JPS5841033B2 - 音声多重受信装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、テレビジョン放送、音声多重信号を受信する
装置に関するものである。

一般に、テレビジョン受像機と組合わせる音声多重受信
装置においては、スピーカ間隔を充分に確保することが
できず、ステレオ放送モードを受信しても充分なるステ
レオ再生効果を得ることが困難であった。

また、モノラル放送モードあるいは異種放送モードにお
けるモノラル受信時においては音像は中央に定位するた
め、装置として２スピーカシステムを準備しても音像の
広がり感が悪いという不満足なものであった。

そこで、本発明は、音声多重放送の受信時に小さいスピ
ーカ間隔であっても充分なるステレオ感あるいは擬似的
な立体音響感を得ることができるとともに、ステレオ受
信時にもそ０他の受信時にも最適の付加効果を得ること
のできる、音声多重受信装置を提供することを目的とす
るものである。

以下、本発明につき、その一実施例を示す図面を参照し
て詳細に説明する。

まず、その受信する信号の態様を第１図に示す。

とれはチューナでテレビジョン信号を受信し、その音声
信号をＦＭ復調したものである、この信号には、主チヤ
ンネル信号と、副チャンネル信号と、制御信号とがあり
、ステレオ放送モードの時には主チヤンネル信号に主音
声信号として（Ｌ＋Ｒ）信号が、幅チャンネル信号に副
音声信号として（Ｌ−Ｒ）信号が、制御信号に９８２．
５Ｈｚの信号が伝送され、異種放送モードの時には主チ
ヤンネル信号にたとえば日本語の主音声信号が、副チャ
ンネル信号にたとえば英語の副音声信号が、制御信号に
９２２．５ Ｈｚ Ｏ）信号が伝送される。

モノラル放送モードでは主チヤンネル信号０みが伝送さ
れる。

次に、第２図に受信装置全体のブロック図を示して説明
する。

ここで、１はテレビジョン受像機の音声復調回路で復調
された第１図のような多重音声信号が供給される入力端
子、２はその入力信号から主、副音声信号を復調する多
重復調回路、３は入力信号から制御信号の有無を識別し
て放送モードを検出する放送モード検出回路、４は受信
を希望するモードをスイッチ等で入力する受信モード切
換回路であり、これらの回路は通常の受信装置のものと
同様のものである。

多重復調回路２は放送モード検出回路３から端子５，６
に出力されるステレオ検出信号および異種検出信号に応
じて入力信号を復調し、かつ受信モード切換回路４から
の指示に基づいて出力を切り換えて、出力端子７，８に
主、副音声信号を出力する。

ステレオ放送受信の場合であれば出力端子７に左音声信
号（Ｌ信号）を、出力端子８に右音声信号（Ｒ信号）を
出力する。

異種放送受信の場合であれば、出力端子７，８にともに
主音声信号を出力するか（主音声受信）、出力端子７，
８にともに副音声信号を出力するか（副音声受信）、ま
たは、出力端子７に主音声信号を出力して出力端子８に
副音声信号を出力するか（主副同時受信）する。

モノラル放送受信時には出力端子７，８にもともに同じ
音声信号を出力する。

９．１０はそれぞれの音声信号を増剤して出力する出力
回路、１１．１２は音声を発声する左右一対のスピーカ
である。

このスピーカ１１．１２はテレビジョン受像機内に組み
込んでおけばよい。

本装置においては、このような受信装置に付加音付加回
路１３を設けたところに特徴がある。

この付加音付加回路１３には、ステレオ受信時とそれ以
外のときとで付加すべき付加音信号を放送モード検出回
路３のステレオ検出出力によって切り換える付加音切換
回路１４と、付加音信号を所定時間だけ遅延させる遅延
回路１５と、付加音の付加レベルを切換える付加レベル
切換回路１６と、そＱつ付加音信号を付加するか否かを
受信モードに応じて切り換えるデフィート回路１７と、
間接音信号を反転させる反転回路１８と、正逆Ｑつ間接
音信号を２つの原音声信号にそれぞれ付加する合成回路
１９．２０とを設けている。

さらに、ステレオ受信時とそれ以外の受信時とで間接音
信号の遅延時間を切り換えることができるように、遅延
回路１５としてＢＢＤ素子のようなディジクル遅延素子
２１とその駆動用のクロック発生回路２２とを有してい
て、そのクロック周波数を放送モード検出回路３から０
ステレオ検出出力によって切り換えるようにしている。

２３．２４はその入出力用いフィルタである。

第３図は付加レベル切換回路１６の具体回路例である。

このような構成において、まずステレオ受信時の動作に
ついて説明する。

このときには多重復調回路２の出力端子７にはＬ信号を
、出力端子８にはＲ信号をそれぞれ出力しており、かつ
放送モード検出回路３の出力端子５にステレオ検出出力
を発生している。

従ってこりときには、付加音声切換回路１４はその検出
出力によりステレオ用に切り換わり、（Ｌ−Ｒ）信号を
付加音信号として作成する。

次いで、この付加する（Ｌ−Ｒ）’信号は遅延回路１５
に加えて遅延する。

ステレオ受信時Φ最適遅延時間は約０．１５ ｍｓｅ蝦
度であり、遅延素子２１として１２８素子のＢＢＤ素子
を用いるとすればクロック周波数を約４５０ ＫＨｚ程
度に切り換える。

ここで、上記最適遅延時間（約０．１５ ｍ５ｅｃ ）
は次のようにして定められたものである。

マス、スピーカを左右に内蔵したテレビジョン受像機と
視聴者の関係はたとえば第４図のようになる。

ここで、左のスピーカの位置をＡ１右のスピーカの位置
をＢ１視聴者の左耳の位置をＣ１右耳の位置をＤとする
。

スピーカＡから出た音もスピーカＢから出た音もＣ，Ｄ
の耳に入るが、Ａから出た音がＤの耳に到達する０に要
する時間（これをτ１とする）はＢから出た音がＤの耳
に到達するのに要する時間（これをτ２とする）より少
し長い。

このため、左のスピーカＡからは Ｌ＋（Ｌ−Ｒ）” Ｌは本来θつ左０音声出力 Ｒは本来の右の音声出力 （Ｌ−Ｒ’）“は（Ｌ−Ｒ）の遅延信号 右のスピーカＢからは Ｒ＋（Ｒ−Ｌ）“ θつ音声を出力すると、Ｄの耳には、Ｒ＋（Ｒ−Ｌ）“
の音が、Ｌ＋（Ｌ＝Ｒ）“の音より（τ１−τ２）だけ
早く聴える。

この時、（Ｒ−Ｌ）を遅延して（Ｒ−Ｌ）“を作成する
遅延時間を（τ１−τ２）に等しくしておくと、Ｄの耳
に到達したＬ＋（ＬＲ）“の音と、Ｒ＋（Ｒ−Ｌ）”の
中に含まれる（−Ｌ）“の成分が打消し合ってＤの耳に
はＲの音が多く到達し、Ｌの音は少なく到達したように
作用する。

この結果、Ｂのスピーカがより右にありＡｏ）スピーカ
かより左にあるようなステレオ感Ｏ向上効果を生じる。

スピーカＡ、Ｂと視聴者の耳Ｃ，ＤＯ）位置関係を、一
般的な第４図のようなものとすると、ＡＤ間の距離＝１
５８．１１ｃＩｆＬ ＢＤ Ｉ／ ＝１５２．９７ｃｍ となり、音速を３４０ ｍ／Ｓｅｃとすると、（τ１−
τ２）は （１５８，１１−１５２，９７）÷３４０００＝０．１
５ ｍ５ｅｃとなる。

すなわち、遅延時間を０．１５ ｍ５ｅｃにすれば、左
の音が右の音に比べて右の耳りに０．１５ｍ５ｅｃだけ
遅れて到達し、０．１５ ｍ ｓｅｃ遅延された反対極
性の右から音と打消しあってステレオ感を向上する。

このようなことから、最適な遅延時間を０．１５ ｍ
ｓｅｃとしている。

遅延した付加音信号（Ｌ−Ｒ）“信号は付加レベル切換
回路１６とデフィート回路１７を介して取り出し、合成
回路１９でＬ音声信号に加えてＬ＋（Ｌ−Ｒ）“信号と
し、スピーカ１１から発声する。

また、反転回路１８で極性反転して（Ｒ−Ｌ）“信号を
作成し、合成回路２０でＲ音声信号に加えてＲ＋（Ｒ−
Ｌ）“信号とし、スピーカ１２から発生する。

このようにスピーカ１１．１２から発声する音声にＬ信
号とＲ信号の差信号を遅延した（Ｌ−Ｒ）“信号を互に
逆極性にして合成すると、２つ０スピーカ１１，１２か
ら聴者０）左右の耳に到達する反対の側のスピーカから
のクロストーク成分を打ち消すようにすることができる
。

すなわち、左目には左音声のみが、右耳には右音声のみ
が、それぞれ到達するようにすることができて、２つの
スピーカ１１，１２がテレビジョン受像機のキャビネッ
ト内のように狭い間隔で設けられていても聴者の耳の位
置では左音声と右音声との分離を良くすることができ、
ステレオ音声の音場を大幅に拡大することができること
となるものである。

次に、異種受信時０うち主音声もしくは副音声のいずれ
か一方０みを受信する場合（異種択一受信時）および非
多重受信時について説明する。

このときには、多重復調回路２の出力端子７，８からは
ともに同一の出力信号（Ｍ信号）を発生し、それは主音
声信号、副音声信号または非多重単一信号のいずれかで
ある。

従っていずれの場合にもモノラル受信状態となる。

そして、この場合には放送モード検出回路３の出力端子
５からＱつ低・レベルのステレオ検出出力が存在しない
ので付加音切換回路１４は付加音信号としてＭ信号をそ
のままＭ′信号として出力する。

一方、このようなモノラル受信時における音場拡大のた
めに最適なＭ′信号の遅延時間はステレオ受信時よりも
長い約４７７１ＳｅＣ程度であるので、クロック発生回
路２２は１２８段のＢＢＤ素子からなる遅延素子２１に
加えるクロックの周波数を１５．７’ＥＧ（ｚ程度に低
くする。

この最適遅延時間（約４ｍ５ｅのは次のようにして定め
られたものである。

モノラル時には、本来であれば左右のスピーカＡ、Ｂか
らは同じ音が聴える。

しかるに、本方式のように左から（Ｍ＋Ｍ“）、右から
（Ｍ−Ｍ“）の信号を出力すると、（Ｍ＋Ｍ“）の信号
は、Ｍの遅延信号Ｍ“の位相がＭと反対になる周波数で
振幅が小さくなり、Ｍ“の位相がＭと一致する周波数で
振幅が大きくなる。

この結果、音０周波数により左右の出力の振幅が変化す
る。

この左右り出力振幅の変化が大きい程左右に広がって聴
え、一方、遅延時間が長い程振幅変化Ｑつ山と谷の周波
数間隔が狭くなって聴感が良くなる。

このため、モノラル時はステレオ時に比べて遅延時間を
長くしているが、設計上および製造上の問題もあって約
４ ｍ５ｅｃが適当である。

すなわち、遅延素子にディジタル遅延素子を使う場合に
は遅延素子の段数はできるだけ少ない方がよく、また、
遅延素子を駆動するクロック０周波数も伝送帯域やテレ
ビセラｌ−０）水平、垂直周波数との関係から制約を受
けるため、４ｍ５ｅＣとした。

かくして遅延した間接音信号０）Ｍ“信号は付加レベル
切換回路１６とデフィート回路１７を介して取り出し、
合成回路１９ではＭ信号に合成してＭ＋Ｍ“信号として
スピーカ１１から発声する。

一方、反転回路１８で極性反転してから合成回路２０で
Ｍ信号と合成し、Ｍ−Ｍ“信号としてスピーカ１２から
発生する。

このようにしてモノラル受信時にスピーカ１１゜１２か
ら発声するＭ音声に遅延し互いに逆極にしたＭ“音声と
−Ｍ“音声とをそれぞれ合成させることにより、モノラ
ルでありながらも音場を拡大した疑似ステレオ音声を再
生することができるものである。

ところが、上記のようなステレオ受信時とそれ以外のモ
ノラル受信時とにともに同じ大きさの付加音を付加する
ようにしたのでは、ステレオ受信時に過度の付加量とな
ってしまったり、あるいはモノラル受信時に付加量が不
足したりして、ステレオ受信時とモノラル受信時の音場
の拡大感が大きく異ってしまうというおそれがある。

そこでこの装置では付加レベル切換回路１６を設けるこ
とにより、ステレオ受信時とモノラル受信時にともに同
程度の音場感を得ることができるように付加音信号の付
加レベルを自動に切り換えている。

ここで、付加レベルの切換え程度について説明する。

ステレオ受信時は、左のスピーカからはＬ＋（Ｌ−Ｒ）
“、右のスピーカからはＲ＋（Ｒ−Ｌ）“の音声信号を
出力する。

そして、右の耳には、左のスピーカから出た左の音声出
力は、右のスピーカから出た音声出力より遅れて到達す
るため、右のスピーカから出る反転、遅延された左の音
声出力（−Ｌ）“とキャンセルする。

これによって、右の耳には右の音声出力が多くはいり、
左の音声出力は少なくなる。

このようにして音場拡大をするため、付加音信号の付加
レベルは、空間的な時間遅れを、遅延素子による時間遅
れでキャンセルするのに適したレベルに設定する必要が
あり、また、聴覚上の不自然感を少すくシたレベルに設
定する必要がある。

このためステレオ受信時は、付加音信号のレベルを 付加音信号レベル／直接音信号レベル−１，４〜１．８
に設定することが望ましい。

モノラル受信時は、上で述べたように、遅延時間を長く
シ、左右それぞれの音声出力に、周波数的な山と谷を作
り、この山と谷の大きさにより、擬似的な音Ｑ）広がり
を持たせている。

こめため、ステレオ時のように、本来の左右の音の広が
りがないため、山と谷の差を太きくシ、擬似的な音の広
がりを太きくしないと同程度の音場感が得られない。

こＱ）ため、付加音信号レベルは大きくする必要がある
。

一方付加音信号は遅延される信号であり、大きくしすぎ
ると、聴覚上０自然感が損なわれる。

このためモノラル時の付加音信号の付加レベルは付加音
信号レベル／直接音信号レベル１．８〜２．２に設定し
ている。

すなわち、第３図の具体回路図に示すように、付加音信
号を増幅するトランジスタ１６ａのエミッタに２個のエ
ミッタ抵抗１６ｂ、１６ｃを直列にして接続するととも
に、その抵抗１６Ｃをコンデンサ１６ｄとトランジスタ
１６ｅを介してバイパスし得るようにし、放送モード検
出回路３の出力端子５からのステレオ検出出力によって
トランジスタ１６ｅをスイッチングするようにして、ス
テレオ受信時にはトランジスタ１６ｅを遮断することに
よりトランジスタ１６ａの増幅率を小さくシ、逆に異種
・モノラル受信時にはトランジスタ１６ｅを導通させる
ことによりトランジスタ１６ａ０増幅率を大きくするよ
うにしている。

これにより、ステレオ受信時も異種・モノラル受信時に
も同程度の音場感を得るようにすることができるもので
ある。

さて、以上のようなステレオ受信時、異種択一受信時お
よび非多重受信時においでは、いずれの場合にも間接音
信号を作成して合成することにより音場拡大の有効な作
用効果を達成することができたのであるが、異種受信時
において主音声と副音声とをともに受信する主副同時受
信時の場合、たとえば主音声をスピーカ１１で発生し副
音声をスピーカ１２で発生するような場合（実際にはい
ずれか一方はイヤホーンを使用することが多い）には、
上述したような間接音０合成を行なうと全く異った主音
声と副音声との間の不必要なりロストークを生じる結果
となってしまう。

そこでそのような場合には、デフィート回路１７におい
て間接音を遮断して取り出さないように切換える。

このようにまると、主副同時受信時に主音声と副音声と
の間Ｑつクロストークを無くすることができ、それぞれ
を別々に分離度良く再生することができる。

以上詳述したように、本発明によれば、音声多重信号を
受信する装置において、ステレオ受信時におけるステレ
オ効果Ｑつ向上、および、異種択一受信時と非多重受信
時における疑似ステレオ効果による音場の拡大を図るこ
とができしかも、ステレオ受信時にもその他の受信時に
も最適な音場感を得ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は音声多重信号のスペクトル図、第２図は本発明
め一実施例における音声多重受信装置のブロック線図、
第３図は同装置め一部分の具体的な回路図、第４図はス
ピーカと視聴者との位置関係を説明する平面図である。 ２・・・・・・多重復調回路、３・・・・・・放送モー
ド検出回路、４・・・・・受信モード検出回路、９，１
０・・・・・・出力回路、１１．１２・・・・・・スピ
ーカ、１３・・・・・・付加音付加回路、１４・・・・
・・付加音切換回路、１５・・・・・遅延回路、１６・
・・・・付加レベル切換回路、１７・・・・・・デフィ
ート回路、１８・・・・・・反転回路、１９゜２０・・
・・・・合成回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 音声多重信号を復調して２つＱつ出力端子からステ
   レオ放送の左音声信号と右音声信号および異種放送の主
   音声信号を副音声信号の少なくとも一方を出力する多重
   復調回路と、上記左音声信号と右音声信号との差信号も
   しくは上記主音声信号と副音声信号の一方を付加音信号
   として取り出す付加音切換回路と、こＱ）付加音信号を
   遅延させる遅延回路と、この遅延した付加音信号を上記
   多重復調回路の２つの出力端子の出力信号に互いに逆極
   性にしてそれぞれ合成する合成回路と、この合成した２
   つの出力信号によりそれぞれ音声を発声する２つのスピ
   ーカと、上記音声多重信号中の制御信号を検出して上記
   多重復調回路における復調方式、上記付加音切換回路に
   おける付加音信号、および上記遅延回路における遅延時
   間をそれぞれ切り換える放送モード検出回路とを備える
   とともに、上記放送モード検出回路の検出出力により上
   記付加音信号の大きさをステレオ放送受信時とそれ以外
   の受信時とで切り換える付加レベル切換回路を備えたこ
   とを特徴とする音声多重受信装置。