JPS5842166B2 - トフヨウフンマツノウヤクセイザイ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は塗布用粉末農薬製剤に関する。

塗布剤とは薬液を樹木に塗布して殺菌、殺虫、忌避等の
効果を得ることを目的とする農薬製剤を意味する。

従来の塗布剤は有効成分を担体で希釈し、これにアクリ
ル樹脂、塩化ゴム、石油樹脂、酢酸ビニル、鹸化価の高
いポリビニルアルコール、ラテックスエマルジョン等の
塗膜形成剤を加えたものを有機溶剤又は水に分散させた
ものである。

これらの製剤は使用には便利であるが、包装容器が高価
でかつ重量が大きく輸送及び保管に多大の費用を要する
等の欠点がある。

また有機溶剤を使用したものは溶剤の単価が高く、塗膜
形成時に溶剤が大気中に放散され、大気汚染、悪臭ある
いは中毒の発生するおそれがあり、引火、爆発の危険性
もあり、さらに用具の後始末に困るなどの欠点がある。

−力水系に分散したものは一般に薬剤の安定性が悪く、
市場において液の分離、懸垂物の沈降固化、凍結時の分
離等を起こす結果、再分散ができなくなるという欠点が
ある。

そこで塗布剤をあらかじめ粉末状に保存しておき、使用
時に水で希釈して使用することができればきわめて好都
合と考えられるが、従来の塗膜形成剤を用いる場合には
使用時に分散又は溶解させることが容易でなく、そのた
め従来は満足なものが得られていなかった。

本発明者らはこの問題を解決すべく種々研究の結果、塗
膜形成剤として水溶性高分子化合物及び担体を使用して
得られた粉末塗布剤が、使用時に容易に水に分散又は溶
解させることができることを見出して本発明を完成した
。

本発明は、ポリオキシン、水溶性高分子化合物及び担体
を含有することを特徴とする、塗布用粉末ポリオキシン
製剤である。

本発明において塗膜形成剤として用いられる水溶性高分
子化合物としては、たとえばメチルセルローズ、ヒドロ
キシエチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズ、
トラガントゴム、アラビヤゴム、低鹸化価のポリビニル
アルコール等がアケられる。

水溶性化合物は、本発明の製剤を水で希釈して塗布した
場合に粘着性及び造膜性を付与し、ポリオキシン及び塗
膜成分である担体を樹木に固着させる役割をする。

本発明の製剤は、ポリオキシンを担体及び塗膜形成剤と
混合することにより得られる。

担体としてはたとえばクレー、陶土（カオリン）、珪藻
土、タルク、チタン白、亜鉛華、リトポン、胡粉、炭酸
カルシウム、消石灰等の微粉状のものが好ましい。

さらに有効成分の分散性又は樹木に対する浸透性を高め
るために、たとえばソデイウムラウリルエーテルサルフ
エート、ポリオキシエチレン−アルキルアリルエーテル
サルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、リ
グニンスルホン酸ソーダ等の陰イオン界面活性剤、ある
いはポリオキシエチレン−ノニルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレン−アルキルアリルエーテル、ホリオキ
シエチレンーフェニルアリルエーテル等の非イオン界面
活性剤を添加してもよい。

本製剤には、塗布後のかびの発生を防ぐために、防腐剤
としてデヒドロ酢酸ソーダ、２−（４−チアゾリル）−
ベンズイミダゾール、ベンゾイルブロモアセテート、サ
リチル酸、ペンタクロロフェノールナトリウム塩、オル
トフェニルフェノールナトリウム塩等を少量加えること
が好ましい。

また流動パラフィン、パラフィン、有機合成樹脂たとえ
ばアクリル樹脂、アミン樹脂、フェノール樹脂等を加え
ることによって塗布後形成される塗膜に撥水性を付与し
有効成分の流亡を防ぐこともできる。

本発明の塗布用粉末製剤を製造するに際しては、粉体混
合機たとえばリボンミキサー、ナウタミキサー、■型混
合機等と、粉砕機たとえばアトマイザ−、ターボミル、
ジェットミル等とを組合せた通常の製剤方式を利用して
、各成分を混合する。

本発明の塗布用粉末製剤を対象植物に適用するに際して
は、たとえば所望の倍率に水で希釈し、よく混練したの
ち刷毛、筆等を用いて塗布するか、あるいはさらに希釈
して噴霧器を用いて吹付塗布する。

希釈は通常水を用いて行われるが、必要に応じて他の農
薬たとえば殺虫剤、殺菌剤、植物生長調節剤等の希釈液
を用いて希釈することもできる。

本発明の製剤は、従来の製剤のよ引と溶媒を使用してい
ないので、大きな容器を必要とせず、また粉末状である
ため有効成分の安定性がきわめて高い。

さらに本発明の製剤は使用時に水で任意の濃度に希釈で
きるので目的に応じて薬剤の効力及び持続性を調節す′
ることかできるという利点も有する。

実施例 ■型混合機にポリオキシン（科研製薬社製殺菌剤）５．
６．！ｉ’、微粉状クレー２７６．４．９１ポリオキシ
エチレン−アルキルアリルエーテルサルフェート５ｇ及
びメチルセルローズ４５．９を入れ、２０分間混合した
のちアトマイザ−で粉砕すると、塗布用粉末農薬製剤Ａ
が得られる。

試験例 即度リンゴの新梢（太さ約１０１１Ｌへ長さ７０ｍｍ）
を各２０本ずつ用い、接種部位を電気コテで焼傷し、そ
の上にリンゴ腐乱病の菌叢寒天（値径６關）を載せ、２
８℃の温室で３日間培養し、病斑部を測定したのち、小
力で病斑部を削除し、実施例により得られた塗布用粉末
農薬製剤Ａを２倍量の水で攪拌混合したものを塗布した
。

塗布後再び２８℃の温室に入れ、７日後に病斑部を測定
し、進展病斑長から防除価を求めた。

その結果を下記表に示す。

比較のためユゴーザイ（富士薬品社製殺菌剤）又はトッ
プジンＭ水和剤（北興化学社製殺菌剤）を塗布して得ら
れた結果も下記表に合わせて示す。

供試薬剤 希釈倍率 進展病斑長 防除価（倍）
（關） （％） 製剤Ａ ３ ０ １００ユゴー
ザイ １ ６．３ ５７．７トツプジ
ンＭ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ポリオキシン、水溶性高分子化合物及び担体を含有
   することを特徴とする、塗布用粉末ポリオキシン製剤。