JP6134237B2 - 双安定移動装置 - Google Patents

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    • H02K33/16Motors with reciprocating, oscillating or vibrating magnet, armature or coil system with polarised armatures moving in alternate directions by reversal or energisation of a single coil system

Description

この発明は、可動子と回転子を用い、可動子を2つの位置の間で移動させ、そのどちらかの位置に保持する双安定移動装置に関するものである。
従来より、この種の双安定移動装置として、遮断弁や電磁開閉器、電子ロックなどの様々な用途で、可動子が2つの位置の間を移動でき、そのどちらかの位置に保持する機構を備えた双安定ラッチ型のソレノイドが使用されている。
例えば、特許文献1には双安定型リニア電磁ソレノイドとして、特許文献2にはソレノイドアクチュエータとして、軸方向に移動可能な非磁性軸に固定されたプランジャ(可動子)が、プランジャを挟んで軸方向に対称に設置された固定コアを備えた1組の永久磁石(固定子)のどちらか一方にラッチされるように構成され、他端への移動はそれらを囲んで軸方向に対称に配置された1組の励磁コイルにより行う双安定移動装置が開示されている。
また、特許文献1や特許文献2では、可動子が鉄心で固定子に磁石を配置しているのに対して、例えば、特許文献3に示された双方向ラッチングソレノイドは、逆に可動子が磁石で、固定子を鉄心のみで構成されているが、いずれにしても、従来の双安定移動装置は可動子と固定子のどちらか一方が鉄心(磁性体)で、他方が磁石という構成とされている。
特開平8−288129号公報 特開平7−335434号公報 特開平2010−98037号公報
しかしながら、上述した従来の双安定移動装置では、可動子と固定子のどちらか一方が鉄心(磁性体)で、他方が磁石という構成であるために、励磁コイルへの供給電流(励磁電流)を遮断した状態で1組の固定子のどちらか一方に可動子がラッチされている状態のときに、他方向への衝撃や過大力が掛かり、可動子が他方向へ移動してしまった場合は、可動子が他方向でラッチされてしまい、重大な誤動作となってしまう。特に、遮断弁や電磁開閉器、電子ロックなどでは、衝撃で開閉状態が逆になってしまうという致命的な問題となる。
また、それを防止するためにラッチ用永久磁石の磁力を強くするなどして、ラッチ力を強くすると、ラッチの解除および他方向への移動に大きな電力が必要になる、という問題が生じる。
また、可動子の可動軸方向への移動の初期動作、つまり、最も離れた状態での可動子の吸引動作を電磁力で行うために、特に、ストローク(≒可動子と固定子間のギャップ)が大きい場合、電磁力は距離(ギャップ)のほぼ2乗に反比例するため、大きな電力が必要になる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、可動子に他方向への衝撃や一時的な過大力が掛かり、可動子が他方向へ移動してしまった場合でも、可動子が他方向でラッチされることがなく、可動子が元の方向でのラッチに自動的に復帰する、安全性が高く、確実な動作を得ることが可能な双安定移動装置を提供することにある。
また、従来のソレノイドで可動軸方向への移動の主動力に使われる場合よりも少ない電力で動作させることが可能な双安定移動装置を提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、可動軸方向に移動可能で、かつ、可動軸を中心とした回転を阻止するように保持され、可動軸と直交する方向に可動軸を挟むように複数の磁極を配置した第1の永久磁石と、可動軸と直交する方向に可動軸を挟むように、かつ、第1の永久磁石の磁極に対して可動軸方向に異極同士が対向するように、複数の磁極を配置した第2の永久磁石とを備える可動子と、可動軸を中心として回転可能で、かつ、可動軸方向の移動を阻止するように保持され、と同時にの磁極の位置を可動軸を中心とする第1の円周上とし、他方の磁極の位置を第1の円周よりも大径の可動軸を中心とする第2の円周上とする複数の磁極対を、可動軸と直交する方向に可動子を挟むように配置した永久磁石を備える回転子と、回転子を回転させて、回転子の第1の円周上の磁極の配置を、第1の配置と第2の配置との間で入れ替える回転子回転手段とを備え、回転子は、第1の円周上の磁極の配置が第1の配置である場合、可動子の第1の永久磁石を磁気吸引保持すると同時に、可動子の第2の永久磁石を磁気反発させ、第1の円周上の磁極の配置が第2の配置である場合、可動子の第2の永久磁石を磁気吸引保持すると同時に、可動子の第1の永久磁石を磁気反発させることを特徴とする。
本発明において、可動子は、可動軸方向に移動可能で、かつ、可動軸を中心とした回転を阻止するように保持され、可動軸と直交する方向に可動軸を挟むように複数の磁極を配置した第1の永久磁石と、可動軸と直交する方向に可動軸を挟むように、かつ、第1の永久磁石の磁極に対して可動軸方向に異極同士が対向するように、複数の磁極を配置した第2の永久磁石とで構成されており、回転子は、回転させることによって、第1の円周上の磁極の配置を第1の配置と第2の配置との間で入れ替えることができる。
本発明において、回転子を回転させ、回転子の第1の円周上の磁極の配置を第1の配置とすると、可動子の第1の永久磁石を磁気吸引保持すると同時に、可動子の第2の永久磁石を磁気反発させる。また、回転子を回転させ、回転子の第1の円周上の磁極の配置を第2の配置とすると、可動子の第2の永久磁石を磁気吸引保持すると同時に、可動子の第1の永久磁石を磁気反発させる。
すなわち、本発明において、回転子の第1の円周上の磁極の配置が第1の配置にあり、可動子の第1の永久磁石が回転子に磁気吸引されている場合に、回転子を回転させて回転子の第1の円周上の磁極の配置を第2の配置にすると、可動子の第1の永久磁石と回転子との間の磁気吸引力が消失し、第1の永久磁石と回転子との間に磁気反発力が発生する。これにより、第1の永久磁石が回転子を離れるとともに、第2の永久磁石が回転子に近づき、第2の永久磁石との間に生じる磁気吸引力との合力により、可動子が可動軸方向の一方側に移動し、可動子の第2の永久磁石が回転子によりラッチ(吸引・保持)される。
また、本発明において、回転子の第1の円周上の磁極の配置が第2の配置にあり、可動子の第2の永久磁石が回転子に磁気吸引されている場合に、回転子を回転させて回転子の第1の円周上の磁極の配置を第1の配置にすると、可動子の第2の永久磁石と回転子との間の磁気吸引力が消失し、第2の永久磁石と回転子との間に磁気反発力が発生する。これにより、第2の永久磁石が回転子を離れるとともに、第1の永久磁石が回転子に近づき、第1の永久磁石との間に生じる磁気吸引力との合力により、可動子が可動軸方向の他方方側に移動し、可動子の第1の永久磁石が回転子によりラッチ(吸引・保持)される。
本発明において、例えば、回転子の第1の円周上の磁極の配置が第1の配置にあり、可動子の第1の永久磁石が回転子に磁気吸引されている場合に、可動軸方向の一方側への衝撃や一時的な過大力が掛かり、可動子が可動軸方向の一方側へ移動してしまったとする。この場合、可動子は、回転子の第1の円周上の磁極の配置が第1の配置にある状態で、第1の永久磁石が回転子にラッチされている状態から、可動軸方向の一方側へ移動する。可動子の第2の永久磁石が回転子に近づくと、第2の永久磁石と回転子との間には磁気反発力が発生する。
これにより、第2の永久磁石が回転子から離れるとともに、第1の永久磁石が回転子に近づき、第1の永久磁石と回転子との間に生じる磁気吸引力との合力により、可動子が可動軸方向の他方側に戻される。すなわち、可動子が可動軸方向の一方側へ移動しても、可動子は可動軸方向の一方側に移動した位置ではラッチされずに、自動的に可動軸方向の他方側に移動した位置でのラッチ(元のラッチ状態)に復帰する。
本発明において、例えば、回転子の第1の円周上の磁極の配置が第2の配置にあり、可動子の第2の永久磁石が回転子に磁気吸引されている場合に、可動軸方向の他方側への衝撃や一時的な過大力が掛かり、可動子が可動軸方向の他方側へ移動してしまったとする。この場合、可動子は、回転子の第1の円周上の磁極の配置が第2の配置にある状態で、第2の永久磁石が回転子にラッチされている状態から、可動軸方向の他方側へ移動する。可動子の第1の永久磁石が回転子に近づくと、第1の永久磁石と回転子との間には磁気反発力が発生する。
これにより、可動子の第1の永久磁石が回転子から離れるとともに、第2の永久磁石が回転子に近づき、第2の永久磁石と回転子との間に生じる磁気吸引力との合力により、可動子が可動軸方向の一方側に戻される。すなわち、可動子が可動軸方向の他方側へ移動しても、可動子は可動軸方向の他方側に移動した位置ではラッチされずに、自動的に可動軸方向の一方側に移動した位置でのラッチ(元のラッチ状態)に復帰する。
このように、本発明では、回転子を回転させて回転子の第1の円周上の磁極の配置を入れ替えなければ、可動子の一方側に移動した位置から他方側に移動した位置へのラッチの切り換え、他方側に移動した位置から一方側に移動した位置へのラッチの切り換えを行うことができない。また、回転子の第1の円周上の磁極の配置を入れ替えない状態で、一方側に移動した位置にラッチされている可動子の他方側への移動、他方側に移動した位置にラッチされている可動子の一方側への移動が生じた場合、自動的に元のラッチ状態に復帰される。これは、可動子の可動軸方向の移動に、回転子の回転というロック機構を付加したことによるものであり、このロック機構を付加することによって、安全性が高められ、確実な動作を得ることが可能となる。
また、本発明では、可動子と回転子の両方に永久磁石を使用し、可動子を可動軸方向へ移動させるための主動力は、回転子(永久磁石)との間で働く、移動元側の可動子(永久磁石)の磁気反発力と、移動先側の可動子(永久磁石)の磁気吸引力の両方を同時に使用して行い、回転子を回転させるための回転力は、パイロット動力として、回転子の第1の円周上の磁極の配置を入れ替えるためにだけに使用されるので、例えば回転子(永久磁石)に近接した位置から瞬間的に磁界を与え、回転子の第1の円周上の磁極の配置を入れ替えるために必要な回転トルクを発生させるようにするだけでよく、従来のソレノイドで可動軸方向への移動の主動力に使われる場合よりも、(原理的に)少ない電力で動作させることが可能となる。なお、回転子を回転させるための回転力(回転トルク)は、必ずしも電磁力でなくてもよく、外部からの機械的な力であってもよい。
本発明において、可動子は、可動軸方向に移動可能で、かつ、可動軸を中心とした回転を阻止するように保持される必要がある。このために、例えば、可動子または可動子が接続されたシャフトなどに回転止め機構を設置するなどして、可動軸を中心とした回転を阻止するようにし、可動軸方向への移動のみを可能とする。一方、回転子は、可動軸を中心として回転可能で、かつ可動軸方向の移動を阻止するように保持される必要があり、例えば、環状の溝に配置するなどしてなどして、可動軸方向の移動を阻止するようにし、可動軸を中心とした回転のみを可能とする。
本発明において、可動子の永久磁石と回転子の永久磁石とを接触しないように配置すると、従来技術でラッチ時に発生する磁石への衝撃力や吸着音も抑制され、また、コンプライアンスを持ったラッチ状態に保持できるため、従来のソレノイドのようにメカ的な緩衝機構やバネ機構などを付加する必要がなくなるというメリットが生じる。
さらに、本発明において、回転子の永久磁石に外部から磁界を与えることにより回転子を回転させるような構成の場合は、回転子の永久磁石の第2の円周上に配置された磁極(外周側の磁極)を回転力発生用に使用し、回転子の永久磁石の第1の円周上に配置された磁極(内周側の磁極)を可動子の磁気吸引保持と磁気反発用に使用するようにして、可動子との間に発生する磁気吸引力に起因する内周側からの回転を妨げるトルクに対して、外周側からの弱い力で回転子を回転させることができるため、回転子回転手段の小型化と省電力化とが可能となる。
また、本発明では、さらなる安全対策として、通常の保持状態では回転子が衝撃などで意図しない回転をしないように、回転子に回転力を与えるヨークや永久磁石との間の吸引力やレバーなどのメカ機構などで、回転子の外周側に回転保持力が働くようにしておくことが好ましい。
なお、本発明において、可動子の永久磁石(第1および第2の永久磁石)としては、最も単純な例として2磁極のものが考えられるが、4磁極(例えば、円柱径方向着磁(円筒の場合は、内周側にも磁極があるため8磁極))以上の多磁極でも同様に構成することが可能である。
本発明によれば、可動子を第1の永久磁石(可動軸と直交する方向に可動軸を挟むように複数の磁極を配置した永久磁石)と第2の永久磁石(可動軸と直交する方向に可動軸を挟むように、かつ、第1の永久磁石の磁極に対して可動軸方向に異極同士が対向するように、複数の磁極を配置した永久磁石)とを備えた構成とし、回転子を回転させることによって回転子の第1の円周上の磁極の配置を第1の配置と第2の配置との間で入れ替え、回転子の第1の円周上の磁極の配置が第1の配置である場合に、可動子の第1の永久磁石を磁気吸引保持すると同時に、可動子の第2の永久磁石を磁気反発させ、回転子の第1の円周上の磁極の配置が第2の配置である場合に、可動子の第2の永久磁石を磁気吸引保持すると同時に、可動子の第1の永久磁石を磁気反発させるようにしたので、可動子に他方向への衝撃や一時的な過大力が掛かり、可動子が他方向へ移動してしまった場合でも、可動子が他方向でラッチされることがなく、可動子が元の方向でのラッチに自動的に復帰するものとなり、確実な動作を得ることが可能となり、安全性が高められる。
また、本発明によれば、回転子を回転させるための回転力は、パイロット動力として、回転子の第1の円周上の磁極の配置を入れ替えるためにだけに使用されるので、例えば回転子の永久磁石に近接した位置から瞬間的に磁界を与えるようにするだけでよく、従来のソレノイドで可動軸方向への移動の主動力に使われる場合よりも少ない電力で動作させることが可能となる。
本発明に係る双安定移動装置の一実施の形態の要部の構成を示す図(可動子が可動軸方向の他方側に移動した状態でラッチされている状態を示す図)である。 本発明に係る双安定移動装置の一実施の形態の要部の構成を示す図(可動子が可動軸方向の一方側に移動した状態でラッチされている状態を示す図)である。 可動子の第1の永久磁石と第2の永久磁石とを離間して配置するようにした例を示す図(図1に対応する図)である。 可動子の第1の永久磁石と第2の永久磁石とを離間して配置するようにした例を示す図(図2に対応する図)である。 可動子および回転子の近接対向するエッジの両方に面取り部を形成するようにした例を示す図である。 可動体の可動軸を中心とした回転を阻止する機構(回転止め機構)の要部を示す図である。 2つの永久磁石をその磁極方向が可動軸と直交するように可動子を挟むようにして配置した回転子を用いた例を示す図である。 2つの永久磁石をその磁極方向が可動軸と直交するように可動子を挟むようにして配置した回転子の他の例を示す図である。 2つの永久磁石をその磁極方向が可動軸と直交するように可動子を挟むようにして配置した回転子の別の例を示す図である。 可動軸を挟んでその軸芯をほゞ一致させてかつそのコアの一端を対向させて配置した1組の電磁コイルを用いた例を示す図である。 可動軸とほゞ直交する方向から可動子を挟んで対向するヨークの他方の端部の形状を平坦面とした例を示す図である。 可動軸とほゞ直交する方向から可動子を挟んで対向するヨークの他方の端部を部分的に接続または一体化させた例を示す図である。 可動軸とほゞ直交する方向から可動子を挟んで対向するヨークの他方の端部の形状を非対称とした例を示す図である。 可動軸とほゞ直交する方向から可動子を挟んで対向するヨークの他方の端部にノッチを設けるようにした例を示す図である。 可動軸とほゞ直交する方向から可動子を挟んで対向するヨークの端部の中心を結ぶ線と可動軸とを交わらせないようにした例を示す図である。 可動軸とほゞ直交する方向から可動子を挟んで対向するヨーク端部の中心を可動軸に直交する面内で可動子の両側にずらすようにした例を示す図である。 回転子に対し可動軸とほゞ直交する方向から進退自在として1組の回転力発生用の永久磁石を設けるようにした例を示す図(可動軸方向の他方側に移動した状態でラッチされている状態を示す図)である。 回転子に対し可動軸とほゞ直交する方向から進退自在として1組の回転力発生用の永久磁石を設けるようにした例を示す図(可動軸方向の一方側に移動した状態でラッチされている状態を示す図)である。 回転子に回転レバーを取り付けて外部から機械的な力(回転トルク)を与えて回転子を回転させるようにした例を示す図である。 可動体の可動軸を中心とした回転を阻止する機構(回転止め機構)の他の例を示す図である。 回転止め機構の別の例を示す図である。 回転止め機構の別の例を示す図である。 回転止め機構の別の例を示す図である。 回転止め機構の別の例を示す図である。 可動体(可動子)および回転子の保持構造を例示(回転子を隔室に配置した例)する図である。 可動体(可動子)および回転子の保持構造を例示(回転子を隔室の外側に配置した例)する図である。 可動子の第1および第2の永久磁石を4磁極とした場合の要部の構成を示す図である。 可動子の第1および第2の永久磁石を4磁極とした場合の回転子回転手段を構成するヨークの配置を示す図である。 可動子の第1および第2の永久磁石を4磁極とした場合に回転子における磁極対を上下だけの2方向とした例を示す図である。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る双安定移動装置の一実施の形態の要部の構成を示す図(図1(a)は正面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A線断面図)である。
図1において、1(1A)は可動子であり、その両端にはシャフト2−1,2−2が接続されている。シャフト2−1,2−2は非磁性体とされている。以下では、この可動子1とシャフト2−1,2−2とからなる一体物を可動体と呼び、符号3で示す。
可動体3は、シャフト2−1,2−2の軸方向(Z軸方向)に移動可能に設けられている。すなわち、可動体3(可動子1)は、Z軸方向を可動軸方向とし、この可動軸方向に移動可能に設けられている。
また、可動体3(可動子1)は、Z軸を中心とした回転を阻止するように保持されている。このZ軸を中心とした可動体3(可動子1)の回転を阻止する機構(回転止め機構)については後述する。以下、Z軸を可動軸と呼ぶ。
可動子1は、円柱状の第1の永久磁石1−1と第2の永久磁石1−2とから構成され、永久磁石1−1および1−2は径方向に着磁されている。本実施の形態において、永久磁石1−1と1−2とは一体とされており、永久磁石1−1が可動軸方向の一方側に設けられ、永久磁石1−2が可動軸方向の他方側に設けられている。
また、この例において、永久磁石1−1は、可動軸Zと直交する方向に可動軸Zを挟むように2つの磁極を配置した構成とされ、可動軸Zを挟んで対向する一方の面側(図1の状態では上側)がN極、他方の面側(図1の状態では下側)がS極とされている。
また、永久磁石1−2も、永久磁石1−1と同様に、可動軸Zと直交する方向に可動軸Zを挟むように2つの磁極を配置した構成とされ、可動軸Zを挟んで対向する一方の面側(図1の状態では上側)がS極、他方の面側(図1の状態では下側)がN極とされている。
すなわち、この例において、永久磁石1−1と1−2とは、可動軸方向に異極同士が対向するように、可動軸Zと直交する方向に可動軸Zを挟むように1対の磁極が配置された構成とされている。
なお、この例において、永久磁石1−1および1−2の磁極の方向は、図1(a)に示されるように、可動軸Zと直交する垂直方向の線L1の方向を基準方向とした場合、この基準方向に対してθだけ傾けられている。
図1において、4(4A)は回転子であり、可動軸Zを中心として回転可能で、かつ、可動軸方向の移動を阻止するように保持されている。回転子4は、径方向に着磁されたリングまたは円筒状の永久磁石(この例では、リング状の永久磁石)とされており、このリング状の永久磁石の中空部4aを通して可動軸方向に移動可能に可動体3(可動子1)が設けられている。
回転子4において、リング状の永久磁石の内周面は、可動軸Zを挟んで対向する一方の面側(図1の状態では上側)がS極、他方の面側(図1の状態では下側)がN極とされており、リング状の永久磁石の外周面は、可動軸Zを挟んで対向する一方の面側(図1の状態では上側)がN極、他方の面側(図1の状態では下側)がS極とされている。
すなわち、回転子4には、可動軸Zを中心とする第1の円周(内周面)上をS極の位置とし、可動軸Zを中心とする第1の円周よりも大径の第2の円周(外周面)上をN極の位置とする第1の磁極(上側の磁極対)対と、可動軸Zを中心とする第1の円周(内周面)上をN極の位置とし、可動軸Zを中心とする第1の円周よりも大径の第2の円周(外周面)上をS極の位置とする第2の磁極対(下側の磁極対)とが、可動軸Zを直交する方向に可動子1を挟むように配置されている。
なお、この例において、可動子1の永久磁石1−1,1−2は、同一の形状、同一のサイズとされている。また、可動子1の永久磁石1−1,1−2の可動軸方向の長さlは、回転子4の可動軸方向の長さL以上とされている。
図1において、7(7A)は、可動軸Zとほゞ直交する方向から回転子4に正逆方向の磁界を与えて回転子4を回転(180゜回転)させて、回転子4の内周面上の磁極の配置を、第1の配置と第2の配置との間で入れ替える回転子回転手段である。
この回転子回転手段7は、電磁コイル5と、この電磁コイル5のコアの一端および他端にその一方の端部が接続または一体化されたヨーク6−1および6−2とから構成されている。
この回転子回転手段7において、ヨーク6−1および6−2の他方の端部は、可動軸Zとほゞ直交する方向から回転子4を挟んで対向している。すなわち、回転子4の外周面の隣り合う1対の磁極にほゞ対向している。また、このヨーク6−1および6−2の他方の端部は、その形状が回転子4の外周面の形状に合わせて円弧状とされている。この円弧の形状は、回転子4の外周と同心円状に形成するのが回転効率を向上させるために好ましい。
〔通常のラッチ動作〕
図1の状態は、回転子回転手段7によって回転子4を回転させ、回転子4の内周面上の磁極の配置を第1の配置(上側がS極、下側がN極)に切り替えた状態を示している。
この第1の配置において、回転子4(リング状の永久磁石)の内周面の磁極は図1に示されているように、上側がS極、下側がN極となる。この状態において、回転子4は、可動子1の永久磁石1−1を磁気吸引している。すなわち、中空部4a内に可動子1の永久磁石1−1を引き込んで、ラッチ(吸引・保持)している。
なお、図1の状態は、回転子回転手段7によって回転子4を回転させた後、すなわち電磁コイル5への通電を行った後、電磁コイル5への通電を遮断した状態(非励磁状態)を示している。
この電磁コイル5の非励磁状態において、回転子4は、可動子1の永久磁石1−1との間の磁気吸引力によって、可動子1の永久磁石1−1の磁極の方向に沿って、その磁極の方向をほゞθだけ傾けた状態で静止している。
この状態から、回転子回転手段7によって回転子4を回転(180゜回転)させ、回転子4の内周面上の磁極の配置を第2の配置に切り替えたとする。すなわち、回転子4の内周面の磁極の位置を入れ替え、下側をS極、上側をN極にしたとする。すると、可動子1の永久磁石1−1と回転子4との間の磁気吸引力が消失し、永久磁石1−1と回転子4との間に磁気反発力が発生する。
これにより、永久磁石1−1が回転子4を離れるとともに、永久磁石1−2が回転子4に近づき、永久磁石1−2との間に生じる磁気吸引力との合力により、可動子1が可動軸方向の一方側(図1(b)に示す左方向)に移動し、可動子1の永久磁石1−2が回転子4によりラッチされる(図2参照)。
なお、図2の状態は、回転子回転手段7によって回転子4を回転させた後、すなわち電磁コイル5への通電を行った後、電磁コイル5への通電を遮断した状態(非励磁状態)を示している。この場合も、回転子4は、可動子1の永久磁石1−2との間の磁気吸引力によって、可動子1の永久磁石1−2の磁極の方向に沿って、その磁極の方向をほゞθだけ傾けた状態で静止する。
次に、この状態(図2の状態)から、回転子回転手段7によって回転子4を回転(180゜回転)させ、回転子4の内周面上の磁極の配置を第1の配置に切り替えたとする。すなわち、回転子4の内周面の磁極の位置を入れ替え、下側をN極、上側をS極にしたとする。すると、可動子1の永久磁石1−2と回転子4との間の磁気吸引力が消失し、永久磁石1−2と回転子4との間に磁気反発力が発生する。
これにより、永久磁石1−2が回転子4を離れるとともに、永久磁石1−1が回転子4に近づき、永久磁石1−1との間に生じる磁気吸引力との合力により、可動子1が可動軸方向の他方側(図2(b)に示す右方向)に移動し、可動子1の永久磁石1−1が回転子4によりラッチされる(図1参照)。
このようにして、回転子回転手段7によって回転子4を回転させることによって、可動子1が回転子4と非接触で移動し、可動子1の一方側でのラッチ、他方側でのラッチが行われる。この場合、回転子4の外周面の磁極を回転力発生用に使用し、回転子4の内周面の磁極を可動子1の磁気吸引保持と磁気反発用に使用することから、可動子1との間に発生する磁気吸引力に起因する内周側からの回転を妨げるトルクに対して、外周側からの弱い力で回転子4を回転させることができる。これにより、回転子回転手段7の小型化と省電力化とが可能となる。
また、回転子4は、電磁コイル5の非励磁状態において、その磁極の方向がほゞθだけ傾けられて静止しているので、回転子回転手段7からの電磁力を受けて効率よく回転する。
すなわち、電磁コイル5の非励磁状態において、ヨーク6−1の他方の端部の中心と可動軸Zとを直交するように結ぶ線とヨーク6−1の他方の端部とほゞ対向する回転子4の外周面の磁極の中心と可動軸Zとを結ぶ線との交差角をθとして、またヨーク6−2の他方の端部の中心と可動軸Zとを直交するように結ぶ線とヨーク6−2の他方の端部とほゞ対向する回転子4の外周面の磁極の中心と可動軸Zとを結ぶ線との交差角をθとして生じさせていることから、電磁コイル5を励磁状態とした時に発生する電磁力が回転子4の回転に効率よく作用する。なお、上述の交差角をθをつけていない場合は、つまり、θ=0の場合は、電磁力を受けても右回りと左回り(時計方向と反時計方向)の回転力がバランスしてしまうため回転しにくい。
これにより、回転子4を回転させ易くなり、低電力で回転させることができ、回転子回転手段7の小電力化が可能となる。また、回転子4が一方向に回転する。なお、この場合の交差角θは、0゜より大きく、90゜より小さい範囲とすることが好ましい。
〔ラッチ状態で他方向への衝撃や一時的な過大力が掛かった場合〕
今、回転子4の内周面上の磁極の配置が第1の配置とされ、可動子1の永久磁石1−1が回転子4に磁気吸引されている場合に(図1参照)、可動軸方向の一方側への衝撃や一時的な過大力が掛かり、可動子1が可動軸方向の一方側へ移動してしまったとする。
この場合、可動子1は、回転子4の内周面上の磁極の配置が第1の配置にある状態で、永久磁石1−1が回転子4にラッチされている状態から、可動軸方向の一方側へ移動する。可動子1の永久磁石1−2が回転子4に近づくと、永久磁石1−2と回転子4との間には磁気反発力が発生する。
これにより、永久磁石1−2が回転子4から離れるとともに、永久磁石1−1が回転子4に近づき、永久磁石1−1と回転子4との間に生じる磁気吸引力との合力により、可動子1が可動軸方向の他方側に戻される。
すなわち、可動軸方向の一方側への衝撃や一時的な過大力が掛かり、可動子1が可動軸方向の一方側へ移動しても、可動子1は可動軸方向の一方側に移動した位置ではラッチされずに、自動的に可動軸方向の他方側に移動した位置でのラッチ(元のラッチ状態)に復帰する。
今、回転子4の内周面上の磁極の配置が第2の配置とされ、可動子1の永久磁石1−2が回転子4に磁気吸引されている場合に(図2参照)、可動軸方向の他方側への衝撃や一時的な過大力が掛かり、可動子1が可動軸方向の他方側へ移動してしまったとする。
この場合、可動子1は、回転子4の内周面上の磁極の配置が第2の配置にある状態で、永久磁石1−2が回転子4にラッチされている状態から、可動軸方向の他方側へ移動する。可動子1の永久磁石1−1が回転子4に近づくと、永久磁石1−1と回転子4との間には磁気反発力が発生する。
これにより、永久磁石1−1が回転子4から離れるとともに、永久磁石1−2が回転子4に近づき、永久磁石1−2と回転子4との間に生じる磁気吸引力との合力により、可動子1が可動軸方向の一方側に戻される。
すなわち、可動軸方向の他方側への衝撃や一時的な過大力が掛かり、可動子1が可動軸方向の他方側へ移動しても、可動子1は可動軸方向の他方側に移動した位置ではラッチされずに、自動的に可動軸方向の一方側に移動した位置でのラッチ(元のラッチ状態)に復帰する。
このように、本実施の形態の双安定移動装置では、回転子4を回転させて回転子4の内周面上の磁極の配置を入れ替えなければ、可動子1の一方側に移動した位置から他方側に移動した位置へのラッチの切り換え、他方側に移動した位置から一方側に移動した位置へのラッチの切り換えを行うことができない。また、回転子4の内周面上の磁極の配置を入れ替えない状態で、一方側に移動した位置にラッチされている可動子1の他方側への移動、他方側に移動した位置にラッチされている可動子1の一方側への移動が生じた場合、自動的に元のラッチ状態に復帰する。
本実施の形態の双安定移動装置では、可動子1の可動軸方向の移動に、回転子4の回転というロック機構を付加しており、このロック機構を付加することによって、確実な動作を得ることが可能となり、安全性が高められる。
また、本実施の形態の双安定移動装置では、可動子1と回転子4の両方に永久磁石を使用し、可動子1を可動軸方向へ移動させるための主動力は、回転子(永久磁石)4との間で働く、移動元側の可動子1(永久磁石)の磁気反発力と、移動先側の可動子1(永久磁石)の磁気吸引力の両方を同時に使用して行い、回転子4を回転させるための回転力は、パイロット動力として、回転子4の内周面上の磁極の配置を入れ替えるためにだけに使用される。これにより、回転子(永久磁石)4に近接した位置から瞬間的に磁界を与え、回転子4の内周面上の磁極の配置を入れ替えるために必要な回転トルクを発生させるようにするだけでよく、従来のソレノイドで可動軸方向への移動の主動力に使われる場合よりも、(原理的に)少ない電力で動作させることができる。
〔可動子について〕
図1に示した構成では、可動子1の永久磁石1−1,1−2を円柱状としたが、円筒状とするなどしてもよい。可動子1の永久磁石1−1,1−2を円柱状としたり、円筒状としたりすることにより、外側に配置される回転子4の内周面との距離を近く設定することができるため、磁気的な効率が良く、小型化にも都合がよい。さらに、円筒状の場合は、体積や磁極間距離に応じて磁力は弱くなるが、内側にシャフトを通して固定できるので、軸合わせやシャフトとの接続が容易になり組立やすくなる。可動子1の永久磁石1−1,1−2は、角型としてもよいが、円柱または円筒状とすることが、磁気的およびスペース的な効率が最も良い形状であると言える。
また、図1に示した構成では、可動子1の永久磁石1−1,1−2を同一の形状、同一のサイズとしたが、必ずしも同一の形状、同一のサイズとしてなくてもよい。同一の形状、同一のサイズとすることにより、双方向の動作特性を均一にすることができる。なお、逆に永久磁石1−1,1−2の形状やサイズを変えることにより、双方向の動作特性を非対称にすることも可能である。
また、図1に示した構成では、可動子1の永久磁石1−1,1−2の可動軸方向の長さlを回転子4の可動軸方向の長さL以上としているが、必ずしもl≧Lとしなくてもよい。l≧Lとすることにより、可動子1のストロークを大きくすることができる。
また、図1に示した構成では、可動子1の永久磁石1−1,1−2を一体としているが、必ずしも一体としてなくてもよく、永久磁石1−1,1−2を別部材として磁力や接着などにより接続しても良い。可動子1の永久磁石1−1,1−2を一体とすることにより、すなわち多磁極着磁で同一部材に永久磁石1−1,1−2を形成することにより、組立を容易とすることができる。
図3に、可動子1の永久磁石1−1と永久磁石1−2とを離間して配置するようにした例(図1に対応する図)を示す。図3に示した例では、可動子1を永久磁石1−1と永久磁石1−2とで構成し、この永久磁石1−1と永久磁石1−2との間(可動軸方向)を非磁性の部材(シャフトなど)1−3で連結している。このような可動子1Bを用いることにより、可動子のストロークをさらに大きくすることができる。図4に図2に対応する図を示す。
〔可動子の可動範囲の規制〕
図3に可動子1の可動範囲を制限するようにした例を示す。この例では、可動軸方向の一方側にストッパ8−1を、可動軸方向の他方側にストッパ8−2を設けて、ストッパ8−1により可動体3(可動子1)の可動軸方向の一方側への移動を規制し、ストッパ8−2により可動体3(可動子1)の可動軸方向の他方側への移動を規制し、これにより可動体3(可動子1)の可動軸方向の可動範囲を制限するようにしている。
また、図3に示されるような構成とする場合、可動子1Bの永久磁石1−1,1−2が回転子4の中空部4a内に入らないように、可動子1Bの永久磁石1−1,1−2の内側の端面付近で止まるように可動子1Bの可動範囲を制限すると、回転子4の回転を妨げる永久磁石1−1,1−2と回転子4の内周側の磁極との間の吸引力の可動軸Zと垂直方向のベクトル成分が大きくなるのを抑制できるので、回転子4を回転させやすくなる。また、可動子1Bの永久磁石1−1,1−2の内側の端面が回転子4の中空部4a内にわずかに(例えば、回転子4が外径13mm、内径8mm程度のリング状永久磁石であれば、0.5mm程度)入ったところで止まるように可動子1Bの可動範囲を制限すると、さらに回転子4を回転させやすくなる。これは、可動子1Bの永久磁石1−1,1−2の回転子4に接近している方の永久磁石の磁極と、回転子4の内周側の磁極との間(異極同士)に発生する吸引力の他に、回転子4の外周側の磁極との間(同極同士)に発生する反発力の影響も受けるためお互いの力がバランスし、回転子4が可動子1Bの永久磁石1−1,1−2の回転子4に接近している方の永久磁石から受ける合力として、回転子4の回転を妨げる力が弱くなるためである。
また、図3に示されるような構成とする場合、可動子1および回転子4の近接対向するエッジの両方または片方に面取り部を形成するようにしてもよい。図5に、可動子1および回転子4の近接対向するエッジの両方に面取り部を形成するようにした例を示す。図5(a)は要部の側面断面図であり、図5(b)は図5(a)を左方向から見た図、図5(c)は図5(a)を右方向から見た図である。
図5に示した例では、可動子1の永久磁石1−1および1−2の回転子4に近接対向するエッジに、面取り部1aおよび1bを形成している。また、回転子4の可動子1の永久磁石1−1および1−2に近接対向するエッジに、面取り部4bおよび4cを形成している。
可動子1と回転子4のエッジ部が近接した時、急激に磁気吸引力が高くなり、可動子1に発生する力の特性が急変するとともに、回転を妨げる可動軸Zと直交する方向の力も大きくなる。可動子1および回転子4の近接対向するエッジの両方または片方に面取り部を形成することにより、特性変化が滑らかになるため、固体間によるばらつきが小さくなり、可動軸Zと直交する方向の力も弱くなり、回転を妨げるトルクも小さくなるため、回転子回転手段7における低電力化が可能となる。また、可動軸Zと平行な方向の力成分が大きくなるため、可動子1の発生力が向上する。
〔回転止め機構について〕
図6に可動体3(可動子1)の可動軸Zを中心とした回転を阻止する機構(回転止め機構)の一例の要部を示す。図6(a)は要部の側面図であり、図6(b)は図6(a)におけるB−B線断面図である。なお、図6において、回転子4や回転子回転手段7などは省略している。
この例において、可動子1の一端に接続されたシャフト2−1はブッシュ(リニアガイド)9−1に挿通され、可動子1の他端に接続されたシャフト2−2はブッシュ(リニアガイド)9−2に挿通されている。ブッシュ(リニアガイド)9−1,9−2は固定されており、このブッシュ(リニアガイド)9−1,9−2を可動体3(可動子1)が可動軸方向に移動する。
ブッシュ(リニアガイド)9−1,9−2の内周面には、突起9a,9bが形成されており、この突起9a,9bにシャフト2−1,2−2の外周面に可動軸方向に沿って形成されている溝2a,2bを係合させて、シャフト2−1,2−2をブッシュ(リニアガイド)9−1,9−2に挿通させている。
この突起9a,9bと溝2a,2bとの係合によって、可動体3(可動子1)の可動軸Zを中心とした回転が阻止される。また、この突起9a,9bと溝2a,2bとの係合によって、つまり、ブッシュ(リニアガイド)9−1,9−2の固定角度によって、可動体3(可動子1)の可動軸Zを中心とする回転角度が設定され、この回転角度の設定によって可動子1の永久磁石1−1および1−2の磁極の方向の傾きθが設定される。
〔回転子について〕
図1に示した構成では、回転子4をリングまたは円筒状の永久磁石としたが、リング状や円筒状の永久磁石に限られるものではなく、図7に示すように、1対の磁極を持つ永久磁石4−1,4−2を、その磁極方向が可動軸Zと直交するように、可動子1を挟むようにして配置した構成としてもよい。
図7に示した構成では、半リングまたは半円筒状の保持部材(非磁性部材)4−3と4−4の端部間に矩形状の永久磁石4−1,4−2を挟んで、全体の形状をリングまたは円筒状とした回転子4(4B)を用いている。
この回転子4Bでは、永久磁石4−1のS極および永久磁石4−2のN極の位置を回転子4Bの内周面上(第1の円周上)とし、永久磁石4−1のN極および永久磁石4−2のS極の位置を回転子4Bの外周面上(第2の円周上)としている。すなわち、1対の磁極を持つ永久磁石4−1,4−2を、その磁極方向が可動軸Zと直交するように、可動子1を挟むようにして配置した構成としている。
なお、図8に示すように、円板状の保持部材(非磁性部材)4−5上に矩形状の永久磁石4−1,4−2を設けるようにしてもよく、図9に示すように、リングまたは円筒状の保持部材(非磁性部材)4−6の外周面に矩形状の永久磁石4−1,4−2を嵌め込むようにしてもよい。図7〜図9に示すような保持部材4−3〜4−6を用いることにより、磁石材料の使用量を削減することができ、摺動部を一体化するなど、設計の自由度が広がる。
〔回転子回転手段について〕
図1に示した構成では、回転子回転手段7(7A)を電磁コイル5とヨーク6−1,6−2とから構成し、ヨーク6−1および6−2の他方の端部を可動軸Zとほゞ直交する方向から回転子4を挟んで対向させるようにしているが、必ずしもこのような構成でなくてもよい。
例えば、図10に示すように、可動軸Zを挟んでその軸芯をほゞ一致させてかつそのコアの一端を対向させて配置した1組の電磁コイル5−1,5−2と、この1組の電磁コイル5−1,5−2のコアの一端にその一方の端部が接続または一体化されたヨーク6−3,6−4と、この1組の電磁コイル5−1,5−2のコアの他端を連結するヨーク6−5とで回転子回転手段7を構成するようにしてもよい。
この回転子回転手段7(7B)では、1組の電磁コイル5−1,5−2のコアの一端にその一方の端部を接続または一体化したヨーク6−3,6−4の他方の端部を、可動軸Zとほゞ直交する方向から可動子1を挟んで対向させている。また、ヨーク6−3および6−4の他方の端部の形状を回転子4の外周面の形状に合わせて円弧状としている。この円弧の形状は、回転子4の外周と同心円状に形成するのが回転効率を向上させるために好ましい。
また、図1に示した構成では、ヨーク6−1および6−2の他方の端部の形状を回転子4の外周面の形状に合わせて円弧状としているが、図11に示すように、ヨーク6−1および6−2の他方の端部の形状を平坦面としてもよい。ヨーク6−1および6−2の他方の端部の形状を円弧状とすると、回転力の発生効率が良くなる(低磁束(低電力)で回転させることができる)。なお、それぞれ対向するヨーク6−1および6−2の円弧の両端部分は、断面積を小さく(磁気抵抗を高く)し、近接して対向させることが回転力を大きくするために好ましい。
また、図1に示した構成では、ヨーク6−1および6−2の他方の端部の突き合わせ部に空間を設けているが、図12に示すように、突き合わせ部に空間を設けずに接続または一体化するようにしてもよい。ヨーク6−1および6−2の他方の端部の突き合わせ部を接続または一体化すると、すなわちヨーク6−1および6−2の他方の端部を部分的に接続または一体化すると、回転力の発生効率は低下するが、位置合わせや組み付けが容易となる。
また、図1に示した構成では、電磁コイル5の非励磁状態における交差角θの設定を可動子1の可動軸Zを中心とする回転角度の設定によって行うようにしているが、ヨーク6−1および6−2の非対称な形状または配置で行うようにしてもよい。図13,図14にその一例を示す。
図13に示した例では、ヨーク6−1および6−2の他方の端部の形状を非対称とすることにより、電磁コイル5の非励磁状態において、回転子4とヨーク6−1および6−2の他方の端部との間に働く吸引力によって回転子4の回転角度がバランスする安定位置を設定することにより交差角θを生じさせるようにしている。
図14に示した例では、ヨーク6−1および6−2の他方の端部にノッチ6aおよび6bを設けることにより、電磁コイル5の非励磁状態において、回転子4とヨーク6−1および6−2の他方の端部との間に働く吸引力によって回転子4の回転角度がバランスする安定位置を設定することにより交差角θを生じさせるようにしている。
このように、ヨーク6−1および6−2の非対称な形状または配置で交差角θの設定を行うようにすると、回転子4を所定の角度位置に保持する保持トルクが働くため、電磁コイルの励磁以外の要因による回転を妨げ、誤動作を防止することが可能となる。
なお、図13および図14に示した例において、可動子1の磁極の方向は図示されていないが、可動子1の可動軸Z方向の発生力を最大にするために、可動子1の磁極の方向も回転子4の磁極の方向と合わせるように回転止め機構によって設定することが好ましい。
また、図15に示すように、図11に示した構成において、可動軸Zとほゞ直交する方向から可動子1を挟んで対向するヨーク6−1,6−2の端部の中心を結ぶ線と可動軸Zとを交わらせないようにしてもよい。
また、図16に示すように、図11に示した構成において、可動軸Zとほゞ直交する方向から可動子1を挟んで対向するヨーク6−1,6−2の端部の中心を、可動軸Zに直交する面内で可動子1の両側にずらすようにしてもよい。
図15,図16に示すような構成とすると、図11に示した構成に比べて電磁コイル5の励磁で回転し易くなるため、低電力で回転させることができ、回転子回転手段7の 省電力化が可能となる。
また、図17に示すように、回転子4に対し可動軸Zとほゞ直交する方向から進退自在として、1組の回転力発生用の永久磁石10−1,10−2を設けるようにしてもよい。
図17に示した例では、回転力発生用の円弧状の永久磁石10−1をS極を回転子4側として回転子4の上側に設け、回転力発生用の円弧状の永久磁石10−2をS極を回転子4側として回転子4の下側に設け、押ボタン11−1とコイルバネ12−1とを回転力発生用の永久磁石10−1に付設することによって、回転力発生用の永久磁石10−1を回転子4に対して進退自在とし、押ボタン11−2とコイルバネ12−2とを回転力発生用の永久磁石10−2に付設することによって、回転力発生用の永久磁石10−2を回転子4に対して進退自在としている。
この回転力発生用の永久磁石10−1,10−2を用いた回転子回転手段7(7C)では、可動子1の永久磁石1−1が回転子4に磁気吸引されている場合に、押ボタン11−2が押され、回転力発生用の永久磁石10−2が回転子4に近づけられると、回転力発生用の永久磁石10−2の回転子4に対向する磁極(S極)と回転子4の外周面の磁極(S極)との間の磁気反発および他方の磁極(N極)との磁気吸引によって、回転子4が回転してその内周面上の磁極の配置が第1の配置から第2の配置に切り換えられる。これにより、可動体3が可動軸方向の一方側に移動し、可動子1の永久磁石1−2が回転子4にラッチされる(図18参照)。
また、可動子1の永久磁石1−2が回転子4に磁気吸引されている場合(図18参照)に、押ボタン11−1が押され、回転力発生用の永久磁石10−1が回転子4に近づけられると、回転力発生用の永久磁石10−1の回転子4に対向する磁極(S極)と回転子4の外周面の磁極(S極)との間の磁気反発および他方の磁極(N極)との磁気吸引によって、回転子4が回転してその内周面上の磁極の配置が第2の配置から第1の配置に切り換えられる。これにより、可動体3が可動軸方向の他方側に移動し、可動子1の永久磁石1−1が回転子4にラッチされる(図17参照)。
図1に示した構成や図17に示した構成では、回転子4に外部から磁界を与えるようにしているが、図19に示すように、回転子4に回転レバー13(13−1,13−2)を取り付け、この回転レバー13に外部から機械的な力(回転トルク)を与えて回転子4を回転させ、回転子4の内周面上の磁極の配置を入れ替えるようにしてもよい。
この構成では、回転レバー13と、この回転レバー13に外部から機械的な力を与える手段によって、回転子回転手段7(7D)が構成される。なお、図19には示していないが、回転レバー13に外部から機械的な力を与える手段として、手動やモータ等のアクチュエータなどが考えられる。
回転子4に外部から磁界を与えるようにすると、非磁性の遮蔽物を通して、回転子4を駆動することが可能である。例えば、管の中の防爆領域にある回転子4を非接触で駆動することが可能となる。
〔回転止め機構の他の例〕
図1に示した構成では、図6に示したように、ブッシュ(リニアガイド)9−1,9−2に回転止めの突起9a,9bを設けることによって、可動体3(可動子1)の可動軸Zを中心とした回転を阻止するようにしたが、必ずしもこのような回転止め機構としなくてもよい。
図20に回転止め機構の他の例を示す。図20(a)は要部の側面図であり、図20(b)は図20(a)におけるC−C線断面図である。なお、図20において、回転子4や回転子回転手段7などは省略している。
この例において、ブッシュ(リニアガイド)9−1,9−2には回転止めの突起は設けられておらず、可動子1に接続されたシャフト2−1および2−2を直動および回転可能に軸支する。ブッシュ(リニアガイド)9−1,9−2は固定されている。この例において、ブッシュ(リニアガイド)9−1は、ベース部材(非磁性部材)14に固定(圧入)されている。ブッシュ(リニアガイド)9−2は他の部材に固定(圧入)されている。
15は可動子1の可動軸方向の力を受ける外部の被動作体であり、ベース部材14に設けられた複数のピン16をガイドとしてその可動軸方向への動きが案内されると共に、可動軸Zを中心とする回転方向の動きがピン16によって規制される。
シャフト2−1の先端は被動作体15に接続(固定)されており、ブッシュ(リニアガイド)9−1,9−2によって案内される可動軸方向の可動体3(可動子1)の動きが、被動作体15に伝達される。また、ピン16によって被動作体15の回転が規制されることにより、可動体3(可動子1)の可動軸Zを中心とした回転が阻止される。
図21〜図24に回転止め機構の別の例を示す。図21に示した例では、ベース部材14に設けられた複数のピン16を被動作体15(例えば、遮断弁の弁体など)に設けられた孔15aに挿入することにより、被動作体15の可動軸方向への動きを案内すると共に、被動作体15の可動軸Zを中心とする回転方向の動きを規制(可動体3(可動子1)の可動軸Zを中心とした回転を阻止)するようにしている。
図22に示した例では、被動作体15の裏面側に設けられた複数のピン17をベース部材14に設けられた孔14aに挿入することにより、被動作体15の可動軸方向への動きを案内すると共に、被動作体15の可動軸Zを中心とする回転方向の動きを規制(可動体3(可動子1)の可動軸Zを中心とした回転を阻止)するようにしている。
図23に示した例では、被動作体15の裏面側に設けられた複数の凸部15bとベース部材14に設けられた複数の凸部14aとを噛み合わせることにより、被動作体15の可動軸方向への動きを案内すると共に、被動作体15の可動軸Zを中心とする回転方向の動きを規制(可動体3(可動子1)の可動軸Zを中心とした回転を阻止)するようにしている。
図24に示した例では、被動作体15の裏面側に設けられた柱状の凸部15cをベース部材14に設けられた角孔14bに挿入することにより、被動作体15の可動軸方向への動きを案内すると共に、被動作体15の可動軸Zを中心とする回転方向の動きを規制(可動体3(可動子1)の可動軸Zを中心とした回転を阻止)するようにしている。
図21〜図24に示すような構成とすることにより、被動作体15に何らかの外力(可動軸Zを中心とした回転力)が加わってしまった場合の誤動作を防止することができると共に、回転止めをシャフト側に設けないようにすることが可能となる。
図25および図26に可動体3(可動子1)および回転子4の保持構造を例示する。なお、図25および図26において、回転子回転手段7や可動体3(可動子1)の回転止め機構などは省略している。
図25に示した例では、ベース部材(非磁性部材)14(14A)と管状部材(非磁性部材)21(21A)とによって作られる隔室22内に、可動体3(可動子1)と、回転子4とを設けている。可動体3のシャフト2−1は、ベース部材14Aに固定(圧入)されたブッシュ(リニアガイド)9−1に挿通され、可動体3のシャフト2−2は、管状部材21Aの管内に固定(圧入)されたブッシュ(リニアガイド)9−2に挿通されている。回転子4は、ベース部材14Aと管状部材21Aとで挟まれた隔室22内の空間に、可動軸Zを中心として回転可能に、かつ可動軸方向の移動を阻止するように保持されている。
図26に示した例では、ベース部材14(14B)と管状部材21(21B)とによって作られる内部の隔室22に、可動体3(可動子1)を設けている。可動体3のシャフト2−1は、ベース部材14Bに固定(圧入)されたブッシュ(リニアガイド)9−1に挿通され、可動体3のシャフト2−2は、管状部材21Bの管内に固定(圧入)されたブッシュ(リニアガイド)9−2に挿通されている。回転子4は、管状部材21Bの外側設けられた溝23に、可動軸Zを中心として回転可能に、かつ可動軸方向の移動を阻止するように保持されている。
〔可動子の永久磁石について〕
図1に示した構造では、可動子1を構成する永久磁石1−1,1−2を2磁極としているが、4磁極以上(例えば、円柱径方向着磁(円筒の場合は、内周側にも磁極があるため8磁極))の多磁極の永久磁石としてもよい。
図27に、可動子1の永久磁石1−1,1−2を円柱状の永久磁石とし、この円柱状の永久磁石を4磁極とした場合の構成図を示す。図27(a)は要部の側面断面図であり、図27(b)は図27(a)を左方向から見た図、図27(c)は図27(a)を右方向から見た図である。なお、図27において、図1に示されている回転子回転手段7などは省略している。
この例では、可動子1の永久磁石1−1の円周方向を4分割し、90゜間隔で隣接する周方向の面に磁極を形成している。この例では、90゜間隔で隣接する周方向の第1の面(図27(b))では上側の面)にS極を、第2の面(図27(b)では左側の面)にN極を形成し、第3の面(図27(b)では下側の面)にS極を、第4の面(図27(b)では右側の面)にN極を形成している。
同様に、可動子1の永久磁石1−2の円周方向を4分割し、90゜間隔で隣接する周方向の面に磁極を形成している。この例では、90゜間隔で隣接する周方向の第1の面(図27(c))では上側の面)にN極を、第2の面(図27(c)では左側の面)にS極を形成し、第3の面(図27(c)では下側の面)にN極を、第4の面(図27(c)では右側の面)にS極を形成している。
また、これに伴い、回転子4もその内周面を4磁極、外周面を4磁極、合計8磁極のリング状の永久磁石としている。すなわち、回転子4の内周面の円周方向を4分割し、90゜間隔で隣接する周方向の面に磁極を形成している。この例では、90゜間隔で隣接する周方向の第1の面(図27(b))では上側の面)にN極を、第2の面(図27(b)では左側の面)にS極を形成し、第3の面(図27(b)では下側の面)にN極を、第4の面(図27(b)では右側の面)にS極を形成している。
同様に、回転子4の外内周面の円周方向を4分割し、90゜間隔で隣接する周方向の面に磁極を形成している。この例では、90゜間隔で隣接する周方向の第1の面(図27(b))では上側の面)にS極を、第2の面(図27(b)では左側の面)にN極を形成し、第3の面(図27(b)では下側の面)にS極を、第4の面(図27(b)では右側の面)にN極を形成している。
なお、図27に示した構造において、回転子回転手段7を設ける場合には、図28に示すように、ヨーク6−1および6−2の他方の端部は、可動軸Zとほゞ直交する方向から回転子4の永久磁石の外周面上の隣り合う1対の磁極にほゞ対向するように配置する。
図28に示すようにヨーク6−1,6−2を配置する場合も、電磁コイル5の非励磁状態において、ヨーク6−1の他方の端部の中心と可動軸Zとを直交するように結ぶ線とヨーク6−1の他方の端部とほゞ対向する回転子4の永久磁石の外周面上の磁極の中心と可動軸Zとを直交するように結ぶ線との交差角をθとして、またヨーク6−2の他方の端部の中心と可動軸Zとを直交するように結ぶ線とヨーク6−2の他方の端部とほゞ対向する回転子4の永久磁石の外周面上の磁極の中心と可動軸Zとを直交するように結ぶ線との交差角をθとして、生じさせるようにすることが望ましい。
なお、例えば、可動子1を構成する永久磁石1−1,1−2を4磁極とする場合、図29に示すように、回転子4における磁極対は上下だけの2方向でもよい。但し、磁極対を上下だけの2方向とした場合、同極対向となるので、コイル(電磁力)による回転は困難となるが、構成は可能である。
また、上述した実施の形態において、永久磁石は、例えば、ネオジムやサマリウムコバルトなどの希土類磁石またはフェライト磁石、あるいは、それらの磁性体粉末に樹脂を混合して成形したボンド磁石などからなる。ヨークは、飽和磁束密度や透磁率が大きく、保磁力が小さく、磁気ヒステリシスの小さい軟磁性材料(例えば、電磁鋼板、電磁軟鉄、パーマロイなど)からなる。また、シャフトなどの非磁性部材は、例えば、アルミ、SUS316(L)、真鍮、樹脂などからなる。なお、非磁性部材は、上述のような非磁性材料の代わりに、わずかに磁性を持つ材料(例えば、SUS304など)でも構成は可能であり、性能は低くなるがコストなどの観点から選択することも考えられる。
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
1(1A,1B)…可動子、1−1,1−2…永久磁石、2−1,2−2…シャフト、3…可動体、4(4A,4B)…回転子、4−1,4−2…永久磁石、5…電磁コイル、6−1,6−2…ヨーク、7(7A,17B,17C)…回転子回転手段。

Claims (22)

  1. 可動軸方向に移動可能で、かつ、前記可動軸を中心とした回転を阻止するように保持され、前記可動軸と直交する方向に前記可動軸を挟むように複数の磁極を配置した第1の永久磁石と、前記可動軸と直交する方向に前記可動軸を挟むように、かつ、前記第1の永久磁石の磁極に対して前記可動軸方向に異極同士が対向するように、複数の磁極を配置した第2の永久磁石とを備える可動子と、
    前記可動軸を中心として回転可能で、かつ、前記可動軸方向の移動を阻止するように保持され、一方の磁極の位置を前記可動軸を中心とする第1の円周上とし、他方の磁極の位置を前記第1の円周よりも大径の前記可動軸を中心とする第2の円周上とする複数の磁極対を、前記可動軸と直交する方向に前記可動子を挟むように配置した永久磁石を備える回転子と、
    前記回転子を回転させて、前記回転子の第1の円周上の磁極の配置を、第1の配置と第2の配置との間で入れ替える回転子回転手段とを備え、
    前記回転子は、
    前記第1の円周上の磁極の配置が第1の配置である場合、前記可動子の第1の永久磁石を磁気吸引保持すると同時に、前記可動子の第2の永久磁石を磁気反発させ、
    前記第1の円周上の磁極の配置が前記第2の配置である場合、前記可動子の第2の永久磁石を磁気吸引保持すると同時に、前記可動子の第1の永久磁石を磁気反発させる
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  2. 請求項1に記載された双安定移動装置において、
    前記可動子の第1および第2の永久磁石は、円柱または円筒状とされている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  3. 請求項1又は2に記載された双安定移動装置において、
    前記可動子の第1および第2の永久磁石は、同一の形状、同一のサイズとされている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載された双安定移動装置において、
    前記可動子の第1および第2の永久磁石は、前記可動軸方向の長さが前記回転子の可動軸方向の長さ以上とされている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載された双安定移動装置において、
    前記可動子の第1および第2の永久磁石は、一体とされている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載された双安定移動装置において、
    前記可動子の第1および第2の永久磁石は、離間して配置されている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  7. 請求項6に記載された双安定移動装置において、
    前記可動子の第1および第2の永久磁石は、非磁性の部材で接続されている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  8. 請求項6又は7に記載された双安定移動装置において、
    前記可動子および前記回転子の近接対向するエッジの両方または片方に面取り部が形成されている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載された双安定移動装置において、
    前記可動子は、
    前記可動軸方向に移動可能で、かつ、前記可動軸を中心とした回転を阻止するように保持された非磁性シャフトの可動軸方向に接続されている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  10. 請求項1〜8の何れか1項に記載された双安定移動装置において、
    前記可動子は、
    前記可動軸方向に移動可能に保持された非磁性シャフトの可動軸方向に接続され、前記非磁性シャフトは、前記可動軸を中心とした回転を阻止する手段に接続されている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載された双安定移動装置において、
    前記回転子は、径方向に着磁されたリングまたは円筒状の永久磁石で形成されている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  12. 請求項1〜10の何れか1項に記載された双安定移動装置において、
    前記回転子は、
    1対の磁極を持つ複数の永久磁石を、その磁極方向が前記可動軸と直交するように、前記可動子を挟むようにして配置した構成とされている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  13. 請求項1〜12の何れか1項に記載された双安定移動装置において、
    前記回転子回転手段は、
    外部から機械的な力を与えることにより前記回転子を回転させる
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  14. 請求項1〜12の何れか1項に記載された双安定移動装置において、
    前記回転子回転手段は
    前記回転子の永久磁石に外部から磁界を与えることにより前記回転子を回転させる
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  15. 請求項14に記載された双安定移動装置において、
    前記回転子回転手段は
    前記可動軸とほゞ直交する方向から永久磁石を近づけて、前記回転子の永久磁石に逆方向の磁界を与えることにより前記回転子を回転させる
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  16. 請求項14に記載された双安定移動装置において、
    前記回転子回転手段は
    電磁コイルと、この電磁コイルのコアの一端および他端にその一方の端部が接続または一体化された第1および第2のヨークとを備え、
    前記第1および第2のヨークの他方の端部は、
    前記可動軸とほゞ直交する方向から前記回転子の永久磁石の第2の円周上の隣り合う1対の磁極にほゞ対向するように配置されている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  17. 請求項16に記載された双安定移動装置において、
    前記第1のヨークの他方の端部の中心と前記可動軸とを直交するように結ぶ線と前記第1のヨークの他方の端部とほゞ対向する前記回転子の永久磁石の第2の円周上の磁極の中心と前記可動軸とを直交するように結ぶ線との交差角、および前記第2のヨークの他方の端部の中心と前記可動軸とを直交するように結ぶ線と前記第2のヨークの他方の端部とほゞ対向する前記回転子の永久磁石の第2の円周上の磁極の中心と前記可動軸とを直交するように結ぶ線との交差角が、前記電磁コイルの非励磁状態において、前記可動軸方向からみて0゜より大きく、90゜より小さい範囲とされている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  18. 請求項17に記載された双安定移動装置において、
    前記交差角度の設定が、前記可動子の前記可動軸を中心とする回転角度の設定によって行われている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  19. 請求項17に記載された双安定移動装置において、
    前記交差角度の設定が、前記第1および第2のヨークを非対称な形状または配置にすることによって行われている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  20. 請求項16〜19の何れか1項に記載された双安定移動装置において、
    前記第1および第2のヨークは、前記他方の端部の形状が円弧状とされている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  21. 請求項16〜20の何れか1項に記載された双安定移動装置において、
    前記第1および第2のヨークは、前記他方の端部が部分的に接続または一体化されている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
  22. 請求項1〜21の何れか1項に記載された双安定移動装置において、
    前記可動子の可動軸方向の可動範囲を制限する手段を備えている
    ことを特徴とする双安定移動装置。
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