JPS5842115Y2 - 乾燥袋用複合シ−ト

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【考案の詳細な説明】本考案は乾燥剤を包装する袋に用いる複合強化されたシ
ートに関する。

従来から、吸湿により商品価値が悪化しやすい海苔や菓
子などの食品用容器には、シリカゲル、石灰、酸化カル
シウムなどの粉末あるいは固型状の乾燥剤を袋に詰めた
ものを共存させて吸湿を防ぐ例が多い。

この乾燥剤用袋として使用する材料は、外観、透湿性、
加工性などの点から、紙にいわゆるポリラミと称するポ
リエチレンなどの熱可塑性合成樹脂のフィルムをラミネ
ートし、さらに微小な穴をあけたシートを用い、ヒート
シール法により袋を製造する場合が多かった。

この材料は、紙の印刷適性や透湿性、フィルムのヒート
シール性などの長所を有するが、一方、紙を構成主体と
しているため、強度的に弱く、破れて、非食品である内
容物（乾燥剤）がもれるおそれがあった。

その為、乾燥剤用袋の材料強度をより高める必要がある
ことは指通されている。

主材料として紙だけを用いる場合には、おのずから強度
的に限界があることは明白である。

この問題点を解決する為、紙と寒冷紗又はスプリットヤ
ーンシート（ワリフ）との貼り合わせなどが提案されて
いるが、風合いがかたくて内容物の入った袋としての加
工性に欠ける。

さらに、ヒートシール加工や透湿性調節のために貼合せ
る合成樹脂フィルムと伸度が異なり、強度を補なう機能
を十分に生かせない点から問題の解決に到っていない。

本考案者は、この点を鋭意検討の結果、強度や加工性の
点で熱可塑性合成繊維による連続長繊維不織布が最適で
あることを見出した。

本考案は１４紙１と、熱可塑性合成繊維による連続長繊
維不織布２と熱可塑性合成樹脂フィルム３とを１，２お
よび３の順序に貼り合わせフィルム３に微小な穴をあけ
た複合シートを乾燥剤用袋の材料である。

これらの各構成材料について具体的に説明すると、（Ａ）紙乾燥剤用袋としてはその内容物、メーカー等の印刷によ
る表示等は欠かせないものであり、また、印刷インクが
衛生上の観点から、薄い紙の裏側にバックプリントして
、材料として使用するのが好ましい。

紙の印刷適性、バックプリントが表面から見える為の半
透明性、薄さ、風合い、価格などの点で本考案に必要で
ある。

（Ｂ）熱可塑性合成繊維による連続長繊維不織布不織布
は、透湿性において問題はないが、少ない繊維量で強度
補強を果す為には短繊維不織布では強度的に不適当であ
り、また合成樹脂フィルムとなじめる程度の伸度柔軟性
をもつ熱可塑性合或繊維による連続長繊維不織布である
ことが必要である。

素材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、
これらの混合物や共重合体等があげられる。

（Ｃ）熱可塑性合成樹脂のフィルムこのフィルムは、紙と不織布のみの材料では通気性、透
湿性が大き過ぎて乾燥剤の効力が短期間で失なわれるた
め、透湿性能の調節材料としての役割と袋として加工す
る際のヒートシール性を付与させるために必要である。

透湿性の調整は微小な穴の数や大きさによって実施でき
る。

素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、これらの
混合物や共重合体等があげられる。

紙、不織布、フィルムの順序に複合シートを貼合せるこ
とにより、外層の紙は印刷表示、中間層の不織布は補強
機能、内容のフィルムはヒートシール性を呈し、また全
体として通気性透湿性が調節される利点がある。

つぎに、これらの材料を貼合せる方法としては酢酸ビニ
ル系、エチレン−酢ビ系、アクリル酸エステル系、ポリ
ビニルアルコール系等の接着剤を用いることができる。

また、加熱、加圧接着しても良いが、本考案の趣旨から
して、材料の柔軟性や伸度を失わしめないように留意す
る必要がある。

本考案による複合シートを乾燥剤用袋の材料として用い
れば、引裂強度や引張強度に優れているため、使用中に
内容物（乾燥剤）が漏れるおそれが無くなり、しかも従
来からのヒートシール加工等の袋製造上の工程をそのま
ま適用でき、風合、外観上からも何等遜色のないものが
得られる。

本考案の複合シートは、原材料である紙、不織布、フィ
ルムの種類や厚さを種々組合せて強度、透湿性、ヒート
シール性などの特性を生かし、食品包装、トレー、フィ
ルター、各種袋用材料などの用途にも応用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による複合シートの断面図、第２図は本
複合シートを用いて製造した乾燥剤袋の断面図を示す。１・・・・・・紙、２・・・・・・熱可塑性合成繊維に
よる連続長繊維不織布、３・・・・・・熱可塑性合成樹
脂のフィルム、４・・・・・・乾燥剤。

【実用新案登録請求の範囲】

乾燥剤の袋に用いるシートであって、紙１．熱可塑性合
戒繊維からなる連続長繊維不織布２及び熱可塑性合成樹
脂フィルム３が、この順序で貼合され、かつ該熱可塑性
合成フィルム３に微小な孔が多数設けられている複合シ
ート。