側へ吸着され他の安定状態に急激に移行する。
【0010】すなわち、図1に示す実施例は、シャフト
6の軸方向の操作力と、一方又は他方の安定状態におけ
る可動子に作用する永久磁石の磁気吸引力の作用によっ
て、可動子を左右の安定状態間で交互に急激に移行させ
ることができる双安定機構として機能する。言葉を代え
れば、可動子の移動距離の変化に対する吸引力の変化を
大きくすることでき、従来では不可能であったものを本
願において可能としたものである。
【0011】この実施例では、固定子は左右対称に構成
しているが、例えば環状非磁性体5の位置をずらして非
対称に構成してもよい。本発明の双安定機構は、その所
要操作力の大小、左右端の可動子の吸着保持力等につい
て、永久磁石の磁気特性、磁路の磁気抵抗の調整、特に
環状非磁性体5の位置及び磁気抵抗値等の選定によっ
て、望ましい吸引力或は反発力特性を得ることが可能で
ある。
【0012】ここで便宜上、可動子とヨークの密着状態
を一安定状態として説明したが、両者間に例えば非磁性
弾性材を介在させて、吸着保持力の調節、或は可動子が
ヨークへ当接する際の打撃音の消音効果を発揮させた
り、図2(b)に示す位置の可動子を操作力の作用の代
わりに磁気吸引力のみで図2(a)に示すように自動復
旧させる単位安定作動も可能である。
【0013】
【実施例】図3は本発明を流体の安全弁に適用した実施
例であり、図3(a)は断面の説明図、図3(b)は図
3(a)のB−B矢視断面図である。図3では、図1と
同一機能の構成要素は図1と同一の符号を用いた。11
は流体の流入口、12は流体の流出口、13は弁座、1
4は弁ゴム、15はスプリングである。
【0014】図4は図3の作用説明図であり、図4
(a)は閉弁時、図4(b)は開弁時を示す。本実施例
は、操作力を作用させる図1のシャフト6に代り、図4
に示すように流体圧力Fを操作力として利用するもの
で、例えば、実開平3−19177号公報の『マグネッ
ト式安全弁』の動作特性を顕著に改善するものである。
すなわち、実開平3−19177号公報では可動子の動
作距離がそのまま磁気抵抗となるが、本願では永久磁石
3の両磁極面に固着した磁極片4、4aはヨーク10、
10aと微少間隙を介して摺動可能に構成されているの
で磁路の磁気抵抗は少なく大きな磁気吸引力を発生させ
ることができる。本実施例によれば流体圧力Fを操作力
とし、可動子(弁ゴム14)が小さい距離移動しても大
きい吸引力を得ることができる。
【0015】また、図3に示すように、スプリング15
を固定子と可動子の間に挿着しその抗力を補助的に作用
させることによって、可動子の移動距離の変化に対する
吸引力の変化の大きさを大きくすることができる。すな
わち、図3の安全弁においては磁気吸引力とスプリング
抗力を重畳させることにより、流体圧に対する安全弁の
動作点を所定値に設定することができる。
【0016】さらに、本発明の装置を扉等の施錠装置に
使用し、その操作力の伝達に例えばカメラ等に利用され
るリース機構を用いれば、扉等の施錠を離隔した位置か
ら操作することができる。以上、流体の安全弁に適用し
た実施例について説明したが、本発明はさらに電気スイ
ッチにも適用することが可能である。
【0017】
【発明の効果】本発明の永久磁石を利用した双安定機構
は、次のような効果を発揮する。 (1)可動子の微少変位に対する可動子に作用する磁気
吸引力の変化が指数関数的に大きくなるので、 a.高精度で小型、軽量の双安定機構を提供できる。 b.操作力の印加がパルス状で、手動操作の感触がソフ
トタッチ化する。又安全弁等では動作速度が早くなる。 c.機械的安定状態の保持力が大きく設計できる。
【0018】(2)スプリング、レバー、カム等の複雑
な部品の組立がなく、単純、頑丈で小型、軽量の商品を
量産することができる。 (3)可動子の変位と可動子に作用する力の関係を磁路
の磁気抵抗の調整によって変化させることができるの
で、多様な特性を持つ施錠具、水槽水栓、流体用安全
弁、電気用スイッチ等の商品を製造することができる。
【0019】(4)機械的摩擦部は少く長寿命が期待で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例の説明図であり、図1
(a)は軸方向断面図、図1(b)は図1(a)のA−
A矢視断面図である。
【図2】図2は本発明の作用説明図であり、図2(a)
は一安定位置における磁束の状態、図2(b)は他の安
定位置に至る中間における磁束の状態を示す。
【図3】図3は本発明を流体弁に適用した実施例の説明
図であり、図3(a)は縦断面図、図3(b)は図3
(a)のB−B矢視断面図である。
【図4】図4は図3の作用説明図であり、図4(a)は
閉弁時、図4(b)は開弁時を示す。
【符号の説明】
1、1a 底板 2 軸受孔 3 永久磁石 4、4a 磁極片 5 非磁性体 6 シャフト 7 ガイドパイプ 10、10a ヨーク 11 流入口 12 流出口 13 弁座 14 弁ゴム 15 スプリング

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方端を中心軸受孔をもつ底板で閉じ、
    他方端は開口した筒状ヨークの一対を、該両開口端面間
    に所定軸長の環状非磁性体を介在させて同軸に接合して
    なる固定子と;該両軸受孔に挿通される非磁性体シャフ
    トと、該ヨーク内に該シャフトを囲繞して固設され軸方
    向に磁化した永久磁石と、該永久磁石両磁極のそれぞれ
    に固着された磁極片を備えると共に該シャフトに両端か
    ら交互に軸方向操作力を印加することにより2安定位置
    間を移動する可動子と;からなることを特徴とする永久
    磁石を用いた双安定機構。
  2. 【請求項2】 該固定子と該可動子間の軸方向にスプリ
    ングを設けた請求項1記載の永久磁石を用いた双安定機
    構。
  3. 【請求項3】 該シャフトに印加される操作力がレリー
    ズ機構によって伝達される請求項1記載の永久磁石を用
    いた双安定機構。
JP3202731A 1991-08-13 1991-08-13 永久磁石を用いた双安定機構 Expired - Lifetime JP3044851B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3202731A JP3044851B2 (ja) 1991-08-13 1991-08-13 永久磁石を用いた双安定機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3202731A JP3044851B2 (ja) 1991-08-13 1991-08-13 永久磁石を用いた双安定機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0547545A JPH0547545A (ja) 1993-02-26
JP3044851B2 true JP3044851B2 (ja) 2000-05-22

Family

ID=16462231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3202731A Expired - Lifetime JP3044851B2 (ja) 1991-08-13 1991-08-13 永久磁石を用いた双安定機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3044851B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0547545A (ja) 1993-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8710945B2 (en) Multistable electromagnetic actuators
JP5932772B2 (ja) 電磁動作スイッチ装置およびその作動方法
US9360129B2 (en) Valve system
JPH0361777A (ja) 永久磁石使用の電磁弁
KR20030007460A (ko) 영구 자석 액추에이터 기구
EP0198085B1 (en) Electromagnetic actuator
US20130328650A1 (en) Divergent flux path magnetic actuator and devices incorporating the same
JP4667664B2 (ja) 電力用開閉装置
JP6134237B2 (ja) 双安定移動装置
JP4901642B2 (ja) 電磁石装置、及び電磁操作開閉装置
JP3044851B2 (ja) 永久磁石を用いた双安定機構
JP2004177398A (ja) 磁気式リニアポジションセンサ
WO2004104462A1 (en) Pivoting electromagnetic actuator and integrated actuator and fluid flow control valve
JP6097185B2 (ja) 遮断弁
JP4722601B2 (ja) 電磁操作機構およびこれを使用する電力用開閉器、電力用開閉装置
JPH0529133A (ja) 電磁石
GB2379726A (en) Electro-magnetically operated device
JP6072612B2 (ja) 電磁操作装置
EP3297004B1 (en) Electromagnetic actuator with rocking armature
JP6307421B2 (ja) 双安定移動装置
WO2022070444A1 (ja) アクチュエータ
JP3251085B2 (ja) 電磁弁
JP2001320868A (ja) リニアアクチュエータ
JP2006042508A (ja) リニアアクチュエータ
JPS61167367A (ja) 電磁アクチユエイタ−

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000215