JPS5834753Y2 - 小型バリコンのトリマ−コンデンサ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は小型バリコンに付属せしめるトリマーコンテ゛
ンサの新規な構造に関する。

電極間に絶縁物フィルムを介在させた小型のギヤングバ
リコンに単一調整用のトリマーコンテ゛ンサを付属せし
める。

第１図は四速の小型バリコンのトリマーコンデンサ部分
を分解して示した斜視図であり、図中１は頭部に回転用
割溝２を設けたトリマー軸、３はロータ板、４はマイラ
ー樹脂など、高周波損失の少ない合成樹脂フィルム、５
は合成樹脂製の押板で、四隅にステータ板６を固着し、
下面四隅に筒状部材７を一体的に成形している。

ステータ板６にはそれぞれ端子８が設けられる。

９はアース板で、その両側に端子１０が設けられる。

１１はばね板である。

このようなトリマーコンデンサは、第２図に明りように
示すように、押板５の下面に平板状のアース板９を配置
し、さらにトリマー軸１をロータ板３の貫通穴３′に強
嵌合させ、合成樹脂フィルム４の貫通穴４′、押板５の
貫通穴５′、アース板９の貫通穴９′、ばね板１１の貫
通穴１１′に挿通した後、トリマー軸１の先端をカシメ
付け１′シてトリマーコンデンサを組み立てた後、これ
を小型バリコンの上に載置して取り付け、小型バリコン
にトリマーコンデンサを付属せしめている。

上述の如き従来のトリマーコンデンサは、ロータ板３と
トリマー軸１間、トリマー軸１とばね板１１間、ばね板
１１とアース板９の３個所の機械的接触部があり、導電
路に接触不安定部分を多く含んでいて信頼性の面で不安
定であった。

そのうえ、ばね板１１が非常に小さいため、寸法精度よ
く打ち抜き加工するのにコストがかかる上、このばね板
１１の貫通穴１１′をトリマー軸１に挿通するのが面倒
で、組み立てに多くの手間を要するという欠点があった
。

また、従来のものは、ばね部材は、山形に形成された弾
性金属体を単にトリマー軸のかしめによりアース板に押
しつけるような構造であったので、ばねストロークが短
く、ばねの寸法精度が悪いばあいには、トリマー軸にか
かるトルクが不揃いになる、という欠点もある。

本考案は、上述の如き従来の欠点を改善しようとするも
ので、その目的は電気的な不安定要素を取り除きかつ構
造が簡単な小型バリコンに付属せしめるトリマーコンデ
ンサを提供することにある。

次に本考案の実施例を図面とともに詳細に説明する。

第３図は本考案に係るトリマーコンテ゛ンサの押板とア
ース板を示す斜視図であり、第１図の押板とアース板を
裏返した位置関係にて図示している。

同図中、２１は押板で、従来形と同様合成樹脂により成
形され、かつ四隅に筒状部材２２を設け、筒状部材２２
の裏側には図示していないがステータ板が設けられる。

２３はこれらステータ板から延びる端子である。

２４はトリマー軸を挿通させる４個の貫通穴、２５は押
板２１の中央に設けた突起で、押板２１と一体的に成形
されている。

そして前記貫通穴２４．２４の一対は一方の突起２５を
挾むようにしてこれの両側に配置され、他の貫通穴２４
．２４の一対は他方の突起２５を挾むようにしてこれの
両側に配置されている。

３１は弾性金属板からなるアース板で、前記押板２１の
貫通孔２４に対して４個所にトリマー軸が挿通する貫通
穴３２があけられ、両端に端子３３が延在している。

３４はアース板３１の中央に設けたスリットである。

アース板３１は第４図からもあきらかなように、断面の
形状はほぼ台形をしている。

本考案に係るトリマーコンデンサの組立ては、第５図に
示す如く、トリマー軸３５をロータ板３６の貫通口に強
嵌合させた後、これを合成樹脂フィルム３７、ステータ
板３８の貫通穴に挿通させ、さらに押板２１の貫通穴２
４に挿通させて押板２１の表面２１′に突出させる。

そしてアース板２１をその上に載置して押板２１の表面
２１′に突出しているトリマー軸３５にアース板３１の
貫通穴３２を挿通させる。

次いで第６図の如くトリマー軸３５の先端３５′をかし
め付ける。

このとき、アース板３１は変形せしめられ、その裏面３
１′は押板３１に設けた突起２５に当接する。

このカシメ付けによってアース板３１に生じた弾性力で
トリマー軸３５を矢印方向にバイアスするので、ロータ
板３６とステータ板３８は合成樹脂フィルム３７を介し
て密着される。

このように、アース板３１は一方を押板２１の突起２５
に支えられ、他方奮押板２１の表面２１′に支えられて
おりアース板３１のばねストロークを長くとることが可
能であり、かつ押板２１とアース板３１との間に十分な
空隙があるため、トリマー軸３５のカシメ量が多少変化
してもトリマー軸のトルク量はさほど変らない。

また、アース板３１のばねストロークを長くすることが
できるので、燐青銅板に比べて弾性力が不足するが、安
価な黄銅板（ＢＳＲ２Ａ−Ｈ材）を用いてアース板を形
成することができる。

以上詳細に説明したように、本考案によれば従来の小型
バリコン用トリマーコンデンサに比べて部品点数が１つ
減少するし、機械的な接触点も１個所減らすことができ
る。

このため、従来のものに比べて信頼性を向上させること
ができ、しかも構造も簡単になったため、組立作業性が
きわめて良好となりコスト低減と安定した品質のトリマ
ーコンデンサが提供できる。

また、裏面にばね受は用の突起を設けるとともにトリマ
ー軸を挿通する貫通穴を設けた押板の該裏面に、断面が
ほぼ台形に形成されるとともにトリマー軸を挿通する貫
通穴を設けた弾性金属板からなるアース板を重ね合せ、
押板とアース板の貫通穴に挿通したトリマー軸をかしめ
付けてアース板を押板の突起に弾性的に接触せしめたの
で、トリマー軸をかしめ付けた後でも、アース板と押板
とのあいだに空隙が形成されることになる。

このためアース板のばねストロークを長くとることが可
能であり、トリマー軸のトルク量は変化がないという効
果もある。

なお、この考案は、小型バリコン用のトリマーコンデン
サに適用できるばかりでなく、単体のトリマーコンデン
サにも適用できることはいうまでもないことである。

【図面の簡単な説明】

第１図は四速の小型バリコンのトリマーコンデンサ部分
を分解して示した斜視図、第２図はトリマーコンデンサ
部分の断面図、第３図乃至第６図は本考案に係るトリマ
ーコンテ゛ンサを示す図面で、第３図は押板とアース板
の斜視図、第４図はアース板の断面図、第５図は組立途
中のトリマーコンテ゛ンサの断面図、第６図は組立終了
時のトリマーコンデンサの断面図である。 図中、２１は押板、２４および３２は貫通孔、２５は突
起、３１はアース板、３５はトリマー軸、３６はロータ
板、３７は合成樹脂フィルム、３８はステータ板である
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トリマー軸により回転されるロータ板とステータ板とを
   合成樹脂フィルムを介して圧接せしめるようにした小型
   バリコンに付設せしめるトリマーコンデンサにおいて、
   裏面の中央にばね受は用の突起を設けるとともに該突起
   を挾むようにして配置した一対の貫通穴を二対設けた押
   板の該裏面に、断面がほは゛台形に形成されるとともに
   トリマー軸を挿通し、前記押板の貫通穴に対向する位置
   に貫通穴を４個設けた弾性金属板からなるアース板を重
   ね合せ、押板とアース板の貫通穴に挿通したトリマー軸
   をかしめ付けてアース板を押板の突起に弾性的に接触せ
   しめ、該アース板の弾性力でロータ板とステータ板を圧
   接せしめることを特徴とする小型バリコンのトリマーコ
   ンテ゛ンサ。