JPS5838400B2 - 炭化珪素結晶層の製造方法 - Google Patents

炭化珪素結晶層の製造方法

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JPS5838400B2
JPS5838400B2 JP54053934A JP5393479A JPS5838400B2 JP S5838400 B2 JPS5838400 B2 JP S5838400B2 JP 54053934 A JP54053934 A JP 54053934A JP 5393479 A JP5393479 A JP 5393479A JP S5838400 B2 JPS5838400 B2 JP S5838400B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は炭化珪素(SiC)結晶を製造する方法に関す
るもので、特に珪素基板を用いて珪素の融点以下で炭化
珪素を成長し、その後珪素基板を熔融し又はエッチング
除去してその裏面(珪素基板に接していた面)上に更に
第2の炭化珪素層を形成する方法に関する。
炭化珪素には多くの結晶構造(polytype・多形
と称される)が存在し、結晶構造により24乃至3.3
エレクトロンボルト(eV)の禁制帯幅を有する。
また炭化珪素は、熱的、化学的、機械的に極めて安定で
、放射線損傷にも強く、またワイドギャップ半導体とし
てはめずらしく、p型、n型共安定に存在する材料であ
り、従って高温動作素子、大電力用素子、高信頼性半導
体素子、耐放射線素子等の半導体材料として有望視され
ているものである。
更に従来の半導体材料を用いた素子では困難な環境下で
も使用可能となり、半導体デバイスの応用範囲を著しく
拡大し得る材料である。
その他、そのエネルギーギャップの値から考察するに可
視短波長と近紫外光間の光電変換素子材料としても興味
ある半導体材料であり、他のワイドギャップ半導体が一
般に重金属をその主成分に含有し、このために公害と資
源の問題を伴なうのに対して、炭化珪素はこれらの両問
題から解放されている点に於いても将来C子材料として
実用化が期待されるものである。
このように多くの利点、可能性を有する材料であるにも
かかわらず実用化が阻まれているのは、生産性を考慮し
た工業的規模での量産に必要となる高品質の大面積基板
を得るための再現性のある結晶威長技術が確立されてい
ないところにその原因がある。
従来、研究室規模でSiC基板を得る方法としては黒鉛
坩堝中でSiC粉末を2200℃〜2600℃で昇華さ
せ、さらに再結晶させてSiC基板を得るいわゆる昇華
再結晶法(レーリー法と称される)、珪素又は珪素に鉄
、コバルト、白金等の不純物を混入した混合物を黒鉛坩
堝で溶融してSiC基板を得るいわゆる溶液法、研磨材
料を工業的に得るたみに一般に用いられているアヂエソ
ン法により偶発的に得られるSiC基板を用いる方法等
がある。
しかしながら上記昇華再結晶法、溶液法では多数の再結
晶を得ることはできるが、多くの結晶核が結晶戒長初期
に発生する為に大型のSiC基板を得ることが困難であ
り、又幾種類かの結晶構造( polytype )の
SiCが混在し、単一結晶構造で大型のSiC単結晶を
より再現性よく得る方法としては不完全なものである。
又、アチェゾン法により偶発的に得られるSiC基板は
半導体材料として使用するには純度及び結晶性の点で問
題があり、又比較的大型のものが得られても偶発的に得
られるものであるので選別に莫大なコストがかかり、S
iC基板を工業的に得る方法としては適当でない。
一方、近年の半導体技術の向上に伴ない、比較的良質で
大型の単結晶基板として入手できるSiを用いた珪素異
質基板上に、ヘテロエピタキシャル技術により3C形S
iC(立方晶系に属する結晶構造を有するもので、その
エネルギーギャップは〜2.4eV)単結晶薄膜が得ら
れるようになった。
珪素基板上へのへテロエビタキシャル成長法としては
(1) 珪素原料としてSiH4、SiCl4、(C
H3)3SiCl、( a−13 )2 S iC l
2、また炭素原料としテCCI4、炭化水素ガス(C
2H2、C2H6,a{4、C3H8等)、キャリアガ
スとして水素、アルゴン等を用いて、Si基板温度を1
200’C〜1400℃に設定し、気相戒長技術(CV
D技術)により、3C形SiC単結晶薄膜を得る方法、
(2)Si基板表面にグラファイト、炭化水素の熱分解
により生ずるカーボンを1200℃〜1400℃程度の
温度で拡散させ、Si基板表面をSiCに変換させて3
C形SiC単結晶薄膜を得る方法、(3)Si蒸気を直
流又は交流グロー放電により活性化されたアルゴン、炭
化水素ガス中を通過させてSi基根上にSiC単結晶薄
膜を蒸着させる方法(蒸着法)等がある。
しかしながら上記(1) , (2) , (3)等の
S!異質基板上へのへテロエピタキシャル技術により得
られた3C形SiC薄膜単結晶の厚さは1〜2μm程度
の薄いものであり、又一般にはその結晶の完全性に於い
ても良好なものとはいい難い。
この理由は、Si基板と3C形SiC結晶の格子定数の
差が大きい為に特にSiC基板とエビタキシャル3C形
SiC界面近傍に多くのミスフィット転位が発生し、そ
の影響がエビタキシャル層内部にまで及んでいること、
及ひSi基板とSiC結晶の熱膨張係数の差により戊長
温度から室温に冷却する過程でSiCエピタキシャル層
中に歪が蓄積されるためと考えられる。
又仮にこのような方法で大面積かつ良質の3C形SiC
(エネルギーギャップEgは〜2.4eV)が得られた
としても更にエネルギーギャップの太きい結晶構造のS
iC,例えば6H(Egは〜3.0 2 e V )4
H(Egは〜3.26eV)、8H(Egは〜28e■
)等のα形SiCをエビタキシャル成長法で得ようとす
ると、その或長温度は一般には1600℃以上の高温と
なり、Si基板及び前述したSi基板上へSiC薄膜を
成長させた基板(3C形SiC/Si構造)等はSiの
融点が1410℃であるのでα形SiCヘテロエピタキ
シャル成長用基板として採用することはできなくなる。
発明者らは先に珪素単結晶基板上に炭化珪素単結晶薄膜
層と、多結晶炭化珪素や高融点金属などからなる補強材
層との2重層からなる層を被着形成し、この2重層を珪
素単結晶基板から分離し、この炭化珪素単結晶薄膜を種
結晶としその面上に珪素の融点以上の高温で第2の炭化
珪素結晶層を成長する技術を提案した。
本発明は上記先願発明をさらに発展させ種結晶となる炭
化珪素層として単結晶ではなく多結晶層を利用するよう
にしたものである。
第1図を参照して説明するにこの多結晶炭化珪素層はそ
のほとんどの部分に於では各結晶粒子(グレイン)が勝
手な方位を向いたもの45,45・・・・・・の集合体
であってよいが珪素単結晶基板と種結晶となる多結晶炭
化珪素層(種SiCという)との界面に於ではグレイン
の一部は珪素単結晶基板の結晶方位に従って互いに揃っ
た方位に配向しているものでなければならない。
この配向したグレイン44,44・・・・・・が存在す
ることにより第2の炭化珪素層(SiC2次層という)
は夫々一定の揃った方位をもつグレイン42 , 42
・・・・・・として成長し、このグレインが或長ずるに
従って互いに連結し、単結晶化するものである。
また、本発明は完全に単結晶化する必要はないが互いに
同じ方位に配向したグレインよりなる多結晶炭化珪素を
得る場合にも有効であり、この場合にはSiC2次層の
成長条件がやや緩められ、実際に製造するに於で簡便と
なる。
なお、Si基板と種SiC層と境界に位置するグレイン
のうち他の方位をもつものはこの種SiC生威工程に於
で、Si下地基板とそぐわない方位に形戒されるもので
あるから、一般に粒径も小さく結晶完全性に於でもより
劣るきのと考えられる。
他の方位のグレインが第2の炭化珪素層成長工程に於で
有効な結晶核とならない理由については未だ完全に解明
されていないが、上の理由(即ち粒径が小で結晶完全性
も劣る)により、例えばSi基板熔融工程(実施例に於
で後述する)に於で一部Si融液中に溶解していく(所
謂メルトバツク)ことも考えられ、また、これを結晶核
として実際には第2の炭化珪素層成長が始まっていでも
、成長速度が遅く、ついには方位の揃ったダレインの成
長に負けて抑圧されてしまうことも考えられる。
一般に自然核発生による炭化珪素結晶に於では六方晶系
に属する6H形−SiCに於では{0001}面が極立
って広くなり、また立方晶系に属する3C形−8iCに
於ては{111}面及び(100)面そしてまれには{
110}面が極立ってファセットを形成する外形を示し
、他の結晶面、特に高指数のものは現れない。
従って上記の面以外の結晶面の戒長は不利であると考え
られる。
従ってこれらの面が主面となるように最初のSi基板の
主面を定めることが特に本発明の実施には有利であろう
これらの面方位はSiC{111},{100},{1
10}に対して夫々Si{111 }t {100},
{110}である。
以下、本発明を実施例に従って更に詳細に説明する。
〔実施例〕
第2図に本実施例に使用される反応装置の一例を示す。
水冷式縦形二重石英反応管22内に黒鉛製支持棒24に
より支持された炭化珪素被覆黒鉛製試料台26を置き反
応管22の外胴部に巻回されたワークコイル28に高周
波電流を流して、この試料台26を誘導加熱する。
反応管22の下端はステンレス鋼製のフランジ30と0
−リングでシールされている。
フランジ30上にはガ゛スの出口となる継手32及び支
柱台34が設けられている。
支柱台34に石英製の支柱36が保持され、支柱36に
上記支持棒24が継ぎ足される。
出口側の継手3−2には排気用管が接続され、廃ガス処
理装置(図示しない)に導かれている。
反応管22の上端側にはガス流入口となる枝管38が設
けられ、搬送ガスが反応管22内へ供給される。
試料台26上には下地基板となる珪素基板2が載置され
ている。
次に本実施例の炭化珪素威長方法について第3図A,B
,C,Dを参照しながら説明する。
この例は本発明を先に発明者らが発明した熔融基板か?
の液相エピタキシー( LPEMS )法に適用した実
施例である。
(1a)反応管22を排気して水素で置換し、公知の塩
化水素・水素混合ガスで試料台26上に載置された{1
11}面を主面とする珪素基板2の表面をエッチング除
去する(第3図A参照)。
(1b)珪素基板2の温度を珪素の融点以下の温度、好
ましくは1100乃至1200℃に設定し、一般的な気
相或長法で炭化珪素を珪素基板2上に成長させる。
搬送ガスにはアルゴン( A r )ヘリウム(He)
などの稀ガス又は水素ガス(H2)が用いられる。
珪素原料としては、国,塩化珪素(SiCl4)、二塩
化シラン(SiH2C1)、シラン( S iH4)な
どが、また炭素原料とし7ては四塩化炭素(CC14)
やプロパン(C3H8)、メタン(a−I4)をはじめ
とする炭化水素が用いられる。
本実施例では流量i/分の水素ガスを搬送ガスとし、二
塩化シラン(SiH2Cl 2 )及びプロパン(C3
H8)をそれぞれの原料ガスとする。
濃度は原子比で二塩化シランを5X10 、プロ3 パンを1.5X10 に設定し、40分間の成長で3
0μm厚の3C形多結晶炭化珪素1次層4を形成した。
珪素基板2の側面にも炭化珪素層16が同時に形或され
る。
このとき多結晶炭化珪素一次層4は珪素基板2上に形成
する過程で、上述のように比較的速い速度で成長させる
ため多結晶となるが、少くとも珪素基板2との界面に存
在する各グレイン(1000λ程度のオーダーの粒径と
考えられる)の一部は珪素基板の方位に従って配向して
いる。
即ちSi <1 1 1>/ SiC<1 1 1>か
っSi <1 1 0>/ SiC<1 1 0>とな
っている。
但し、記号/は平行を表わす。
(1c)原料ガスの送り込みを停止し、流量1l/分の
水素雰囲気だけにする。
ワークコイル28に流す高周波出力を増して試料台26
の温度を1500’C程度に昇温し、珪素基板2を熔融
する。
熔融後、1450℃乃至1650℃程度の一定温度に設
定してこの状態を維持する。
本実施例では試料台表面に於いて1500℃になるよう
に設定し、2時間の成長で10μm厚の単結晶炭化珪素
2次層14を形威した。
加熱方式は高周波加熱方式を用いているため、試料台2
6がヒーターになり試料台26の表面と炭化珪素1次層
4との間には自然に温度差ができ、液相戒長したもので
ある。
側面の炭化珪素層16は1次層4と試料台26との間隔
をとるためのスペーサとして作用し、1次層4が試料台
26に対して傾くのを防止する効果を有する。
(1d)高周波出力を停止して降温し、試料台全体を弗
酸硝酸混液に浸漬して珪素をエッチング除去し、試料台
から取り外す。
以上の方法によりSiC結晶戒長ができた。
本方法によるSiC2次層の或長に於で、2次層14が
単結晶化するためには或長初期に於ける核発生に際して
核発生した各微小グレインが予め互いに原子間隔の整数
倍だけはなれて位置していなければならないものと考え
るのが通常である。
しかし核発生は種SiC4の界面の配向グレイン上にな
されるものであるから、上記のように好都合な位置に設
定されているとは考えられない。
従って正確な理論は今のところ把握されていないが、配
向グレイン上に2次層のSiCが核発生したときには互
いに方位だけは揃っているがその位置は互いに原子間隔
の整数倍にはなっていなかったものが、各核が或長して
グレインとなり隣のグレインと接するようになった際に
各グレインが互いに微小距離(1λ程度)動いて間隔が
揃うものと現在では推定している。
この微小距離が動くという点に於で、種SiCが多結晶
層でありかつ低温(珪素の融点以下の温度)で戒長され
たもので結晶粒子の結晶完全性に於でも各粒子間の結合
力に於でも劣るものであるという事項がかえって有利に
働いているのではないかと推測している。
次に2次層威長に気相或長を用いた実施例を示す。
(2a)上記工程(1a)と同じ(第4図A参照)(2
b)上記工程(1b)と同じ(第4図B参照)(2c)
降温しで珪素基板2を取り出し弗酸硝酸混液等公知のS
iエツチャントで珪素基板2をエッチング除去し、炭化
珪素一次層4を分離する(第4図C参照) (2d)反応管中の新しい試料台26′上に炭化珪素一
次層4を裏向け(珪素基板2に接していた面を上に向け
て)に載置し、1700℃に加熱してSiH2Cl2:
0.2/分,C3H8:0.2/分、H2:100
/分流し、反応管圧力約100torrで減圧CVDし
、50分間で約50μm厚の高温CVD2次SiC層1
5を成長した。
(第4図D参照)。
この2次SiC層15は方位の揃ったグレインの並んだ
多結晶層であった。
原料濃度をより低くすることにより或長速度をさげれば
単結晶層を得ることもできる。
気相成長は一般的に液相戒長より或長温度を高く設定し
得るので完全性の高い結晶を或長し易い利点がある。
以上に述べた如く本発明によれば種SiCは多結晶でも
使用可能となり、先願発明では最も困難であった種Si
Cの単結晶或長工程を回避してSiCウエハーを作製す
ることができるようになった。
特に多結晶の種SiCを使用することにより、炭化珪素
層結晶層を形成する際の結晶のストレスが単結晶を用い
た場合に比べて著しく軽減され、結晶層に割れや曲がり
が生じるのを防ぐことができ、利用し易い炭化珪素結晶
層を得ることができる。
また、本発明では種SiC4はS1の融点以下で成長す
るが、2次層はSiの融点以上の温度で或長できるので
高温成長で結晶完全性の高いSiCSiC結晶を得るこ
とができる。
なお、SiCウエハーとしては現在単結晶基板と多結晶
基板とが商用に供されているので、上記実施例では単結
晶基板を用いた。
しかし、少なくとも一方の主面に於で、特定の方位(例
えば{111})に揃ったグレインが並んだ構造の多結
晶基板が得られれば、その基板を用いても本発明の技術
範囲を逸脱しない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の概念を説明するための模式図、第2図
は本発明の実施に供する反応装置の要部断面を示す斜祝
図、第3図A,B,C,D及び第4図A,B,C,Dは
本発明の実施例の製造工程を説明する断面図である。 2・・・・・・珪素基板、4・・・・・・炭化珪素1次
層、6・・・・・・試料台の炭化珪素表面層、10・・
・・・・試料台、12・・・・・・珪素融液、14,1
5・・・・・・炭化珪素2次層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 珪素基板上に、単結晶を成長させるよりも速い戒長
    速度によって、少なくとも珪素基板との界面に位置する
    結晶粒子の一部においては互いに一定方位に揃った配向
    を示す多結晶からなる第1の炭化珪素結晶層を形或する
    工程と、 上記第1の炭化珪素多結晶層の珪素基板と接していた面
    上に第2の炭化珪素結晶層を形成する工程とより戒る炭
    化珪素結晶層の製造方法。
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