JPS5833863Y2 - 脱穀機における四番処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、扱胴を軸架した扱室と扱胴軸の軸芯方向後方
に形成した排塵室との間に四番漏斗を設け、扱室の下方
から上記排塵室に設けた吸引ファンの吸塵口下方にかけ
て形成した選別風路に穀粒揺動選別移送体を配設した脱
穀機において、脱穀作用に伴なって扱室の四番口から飛
散した穀粒、あるいは四番口を通過した排稈に付着して
機外へ排出されようとする、いわゆるささり粒などを有
効的に回収することができるようにした脱穀機における
四番処理装置に係るものである。

脱穀機の四番飛散を防止するために、従来四番口の外側
方に四番漏斗が設けられているが、該四番漏斗の有効長
さく通過行程）が短かいため、排稈に付着した、いわゆ
るささり粒又は四番口よりの飛散粒を充分に四番漏斗に
落人させることができず、別に四番口にささり粒を落人
させるための処理板（棒）や飛散防止の布幕などを設け
ていた。

ところが、このような四番口に処理釜（棒）や布幕など
を装着した場合には、殻稈移送チェノによって株元部が
挾持された排稈に多大な排出抵抗がかかり、排稈を円滑
かつ整然と排出し得ない欠点があった。

一方、前記ささり粒又は四番口からの飛散粒が四番漏斗
に落人した場合でも、その下方の選別風路中に配設した
穀粒揺動選別移送体への落下点から移送方向先端までの
揺動移送行程が短かいため前後揺動にともなう揉解作用
による比重選別が充分に付与されず、単粒化された四番
物（穀粒）が二番物に混入して二番物の還元量が増加し
、混入した上記穀粒が二番スロワから扱室を経て穀粒揺
動選別移送体上に還元される過程で脱秤されて損傷を受
ける許ってなく、切れ穂、藁屑等が精粒選別網を詰らせ
て風選、排塵作用も悪くなる欠点があった。

本考案は、上記のような実情に鑑み、従来の欠点を一掃
すべく創案されたものであって、特に扱胴を軸架した扱
室と扱胴軸の軸芯方向後方に形成した排塵室との間に設
けた四番漏斗の受は領域を前後方向に長く形成せしめた
ことによって、ささり粒や四番飛散粒など四番漏斗内に
無駄なく回収することができるようにすると共に、四番
漏斗内に回収したささり粒等の四番物を扱室の下方から
排塵室の下方にかけて延設してなる前後方向に長い穀粒
揺動選別移送体の選別移送中途部へ確実に落下させるよ
うにして、単一の穀粒揺動選別移送体でありながら四番
物の再選別を行う揺動移送行程を充分に確保し、上記四
番物を扱室の受網から漏下した脱穀物および排塵口から
落下した穂切殻稈や藁屑等に合流させたうえ、穀粒揺動
選別移送体の選別移送後半部を揺動移送する過程で比重
選別を的確に行わせ、常に穀粒と藁屑との分離を良好に
して二番物に混入する穀粒を極力少なくシ、二番物の還
元過程で生ずる脱秤による穀粒の損傷を可及的に防止し
て合理的な選別を軽快に行うことができる脱穀機におけ
る四番物処理装置を提供しようとするものである。

本考案の構成を図面に示された一実施例について説明す
れば、１は脱穀機の機枠、２は該機枠１に軸架された胴
軸、３は該扱胴軸２に固定された扱胴であって、該扱胴
３の下方には受網４が張設され、これらによって扱室５
が構成されている。

６は前記扱胴軸２の延長方向後方に形成された排塵室で
あって、該排塵室６は排塵吸引ファン７を介して機外と
連通され、かつ前記扱室５の下方から排塵吸引ファン７
の吸塵口８の下方にかけて選別風路９が形成され、該選
別風路９には扱室５の受網４の下方から排塵室６の下方
にかけで延設してなる前後方向に長い穀粒揺動選別移送
体１０が配設されている。

１０ ａは穀粒揺動選別移送体１０に形成した無孔の段
付穀粒揺動移送部、１０ ｂはその移送方向端部に延設
された精粒選別網である。

１１は圧風ファン、１２は一番樋に装着された螺旋コン
ベア、１３は二番樋に装着された螺旋コンベア、１４は
二番スロワである。

１５は扱室５の四番口であって、該四番口１５の下方か
ら前記吸塵口８の近傍にかけて前後方向に長い四番漏斗
１８が形成されている。

すなわち、１６は両側方から中央に向けて下降傾斜する
樋状の原板であって、該原板１６の一端は扱室５の後側
壁５ａに固定され、他端は扱室後側壁５ａに対向して排
塵吸引ファン７の吸塵口８近傍に固設された仕切板１７
に固定されて扱胴軸２の軸芯方向と平行に配設されてお
り、これら原板１６扱室後側壁５ａおよび仕切板１７に
よって扱室５の四番口１５下方から排塵吸引ファン７の
吸塵口８近傍にわたって前後方向に長い四番物の受は領
域を有する四番漏斗１８が形成されている。

１９は上記仕切り板１７の扱胴軸２の延長線上に配設さ
れた殻稈移送チェノ駆動用のギヤケースであって、該ギ
ヤケース１９の入力軸端と前記扱胴軸２の後端部とは、
螺旋コンベア２０により連動連結され、扱胴軸２の回転
に伴って四番漏斗１８に落人して原板１６上に堆積した
穀粒等を扱室５側に強制移送し得るようになっている。

２１は四番漏斗１８の原板１６の扱室５側寄り部位に前
記穀粒揺動選別移送体１０の選別移送中途部に向けて開
口された穀粒落下口である。

なお、２２は殻稈移送チェノ、２３は殻稈移送レール、
２４は四番漏斗１８上に前記螺旋コンベア２０と平行に
配設された排稈の糖部支持杆、２５は排稈移送装置、２
６は四番口１５の後方に配設された垂れ布、２７は扱室
５の排塵口である。

次に斜上の如く構成した本考案の作用について説明する
。

殻稈移送チェノ２２と殻稈移送レール２３間に株元部を
挾持された状態で移送作用を受けなから扱室５の扱口を
通過する殻稈は、扱胴３による脱穀作用を受けて脱穀さ
れ、受網４の網目から漏下した穀粒および藁屑等は、上
記受網４の下方から排塵室６の下方にかけて延設された
前後方向に長い穀粒揺動選別移送体１０の無孔の段付穀
粒揺動移送部１０ ａ上に落下し、また扱室５内に発生
した穂切殻稈や藁屑なども排塵口２７から同様に上記段
付穀粒揺動移送部１０ ａ上に落下する。

そして、穀粒揺動選別移送体１０の前後揺動運動にとも
なう揉解作用により、比重の小さい藁屑類は上層に浮上
し、比重の大きい穀粒は下層に沈下して二層状に分離さ
れながら、順次段付穀粒揺動移送部１０ａから後方の精
粒選別網１０ｂ上に移送され、選別風路９を通じて送風
される圧風ファン１１の圧風により風選されて精粒のみ
が該選別網１０ｂから漏下して二番樋１２ ａに回収さ
れ、螺旋コンベア１２によって機外へ搬出される。

また、精粒選別網１０ｂ上に残留した穂切殻稈や藁屑等
の二番物は、上記選別風路９を通じて送風される圧風フ
ァン１１の圧風と排塵吸引ファン７の吸引風との合成風
により、排塵室６へ誘導されながら穂切殻稈と藁屑とが
再風選され、穂切殻稈は確実に二番樋１３ａに回収され
て二番スロワ１４から扱室５内に還元され、藁屑は排塵
室６から排塵吸引ファン７を経て機外に排出される。

一方、脱穀作用にともなって四番口１５から機外に飛散
しようとする穀粒は、該四番口１５から排塵吸引ファン
７の吸塵口８近傍にわたって前後方向に長い受は領域を
形成した四番漏斗１８に受は止められ、また、扱室５か
ら排出される排稈は、四番漏斗１８に沿って後方に延び
る殻稈移送チェノ２２によって四番口１５から強制的に
引き出されるので、排稈が扱室５内に引き込まれる慣れ
がなく、扱室５内の藁屑発生量を減少させて脱穀抵抗を
著しく減少させることができると共に、四番口１５から
引き出された排稈に付着されたささり粒は四番漏斗１８
上を移送される過程で該四番漏斗１８内にふるい落され
て無駄なく回収されるうえ、原板１６上に堆積された穀
粒は螺旋コンベア２０によって強制的な移送作用を受け
て該原板１６の扱室５側寄り部位に開設された落下口２
１から、その下方に配設された扱室５の下方から排塵室
６の下方に至る前後方向に長い穀粒揺動選別移送体１０
の選別移送方向中途部に落下される。

従って、単一の穀粒揺動選別移送体１０でありながら、
上記落下口２１から落下したささり粒等の四番物の再選
別を行う揺動移送行程を充分に確保することができ、該
四番物を扱室５の受網４および排塵口２７を介して穀粒
揺動選別移送体１０上に落下した穀粒および藁屑等とそ
の選別移送方向中途部で合流させたうえ、穀粒揺動選別
移送体１０の選別移送後半部を揺動移送する過程で前後
揺動にともなう揉解作用を充分に付与して比重選別を的
確に行うことができるので、従来の如く、単粒化された
四番物（穀粒）が二番物に混入して二番物の還元量が増
加したり、その結果、混入した上記穀粒が二番スロワ１
４から扱室５を経て穀粒揺動選別移送体１０上に還元さ
れる過程で脱秤されて損傷を受けたりする惧れはなく、
常に穀粒と藁屑との分離を良好にして二番物に混入する
穀粒を極力少なくシ、二番物の還元過程で生ずる脱秤に
より穀粒の損傷を可及的に防止して合理的な選別を行う
ことができるに至ったのである。

これを要するに本考案は、扱胴を軸架した扱室と扱胴軸
の軸芯方向後方に形成した排塵室との間に四番漏斗を設
け、扱室の下方から上記排塵室に設けた吸引ファンの吸
塵口下方にかけて形成した選別風路中に穀粒揺動選別移
送体を配設した脱穀機において、前記四番漏斗と排塵室
とを区画する仕切板を吸引ファンの吸塵口近傍に位置せ
しめて四番漏斗の受は領域を前後方向に長く形成すると
共に、前記四番漏斗には樋状の原板を扱胴軸の軸芯方向
と平行に配設し、該樋状の原板上には四番物を扱室方向
に向って移送する螺旋コンベアを回動自在に軸架し、上
記原板の扱室側寄り部位には四番物を扱室の下方から排
塵室の下方にかけて延設してなる前後方向に長い穀粒揺
動選別移送体の選別移送中途部へ落下させる落下口を開
口し、該落下口から落下させた四番物を穀粒揺動選別移
送体上で後室の受網から漏下した脱穀物および排塵口か
ら落下した穂切殻稈や藁屑等に合流せしめて選別処理す
るようにしたものであるから、四番漏斗の受は領域、す
なわち有効長さを機体長に対して前後方向に充分長く形
成したことによって、ささり粒や四番飛散粒などを四番
漏斗内に無駄なく有効に回収することができると共に、
四番漏斗内に回収した上記ささり粒等の四番物を後室の
下方から排塵室の下方にかけて延設してなる前後方向に
長い穀粒揺動選別移送体の選別中途部へ確実に落下させ
ることによって、単一の穀粒揺動選別移送体でありなが
ら四番物の再選別を行う揺動移送行程を充分に確保する
ことができ、したがって、上記四番物を扱室の受網から
漏下した脱穀物や排塵口から落下した穂切殻稈、藁屑等
とその選別移送方向中途部で合流させたうえ、穀粒揺動
選別移送体の選別移送後半部を揺動移送する過程で揉解
作用を充分に付与して比重選別を的確に行うことができ
、常に穀粒と藁屑との分離を良好にして二番物に混入す
る穀粒を極力少なりシ、二番物の還元過程で生ずる脱秤
による穀粒の損傷を可及的に防止して合理的な選別を軽
快に行うことができる極めて有用な実用的効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る脱穀機における四番処理装置の一実
施例を示すものであって、第１図は脱穀機全体の側断面
図、第２図は一部を破断した全体の平面図、第３図は一
部を破断した正面図である。 図中、１は脱穀機の機枠、２は扱胴軸、３は扱胴、４は
受網、５は扱室、５ａは扱室の後側壁、６は排塵室、７
は排塵吸引ファン、８は吸塵口、９は選別風路、１０は
穀粒揺動選別移送体、１５は四番口、１７は仕切板、１
８は四番漏斗、１９はギヤケース、２０は螺旋コンベヤ
、２１は落下口、２２は穀杆移送チェンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱胴を軸架した扱室と扱胴軸の軸芯方向後方に形成した
   排塵室との間に四番漏斗を設け、扱室の下方から上記排
   塵室に設けた吸引ファンの吸塵口下方にかけて形成した
   選別風路中に穀粒揺動選別移送体を配設した脱穀機にお
   いて、前記四番漏斗と排塵室とを区画する仕切板を吸引
   ファンの吸塵口近傍に位置せしめて四番漏斗の受は領域
   を前後方向に長く形成すると共に、前記四番漏斗には樋
   状の渡板を扱胴軸の軸芯方向と平行に配設し、該樋状の
   流根上には四番物を扱室方向に向って移送する螺旋コン
   ベアを回動自在に軸架し、上記渡板の扱室側寄り部位に
   は四番物を扱室の下方から排塵室の下方にかけて延設し
   てなる前後方向に長い穀粒揺動選別移送体の選別移送中
   途部へ落下させる落下口を開口し、該落下口から落下さ
   せた四番物を穀粒揺動選別移送体上で扱室の受網から漏
   下した脱穀物および排塵口から落下した穂先殻稈や藁屑
   等に合流せしめて選別処理するようにしたことを特徴と
   する脱穀機における四番処理装置。