JPS5830041Y2 - 小型ナイフ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は携帯用小型ナイフに関する。

従来例 従来の小型ナイフは一般に、刃体をその収納ケースより
出入れするためには両手を要し、又刃体のケースよりの
出入れの容易なナイフにおいては、携帯中に刃体がケー
スより飛び出す危険が伴うという不具合があった。

上記不具合を解消するために本願出願人はすでに改良型
小型ナイフを提案している（実願昭５３−１７９１１１
号）。

この改良型小型ナイフは、全体的に偏平な形状を有する
ケース内に、ケースの前側面に形威した刃体出入口より
出入り自在とした刃体と該刃体をケース内に収納する方
向に付勢するリターンスプリングとを収納し、上記刃体
を操作ノブで押出して使用するようにしたものである。

ところが上記改良型小型ナイフにおいては、上記リター
ンスプリングが常時刃体に対してこれをケース内に収納
する方向に付勢しているため、刃体を押出し位置に保持
するためには、操作ノブを常時指により押出し位置に保
持している必要がある。

このような構造であると、ナイフを長い時間使用してお
れば、操作ノブを保持している指が疲れるのみならず、
このナイフを一旦手から離せば刃体が自動的にケース内
に収納されるため、ナイフの再使用時には再び操作ノブ
を操作して刃体を押出さねばならず、操作が非常に面倒
であるという問題がある。

本考案の目的 従って本考案の目的は、上記改良型小型ナイフにおいて
、操作ノブを刃体と共にケースより押出した時、該操作
ノブを押出し位置に固定できるようにすることである。

本考案の構成 上記目的を達成するために本考案は以下の如く構成した
。

すなわち、全体的に偏平な形状を有するケース内にケー
スの前側面に形成した刃体出入口より出入自在とした刃
体と、該刃体をケース内に収納する方向に付勢するリタ
ーンスプリングとを収納すると共に、上記ケースの片側
偏平壁に刃体移動方向沿いのスリットを形威し、該スリ
ットにヘッドと足よりなる操作ノブの足をケースの上記
片側偏平壁外側より挿入して刃体に固定し、さらにケー
スの上記片側偏平壁の外面所定位置に、上記操作ノブを
刃体と共に押し出した時操作ノブのヘッドが乗り上げる
隆起部を形成し、操作ノブのヘッドの隆起部に対する摩
擦力で操作ノブと刃体がリターンスプリングの付勢力に
抗して押出し位置に止められるようにした。

本考案の効果 本考案は上記の如く、操作ノブを刃体と共に押出した時
、該操作ノブのヘッドがケースの所定位置に形成した隆
起部に乗り上げ、ヘッドとこの隆起部との摩擦力で操作
ノブを押出し位置に固定するという構造であるから、操
作ノブを押出し方向に強く押出すだけで押出し位置に固
定することができてその操作が非常に簡単であり、又固
定のための構造としても非常に簡単である。

又、上記構成によれば、操作ノブの押出し位置を解除す
るためには、操作ノブを単にわづか引き込んでそのヘッ
ドとケースの隆起部との乗り合い状態を解除するだけで
上動的にリターンスプリングが作用する。

従って刃体のケース内収納の収納操作も極めて簡単であ
る。

実施例 以下に、本考案を図示の実施例について具体的に説明す
る。

図において１は刃体２を収納するためのケースであって
、全体的に偏平な形状としており、その底面１ｇを面一
とすると共にその側面を大略半円形状としている。

ケース１内の空間１ａには上記刃体２やリターンスプリ
ング４を収納している。

そしてこのケース１の前側面１ｈには刃体出入口１ｂを
形成し、刃体２の先端部２ａがこの出入口１ｂより出入
りするように構成している。

ケース１の片側偏平壁１ｄには上記底面１ｇに対して所
定の角度で傾斜したスリツ）ｌｅを形成し、又このスリ
ット構成部分に対応する内面側には刃体２を摺動自在に
案内する案内溝（図示せず）を形成している。

従って、刃体２はこの案内溝に沿って底面１ｇに対し斜
め方向に移動自在となっている。

上記刃体２は図示の如く大略長細菱形形状を威しており
、その先端部２ａの刃先２ｂが下方向を向いている。

又この刃体２は上記スリット１ｅに対応する穴２Ｃを有
している。

図中３は刃体２をケース１より出入れするための操作ノ
ブであって、大略ディスク状のヘッド３Ｃと足３ａとで
構成している。

そしてこの足３ａは、ケース１の上記偏平壁１ｄの外側
よりスリット１ｅ及び刃体２の穴２Ｃに挿入せしめられ
、足３ａに形成した貫通孔３ｂ内に上記リターンスプリ
ング４の一端４ｂが挿入される。

上記リターンスプリング４は所謂挾み型バネであって、
その中央巻回部４Ｃをケース１の空所１ａ内に形成した
突起１Ｃに回動自在に巻き付け、その一端４ａをケース
１の内周壁の所定位置に当接せＬ７め、上記した今１つ
の一端４ｂを前記の如く、刃体２の側面に沿わしめて上
記ノブ３の足３ａの貫通孔３ｂ内に貫通しているのであ
る。

従って、ノブ３はこのスプリング４の一端４ｂにより刃
体２と共に抜は止めが図られている。

−前操作ノブ３のヘッド３Ｃはケース１の上記偏平壁１
ｂの外面に沿ってかつスリット１ｅに沿って摺動自在と
なっている。

第１図によく示すように、挾み型リターンスプリング４
は刃体２を常時ケース内収納方向に付勢するように作用
させている。

すなわち、刃体２をノブ３の押出し操作により押出すと
、す、ターンスプリング４の一端４ｂは第１図において
左方向に撓み、操作ノブ３に対する押出し力を解除すれ
ばリターンスプリング４の一端４ｂの復帰作用により、
刃体２とこれと一体に連結された操作ノブ３が図中右方
向に移動し、刃体２はケース１の空所１ａ内に完全に収
納される。

上記ケース１の偏平壁１ｂの外面には、スリット１ｅの
わづか前方に隆起部１ｆを構成している。

この隆起部１ｆは操作ノブ３のヘッド３Ｃと協働するよ
うになっており、第３図によく示すように、操作ノブ３
を押出し位置に移動させた時、ヘッド３Ｃの前方部分３
ｄがこの隆起部１ｆに乗り上げるように構成している。

この乗り上げにより、操作ノブ３のヘッドの前方部３ｄ
と隆起部１ｆ間には適度の摩擦が働き、操作ノブに対す
る押込み力を解除しても操作ノブ３は押込み位置に保持
される。

換言すれば上記ヘッド３Ｃの前方部３ｄと隆起部１ｆの
摩擦力は上記リターンスプリング４の復帰バネ力よりも
大きくなるように構成している。

刃体２をケース１内に収納する場合には、操作ノブ３を
わずか引込めば、ヘッド３Ｃの前方部３ｄの隆起部１ｆ
に対する乗り上げ状態が解除され、リターンスプリング
４の復帰バネ力により刃体２及び操作ノブ３は自動的に
ケース１内に収納される。

上記構成の小型ナイフは、これを手に持って使用する場
合には、例えばこのナイフを人差指及び中指の上に置く
と共に、親指を操作ノブ３のヘッド３Ｃに当てがってこ
の親指操作により刃体２を出入れすればよい。

一方、この小型ナイフは第１図に示すように、机上に載
せたシート６ａ、６ｂ、６Ｃ等の上をスライドさせてシ
ートの一枚切り二枚切りあるいは三枚切り等の切断作業
を行うことも可能である。

つまり、このナイフにおいては、刃体２の先端部刃先２
ｂがケース１の底面１ｇのレベルよりも下方まで移動で
きるように寸法構成しており、この刃体２のケース１よ
りの突出量をノブ操作により加減することにより所望の
枚数のシートを正確に切断することができるのである。

上記した如くケース１の底面１ｇは面一としているため
シー）６ａ上を極めて安定した状態でスライドすること
ができ、ノブ３のケース１に対する位置を確実に固定し
ている限りは刃体２の先端部刃先２ｂの底面１ｆに対す
るレベル位置は変わることがなく、従ってシートの端か
ら端まで正確な枚数で切断することが可能となる。

本考案は上記実施例に限定されるものではなくその他種
々の態様で実施することができる。

例えば、隆起部１ｆは第４図に示すように、ケース１の
偏平壁１ｂのスリツ）ｌｅの前方部分を全体的に肉厚と
した構成としてもよく、又第５図に示すように隆起部１
ｆを断面半球状とし、一方操作ノブ３のヘッド３Ｃの前
方部３ｄの裏面に上記隆起部１ｆと係止可能な溝３ｅを
形成してもよい 又上記実施例においてはリターンスプリングとして挾み
型バネを用いたが、リターンスプリング４は操作ノブに
対する押込み力を解除した時このノブや刃体２が自動的
にケース１内に収納させるものであればよく、例えばコ
イルスプリングのようなものであってもよい。

上記した如く、本実施例によれば、操作ノブを刃体と共
に押出し位置に固定することができ刃体のケースに対す
る出入れ操作が非常に簡単で、かつ携帯時には刃体がケ
ースよりとび出すことがなく非常に安全で、又操作ノブ
のケースに対する止め構造が非常に簡単で、さらに一枚
切り二枚切り三枚切り等のシート切断作業も確実にする
ことができ、所期の目的を遠戚する以上に種々の利点が
あるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１，２図は小型ナイフ
の正面図及び左側面図、第３図は第１図ＩＩＩＩＩＩ線
断面図、第４，５図は夫々他の変形例を示す第３図に対
応する断面図である。 １・・・・・・ケース、１ａ・・・・・・空所、１ｄ・
・・・・・偏平壁、１ｅ・・・・・・スリット、１ｆ・
・・・・・隆起部、１ｇ・・・・・・底面、１ｈ・・・
・・・前側面、２・・・・・・刃体、２ａ・・・・・・
先端部、２ｂ・・・・・・刃先、２Ｃ・・・・・・穴、
３・・・・・・操作ノブ、３ａ・・・・・・足、３ｂ・
・・・・・貫通孔、３Ｃ・・・・・・ヘッド、３ｄ・・
・・・・前方部、４・・・・・・リターンスプリング、
４ ａ 、４ ｂ・・・・・・端部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 全体的に偏平な形状を有するケース内にケースの前側面
   に形威した刃体出入口より出入自在とした刃体と、該刃
   体をケース内に収納する方向に付勢するリターンスプリ
   ングとを収納すると共に、上記ケースの片側偏平壁に刃
   体移動方向沿いのスリットを形威し、該スリットにヘッ
   ドと足よりなる操作ノブの足をケースの上記片側偏平壁
   外側より挿入して刃体に固定し、さらにケースの上記片
   側偏平壁の外面所定位置に、上記操作ノブを刃体と共に
   押し出した時操作ノブのヘッドが乗り上げる隆起部を形
   成し、操作ノブのヘッドの隆起部に対する摩擦力で操作
   ノブと刃体がリターンスプリングの付勢力に抗して押出
   し位置に止められるようにしたことを特徴とする小型ナ
   イフ。