JPS5836957B2 - コウセイブツシツ a−28086 ノセイゾウホウ - Google Patents

コウセイブツシツ a−28086 ノセイゾウホウ

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JPS5836957B2
JPS5836957B2 JP50070726A JP7072675A JPS5836957B2 JP S5836957 B2 JPS5836957 B2 JP S5836957B2 JP 50070726 A JP50070726 A JP 50070726A JP 7072675 A JP7072675 A JP 7072675A JP S5836957 B2 JPS5836957 B2 JP S5836957B2
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antibiotic
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ミツオ ナカツカサ ウオルター
ハーバート バーグ デイビツド
マルチン ヘーン マルビン
エル ハミル ロバート
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Eli Lilly and Co
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Eli Lilly and Co
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Publication date
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H19/00Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof
    • C07H19/01Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing oxygen
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23KFODDER
    • A23K20/00Accessory food factors for animal feeding-stuffs
    • A23K20/10Organic substances
    • A23K20/195Antibiotics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents

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  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Compounds Of Unknown Constitution (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は抗生物質A−28086の製造法、更に詳しく
は因子A、因子Bおよび因子Dを含む抗生物質A−28
086複合体の製造法に関する。
該抗生物質は抗細菌、抗糸状菌、抗ビールス、抗牛胸膜
肺炎菌(抗PPLO)、抗コクシジウム、殺昆虫、およ
び殺だに剤として有用であり、かつ反簡動物類の飼料利
用能率を増加させるために有効である。
本発明はストレプトマイシス・オーレオファシエンス(
Streptomyces aureofacie
ns )NRRL5758またはストレプトマイシス・
オーレオファシエンス( Strepsomyces
aureofaciens )NRRL 8092
を、該菌株の利用可能な炭素源、窒素源および無機塩類
を含有する培養基中で培養し、該生物によって培地中に
価値ある量の抗生物活性が現われるまで攪拌通気発酵条
件下で培養することより戒る構成因子A、因子Bおよび
因子Dを含む抗生物質A−28086複合体を製造する
方法を提供せんとするものである。
抗生物質A−28086因子Aは白色の結晶状化合物(
アセトンー水から結晶化)であり、低級アルコール類、
ジメチルホルl8アミド、ジメチルスルホキシド、醋酸
エチル、クロロホルム、アセトンおよびベンゼンに可溶
であるが、ヘキサンには僅かに溶解し、水じは不溶性で
ある。
約98〜100゜Cで融解し、再凝固し、更に約195
〜?00℃で再融解する。
さらに本発明の抗生物質は下記の理化学的性状〔(a)
〜(ホ)〕を持っている。
(a) 分子量764(スペクトル測定法によって測
定)、 (b) 元素分析値(近似値)、C、66.69%:
H、9.85%;0、23.10%。
(C) 実験式二C43H7011(質量スペクトル
分析法により測定)、 (d)〔α)2D50 : 5 4° ( C =
0. 2、メタノール)、 (e)赤外線吸収スペクトル(クロロホルム中で測定)
において下記の識別吸収帯のピークが現れる。
2.85、3.34、5.83、6.82、7.22、
7.53(弱)、7.78(弱)、875(強)、89
5(強)、9.15、9.50(強)、9.55(強)
、9.60、9.85、10.15、10.4510.
70(弱)ミクロン。
(f) 紫外部吸収スペクトル(エタノール溶液)で
は20mμ以下に末端吸収を示すだけである。
(g) 核磁気共鳴スペクトル(重水素化クロロホル
ム中で測定)の特徴:δ6.01、4.2114.11
,3,99、3,89、3.80、3.67、3.65
、3.57、3.55、2.83、2.76、2,74
、2.68、2.66、2.58、2.56、2,30
、2.22、2.17、2,10、2.05、1.96
、l.90、1.85、1.70、1.62、1.60
、1.47、1,39、1.31、l.25、1.18
、0.95、0.93、0.90、0.88、0.85
、0.77、0.75、0.73、0.68、0. 6
6 ppm,(h)80%のヂメチルホルムアミド水
中においてpKa値 7.9の滴定し得る基を有する。
(i) 以下のような格子間隔(単位二オングストロ
ーム)を持つ特徴あるX−4粉末回折のパターン( C
u 十十照射、1.5405λ照射、ニッケルフィルタ
ー)。
(j) バチルス・ズブチリ,;< ( B aci
llussubtilis ) ATCC 6
6 3 3株を検出生物とし、シリカーゲル上で、展開
溶媒としてベンゼンー醋酸エチル(3:2)の系で試み
た薄層クロマトグラフ法で0.24のRf値。
(k) バチルス・ズプチリスATCC 6633
株を検出生物として用いた下表のペーパークロマトグラ
フ系において表に示すようなRf値。
(1) 塩類およびエステル誘導体の形成可能な酸基
が1つ存在する。
− エステル化の可能な水酸基が少くとも1個存在する
本明細書において、(抗生物質A−28086)因子A
なる用語は、前後の文章から矛盾のない限り、上記の因
子AおよびそのC2〜C6アシル・エステル誘導体なら
びにその生埋学的に許容される塩類を包含するものとす
る。
抗生物質A−2 8 0 8 6因子Bは白色の結晶状
化合物(アセトンー水から結晶化)で、低級アルコール
類、ヂメチルホルムアミド、ヂメチルスルホキシト、醋
酸エチル、クロロホルム、アセトンおよびベンゼンに溶
解するが、ヘキサンには僅かしか溶解せず、水には不溶
である。
そして本物質は、下記(a)〜伽)の理化学的性状を具
えている。
(a) 約150〜153℃の融点、 (b) 分子量762(高分解能の質量分析器で測定
)、(C) 実験式C43H70011 (高分解能
の質量スペクトル法により測定)、 (d)赤外線吸収スペクトル(クロロホルム中)におい
て次の識別吸収帯のピークが出る:2.82、3,30
、5,77、5,85、6.80、7、20、7.50
(弱)、7.72(弱)、7.80(弱)、8.57(
強)、868、890(強)、9.10、9,50、9
.83(強)、9.90、10.10、10.17(強
)、10.43(弱)、10.80(弱)、1 1.2
0 (弱)、11.35(弱)、11.73(弱)、
12.03(弱)ミクロン。
(e) 紫外部吸収スペクトル(エタノール溶液)テ
は220mμに最大吸収c E 1%−137.5;1
傭 ε−10、477)を示す。
(f) 核磁気共鳴スペクトル(重水素化クロロホル
ム中)では次の特徴が見られる。
a7.2o, 7.0 9、6.26、6,15、4.
19、4.12、4.05、395、3.89、3.7
8、362、3,59、3.52、3.48、2.81
、2. 7 3、2.63、2.54、2.52、■,
99、1,91、1.84、1,71、1.67、1.
64、■.55、1.43、1.33、1.18、1.
11、0.96、0.94、0.90、0,87、0.
84、0.77、0,74、0. 6 8 ppm, (g) バチルス・ズブチリスATCC 6633
を検出微生物として用い、ベンゼンー醋酸エチル(3:
2)の系で行ったシリカゲル上での薄層クロマトグラフ
イーのRf値は0.42である。
(h) バチルス・ズブチリスATCC 6633
を検出微生物として用いて行ったペーパークロマトグラ
フ系におけるRf値は次の如くである。
?i) 塩類およびエステル誘導体を形戒しうる酸基
が1つ存在する。
(j)ケ1・ン残基2餉、 (k) ヒドロキシル残基が少くとも1涸存在する。
本明細書において、(抗生物質A−28086)因子B
なる用語は、前後の文章から矛盾のない限り、上記の因
子Bおよびその生埋学的に許容される塩類を包含するも
のとする。
抗生物質A−28086因子Dは白色の結晶状の化合物
(アセトンー水から結晶化)である。
このものはメタノール、エタノール、ヂメチルホルムア
ミド、ヂメチルスルホキシド、醋酸エチル、クロロホル
ム、アセトンおよびベンゼンに溶解するが、ヘキサンに
は僅かしか溶解せず、水には不溶である。
本物質は96〜98℃で融解し、かつ次記の(a)−{
m)の性状を持っている。
(a) 分子量778(高分解能の質量スペクトル分
析法で測定) (b) 元素分析値(近似値)、C、67、59%;
H、938%;0;22.77%、 (C) 実験式 C 44 H7 4 0 1(高分
解能の質量スペクトル法で測定)、 (d)〔α〕實 :−56° ( C = 0. 1、
メタノール)、 (e) 赤外線吸収スペクトル(クロロホルム中で測
定)では下記の吸収帯ピークが見られる:2.89、3
.39、343、3.50、5,88、6.90、7,
27、7.60、7.84、9.00、9,26、9.
62、10.31、10.58、1 1.10、11.
49ミクロン。
(f)95%の含水エタノールで紫外部吸収は観察され
ない。
(g) クロロホルム中での核磁気共鳴スペクトルは
次の特徴がある、δ6,00、4.20、4,10、4
.00、3.98、3.92、3.86、3,83、3
.79、3.67、3.64、3.57、3.54、2
.88、2.81、2.71、2.62、2.58、2
.48、2.43、2.37、2.29、2,21、2
.15、2.10、2.04、1.97、1.89、■
.83、1676、1.68、1.61、1.58、1
,55、1.47、1.39、1,30、1.25、1
、18、0.95、0.90、0.88、0.84、0
.74、0.68ppm0 (h)so%のヂメチルホルムアミド水の中で、8.6
7のpKa値を持つ一関の滴定し得る基を有する。
(i) 以下のような格子間融(単位二オングストロ
ーム)を有する特徴あるX一線粉末回折のパターン。
(Cu十十照射、1.5405λ、ニッケル・フィルタ
ー)。
(j) バチルス・ズブチリスATCC 6633
を検出生物として用い、下に示すようなシリカ・ゲル薄
層クロマトグラフ系に於で次の様なRf値。
?)バチルス・ズブチリスATCC 6633を検出
生物として用い、下に示すペーパークロマトグラフ系で
求められる次のようなRf値。
(1) 塩類およびエステル誘導体の形戒可能な酸基
が1個 (ホ)エステル化の可能な水酸基が少くとも1岡本明細
書において、(抗生物質A−28086)因子Dなる用
語は、前後の文章から矛盾のない限り、上記の因子Dお
よびそのC2〜C6のアシル・エステル誘導体、ならび
にその生理学的に許容される塩類を包含するものとする
今日、抗細菌剤は多数知られているが、なお引続き新し
い進歩的な抗生物質が要求されている現状である。
現今の抗生物質療法上の一問題として、抗生物質の間で
病原生物に対する効力に差異があるという事実があげら
れる。
またいま一つ、基準抗生物質に抵抗性を持つ生物株の発
生が問題とされてL・る。
さらに今一つ問題となるのは、罹病者が涸別的に、特定
の抗生物質から過敏症や毒性などに基づいて、しばしば
危険な副作用を受けるという事実である。
現今の療法にはこうした問題があるので、新抗生物質が
要求され続けるのである。
人間の病気治療に有用な新抗生物質の要求に加えて、家
畜病治療の分野においてもまた進歩した抗生物質が必要
となる。
重要な局面の一つとして、家禽や家畜類の生育を促進さ
せるのにも進歩した抗生物質が必要とされる。
例えば、生育の促進は病気を減少させることによって、
かつ飼料利用効率を増加させることによって達成される
家畜病治療学上、さらに特に、家禽飼育産業上、経済的
に重要性を持つ疾患の一つが、原虫病コクシジウム症(
coccidiosis )であることは周知のとこ
ろである。
コクシジウム症はエイメリア( E imeria )
またはイソスポラ( I sospora )の一種ま
たは多種による感染に起因する(概要は、米国アイオア
州、アメス、アイオア州立大学刊行、ビースターおよび
シュワルテ編纂の6デイジージズ・オブーポウルトリー
”第5版中のルンドおよびファーを参照)。
コクシジウム症に起因する莫大な経済的損失ならびに既
往の抗コクシジウム薬剤の不利益性という見地から、さ
らに優れた抗コクシジウム剤の探索が続けられている。
今一つ家畜業者に著しい経済的損失を与える疾患として
腸炎がある。
腸炎は幼鶏、豚、牛および羊に発生し、主として嫌気性
細菌、特にクロストリジウム・ベルフリンゲンス( C
lostridiumperf ringens )
とビルス類に起因する。
反劉動物の腸内中毒症、例えば羊の過食症はクロストリ
ジウム・ベルフリンゲンスの感染で惹起される一種の状
態である。
次に、牛のような反契動物の生育を促進させることが獣
医学での今一つの経済上の目標とされている。
飼料の利用能率を高めることにより生育促進を達成する
ことが特に関心の的となっている。
反契動物の飼料の主栄養分(炭水化物類)が利用される
機構はよく知られている。
該動物の第1胃内の微生物が炭水化物類を分解して単糖
類とし、更にこれらの単糖類をピルビン酸関連化合物に
変換するのである。
ピルビン酸塩は微生物学的作用により代謝されて醋酸、
酪酸あるいはブロピオン酸など、一括して揮発性脂肪酸
(VFA)として知られるものを生成する。
更に詳細な論説についてはレング(フィリッグソンら畜
:フィジオロジー・オブ・ダイゼッション・アンド・メ
タボリズム・イン・ザ・ルミナント(英国ニューカッス
ル・アポン・タインオリエル出版社(1970年)刊の
408〜410頁))の論文がある。
VFA利用の相対的効果は、フイードスタフス1971
年6月19日号19頁においてマッカラフにより、また
、J,An, Sci,33巻282頁(1971)
においてエスヶランド等により、ままた6ダイゼスチブ
・フイジオロジー・アンド・−ユートリション・オフ・
ルミナンッ”第2巻622〜625頁(1971)にお
いてチャーチ等によって議論されている。
醋酸塩や酪酸塩も利用されるが、プロピオン酸塩の利用
には重要な意義があり、その利用能率が著るしく低下す
ると動物はケトン症をひき起す。
従って動物を刺激して炭水化物から高い比率でプロピオ
ン酸を生成させ、これが動物の炭水化物利用効率を高め
させ、かつまたケトーシス症の影響を低減させるのであ
る。
抗生物質A−28086因子A,BおよびDはポリエー
テル型抗生物質群の新しいメンバーである。
この群のメンバーの例としては、モネンシン(米国特許
第3501568号):ダイアネマイシン〔ハミル、R
.L.;ホエーン、M,M.;ピッテンガー、G, E
, ;チャンバリン、J.:およびゴーマン、M.;ジ
ャーナル・オブ・アンテイバイオテイクス、22巻16
1頁(1969)〕ニゲリシン[L.K.スタインラウ
フ、マリー・ビンカートンおよびJ.W.チャンバリン
、ビオヒミ力・ビオフイジカ・リサーチ・コムニケーシ
ョン 33巻29頁( 1 968 ) 〕、およびサ
リノマイシン〔日本特許公告4 7 −2 5 3 9
1、1972年10月20日付、出願番号19620
/1971:Derwent No , 7 6 9
6 0 T1米国特許第3857948号、およびH
,キナシ、N.オタケ、■.ヨネハラ、S.サトーおよ
びY.サイトー、テトラヘドロン・レターズ、4”J巻
4 9 5 5〜4958頁(1973)〕が含まれる
発酵学ならびに本明細書に於で使用せられるような゛抗
生物質複合体( antibiotic comple
x )”という用語は、一化学複合体を指すものではな
く、相伴って生成される涸々の抗生物質因子の混合体を
指すものである。
抗生物質複合体中に生成される涸々の因子の比率が、発
酵の条件によって変ることは、抗生物質の発酵生産に精
通する者なら是認できるであろう。
A−28086抗生物質複合体は、一新菌株ストレフト
マイシス・オーレオファシエンスNRRL5758を抗
生物質活性が程よく発生するまで攪拌通気発酵条件下で
培養することによって生産される。
A−28086抗生物質複合体は、また、ストレプトマ
イシス・オーレオファシエンスの今一つの新菌株NRR
L 8092を培養することによってもまた生産され
る。
ストレプトマイシス・オーレオファシエンスNRRL
5758またはストレプトマイシス・オーレオファシ
エンスNRRL 8092の何れによって生産された
場合でも、A−28086抗生物質複合体は発酵ブロス
ならびに菌糸体から磁性のある有機溶媒で抽出される。
抽出された抗生物質混合物は溶媒を濃縮して分離され、
濃縮物に過剰の石油エーテルを加えて不純物を沈降させ
、沢過し、かつそのP液を蒸発させると、A−2808
6抗生物質混合物が得られる。
該抗生物質混合物はカラム・クロマトグラフ法によって
さらに精製され、かつ個々の因子に分離される。
A−28086化合物類は動植物体の病原となる生物の
生育を阻止する。
この阻止活性の一つの局面が、A−28086化合物類
の抗コクシジウム作用である。
このほか、A−28086化合物類は抗細菌一、抗ビー
ルスー、抗牛胸膜肺炎菌(抗−PPLO)、殺昆虫−、
殺だに一作用物質であり、かつ反銘動物類の飼料利用効
率を増加させる作用がある。
クロロホルム中でとった赤外線吸収スペクトルを図で表
わすと次のようである。
第1図 抗生物質A−28086因子A 第2図 因子B 〃 第3図 抗生物質A−28086因子Aの醋酸エステル
誘導体 第4図 抗生物質A−28086因子Aのプロピオン酸
エステル誘導体 ?5図 抗生物質A−28086因子Aの酪酸エステル
誘導体 第6図 抗生物質A−28086因子Aのきつそう酸エ
ステル誘導体 第7図 抗生物質A−28086因子Aのカプロン酸エ
ステル誘導体 第8図 抗生物質A−28086因子D A−28086因子類は構造上互に関連性がある。
発酵の期間中に、少くとも4種類の抗生物質因子が併生
し、混合物として得られる。
因子類は相互に分離され、かつ因子A,B、およびDは
下文に記載するような個々の化合物として単離される。
A−28086因子類の混合物は大ていの有機溶媒に可
溶性であるが、水には不溶性である。
以下の項目にA−28086因子A,BおよびDの物理
的ならびにスペクトル的性質を記載する。
抗生物質A−28086因子Aはアセトンー水から結晶
する。
A−28086因子Aは約98〜100℃で融解し、再
凝固して約195〜200℃で再び融解する。
因子Aの元素分析結果として、次のような平均百分組成
が得られている:C、66.69%;f{19.85%
:0、23.10%。
因子Aには実験弐C43 H72 01が提案されてい
る。
質量分析法によって決定された、見かげ上の分子量は7
64である。
クロロホルム中における因子Aの赤外線吸収スペクトル
は付図(第1図)に示した。
次のような吸収帯のピークが観察される。
2685、3.34、5.83、6.82、7.22、
7.53(弱)、7.78(弱)、875(強)、8.
95(強)、9.15、9.50(強)、9.55(強
)、9,60、9,85、10.15、10.45、1
0、70(弱)ミクロン。
因子Aのエタノール中における紫外線吸収スペクトルは
220mμ以下に末端吸収があらわれるだけである。
重水素化クロロホルム中で測定したA− 28086因子Aの核磁気共鳴スペクトルに次の特徴が
ある: δ6.01、4,21、4」1、3.99、3,89、
3,80、3,67、3.65、3.57、3.5 5
、2−83、2.76、2,74、2.68、2,6
6、2.58、2.56、2.30、2.22、2,1
7、2.1 0, 2.0 5、196、1,90、l
,85、1.70、1,62、1.6011.4 7、
1.39、1,31、l225、1,18、0.95、
0.93、0.90、0.88 0.85、0.77
、0.75、0. 7 3 、0.68、0・66pp
mO アセトンー水から結晶させた抗生物質A−28086因
子Aは次のような特徴のX一線粉末回折パターンを示す
(Cu十十照射、1.5 4 0 5λ、ーツケル・フ
ィルター d は格子間隔(単位:オングストローム)
)。
抗生物質A 28086因子Aの比旋光度は、 ※ ※温度25℃で測定した時、−54° (C=0.2、
メタノール)で、この比旋光度は数回の測定に基く平均
値である。
80%ヂメチルホルムアミド水中における因子Aの電気
滴定法では、pKa値7,9を持つ滴定し得る基の存在
を示した。
抗生物質A−28086因子Aは種々の有機溶媒、(メ
タノール、エタノール、ヂメチルホルムアミド、ヂメチ
ルスルホキシド、醋酸エチル、クロロホルム、アセトン
およびベンゼン)に可溶性であるが、ヘキサンの様な極
性のない有機溶媒には難溶性であり、かつ水には不溶性
である。
抗生物質A−28086因子Aには、塩類およびエステ
ル誘導体の形成可能な−1固の酸基が存在し、かつエス
テル化の可能な水酸基が少くとも一つ存在する。
以上に列挙した物理学的性状に基いて、抗生物質A−2
8086因子Aの構造が提案されうるのである。
しかしながら、その構造決定は単に推定されたものであ
り、ここに提出された構造が単に一つの実験に基づく仮
説に基いて表現されたものであると理解されるべきであ
る。
A28086因子Aの推定構造は式Iに示されている。
式CI) 抗生物質A−28086因子Bは白色結晶状化合物(ア
セトンー水より)で、約150〜153℃の融点を持つ
高分解能の質量分析法によって測定された様に、因子B
は見かけ上762の分子量を持ち、C43H70011
なる実験式が提示されている。
クロロホルム中での因子Bの赤外線スヘクトルは付図の
第2図に示さ.れており、次のような吸収帯のピークが
観察さる:2.82、3.3 015.7 7、5.8
5、6.8 0, 7.2 0、7.50(弱)、7.
72(弱)、7.80(弱)、8.57(強)、8,6
8、8.90(強)、9.10、9.50、9.83(
強)、9.9 011 0.1 0、10.17(強)
、10.43(弱)、10.80(弱)、1120(弱
)、11.35(弱)、11.73(弱)、12.03
(弱)ミクロン。
因子Bのエタノール中での紫外部吸収スペクトルは22
QmBに最大吸収(E1%−137.5;g1cIIl =10.477)を示す。
A−28086因子Bの核磁気共鳴スペクトル(重水素
化クロロホルム中)では次の特徴が現われる。
δ7,20、7.09、6.26、6.15、4.19
、4.12、4.05、3。
95、3.89、3. 7 8 、3.6 2、3,5
9、3.52、3.48、2.81、2.73、2.6
3、2.54、2.52、1.99、1.91、1.8
4、1.71,l.67、1,64、1,55、1.4
3、1.33、1.18、1.11、0.96、0.9
4、0.90、0.87、0.84、0.77、0.7
4、0. 6 8 ppm。
抗生物質A−28086因子Bは、例えばメタノール、
エタノール、ヂメチルホルムアミド、ヂメチルスルホキ
サイド、醋酸エチル、クロロホルム、アセトンおよびベ
ンゼンのような種々の有機溶媒に可溶性であるが、ヘキ
サンのような非極性有機溶媒には極めて僅かしか溶解せ
ず、また水には不溶性である。
A−28086抗生物質因子Bの化学構造は明かにされ
ていないが、これまでに得られた物理的化学的データは
、因子Bには唯一つのカルボン酸残基、2涸のケトン残
基および1個以上のヒドロキシル残基のあることを示し
ている。
抗生物質A−28086因子Dは、ストレプトマイシス
・オーレオファシエン,’WRRL 5758によっ
て生成される時には微量因子である。
しかし、ストレプトマイシス・オーレオファシエンスN
RRL 8092によって生成される場合には、A−
28086囚子Dは回収される場合には、A−2808
6因子Dは回収された抗生物質活性の10%に達する。
抗生物質A−28085因子Dは約96〜98℃の融点
をもつ白色結晶状物質(水一アセトンから)である。
高分解能質量分析により測定されたようにその見かけの
分子量は778である。
A−28086因子Dのナトリウム塩の質量スペクトル
中のピークの分子量は800.5050であると観察さ
れた( C44H73 01 1 Na =800.5
050が計算値)。
A−28086因子Dの遊離酸の質量スペクトル中、7
78に小いピークが、7 6 0.5 1 1 7 (
C44 H72010 =760.5125が計算値
)に大きいピークが観察された。
遊離酸の質量スペクトルに於るm/e760は分子イオ
ンから水を失った結果である。
従って因子Dの遊離酸の分子イオン組成はC44H74
011である。
A−28086因子Dの実験式としては、C44H74
0, ,が提示されている。
因子Dの元素分析の結果は次の百分組成を示す:C、6
7.59%;H,9.38%;0,22.77%。
C44H740 , ,としての理論的百分率組成は、
C、67.87%;H1 9.51%;0,22.77
%である。
A−28086因子Dの赤外線スペクトル(第8図)に
は次の観察される最大吸収が含まれている。
:2−89、3.39、3.43、3.50,5.88
、6.90、7、27、7、60、7,84、9.00
、9.26、9.62、10.31、10.58、1
1.1 0、1149ミクロン。
95%含水エタノール中でA−28086因子Dは全然
紫外部に吸収帯を示さない。
重水素化クロロホルム中でのA−28086因子Dの核
磁気共鳴スペクトルは次の特性を示した:δ6.00,
4.20、4.10、4.0013.98、3.92、
3.86、3、83、3.79、3.67、3.64、
3.57、3.54、2.88、2.81、2. 7
1 、2.62、2.58、2.48、2、43、2.
37、2.29、2.21、2.15、2.10、2.
04、1.97、1.89、1.83、■.76、1.
68、1.61、l.58、1.55、1.47、l.
39、1.30,125、1.18、0. 9 5 、
0.90、0.88、0.84、0.74、0. 6
8 ppm 0アセトンー水から結晶させた抗生物質A
−28086因子Dは下記の特徴あるX一線粉末一回折
のパターンを持っている(Cu十十照射、1.5405
λ、ニッケル・フィルター、d=格子間隔(オングスト
ローム))。
温度25℃で測定した時、抗生物質A ※ ※28086因子D(7)比旋光度は−56° (C=
0.1、メタノール)である。
80%の含水ヂメチルホルムアミド中におけるA−28
086因子Dの電気滴定結果ではpKa値867を持つ
滴定し得る基の存在を認めた。
抗生物質A−28086因子Dは、メタノール、エタノ
ール、ヂメチルホルムアミド、ヂメチルスルホキシド、
醋酸エチル、クロロホルム、アセトンならびにベンゼン
のような種々の有機溶媒に可溶性である。
A−28086因子Dは、ヘキサンのような非極性の有
機溶媒には極めて微量しか溶解せず、水には不溶である
抗生物質A−28086因子Dは塩類およびエステル誘
導体類を形成しうる一岡の酸基を有し、かつエステル化
のできる水酸基を少くとも一個有する。
以一ヒに列挙した物理学的性状に基づいて、抗生物質A
−28086因子Dの構造が提案されている。
ノ しかしながら、その構造決定は単に推定されたも
のであるから、ここに提示された構造が単に一つの実験
に基づく仮説を表したものであることを埋解されるべき
である。
A−28086因子Dの推定構造は式■に示される。
式[II1 〔式中、R,がCH3、R2がC2H5であるがもしく
はR,がC2H5、R2がCH3である。
〕検出生物としてバチルス・ズブチリスATCC663
3を用いた時の種々の系のF紙クロマトグラフイーにお
ける抗生物質A−28086因子A、BおよびDORf
値を第■表に掲げる。
第2表に、再び、バチルス・ズブチリスATCC663
3を検出生物として用い、シリカゲル(層の厚さ0.2
5mmに予め塗布された平板、F一254、E.メルク
社製品)上で行った2種類の薄層クロマトグラフ系にお
ける抗生物質A−28086因子A,BおよびDoRf
値を掲げる。
A−28086−Iと仮称した今一つの物質が抗生物資
A−28086複合体に伴って副生ずる。
このA−28086−Iには微生物学的に活性はないが
構造的にA−28086抗生物質類と関連性がある。
A−28086−Iは白色結晶性化合物(アセトンー水
より結晶化)であり、約160〜162℃の融点をもっ
ている。
A−28086−■と合成的に調製したA−28086
因子AのメチルエステルのNMRスペクトルや他の性質
ノ比較研究の結果、l−28086−IはA一2808
6因子Aのメチルエステルないしは立体異性体のような
近縁化合物である証拠が得られた。
A−28086−Iは活性のA−28086抗生物質因
子類に混ざって最初に沈殿してくるが、シリカゲル・ク
ロマトグラフ法によって他から容易に分離する。
溶出溶媒に醋酸エチルを用い、検出にバニリン噴霧試薬
(3%のバニリンのメタノール溶液に、本液100rI
Llにつき濃H2SO40.5rLlを添加したもの)
を用いるシリカゲル薄層クロマトグラフ法での概略のR
f値は0.53である。
バニリンを噴霧して加熱すると、A−28086−Iは
青色のスポットを与えるが、一方A−28086抗生物
質類は明るい桃色のスポットを与え、このものは速かに
暗褐色味を帯びた青色に変る。
抗生物質A−28086因子A,BおよびD、ならびに
本明細書記載の因子AおよびDのアシル・エステル誘導
体は塩類を形成しうるものである。
生埋学的に許容される塩は、薬理学的にも許容される塩
、すなわち、温血動物に対する全体としての毒性が、塩
でない状態と比較して増加しない塩を意味する。
A−28086因子AおよびBの代表的な、かつ適切な
アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩にはナトリウム、
カリウム、リチウム、セシウム、ルビジウム、バリウム
、カルシウム、およびマグネシウム塩等がある。
またA28086因子AおよびBの適切なアミン塩とし
てはアムモニウム塩ならびに第四級のC1〜C4アルキ
ルアムモニウム塩およびヒドロキシーC2〜C4−アル
キルアムモニウム塩等がある。
アミン塩の具体的な例としては、A−28086因子A
およびBが水酸化アンモニウム、メチルアミン、第2級
プチルアミン、イソプロビルアミン、ヂエチルアミン、
ヂイソプロビルアミン、エタノールアミン トリエチル
アミン、3−アミノー1−プロパノール等と反応して生
成する塩がある。
A−28086因子A, BおよびD、ならびに因子A
およびBのアシル・エステル誘導体のアルカリ金属およ
びアルカリ士類金属のカチオン性塩類は通常のカチオン
性の塩類の公知の調製法によって造られる。
例えば、遊離酸の状態の抗生物質因子ないしはエステル
誘導体を加温したメタノールまたはエタノールのような
適当な溶媒に溶解し、この溶液に、希望する無機塩基の
厳密な計算量をメタノール水に含ませた溶液を加えれば
よい。
こうしてできた塩は、溶媒の沢過や蒸発のような常例的
な方法によって単離できる。
有機アミン類で形成される塩も同様の方法で調製するこ
とができる。
例えば、アセトンのような適当な溶液中で、ガス状ない
しは液状のアミンを抗生物質因子の溶液に加え、溶媒と
過剰のアミンを蒸発除去すればよい。
家畜病治療薬剤学の技術でよく知られているように、抗
生物質で家畜を治療する場合、抗生物質の形状はあまり
重要ではない。
大抵の場合には、動物の体内の状態によって、薬物は服
用させられた状態以外の諸状態に変化する。
従って、服用させる場合の塩の様式は治療方法には意義
がないのである。
しかし経済上、便宜上ならびに毒性の理由から塩の状態
が選ばれるのであろう。
次にA−28086因子Aはアシル・エステル誘導体を
形成する。
エステル化は任意のC2〜C6酸無水物ないしは酸クロ
ライドで処理した時に、A−28086因子Aの水酸基
群の一個所で起る。
例えば、このようなエステル類の典型的な調製法として
はA.−28086因子Aを、相手の酸の無水物と室温
で反応させる方法がある。
これらのエステル誘導体はまた抗生物質として有効であ
り、かつ飼料利用効率を増加させる薬剤としても有用で
ある。
以下の各項に、これらのA−28086因子Aのアシル
・エステル誘導体類の特性を記述する。
A−28086因子Aのアセチル・エステル誘導体は融
点約100〜103℃の白色結晶性(アセトンー水より
)の物質である。
A−28086因子Aアセチルーエステル誘導体の実験
式は?45H7401で、分子量は約807であるが、
何れもA−28086因子Aに提案された実験式を基礎
にしたものである。
因子Aのアセチル・エステル誘導体の元素分析値を示す
計算値、C45 H74 012として、C、66.9
7%;H、9.24%;0、23.79%、実測値、C
、67.67%;H,871%;0,23.13%0A
−28086因子Aのアセチルーエステル誘導体のクロ
ロホルム中でとった赤外線吸収スペクトルを挿入付図の
第3図に示した。
下記の極大吸収帯が観察される。
2.85、336、3.38(強)、5.80、6,8
3、7,25、7.52(強)、7.60(弱)、7.
80(強)、845(強)、880(強)、895(強
)、9.10(強)、9.20、9.63、9.80(
強)、10.12(弱)、10.25(弱)、10.5
0ミクロン。
エタノール中でのA−28086因子Aアセチルエステ
ルの紫外線吸収スペクトルでは末端吸収だけが観察され
た。
80%の含水ヂメチルホルムアミド中におげるA−28
086因子Aアセチルエステル誘導体の電気滴定の結果
85のpKa値を持つ滴定し得る基の存在が示された。
A−2 8 08 6因子Aのプロピオニルエステル誘
導体は、融点約96〜98℃の白色結晶性(アセトンー
水から)の化合物である。
A−28086因子のプロピオン酸エステル誘導体は、
A一28086因子Aについて提案された実験式に基く
と、その実験式はC46 H76 o1で、分子量は約
821である。
因子Aのプロピオン酸エステル誘導体の元素分析値の結
果から下記の百分率組成の値が得られた。
計算値、C46H7601として、C、67.29%:
H、9.33%;0、2 3.3 8%、実測値、C、
66.06%;■、9.17%;0,23.41%。
A−28086因子Aのプロピオン酸エステル誘導体の
クロロホルム中における赤外線吸収スペクトルを付図第
4図に示した。
下記の極大吸収が観察された。
2.85、3,33、3.38(強)、345(強)、
5.75(強)、5.82、6.81、7.22、73
0(強)、7.50(弱)、7.60(弱)、7.8
0, 8.4.3、875(強)、89019.05、
9、15(強)、9.50(強)、9.63、9.83
(弱)、10.05(強)、10.13、?0.20(
強)、10.45、10.68ミクロン。
エタノール中でのA−28086因子Aのプロピオン酸
エステル誘導体の紫外線吸収スペクトルでは末端吸収だ
けが観察された。
抗生物質A−28086因子Aの酪酸エステル誘導体は
、融点約96〜98℃の白色結晶性(アセトンー水から
)の化合物である。
A−28086因子Aの酪酸エステル誘導体は、A−2
8086因子Aについて提案された実験式から推察され
るように、その実験式はC4H78012で、分子量は
約835であり、C1 67.60%;H,9.41%
:O、22.99%の近似的組成を持っている。
A−28086因子Aの酪酸エステル誘導体のクロロホ
ルム中における赤外線吸収スペクトルを付図の第5図に
示した。
下記の極大吸収が観察された。
2.89、3.40、3,45、3.5 1 , 5.
8 5、5、92(強)、5.97(強)、6.90、
7.30、7−84(弱)、8.55、885(弱)、
9.01(強)、9,26、9.76、9.95、10
.31,10.64ミクロン。
抗生物質A−28086因子Aのきつそう酸エステル誘
導体は、約173〜175℃の融点を持つ白色結晶性化
合物(アセトンー水より)である。
A−28086因子Aのきつそう酸エステル誘導体は、
A−28086因子Aの実験式から推察した実験式は、
C48H8oO1、分子量約849で、C、67.89
%;H,9.50%;0、22−61%なる近似元素組
成を持っている。
A−28086因子Aのきつそう酸エステル誘導体のク
ロロホルム中における赤外線吸収スペクトルを付図の第
6図に示した。
下記の極大吸収が観察された。
2.90、3.40、3.45、3.51、5.87、
5.92(強)、5.99(強)、6,91、7.30
、7.69(弱)、7.87(弱)、8.16、8.5
8、8.85、(弱)、9.26、9.76、10.0
0(弱)、10.31、1 0. 6 4ミクロン。
抗生物質A−28086因子Aのカプロン酸エステル誘
導体は、約163〜167゜Cの融点を持つ白色結晶性
化合物(アセトンー水より)である。
A−28086因子Aのカプロン酸エステル誘導体は、
A−28086因子Aとして提示された実験式から推定
した実験式C49H801、分子量約863およびC,
68.18%;H19.58%;0、22.24%なる
近似元素組或を持っている。
A−28086因子Aのカプロン酸エステル誘導体のク
ロロホルム中における赤外線吸収スペクトルを付図の第
7図に示した。
下記の極大吸収が観察された。
2.90、3.40、3.45、3,51、5.87、
5.92(強)、5.97(強)、6.90、7.30
、7.66(弱)、7.84(弱)、8.l6、8.5
8、8.85(弱)、9.05(強)、9.17、9.
72、9.95、10.29、10.62ミクロン。
A−28086因子Aのアセチル化はIH核磁気共鳴ス
ペクトルにおいて次のような変化の起ることが分った。
カルビニル共鳴が約4 ppmにおいて起り、約5.3
ppmだけ(正確な位置は種々のアシル誘導体で僅かに
変る)下の領域に移行する、その結果ビニル・プロトン
・シグナルも移行する。
これが下に示した部分構造中に現わされている変化の特
徴である。
(この図はRはC1〜C5−アルキルを表わす。
)この部分構造は1H一同一核内共役解除(ホモタクレ
ア・デカツプリング)実験結果ならびに、醋酸およびプ
ロピオン酸・エステル誘導体からの13C一核磁気共鳴
実験結果と全部一致する。
A−28086因子AのC2〜C6−アシル・エステル
誘導体類はメタノール、エタノール、ヂメチルホルムア
ミド、ヂメチル・スルホキシド、醋酸エチル、クロロホ
ルム、アセトン、およびベンゼンのような種々の有機溶
媒に溶解する。
しかしヘキサンのような非極性有機溶媒には僅かしか溶
解せず、かつ水には不溶性である。
A −2 8 0 8 6のC2〜C6−アシル・エス
テル誘導体はどれも塩やエステル誘導体を形戒しうる酸
基を1@有する。
本発明における新規抗生物質は、ストレプトマイシス・
オーレオファシエンスのA−28086生産性を有する
菌株を、価値ある抗生物活性が産出されるまで、好気的
攪拌条件の下で適切な培養基中に培養することによって
生産される。
生成した抗生物質類は公知の種々の分離精製法によって
回収される。
次に、A−28086抗生物質の製造に有用な新型微生
物の一つは、トルコのアララト山上で採集された土壊試
料から分離された。
この生物は、シャーリング(E.B,)およびゴットリ
ブ(D.)によって“コオペラチブ・デスクリプション
・オブータイプ・カルチュアー・オブ・ストレプトマイ
シス、■、アテイショナル・スペシーズ・デスクリプシ
ョンズ・フロム・ファースト・アンドーセコンドースタ
デイズ“インターナショナル・ビウレチン・オブーシス
テマテイツク・バクテリオロジー.18巻、279〜3
92頁(1968)に記述されている如く、ストレプト
マイシス・オーレオファシエンス・ダツカー( S t
reptomycesauresfaciens D
uggar )の一菌株として分類されている。
この分類法は若干の付加的標準を添えてインターナショ
ナル・ストレプトマイシス・プロジェクト〔シャーリン
グ(E.B.)およびゴットリーブ(D)、メソツズ・
フォア・キャラクタリゼーション・オブ・ストレプトマ
イシス・スペシーズ./インターナショナル・ビュレチ
ン・オフ・システマテイク・バクテリオロジー、16巻
313〜340(1966))で推挙されている方法に
基くものである。
色彩名はISCC−NBS法に従って選定したCヶ’J
−(K,L.)およびジャツド(D,B)の“ザ・IS
CC−NBS・メソッド・オブ・デジグネーチング・カ
ラー−アンド・ア・ディクショナリー・オブ・カラー・
ネームズ“U, S .Dept, of Corrm
erce ,Circ.553、1 9 5 5 、W
ashington ,D, C.〕。
括弧内の数字や記号はトレスナーおよびバッカス式の色
彩系列を参照した〔トレスナー(H,D,)アンド・バ
ッカス(S.J.)、”システム・オブ・カラー・ホイ
ールズ・フォア・ストレプトマイシス・タクソノミー“
アプライド・ミクロバイオロジー・11巻、335〜3
38(1966)〕。
色命名表には下に線を引いた。
メルツおよびボウルのカラーブロックは括弧内に入れた
〔メルツ(A)アンド・ボウル(M,R.) 、’ディ
クショナリー・オブーカラー“マツクグロウニヒル・フ
ック・コンパ二一、インコーパレーション、ニューヨー
ク、N.Y.、〕。
培養菌は特に註を加えておらぬ限り30℃で14日間生
育させた。
A−28086生産菌株NRRL 5758の特性記
述 形態 胞子形成気菌糸は鉤状、輪状、および螺旋状のものから
成る。
典型的な屈曲直腸型の形態も観察される。
胞子は短くかつ円筒形で、10〜50涸の胞子が鎖状に
つながっている。
胞子は1.3μ×1.75μの太さである(1.3μ〜
1.95X1.3μの範囲)。
電子顕微鏡によって観察したところ、胞子の表面構造は
平滑である。
各種の培地上におげるNRRL 5758の培養的特
徴 ・ISP β2(酵母エキスー麦芽エキス)培地:発
育旺盛、裏面は中位の黄色〔11K3〕、気菌糸の発生
は中位ないし良好、胞子形成、白色(W) 1 3 b
aおよび暗灰色(Gy) 3 ih 、溶解性色素な
し。
・ISP β3(オートミール)培地;発育良好、裏
面は灰黄色[xB2)、気菌糸の生成は十分、暗灰色(
Gy)3ih、褐色溶解性色素少々。
・ISP β4(無機塩類一殿粉寒天)培地;発育旺
盛、裏面は淡黄褐色[12E5’l、気菌子およぴ胞子
(W)紫がかった白色13ba ないし(Gy )明る
い灰色d、溶解性色素なし。
・ISP β5(グリセリンーアスパラギン寒天)培
地二 発育良好、裏面は青味がかった黄緑色〔10B1〕気菌
糸発生良好、胞子(Gy)黄灰色2dc、ないし明るい
灰赤褐色5fe 、溶解性色素なし。
・トマトーペーストオートミール寒天培地:発育旺盛、
裏面は淡黄褐色[13H7)、気菌糸および胞子生成中
位ないし良好(W)白色aないし(Gy)培地は灰色g
:極微量の褐色溶解性色素。
・グリセリンーグリシン寒天培地: 発育旺盛、裏面は暗灰黄色[12I6)、気菌糸および
胞子形戒良好(Y)青味ある黄色2db、溶解性色素な
し。
・葡萄糖一アスパラギン寒天培地二 発育旺盛、裏面は灰緑黄色[12E2〕、気菌糸および
胞子多し(Gy)黄灰色2dc、極微量の褐色溶解性色
素。
・肉汁寒天培地: 生育良好、裏面は灰黄色[12B21気菌糸および胞子
あるも、生或貧弱のため色の指定なし、溶解性色素なし
・ベネットの寒天培地: 発育旺盛、裏面は灰黄色[12K3]、気菌糸および胞
子生戒貧弱(Gy)黄灰色2dc、溶解性色素なし。
・リンゴ酸石灰(カルシウム)寒天培地:発育良好、裏
面は灰褐色[15C8]、気菌糸および胞子形或なし、
褐色溶解性色素あり、接種位置透明。
・ツアベックの寒天培地: 生育貧弱、生育貧弱のため色の指定なし。
・エマーソンの寒天培地: 発育旺盛、裏面灰黄色C11J.5 〕、気菌糸および
胞子なし、溶解性色素なし。
●チロシン寒天: 生育旺盛、裏面淡いオリーブ褐色〔14C4〕、気菌糸
および胞子多し、(W)b(中央部)ないし(Gy)淡
褐灰色3fe(周辺部)、僅かな褐色溶解性色素。
・トリプトンー酵母寒天培地: 生育貧弱、色の指定なし。
次に、NRRL 5758菌は、標準処方に従って、
特別の生埋学的性質を調べた。
観察された性状と知り得た特徴は次の如くである。
さらに、NRRL 5758菌について行った炭素源
利用能なしらべた結果は下に示す如くで、菌の生育の度
合を示すのに用いた記号は、十 生育良好、炭素利用陽
性 (力 貧弱ないし十分(まずまず)の生育(ニ)生育微
弱、炭素利用、多分なし 生育せず、炭素利用せず 今一つの新規のA−28086生産微生物は、化学的な
変異処理を施した後、一連の自然淘汰法によってストレ
プトマイシス・オーレオファシエンスNRRL 57
58から誘導したものである。
NRRL 8092として同一種と同定された本微生
物はまたストレプトマイシス・オーレオファシエンス(
Streptomyces aureofacie
ns )ダガーの一菌株として分類した。
この分類は以前に記述されたストレプトマイシス分類法
ならびに類似の培養条件を使用したNRRL 809
2菌の研究に基づ《。
これらの研究に於1規察されたNRRL8092菌の特
徴を以下の諸項目に総括記述した。
A−28086生産菌株NRRL 8092の特性記
述 形態 ISP β7培地(チロシン寒天)上で、本培養菌は
往々鉤状気菌糸( hook )を形成するが、主とし
て短い直立した胞子柄( sporephore )
を形或する。
胞子鎖は一連あたり10胞子以下で、通常は−漣につき
4〜7胞子である。
短い、直立した胞子鎖が次の培地で観察された:ISP
β3、ツアベック溶液寒天およびISP β5o
またエマーソンの寒天上では多数の集束菌糸が観察され
た。
チロシン寒天(ISP β7)と葡萄糖−アスパラギ
ン寒天上で電子顕微鏡観察を行った。
胞子は平滑で、長さ1.2μ〜2.0μ、幅約1.0μ
の大きさの範囲で分布している。
平均的な胞子の大きさは16μ×1.0μ。
各種培地におげるNRRL 8092の培養的特徴: ・ISP β2(酵母エキスー麦芽エキス)培地:発
育十分、裏面は淡黄褐色C 12H81気菌糸十分、胞
子形或貧弱、気菌糸は淡灰色[11AI)、溶解性色素
なし。
・ISP β3(オー1・ミール)培地:生育まばら
、裏面透明、気菌糸なし。
溶解性色素なし。
・ISP β4(無機塩一殿粉寒天)培地:発育中位
、裏面灰黄色〔11B2〕、気菌糸に乏しくて、胞子形
成す、気菌糸は青味ある黄灰色C I 0AI )、溶
解性色素なし。
・ISP β5(グリセリンーアスパラギン寒天)培
地: 発育中位、裏面は青味ある黄色〔10F2〕、気菌糸十
分、胞子形成貧弱、気菌糸は白色〔10A1)、溶解性
色素なし。
・トマト・ベース1・−オートミール寒天培地:発育中
位、裏面は灰色がかった緑黄色、気菌糸十分、胞子形成
中位で淡青灰色[ 53A2]、溶解性色素なし。
・グリセリンーグリシン寒天培地: 発育旺盛、裏面は灰黄色CIIEA)、気菌糸中位で白
色〔10A1〕、胞子形成せず、溶解性色素なし。
・葡萄糖一アスパラギン寒天培地: 発育中位、裏面は淡黄色[10F2]、気菌糸胞子形或
とも中位、白色〔10A1〕、溶解性色素なし。
・肉汁寒天培地: 生育まばら( sparse ) 、裏面は青味ある黄
色[10B2)、気菌糸なし、溶解性色素なし。
・ベネットの寒天培地: 発育十分、裏面の培地黄桃色C11A7〕、気菌糸極め
て貧弱、胞子形成なし、溶解性色素なし。
・リンゴ酸石灰寒天培地: 発育極めて不良、透明、気菌糸なし、溶解性色素なし。
・ツアベック液寒天培地: 生育極めて不良、裏面透明、気菌糸なし、溶解性色素な
し。
・エマーソンの寒天培地: 発育中位、裏面灰黄色[11I5)、気菌糸点在す。
胞子形成なし、溶解性色素なし。・チロシン寒天培地: 発育中位、裏面は淡黄褐色[12H6〕、気菌糸中位、
周辺は淡青灰色C53A2)、中心部は白色に近い、胞
子形成は中程度、溶解性色素なし。
・1・リプトンー酵母寒天培地: 生育極めて不良、透明、気菌糸なし、溶解性色素なし。
NRRL 8092菌はまた、標準処方に従って、特
定の生埋学的性質を調べた。
観察した性状と、知り得た特徴は次の如くである。
25℃で旺盛に生育、十分な気菌糸生成、裏面淡褐色、
溶解性色素なし。
30℃で生育旺盛、気菌糸十分、裏面淡褐色、溶解性色
素なし、37℃で生育旺盛、気菌糸十分、裏面は褐色、
溶解性色素褐色、40℃、生育旺盛、気菌糸はまばら、
裏面は赤褐色、溶解性色素深赤褐色あり、45℃、生育
十分、気菌糸なし、裏面は赤褐色、中程度の赤褐色色素
次に、NRRL 8092菌について行った炭素源利
用能を吟味した結果は下に示す如くであり、用いた記号
は生育の度合を示す。
十 生育良好、利用能陽性 (1)生育弱ないし十分 (→ 生育微弱、利用能なしと推定 生育せず、利用能なし A−28086生産性のストレプトマイシス・オーレオ
ファシエンス株の若干の性質は、シャーリングおよびゴ
ットリーブにより記述されている生物の性質と異ってい
る。
これらの差異を第3表に総括表示した。
NRRL 5758菌とNRRL 8092菌 との特異性の差異を第4表に総括した。
A−28086抗生物質類の生産に有用なストレプトマ
イシス・オーレオファシエンスの培養物は、寄託されて
、米国イリノイ州ペオリア61604にある米国農務省
の農業研究サービスの北方市場取引ならびに栄養研究部
(TheNorthern Mar{ceting
and NntritionResearchD iv
ision , U.S .Dept , ofAgr
iculture, Agricultural
service,peoria , I llinoi
s 、6 1 6 0 4 )の保管収集物の一部とな
っており、そこからNRRL 5758およびNRR
L 8092なる寄託番号で寄託されており人手でき
る。
マタ、ストレフトマイシス・オーレオファシエンスNR
RL 5758およびストレプトマイシス・オーレオ
ファシエンスNRRL 8092は千葉市稲毛東5丁
目8番1号に住所を有する工業技術院微生物工業技術研
究所にそれぞれF E RMP A.3 0 9 8
号およびF E RM −P 厘3099号として寄
託されている。
ストレフトマイシス・オーレオファシエンスNRRL
5758あるいはストレプトマイシス・オーレオファ
シエンスNRRL 8092の生育は、多くの培養基
のうちの任意のものが用いられる。
しかしながら生産上の経済性、即ち収率の善し悪し、な
らびに生或物分離の難易をいう点で好適な培養基という
ものがある。
大規模な発酵で好ましい炭水化物源は、例へばタピオカ
のデキストリンと蔗糖であるが、その他葡萄糖、とうも
ろこし殿粉、果糖、マンノース、麦芽糖、乳糖等々もま
た用いることができる。
他にもコーン油、ピーナツト油、大豆油および魚油が有
利な炭素源となる。
好ましい窒素源は酵素で分解されたカゼインであるが、
ペプトン、大豆粉、棉実粉、グルタミン酸のようなアミ
ノ酸等等もまた用いられる。
培養基に加えられる無機栄養塩類としては、ナトリウム
ーマグネシウムーカルシウムー、アンモニウム、塩酸一
、炭酸一、硫酸−、硝酸一および同様なイオンを作るよ
うな従来の可溶性塩類がある。
微生物の生育と増殖に必要な微量要素もまた培地に含有
させるべきであり、かかる微量要素は通常、微生物の生
育要求に見合うだけの量は培地中の他の成分の夾雑物と
して混入している。
大規模な醗酵培養基には、泡立ちが問題となるなら、ポ
リプロピレン・グリコールのような消泡剤を少量(例え
ば0.2ml/Ig)添加することも必要であろう。
その他、絶対に必要ではないけれども、A−28086
生産性のストレプトマイセス・オーレオファシエンス株
の該抗生物質産生は、大豆油のような油の少量の添加に
より増強される事を付記しておく。
次に、A−28086抗生物質の実質上有意義な量だけ
生産するためには、タンク内で通気攪拌発酵するのが好
ましいが少量のA−28086抗生物質なら振盪フラス
コ培養によって得られるであろう。
微生物を胞子の形態のままで大型タンクに接種すること
に伴なう抗生物質産生の時間的なずれ( lag )の
ため、生育力のある種菌を接種することが好ましい。
生育力のある種菌とは微生物の新鮮で、活発に増殖して
いる培養物のことで、それには、少量の培地に胞子の状
態または菌糸片を接種して調製される。
この生育力のある種培養物を、更に大型タンクに移植す
る。
生育力ある種培養物の増殖に使用する培地は大型タンク
に用いるものと同一であってもよいが、またそれ以外の
培地も用いられる。
次に、本A−28086生産微生物は約20〜40℃温
度で増殖しうるが、約27〜30℃の温度に於てA−2
8086の最も好ましい産生が起るようである。
好気的攪拌培養では慣例として滅菌空気が培地に吹き込
まれる。
微生物を十分に増殖させるために、タンク生産で用いら
れる空気量としては通常毎分、培養液量の0.1容量以
上であることが好ましいとされている。
このA−28086抗生物質を効果的に産生させるため
にタンク生産に使用する空気量としては、タンク中の培
養ブロスの0.25容量以上であることが殊に好ましい
高度の溶解酸素のために該抗生物質の産生が抑圧低下す
るようなことはない。
次に、抗生物質生産に於ては、発酵期間中、培養ブロス
ないしは培養菌苔固形物を試料として、目的とする抗生
物質類に感受性のあることが知られている微生物を対象
とした抗生物活性活性試験によって追跡することができ
る。
本発明の抗生物質類の試験に有用な検定用生物の一つは
バチルスズブチリスATCC 6633である。
この生物学的検定法は寒天平板上でペーパー・ディスク
( paper −disc ; P紙平円板)を用い
ることにより軽便に遂行される。
次に、培養物無接種時の培地の当初のpHは、使用する
培地により多様である。
一般にそのpHは6.0〜7,5の範囲にあればよく、
発酵の終末期(生産物の収獲期)のpHはやや高まり、
6.5〜8.0の範囲となるのが普通である。
一般に、抗生物活性が検出されてくるのは発酵の二日目
からであり、通常約6〜10日の間に最犬の成果が現わ
れてくる。
前記のA−28086抗生物質は、通気攪拌発酵条件下
での産生に続き、発酵技術上公知の方法によって、発酵
液から回収することが出来る。
A28086産生微生物の発酵中に出来る抗生物活性は
菌糸塊および培養F液の何れにも見出される。
従って、t過、抽出ならびに吸着クロマトグラフ法を含
む諸方法を組合せることによって、A28086抗生物
質類の最大限度の回収が達成されるのである。
発酵ブロスの全部ないしはそのp液からA−28086
抗生物質類を分離するのに好ましい溶媒は醋酸エチルで
あるが、その他、通常用いられている溶媒類でも十分で
ある。
A−28086因子A,BおよびDを分離する特に有利
な方法の一つは全発酵ブロスのpHを約3.0位に下げ
ることである。
このpH3.0では、A−28086因子A,Bならび
にDは菌子塊から都合よく沢別できる。
A−28086因子類を分離する今一つの有利な方法は
、例えば、重炭酸ナトリウムのような重炭酸塩を、ブロ
ス1リットル当りほぼ1グラムの計算で全発酵ブロスに
添加することである。
それによって、A−28086因子類は塩の形で菌糸塊
と都合よく分離されるのである。
該抗生物質類を菌糸塊から分離するために、メタノール
は好ましい溶媒であるが、その他の低級アルコール類や
ケトン類もまた用いられる。
次に共沸蒸留法もまたA−28086抗生物質類の回収
に使用すると有利である。
この方法では、発酵ブロスに、水と適当な共沸混合物を
形成する有機溶媒が加えられる。
この溶媒一プロス混合液を共沸蒸留してブロスから少く
とも半量の水を除すると、A−28086抗生物質類の
溶存する水溶媒混合物が有機溶媒中に残ってくる。
不溶性の副生物はp過または遠心分離法のような適当な
方法で分離し、A−28086抗生物質類は溶媒の蒸発
、非溶媒の添加による沈降あるいは抽出法のような公知
の方法によって有機溶媒から回収される。
かかる回収方法を行うために水と適当な共沸混合物を形
成する有機溶媒には、例えばプチノレアノレコール、ア
ミルアルコール、ヘキシルアルコール、ベンジルアルコ
ール、醋酸ブチル、醋酸アミル、1・2−ヂクロロエタ
ン、3−ペンタノン、2ヘキサノン、ベンゼン、シクロ
ヘキサノン、トルエン、その他キシレン類等がある。
大規模な発酵製造工程では共沸蒸留法による回収が特に
有利である。
共沸蒸留液として捕獲された水と溶媒の両液は既知の技
法で分離し、更に以后の使用に回することができる。
またこのようにして除かれた水には汚染物が含まれてい
ないし、廃液処理操作を必要としない。
また、このようにして分離された溶媒は同じ工程に再利
用できる。
次に、抽出や吸着の操作を追加してA 28086抗生物質の純化が進められるのである。
シリカ・ゲル、炭素、フロリジル(硅酸マグネシウムの
商標、フロリヂン社製品(米国フロリダ州タラハシー私
書函第989在))その他が有利に用いられる。
これとは別に、培養固形物は培養液の諸成分や菌糸が含
まれているので、抽出や分離を行はず、出来れば水分だ
け除いてA−2808.6抗生物質供給源として用いら
れる。
すなわちA−28086の抗生物活性が出た後、培養ブ
ロスを凍結乾燥して直接に飼料のプレミックスに混合す
ることができるのである。
今一つの着眼として、培地中にA−28086活性が生
じた后に、菌体を分離乾燥したものは直接に飼料プレミ
ックスに使用できる製品となる。
こうした用途のための菌体を分離する場合に、炭酸石灰
(約1 0 ?/l: )を加えると、沢過し易く、改
良乾燥産品となる。
このように永年用いられて来た条件下で、これまで記述
されNRRL 5758およびNRRL8092と呼
称されて来たストレプトマイシス・オーレオファシエン
ス株は、抗生物因子A28086を主産物として産出す
る生物である。
その時々の発酵条件によって生成因子の比率は変ってく
るが、一般的には因子AはNRRL5758株からの全
回収抗生物活性の99%以上を占め、NRRL 80
92株からの全回収抗生物活性の90%以上をしめてい
る。
A−28086因子BはNRRL 5758株からの
残りの抗生物活性部の大部を占め、この際因子Dは微量
因子である。
これに反して、A28086因子DはNRRL 80
92株からの全回収抗生物活性の約8〜10%に上り、
この時は因子Bが微量因子である。
抗生物質A−28086因子A, BおよびDは円柱(
カラム)クロマトグラフ法、薄層クロマトグラフ法、そ
の他のような公知の方法を用いて個個のfヒ合物として
相互に分離される。
例えば、シリカ・ゲル上での円柱クロマトグラフ法を用
い、ベンゼンー醋酸エチルのような、種々の溶媒混合物
で円柱を溶出することによって、因子A, BおよびD
が分離される。
シリカゲル円柱にベンゼンー醋酸エチル溶媒混合物を用
いると、初めに因子Bが溶出し、因子AとDはおくれで
溶出される。
これ迄に記述した様に、薄層クロマトグラフ法は溶出過
程を探知するのに軽便な方法である。
次にA−28086fヒ合物類は動植物体に病原性のあ
る細菌や糸状菌の生育を阻止する作用がある。
下記の第5表にA−28086の因子AとBの微生物活
性を比較表示した。
試験方法は通常のディスク拡散法( discdiff
usion method )、〔6m1ILの吸取紙
を生産物1■/溶液1 mlの溶液に浸す、被検生物を
接種した寒天平板上にこの吸取紙を置く方法〕である。
次に重要な局面のーっは、A−28086fヒ合物類が
嫌気性細菌の生育を阻止することである。
A−28086因子Aが種々の嫌気性細菌を阻止する最
小阻止濃度(MI C )を、標準の寒天稀釈法で測定
した結果を第6表に総括記載した。
終末は24時間培養后に判定したものである。
次に、A−28086因子AのC2〜C6エステル誘導
体類はまた抗細菌ならびに抗糸状菌活性を持つものであ
る。
また、ある観点からすると、これらの誘導体は、ダラム
陽性菌に対する活性が因子Aよりも増強されたという面
も見られた。
そこで、これらの誘導体の若干のものの相対的なダラム
陽性菌活性を、因子Aの持つ活性と比較した。
幻照となる化合物類をN, R,クゼルおよびF.W,
カバナウが、ジャーナル・オブ・ファルマシューチカル
・サイエンス60巻(5)、764〜767頁(197
1年)に記載する半自動fヒされたシステム(エランコ
社のオートターブ[F]式の微生物試験システム)上で
濁度測定試験法によって検査した。
このA−28086抗生物質類の検定においては、次の
ようなテスト・パラメーターを用いた。
検定用の細菌スタフイ口コツカス・アウレウス(H−ヒ
ートレー)NRRL B−314を栄養培地(pH7
)中で37℃で4時間培養したものを使用した。
被検試料および標準品はメタノールー水(10:90)
に溶解した。
標準品のA−28086因子Aを2、3、4、および5
mcg/771lの濃度でオートタープ[F]・カラー
ゼル( .Autoturb @ carousel
)にかげた。
検体化合物類は稀釈して1 ml当り約3〜4 m c
gの活性が含まれるようにしてからカラーゼルにかけた
標準品の活性と幻比して求められた検体化合物の相幻的
活性度を次に示す。
A−28086化合物類の抗微生物活性の今一つの有用
な局面はミコプラズマに対する活性である。
PPLOとしてもまた知られているミコプラズマの種は
人間や種々の動物に病原性がある。
このPPLO生物に則して効果のある薬剤は特に家畜生
産業から要望されている。
生体外でのプロス稀釈研究法で測定した種々のミコプラ
ズマに対する抗生物質A−28086の最低阻止濃度(
MIC)を下の第7表にまとめた。
その1mlあtこりに10mcg程度の微量の抗生物質
A−28086を含んだ溶液でも動物をミコプラズマの
種から保護する外用消毒剤として有効である。
次にA−28086fヒ合物類はまた、抗ビールス剤で
もある。
A−28086因子Aは■型の小児麻痺ビールス( t
ype III poliovirus )、牛痘ビー
ルス( vaccinia virus ) 、泡疹ビ
ールス( herpes virus ) およびセ
ムリキ・フォレスト・ビールス( Semliki F
orest virus ) に対して活性的であり
、これらはシミノフによって記載さレタ〔アプライド・
ミクロバイオ0 シ− 9 81)、66〜72頁(
1. 9 6 1 ) )試験法と類似の生体外プラー
ク抑制試験( in vitro plaquesup
pression tests )により確証を得たも
のである。
A−28086因子Aはまた、伝染性胃腸炎ビールス、
ニューカッスル病ビールスおよび感染性牛属鼻孔性気管
支炎ビールスに刻しても活性を示すが、これらも類似の
組織培養試験で確めたものである。
従って、ある面に於ては、A−28086「ヒ合物はど
れも皆、ビールスの抑制を目的として、経口的にも、局
所的にも、あるいは注射によっても補乳動物に投与する
ことができるのである。
ビールス病の予防まだは治療上有効な投薬の基準は、対
照となるビールスならびに薬物使用の目的が予防的か治
療的かに基き、投与は咄乳動物の体重1kgに則し約1
〜5■であり、一定しないのが普通である。
以上のほか、A−28086fヒ合物を含有する液剤は
、できれば界面活性剤と共に、小児麻痺あるいは泡疹の
ような諸ビールスの存在している生体外棲息地の消毒に
も用いることができる。
かかる場合には約1〜1 5 0 0 mcg/mlの
A一28086化合物を含有させた液剤がビールス類の
抑制に効果的である。
抗生物質A−28086因子Aの急性毒性は、マウスの
腹腔内注射による投与法でそのLD5oは7.15■/
kyである。
次にA−280861’ヒ合物類はまた殺虫剤でありか
つ殺たに剤でもある。
A−28086化合物類は昆虫類、例えばメキシコのピ
ーン・ビートル、ミルクウイード・バッグならびに家蝿
に刻して効力があるし、ツー・スポツテド・スパイダー
・マイト( two 一spotted spider
m ite ) とようなダニ類にも有効であり、
使用も5 0 0 ppm程度の少量で足りる。
さらにまた、A−28086fヒ合物はぼうふら( m
osqui te larvae )にも有効で)使用
量は1 ppmの少量でよい。
このA−28086(L合物の重要な一性質は、その抗
コクシジウム活性である。
例えば、飼育実験の結果、このA−28086のどのf
ヒ合物でも0.003%という少量をひよこ(雛鶏)の
餌に入れてやると体重増加が改善され、さらに0.00
5%という少量では、コクシジウム症原体に犯されたひ
よこの死亡を防ぎかつ損害数が減少する。
各種ノエイメリア属の病原体を与えたひよこ群におげろ
因子Aの効力試5験の諸結果を第8表から第10表に示
した。
家禽のコクシジウム症の予防ないし治療のためには、A
−28086化合物のどれかを、毎日経口的に、無毒で
而もコクシジウム原虫に有効な量を毎日経口的に鳥に投
与するのが好ましい。
鳥にA−28086比合物を与える方法は多くあるが、
最も簡便なのは生理学的に許容できるような逓伝体と共
に与えること、特に好ましいのは鳥の摂取する飼料と共
に与える方法である。
また、A28086fヒ合物の適量を決定する上で種々
の因子が考慮されねばならないが、投与の割合は通常薬
物無添加飼料の0.003ないし0.04%の範囲、好
ましくは0.005〜0.02%の範囲にあるであろう
A−28086化合物類の今一つの重要な性質は、動物
の飼料利用効率を改善するという性能である。
例えば、A−28086fヒ合物類は発達した反倒機能
を持つ反倒動物類の飼料利用能率を改良するのである。
これまでにも論じて来た様に、反劉動物類における炭水
化物利用効率は、その動物のルーメン(反物胃)内の分
布生物を刺激してアセテートまたはブチレート塩よりも
むしろプロピオネートを生成させるように操作すること
によって高められる。
飼料の利用効率は、ルーメン中のプロピオン酸fヒ合物
の生或と濃度とを次の方法を用いて観察することにより
探知される。
先づ、ルーメン分泌物は、痩管( fistula )
を外科的にルーメン内に拡げて設置された雄の子牛から
得られる。
この子牛に穀類に富んだ飼料を与えて保育する。
ルーメン流動液の試料は四枚重ねのチーズクoス( c
heesecloth )を透して浸み出させ、このF
液を集収する。
チーズクロスに残留した粒状物質は、初めのルーメン流
動液量にもどすのに十分な生理的緩衡液に浮遊させ、再
度浸出させる。
ジャーナル・オブ・デーリー・サイエンス、38巻12
25〜1230頁(1955)中のチエン等の記載によ
れば、この際用いられる緩衝液は次の様な組成を持って
いる。
この2つの沢液を混合し放置して浮遊物質を表面に浮遊
分離させる。
透明層を分離し、同一緩衝液(i:i)で稀釈、而る后
pH6.8〜7.0の間に調整する。
稀釈されたルーメン液(lQmA’)を、上記の飼料4
0■、大豆蛋白質追加分1■、ならびに被検化合物を入
れた25111lフラスコに加える。
一回の処理ごとに四重複するフラスコを用いる。
それぞれ、2組の4個のフラスコがまたコントロールに
用いられ、また0時間目のコントロールト培養16時間
目のコントロールが使用される。
試験フラスコは何れも38℃で16時間培養する。
※※培養が終ると、各フラスコのpHを測定し、25%
のメタ燐酸(2m0を各フラスコに加える。
各試料は放置して沈澱させた後、上澄液をガスクロマト
グラフイで分析してプロピオネート、アセテート、およ
びブチレート化合物類を測定する。
コントロール以上にプロピオネート生成の増加の認めら
れたものが活性fヒ合物としての意義がある。
試験−fヒ合物の関連結果は推計学的にコントロールの
結果と比較する。
第11表に処理フラスコ中の揮発性脂肪酸(VFA)の
濃度とコントロール・フラスコ中の濃度との比を示す。
炭水fヒ物利用効率は、ルーメン(反B胃)の内容物の
標品を抜きとることが出来るようにルーメン中に痩管(
fistulas ) を装置した動物で行われた
生体( in vivo )試験により更に解明される
第12表に表示する試験結果は、それぞれ目方が約10
001bS,の痩管を取り付けた成熟した屠牛で行った
ものである。
2頭の子牛は正常食で飼育し、各処理群における4頭は
これと同じ飼料にA−28086因子Aを加えたもので
飼育した。
とり出した各100mlづつのルーメン流動液には、1
0%のメタ燐酸(10.0ml)を添加し、試料を静置
し、しかる後澄明液をガスクロマトグラフ法で分析して
プロピオン酸濃度を測定した。
第12表の結果は14日間の処理期間中における5回以
上の平均をとったルーメン中のプロピオン酸濃度の平均
増率(パーセント)である。
この際のコントロールには大略20モル・パーセントの
プロピオン酸があった。
なおその上に、羊の場合にもA−28086因子Aが飼
料利用効率を増進させる事を証拠づげることが、in
vivo試験で証明された。
これらは56日間以上の期間をかげて実行し、その結果
は第13表に総括した。
A−28086一因子一D一化合物類は抗ビールス剤で
ある。
A−28086因子DはメリーランドB型ビルス、■型
小児麻痺ビルス、COEビルス、泡疹ビルス( her
pes virus ) 、およびセミリキ・フオレス
ト・ビルスに刻して有効であり、これはシミノフの記載
〔アプライド・ミクロビオロジー、9巻1)66〜72
頁(1961),lと類似の生体外プラーク抑制試験に
よって確認された。
A−28086因子Dはまた、伝染性胃腸炎ビルス、ニ
ューカッスル病ビルス、ならびに感染性牛属鼻孔気管支
炎ビールスに有効であるが、これも同様の組織培養試験
により確認したものである。
か《の如<A−28086一因子一〇(ヒ合物類がビル
スならびに嫌気性細菌の両者に刻して抑制活性を有する
事実は、該化合物類を雛鶏、豚、牛、ならびに羊の腸炎
の治療ないし予防用として有利ならしめるものである。
該A−28086一因子D(ヒ合物類はまた反例動物類
の腸内中毒症の治療にも有効である。
次に本発明にがかるA−28086一因子一Dfヒ合物
類の重要な性質の一つとして抗コクシジウム症活性があ
げられる。
invitro での実験の結果、A−28086因
子Dはエイメリア・テネラに効く抗コクシジウム活性の
あることが証明された。
以下にその使用法を記載する〔詳細に関しては、エクス
ペリメンタル・パラシトロシ−34巻189〜196頁
(1973)のL.R.マクダガルドおよびR.B,ガ
ロウエイの報告参照のこと〕。
寄生細胞の培養物はレイトン管( Leightont
ube)、プラスチック製の皿ないしその他の適当な培
養容器類を用いる簡易法によって調製する。
任意の適当な培地(イーグルの最少必要培地、アーレま
たはハンクの調和食塩水中ラクトアルブミン加水分解物
を加えたもの、培地199等)で2〜3日間生長させる
と、通常、適当な単層が生成して感染処理や薬物処理が
容易になる。
これらの研究にはひよこの腎臓細胞の一次培養物を用い
た。
生活力を有するエイメリア・テネラ ( Eimeria tenella )に感染したひ
な鳥の便からその接合子嚢を採取し、使用に先立って清
浄にして殺菌する。
この接合子嚢を懸濁し、懸濁液に通気発泡させるかまた
は羽根付シェーカーもしくはその他の適当な装置でおだ
やかに振盪しながら室温に保持して発芽させる。
発芽処理の間、細菌やかびの発育を防止するため、ニク
ロム酸カリウム、硫酸または他の薬品を使用することが
できる。
接合子嚢の外壁を機械的に破り、子嚢から出た種虫を活
動させるためにトリプシンおよび胆汗酸塩で処理するこ
とにより、子嚢から感染力を有する種虫を完全にはい出
させる。
容器中の細胞培養物に生活力のある種虫を導入すること
により、細胞培養物を感染させる。
次いでこれに試験化合物を導入することができる。
試験fヒ合物は好ましくは生理的食塩水中、10%ジメ
チルホルムアミドを使用して導入する。
試験の終時点における抑制は無性生殖段階に刻する抑制
である。
感染96時間後、培養物を固定、染色し、顕微鏡で観察
することによりその終時点を測定する。
第2世代としてのシゾント( schizont )が
存在するか否か、単一細胞層に対する毒性が明らかであ
るか否かにより、その結果を活性(A)、不活性(N)
または細胞毒素性(C)として記録する。
上記試験により証明されるA−28086因子Dの抗コ
クシジウム活性を要約して第14表に示す。
A−28086因子Dfヒ合物の有する上記以外の特色
は反與動物の第一胃の機能を高めて飼料の利用効率を増
大せしめ得ることにある。
反興動物飼料中の主栄養或分(炭水化物)の利用機構は
よく知られている。
動物の第一胃中の微生物が炭水化物な単糖類に分解し、
この単糖類なピルビン酸**化合物に変換する。
ピルビン酸fヒ合物は微生物による代謝作用により、揮
発性の脂肪酸(VFA)として知られたアセテート、ブ
チレートまたはプロピオネートを形成する(より詳細に
をよ、フイリプソンら著:フイジオロジー・オブ・ダイ
ジエスチョン・アンド・メタボリズム・イン・ザ・ルミ
ナント(英国ニューカースル・アポン・タイン在オーリ
エル・プレス(1970年)刊)408〜410頁レン
グの記載参照)。
) VFA利用の相幻的効率については、マツクク
ローフ(フードスタフス( 1 9 7 1.年6月1
9日)19頁)、エスクランドら( J. An.Sc
i,第33巻282頁(1971年))、およびチャー
チら(デジエステイブ・フイジオロジー・アンド・i
ニュートリション・オブ・ルミナンッ第2巻(1971
年)622および625頁の報告がある。
酢酸および酪酸fヒ合物が利用されるが、プロピオン酸
化合物の効率がより犬である。
加うるに、プロピオン酸化合物が非常に少ないときには
動物フ がケトン症に罹患する可能性がある。
それ故、有用な化合物は動物体内の炭水化物からより高
い量のプロピオン酸を産出するように刺激を与え、炭水
化物の利用効率を増大せしめ、またケトン症の罹患率を
減少させる。
5 有用な化合物の第1胃中におけるプロピオン酸化
合物の生成および濃度に則する影響を因子Aの場合と同
様な操作で観察することにより、その有用なfヒ合物の
活性を測定することができる。
試験化合物の結果を苅照化合物の結果と統計学9 的に
比較する。
第15表はA−28086因子Dで処理したフラスコ中
の揮発性脂肪酸濃度の苅照フラスコ中の揮発性脂肪酸濃
度の比を示すものである。
本発明の化合物はプロピオン酸化合物を増加させること
において典型的効果を有し、 それ故にこ のfヒ合物を約0.05〜5.5■/kg/日の割合で
反例動物に経口的に投与するとき、飼料利用効率を高め
ることができる。
本発明の化合物を約0.1〜2.51n9/kg/日の
割合で投与することにより最もよい結果が得られる。
本発明目的化合物の好ましい投与方法は、これを動物飼
料と混合する方法であるが、これを他の方法、たとえば
錠剤、ドレンチ剤、大丸薬、カプセル剤の剤型で投与す
ることができる。
これら種々の投与剤型は獣医薬理学的によく知られた方
法により製剤することができる。
個々の投与単位剤型は本発明化合物を処理すべき動物の
1日当固有の投与量に直接関連する量で含有させたもの
とすべきである。
家畜飼料と七〇トン当りA−28086の301から成
る飼料組成物を肥育用家畜に与えることにより本発明化
合物を利用することができる。
この分野で知られているように、牛の飼料は他の飼料た
とえば家きんの飼料とは異なる。
牛の飼料は粗飼料たとえば綿実殻、トウモロコシサイレ
ージなどを含む。
加うるに、牛の飼料はより高率(しばしば15〜25%
)の非蛋白性窒素源を含有する。
通常、この非蛋白性窒素源は尿素である。前記のごとく
、本発明のA−280861ヒ合物は抗ビールス剤であ
り、また嫌気性菌、特にクロストリシウム・ベルフリン
ゲンス( C lostridiumperfring
ens )に刻して活性を有する。
それ故、にわとり、豚、牛、羊などの腸炎を処置し、予
防するため有用である。
またA−28086fヒ合物は反劉動物の腸性中毒症を
処置するために有用である。
次に実施例を挙げて本発明の具体的実施態様を説明する
実施例 1 (A) ストレプトマイシス・オーレオファシエンス
( S, aureofaciens ) NRRL
5 7 5 8を使用するA−28086の振盪フラ
スコ発酵二下記操作に従ってストレプトマイシス・オー
レオファシエンスNRRL 5758の培養物ヲ作或
した。
すなわち、上記組成を有する寒天斜面培地にストレプト
マイシス・オーレオファシエンスNRRL 5758
を接種し、接種した培地を30℃で6〜10日間培養し
た。
菌体の生育した斜面培養物を牛血清で保護しながら滅菌
した白金耳でこすって胞子を散乱させた。
こうして得られた胞子と菌糸片の牛血清浮遊液を凍結乾
燥して6個のべレソトを造った。
得られた凍結乾燥ペレット1個を下記組戒の生育用培地
50mlに接種した。
250ml容のエルレンマイエルフラスコニ収められた
上記の接種済みの生育培地を、直径2インチの円弧運動
をする振盪機上で2 5 Orpmの速度で旋回振盪し
ながら30℃で24時間培養した。
(B) ストレプトマイシス・オーレオファシエンス
NRRL 5758を使用するA−28086のタン
ク発酵: 多量の接種菌を造るため、上記のようにして培養した生
育培養液10mlを前記の生育用培地と同じ組成をもつ
次の段階の生育培地400mlに接種、この二度目の接
種培地を2l容のフラスコに入れ、直径2インチの円弧
運動式旋回振盪機上で2 5 0 rpmで24時間3
0゜Cで培養した。
この二度目の生育培養液1lを下記組成の滅菌された生
産用培地’1 0 0 lに接種するためにこの培地は
15〜20ポンドの圧力で120℃に30分間加圧殺菌
した後のpHは6.7であった。
このように調製して菌を植えた生産用培地を165lの
発酵タンク内で29℃の温度で10日間発酵させた。
この間発酵液には、毎分培養液量の0.4容量の割合で
無菌空気を通気した。
また培養液は2 5 0 rpmの割合で普通の攪拌器
で攪拌した。
実施例 2 下記組成のフラスコ培養基を用いること以外は実施例1
の方法に従い、A−28086抗生物質を生産した。
実施例 3 ストレプトマイシス・オーレオファシエンスNRRf,
5758によって生産されたA28086抗生物質複合
体の分離: 実施例1に記載した方法によって得られた発酵液132
l全部をp液助剤(ハイフロ・スーパーセル、硅藻土の
一種で、ジョンズーマンビル製造会社製品)で戸過し、
p液971が得られた。
この沢過液はほぼ同量の醋酸エチルで抽出を試みた。
水層と醋酸エチル抽出液とを分離し、500mlぐらい
の量に濃縮した。
この濃縮醋酸エチル抽出物に過剰の石油エーテル( S
kellySolveF;約10l)を加え、その結果
できる不用物質を沈殿させて分離した。
分離後のt液を減圧下で蒸発し、A−28086抗生物
質複合体6.9tを得た。
次に、菌体部に含まれるA−28086抗生物質複合体
は、沢過した菌体を約半量のメタノールで2回抽出(6
2lと59J)Lて得られた。
これらの2回のメタノール抽出液を合した後、減圧下で
メタノールを濃縮除去した。
この濃縮後に約10lの水層が残る。
この水層を稀薄な水酸fヒナトリウム溶液でpHを約7
.5に調整した。
かくして得られた溶液をほぼ同量の醋酸エチルで2回(
1’と10l)抽出した。
該醋酸エチル抽出液を合した後、約400mlの量に濃
縮した。
この濃縮醋酸エチル抽出物を大過剰の石油エーテル中に
加えて不要物質を除去したが、その方法としては、沢過
培養液の濃縮抽出物について上に記載した方法を用いた
沢液中の菌体部から得たA28086抗生物質複合体の
目方は20.1’であった。
実施例 4 A−28086中の個々の因子AおよびBの単離: A−28086抗生物質複合体(実施例3に記載したよ
うに調製したもの)235?を約80mlのベンゼンに
溶解した。
このベンゼン溶液にシリカゲル円柱クロマドグラフ法を
応用した(9×1 3 0 cm. 8 l , Ma
theson grade 6 2シリカゲル)。
吸着柱は種々の割合のベンゼンー醋酸エチル混合液で溶
出した。
次いで薄層クロマトグラフ法で溶出した。
溶媒系としてベンゼンー醋酸エチル(90:10)を用
いると、因子Bが最初に溶出し、個々の因子の一つとし
て単離された。
因子B ( 4 3711g)はアセトンー水で結晶し
、mp150〜153℃。
醋酸エチルの割合を徐々に増加しながらベンゼンー醋酸
エチル混合液で溶出を継続すると、因子Aが溶出して来
た。
因子Aを含む種々の分画を合併して減圧下で濃縮し、あ
とに残った残留物をアセトン約150mlに溶解し、こ
のアセトン溶iK水約150mlを加えた。
こうして得られた溶液に1N塩酸を加えてpH3に調節
した。
酸性にした該混合液を約1時間攪拌すると、その間に沈
殿が出来る。
この沈殿をp別してアセトン約150mlに水約60m
lを加えたもので再結晶した。
生或した結晶は一夜真空乾燥し、因子A約66L?を得
た。
結晶の沢液かもアセトンを部分的に蒸発したところ、因
子Aの二次的収得物約1.2′?が得られた。
実施例 5 A−28086因子Aのアセチル・エステル誘導体の製
造: 抗生物質A−28086因子A7.4テをピリジン15
0mlに溶解、この溶液に無水醋酸50mlを添加した
この溶液を十分に混和し、ついで室温で放置した。
水200mlを加えて十分に混和し、この混合液を室温
で4時間放置した。
白色の固形物が沈殿するので、これを戸別し、水洗して
風乾した。
こうしで得た固形物をアセトン100継に溶解し、次い
でこのアセトン溶液を真空下に蒸発乾燥した(この操作
を3回くりかえした。
)。こうして得られた残渣はアセトン100ml−水5
0mlから結晶させ、A−28086因子Aのアセチル
エステル誘導体614グを得た。
融点100〜103゜C0 実施例 6〜9 実施例5の方法により、ピリジンの存在の下で無水プロ
ピオン酸を因子Aに反応させ、抗生物質A−2 8 0
8 6因子Aのプロピオニル・エステル誘導体を得た
融点96〜98℃。実施例5の方法に従い、ピリジンの
存在の下で因子Aを無水n一酪酸と反応させ、抗生物質
A28086因子Aのn−ブチリル・エステル誘導体を
得た。
融点79〜81゜Co実施例5の方法により、ピリジン
の存在の下で因子Aを無水カプロン酸と反応させ、抗生
物質A−28086因子Aのn一カプロイル・エステル
誘導体を製造した。
融点163〜167℃。実施例5の方法に従い、ピリジ
ンの存在の下に因子Aを無水きつそう酸と反応させ、抗
生物質A一28086因子Aのn−バレリル・エステル
誘導体を製造した。
融点173〜175゜C0実施例 10 A−28086因子Aのナ1・リウム塩の製造:抗生物
質A−28086因子A500■をアセトン5’Qml
に溶解した。
この溶液に水50mlを加え、さらに5Nの水酸化ナト
リウム溶液を加えて液のpHを10.5〜11にした。
こうして得られた溶液を1時間攪拌し、次いで醋酸エチ
ルで抽出した。
醋酸エチル抽出部を真空下に蒸発乾固した。残渣をアセ
トンー水の溶液から沈殿させ、A28086因子Aのナ
トリウム塩378m9を得た。
融点120〜123゜C0 実施例 11〜15 実施例ioの方法を用いて、抗生物質A 28086因子A(500■)と飽和水酸1ヒバリウム
溶液とから、抗生物質A−28086因子Aのバリウム
塩369■を製造した。
融点188〜190℃。
実施例10の方法を用いて、抗生物質A一28086因
子A(500■)と5Nの水酸化カリウム溶液とから3
63■のA−28086因子Aのカリウム塩を製造した
融点165〜167゜Co 実施例10の方法を用い、抗生物質A一 28086因子A5 0 0m9とIN水酸化セシウム
とから5 4 0 m9のA−28086因子Aセシウ
ム塩を得た。
融点190〜210゜C0実施例10の方法により、抗
生物質A 28086因子Bと5N水酸fヒナトリウムとから抗生
物質A−28086因子Bのナトリウム塩を製造した。
実施例 16 ストレプトマイシス・オーレオファシエンス( S.
aureofaciens ) NRRL 8 0
9 2を用いるA−28086の振盪フラスコ発酵二下
記の組戒の寒天斜面培地でストレプトマイシス・オーレ
オファシエンスNRRL 8092の培養物を製造し
た。
すなわち、この斜面培地にストレプトマイシス・オーレ
オファシエンスNRRL 8092を接種し、接種培
地を30℃で約7日間培養した。
菌の生育した斜面培養物を無菌の牛血清で保護しながら
殺菌した白金耳でこすって斜面培養物から胞子と菌糸の
浮遊液を調製した。
こうして出来た浮遊液を凍結乾燥し6個のペレットを調
製した。
こうして造った凍結乾燥ペレットの1個を下記組成の生
育用培地50ydに接種するのに用いた。
250ml容のエルレンマイエル・フラスコ中の菌を接
種した生育培地を、2インチの円弧運動する旋回式振盪
機上で2 5 O rpmの速度で、48時間30℃で
培養した。
次に、下記組成の発酵用培地5omlに、上記の菌体の
生育した培地(9.5ml、1パーセント)を接種使用
した。
実施例 17 ストレプトマイシス・オーレオファシエンスNRRL
8092を用いたA−28086のタンク発酵: A−28086の振盪フラスコ発酵法として実施例16
の冒頭に記載した方法をタンク発酵の場合にも適用した
多量の接種菌を造るために、菌を培養した生育培地10
mlを同じ組成の次の段階の生育培地400mlに植え
つげるのに使用した。
2l容のエルレンマイエル●フラスコに入れたこの次段
階の培養液を、2インチの円弧で旋回する振盪機に載せ
2 5 0 rpmで24時間30℃で培養した。
この菌を培養した二次的生育培地soomzを下記の組
或をもつ無菌の発酵用培地1 00Jに接種するのに用
いた。
この培地のpHは、15〜20ポンドの圧力で30分間
121゜Cで加圧殺菌した後6.8±0.1であった。
菌の接種された生産用培地は、容量165lの発酵タン
ク中で10〜12日間28±1 ’Cで発酵させた。
また該発酵培地には毎分培養液の0.4容量の割合で無
菌空気を通気した。
またこの培養液は3 0 0 rpmの割合で普通の攪
拌機でかきまぜた。
実施例 18 下記組成の振盪フラスコあるいはタンクによる生産培地
を使うこと以外は実施例17の方法に従ってA−280
86抗生物質を生産した。
実施例l7に記載した如く、加圧法により殺菌した後の
培地のpHは6.4であった。
実施例 19 ストレプトマイシス・オーレオファシエンスNRRL
8092によって生成されたA28086抗生物質複
合体の分離: 実施例17に記載した方法によって得られた全発酵液6
0リットルに希HCI を加えてpH3に調整した。
こうして出来た溶液を沢過助剤( Hyflo Sup
er − eel ,硅藻土の一種、J ohns −
Manville products Corp .
)を用いて沢過した。
分離した菌糸塊を30Jのメタノールで抽出し、抽出液
には1. 5 6 kgのNa HC O sを攪拌し
ながら加えて行った。
この抽出液を分離した後、菌糸塊を更に30lのメタノ
ールで再度抽出した。
両メタノール抽出液を合併し、メタノールを除去するた
めに真空濃縮した。
残留水溶液約7lを希HCl でpH7.5に調整した
こうして得られた溶液を醋酸エチル7lづつで2回抽出
した。
この醋酸エチル抽出液を合併し真空濃縮して油状の残渣
を得た。
この油状残留物をアセトン1500mlに溶解し、この
アセトン溶液に水1500mlを添加した。
こうして出来た溶液を希HCI でpH 3に調節し
て1時間攪拌した。
生成して来た沈殿を?別し、次いでアセトン1500m
lに溶解し、この溶液に水400rnlを加えた。
こうして出来た溶液を結晶を折出させるために16時間
放置した。
生成した結晶を沢刑し真空乾燥したところ、A−280
86因子AおよびDならびにその他の結晶状の不純物を
含んだ粗結晶状の生成物741を得た。
この粗結晶状生成物40?を約250mlのベンゼンに
溶解した。
次いでこのベンゼン溶液にシリカゲル円柱クロマトグラ
フ法を適用した(9−×120−CrrL円柱: Gr
ace−Davidson等級62のシリカゲル使用)
円柱は下記の各溶媒40lづつで順次溶出した。
■)ベンゼン 2)ベンゼン:醋酸エチル(9:1) 3) // // (4:1)4)
// // (7:3)5)
// tt ( 1 :l )6)醋
酸エチル 7)メタノール これらからllづつの分画を収集した。
各部分毎に溶出fヒ合物を同定するために、バチルス・
ズブチリスの生育阻止試験法と薄層クロマトグラフ法と
による検査を行った。
A−28086Iはベンゼン:醋酸エチル(4:1)で
溶出された。
A−28086因子Bはベンゼン:醋酸エチル(7:3
)で溶出された。
A−28086因子AとDとはベンゼン:醋酸エチル(
7:3および1:1)で得られた部分(119〜156
までの部分)に溶出された。
これらの部分を合併し、真空下で蒸発乾燥した。
こうして得られた残渣をアセトン500mlに溶解した
このアセトン溶液に水500mlを加え、且つ、この溶
液を稀HCI でpH3に調節し、1時間攪拌した。
生成した沈殿を沢別し、さらにアセトン500ml一水
180rfLlから結晶させた。
こうして出来た結晶は沢別して真空乾燥したところA−
28086の因子AおよびDの混合物20.11が得ら
れた。
実施例 20 因子AおよびDの単体の分離と精製: 実施例18で得られたA−28086の因子AとDの結
晶状混合物is.syをベンゼン5orulに溶解した
このベンゼン溶液にシリカゲル円柱クロマトグラフ法(
7−XIOO−cfrL円柱;E.Merck等級6
0のシリカゲル、230メッシュ(ASTM)より細か
い)を適用した。
円柱は次の溶媒で毎時90mlの流速で順次に溶出した
(1)ベンゼン12l (2)ベンゼン:醋酸エチル(9 : 1)混合物12
l (3)ベンゼン:醋酸エチル(4:1)混合物12l (4)ベンゼン:醋酸エチル(7:3)混合物12l (5)メタノール107 溶出の進行を監視する7ためにバチルス・ズブチリスに
よるバイオオートグラフ法を薄層セルロースク0マトグ
ラフ法( Merck D ar m s tadtセ
,/L/0一ス、アルミニウム支持板上)と共に行った
用いた溶媒系は次のものである。
水:メタノール:アセトン(12:3:1)。
初めにNH40Hでこの溶液をpH10.5にしその後
、HCl でpH7.5に調節する。
活性が検出される迄の1〜21分を集め、以後200m
lづつの部分を収集した。
A−28086因子Dだげを含んだ部分を合し、真空蒸
留して残渣を得た。
この残留物はアセトンー水(1:1)から結晶した。
結晶を分離して真空乾燥し、結晶状のA−28086因
子D 1 4 01n9を得た。
僅かにA−28086因子Aの混ったA一28086因
子Dを含む部分を同じやり方で処理すると、さらに少量
のA−28086因子Aを含む結晶状のA−28086
因子Dが1501n9得られた。
同様の方法でA−28086因子Aだけを含む部分を処
理し結晶状のA−28086因子4.7tを得た。
実施例 21 下記組成の斜面培地を使用すること以外は、実施例16
の方法に従って、A−28086抗生物質類を生成した
またこの場合は菌を植えた斜面を約7日間28゜Cで培
養した。
実施例 22 フラスコ培地にも生産用培地にも下記組或のものを使用
すること以外は、実施例17の方法に従ってA−280
86抗生物質類を生産した。
実施例 23 下記組成の培地を中間の第三段階の生育培地に用いるこ
と以外は実施例21の方法に従って、A28086系抗
生物質を生産した。
実施例 24 コクシジウム症抑制を目的としてA−28086で改良
されたひな鳥飼料の製造: 体重が速く増加するようにひな鳥を飼育するのに適した
均衡的で高性能な飼料を次のような配合処方で作製する
これらの物質は標準飼料配合技法に従って混合する。
投与する水には制限を加えない。こうした餌で飼育した
ひな鳥はコクシジウム症感染から保護され、体重増加も
コクシジウム症のない該薬剤無添加の類似の餌で飼育さ
れたひなに匹敵する。
実施例 25 A−28086で改善した肉牛の飼料の製造:均衡のと
れた高性能の肉牛の飼料は次のように調製される。
該混合飼料は圧縮して小塊にする。
動物1匹あたり15ポンドの飼料を日々の平均摂取の割
合とすると、この飼料は1日に動物1匹あたり約300
■のA−28086因子Aを供給していることになる。
実施例 26 A−2 8 0 8 6因子Dのアセチル・エステル誘
導体の製造: 抗生物質A−28086因子Dをピリジンに溶解する。
この溶液に無水醋酸の計算量を添加する。この溶液を十
分に混和してから一夜室温に放置する。
ついで、水を過剰に加えて混合物を室温に数時間放置す
る。
生或する沈殿を沢別し、水洗乾燥する。
こうして得られた固形物をアセトンに溶解し真空下で蒸
発乾固して、A−28086因子Dのアセチルエステル
誘導体が得られた。
実施例 27〜30 実施例26の方法に従い、ピリヂンの存在下でA−28
086因子Dを無水プロピオン酸と反応させることによ
り、抗生物質A−28086因子Dのプロピオニル・エ
ステル誘導体を製造した。
実施例26の方法に従い、ピリジンの存在下でA−28
086因子Dを無水n一酪酸と反応させることにより、
抗生物質A−28086因子Dのn一酪酸エステル誘導
体を製造した。
実施例26の方法により、ピリジンの存在下でA−28
086因子Dを無水カプロン酸と反応させ、抗生物質A
−28086因子Dのn一カプロイル・エステル誘導体
を製造した。
実施例26の方法に従って、ピリヂンの存在下でA−2
8086因子Dを無水吉草酸と反応させ、抗生物質A−
28086因子Dのn−バレリル・エステル誘導体を製
造した。
実施例 31 A−28086因子Dのナ} IJウム塩の製造:抗生
物質A−28086因子Dをアセトンに溶解する。
この溶液に等量の水を加えこの溶液のpHが約11にな
るのに十分な5N水酸化ナ゛トリウムを加える。
得られた溶液を約1時間攪拌し、次いで醋酸エチルで抽
出する。
真空下で醋酸エチルを蒸発させるとA−28086因子
Dのナトリウム塩が得られる。
実施例32〜34 実施例31の方法を用いてA−28086因子Dと5N
水酸化カリウムとから抗生物質A−28086因子Dの
カリウム塩を製造した。
実施例31の方法を用いてA−28086因子Dと飽和
水酸化バリウムとから抗生物質A28086因子Dのバ
リウム塩 を製造した。
実施例31の方法を用いてA−28086因子DとIN
水酸化セシウムとから抗生物質A一28086因子Dの
セシウム塩を製造した。
実施例 35 コクシジウム症抑制を目的としてA−28086因子を
含有させたひな鳥飼料の製造: 体重が速《増加するようにひよこを飼育するのに適した
均衡的で高性能な飼料は次の様な配合処方で調製される
これらの物質が標準飼刺配合技法に従って混合される。
投与する水には制限を加えない。こうした餌で飼育した
ひな鳥はコクシジウム症感染から保護され、体重の増加
はコクシジウム症にがかつていない該薬剤無添加の類似
飼料で飼育されたひなに匹敵する。
実施例 36 A−28086因子Dを含有する肉牛の飼料の製造: 均衡のとれた高穀物の肉牛用飼料は次のように製造され
る。
該混合飼料は圧縮して小塊とする。
動物1匹につき15ポンドの飼料を日々の平均摂取の卯
拾とすると、この飼料は1匹につき約300■のA一2
8086因子Dを供給していることになる。
【図面の簡単な説明】
図面はすべて本発明の抗生物質A−28086の赤外吸
収スペクトルを示す。 図面であって、第1図は抗生物質A−28086因子A
、第2図は抗生物質A−28086因子B、第3図は抗
生物質A−28086因子八のアセチルエステル誘導体
、第4図は抗生物質A−28086因子Aのプロピオニ
ルエステル誘導体、第5図は抗生物質A−28086因
子Aのブチリルエステル誘導体、第6図は抗生物質A−
28086因子Aのバレリルエステル誘導体、第7図は
抗生物質A−28086因子Aのカプロイルエステル誘
導体、第8図は抗生物質A−28086因子Dのそれで
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ストレプトマイシス属に属する抗生物質A −28
    086生産菌を培地に培養し、その培養液から抗生物質
    A−28086因子A、因子Bおよび因子Dを含む抗生
    物質A−28086複合体を採取することを特徴とする
    抗生物質A−28086複合体の製造法。
JP50070726A 1974-06-10 1975-06-10 コウセイブツシツ a−28086 ノセイゾウホウ Expired JPS5836957B2 (ja)

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US56971975A 1975-04-21 1975-04-21
US05/569,740 US4038384A (en) 1974-06-10 1975-04-21 Antibiotic a-28086 and process for production thereof

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DK (1) DK142061B (ja)
EG (1) EG12589A (ja)
ES (1) ES438422A1 (ja)
FI (1) FI53837C (ja)
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IL (1) IL47426A (ja)
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SE7905655L (sv) 1979-06-27
HU173603B (hu) 1979-06-28
FR2273550A1 (fr) 1976-01-02
SE7506509L (sv) 1975-12-11
AU8181475A (en) 1976-12-09
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CH621687A5 (en) 1981-02-27
IL47426A (en) 1978-04-30
YU145475A (en) 1983-04-27
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GB1512568A (en) 1978-06-01
FI53837B (fi) 1978-05-02
DE2525095C2 (de) 1984-11-15
YU37359B (en) 1984-08-31
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ES438422A1 (es) 1977-05-16
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NL184575C (nl) 1989-09-01
IE41079B1 (en) 1979-10-10
SE429763B (sv) 1983-09-26
IL47426A0 (en) 1975-08-31
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