JPS5836809Y2 - ２サイクルエンジン用排気管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エンジンの排気管、殊に膨張室が形成された
２サイクルエンジン用排気管に関する。

２サイクルエンジンにむいては、排気管の形状がエンジ
ン性能に大きく影響する。

普通は、エンジン排気口に接続される小径部に連続して
容積の大きい膨張室を有する構造が一般に採用されてい
る。

普通の用途のエンジンにも・いては、この膨張室に続い
て消音器が配置されるのであるが、レーサー用エンジン
においては消音器その他の出力低下の原因となるものは
用いられず、膨張室の末端には単にリヤテーパ部が形成
されるだけである。

しかし、このようなレーサー用排気管においては、騒音
が高く、騒音減少のための対策が要望されている。

本考案は、このような必要性に応えるべく完成されたも
のであって、フロントテーパ部むよびリヤテーパ部を包
含する膨張室を有し、エンジン排気口からの脈動が直接
リヤテーパ部に当てた排気管において、排気出口をリヤ
テーパ部に設けると共に、リヤテーパ部の壁厚を膨張室
の他の部分より厚肉としたことを特徴とする。

本考案の好ましい態様においては、リヤテーパ部は、グ
ラスウール等の吸音材を外側に巻き、その外側に金属保
護カバーを配置することにより、壁厚を増加させられる
。

しかし、単にリヤテーパ部を膨張室の他の部分より厚内
の同一材料で構成することによっても、相当な消音効果
を得ることができる。

以下、本考案の実施例を図について説明すると、１ず第
１図において、排気管１は２サイクルエンジンの排気口
（図示せず）に接続される小径部２と、該小径部２に連
続し後方へ拡がるフロントテーパ部３、該フロントテー
パ部３に連続する円筒部４および該円筒部４から後方に
向けて縮少するりャテーパ部５からなる膨張室６と、該
膨張室６に連続して後方へ延びる小径の排出筒７とから
なり、リヤテーパ部５の瞥わりにはグラスウール８が巻
かれ、その外側に金属保護カバー９が溶接等により取付
けられている。

第２図の実施例にむいては、排気管１１は、エンジン排
気口に接続される小径部１２と、フロントテーパ部１３
、円筒部１４むよびリヤテーパ部１５からなる膨張室１
６と、小径排出筒１７とからなり、リヤテーパ部１５は
他の部分とは別に、厚肉の材料から形成され、溶接によ
り円筒部１４および排出筒１７に結合されている。

このようなフロントテーパ部とりャテーパ部とを包含す
る膨張室を有する形式のレーサー用排気管においては、
膨張室内に何ら障害物がないため、出力性能上好ましい
反面、エンジン排気口からの脈動圧力がりャテーパ部に
直接当ってこれを振動させ騒音を発する。

この騒音を減少させるためには、リヤテーパ部の前方に
比較的剛性の高い遮蔽板を設ければよいが、このような
遮蔽板は管路抵抗の増大を招き出力低下の原因となる。

本考案においては、膨張室の他の部分に比し、騒音を発
することが多く、又小さな面積を有するリヤテーパ部の
壁厚を増加するという簡単な構成によって、最少の重量
増加で騒音減少の効果を挙げることができる。

たとえば、２サイクル１２５ ｃｃ １ 気筒エンジン
を備え、フロントテーパ部及び円筒部の板厚をＱ、８ｍ
ｍ、小径の排出筒の板厚を１．２１ｎｍとしたモトクロ
ス用し−サにおいて、リヤテーパ部の壁厚さ０．８關か
ら２．０關に増加させることにより、ＣＨＰ （Ｃａ
ｌｉｔｏｒｎｉａ Ｈｉｇｈｗａｙ Ｐａｔｒｏｌ）の
測定方法による加速ゾーンにおける騒音レベルを１・５
ｄＢ（Ａ） 低下させることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案のそれぞれ異った実施例を
示す縦断面図である。 ２・・・小径部、３・・・フロントテーパ部、４・・・
円筒部、５・・・リヤテーパ部、６・・・膨張室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジン排気口に接続される小径部に接続して後方に向
   けて拡がるフロントテーパ部と、該フロントテーパ部よ
   り後方に形成され、後方に向かって挾するリヤテーパ部
   とを包含する膨張室を有し、該エンジン排気口からの脈
   動が直接該リヤテーパ部に当てた排気管にむいて、排気
   出口を前記リヤテーパ部に設けると共に、前記リヤテー
   パ部の壁厚を膨張室の他の部分より厚内としたことを特
   徴とする２サイクルエンジン用排気管。