JPH022275Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は収納ケース付き握り鋏に関するもの
である。

（従来の技術） 従来の握り鋏はその長さが比較的短く、又洋鋏
のように指掛孔がないため、使用のために握り鋏
を握ると、それが掌の中で傾いて、不安定となり
がちで、不慣れな者には使用しづらいことがあつ
た。又、握り鋏本体に一体連結された収納ケース
を備えたいないため、常時鋏の切刃部が露出して
いて危険でもあつた。

（考案が解決しようとする問題点） この考案は比較的長さの短い握り鋏を使い易く
するとともに、握り鋏本体と一体連結された収納
ケースを備え、握り鋏本体を収納ケースに対して
簡単に収納状態と突出状態のうち少なくともいず
れか一方をロツクすることができる収納ケース付
き握り鋏を提供するためのものである。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するために、この考案は互い
に開閉可能に連結された一対の鋏片１，２を備え
た握り鋏本体Ｓと、同握り鋏本体Ｓ収納用の収納
孔Ｈを備えるとともに側面に同握り鋏本体Ｓ移動
用のスライド溝１２，１３を形成した収納ケース
１１と、前記握り鋏本体Ｓに取付けられ、かつ前
記スライド溝１２，１３に摺動可能に配置され、
前記握り鋏本体Ｓを前記収納孔Ｈから出没可能に
操作するためのスライダー１６とからなる収納ケ
ース付き握り鋏において、前記スライダー１６に
は弾性を有する押圧操作部１８を設けるととも
に、同押圧操作部１８には同押圧操作部１８の弾
性力により前記スライド溝１２，１３の側部に対
し弾性的に当接する係合部１９を突設し、前記ス
ライド溝１２，１３の側端部には前記係合部１９
と係合可能な被係合部１４，１５を形成し、押圧
操作部１８の弾性力により変位した係合部１９を
被係合部１４，１５を係合させることにより、前
記握り鋏本体Ｓの収納状態と突出状態のうち少な
くともいずれか一方をロツクするロツク手段を設
けたものである。

（作用） 上記のように構成した収納ケース付き握り鋏を
使用する場合には、スライダー１６を収納ケース
１１のスライド溝に沿つて移動させると、同スラ
イダー１６の移動とともに握り鋏本体Ｓが収納ケ
ース１１から突出する。そして、握り鋏本体Ｓが
完全に突出した状態では握り鋏本体Ｓは収納ケー
ス１１に対して突出状態でロツクされる。

次に握り鋏本体Ｓを収納ケース１１内に収める
場合にはスライダー１６の押圧操作部１８を操作
して前記突出状態におけるロツクを解除する。そ
して、スライダー１６を収納ケース１１のスライ
ド溝に沿つて握り鋏本体Ｓが収納ケース１１の収
納孔Ｈ内へ入る方向に移動させる。このようにす
ると、スライダー１６の移動とともに握り鋏本体
Ｓが収納ケース１１内に収まる。

（実施例） 以下、本考案を収納ケース付き握り鋏に具体化
した一実施例を図面について説明すると、１，２
はこの実施例の握り鋏の鋏片である。同鋏片１，
２はプラスチツク製の鋏片本体３と、この鋏片本
体３上に突出する複数個のかしめ突起３ａによつ
て固着された金属製の刃体４とからなつている。
そして、これら両鋏片１，２により握り鋏本体Ｓ
が構成されている。

５は一方の鋏片１の鋏片本体３基端部の内側面
に形成した凸部、６は第２図に示すように、もう
一方の鋏片２の鋏片本体３基端部の内側面に形成
した凹部である。なお、これらの凹凸部６，５は
凸部５を凹部６の受け部６ａに載せた状態で、第
３，４図に示すように互いに嵌合されて支持部を
構成し得るようになつている。７は両鋏片１，２
の鋏片本体３の基端部内にその支持部５，６を囲
むように透設した取付溝である。

８は一部を切り欠いたリングばねであつて、特
に第４図に示すように、前記取付溝７内に、支持
部５，６よりも先端側から同支持部５，６を囲む
ように装着されている。なお、同リングばね８の
両端８ａは、支持部５，６よりも基端側において
両取付溝７の係止部７ａに係止されている。そし
て、このリングばね８によつて、両鋏片１，２の
離脱が阻止されるとともに、両鋏片１，２はその
支持部５，６を中心にして常には互いに開くよう
に付勢されている。９は両鋏片本体３基端のスト
ツパー部であつて、両ストツパー部９が互いに当
接することにより、鋏片１，２の開きを規制する
ようになつている。１０は前記凸部５及び凹部６
の受け部６ａに透設した支持孔である。

１１は第５〜８図に示すように、プラスチツク
製の収納ケースであつて、前記握り鋏本体Ｓを収
納するための収納孔Ｈを備えている。なお、同収
納孔Ｈの大きさは前記握り鋏本体Ｓが丁度入る大
きさになつている。１２，１３は収納ケース１１
の上下両面にそれぞれ形成したスライド溝であ
る。１４，１５は前記収納ケース１１の一方のス
ライド溝１２の前端及び後部に形成した前後一対
の被係合部としての係止凹部である。

１６はプラスチツク板状のスライダーであつ
て、特に第６，８図に示すように、その内面（下
面）後端にはピン１７を突設している。同スライ
ダー１６は収納ケース１１の一方の側板１１ａの
スライド溝１２外側に重ね合わされている。そし
て、前記ピン１７が収納ケース１１内に挿入され
た握り鋏本体Ｓの支持部５，６の両支持孔１０内
にスライド溝１２を通して嵌着されて、収納ケー
ス１１と握り鋏本体Ｓとを一体に組付けている。
なお、スライダー１６のピン１７の先端部はもう
一方のスライド溝１３内に挿通されている。１８
はスライダー１６の前部に切り込み形成した弾性
を有する押圧操作部である。１９は同押圧操作部
１８の前端内面に突設した係合部としての係止突
部であつて、前記押圧操作部１８の弾性力により
前記スライド溝１２の側部に対し下方より弾性的
に当接し、前記収納ケース１１のスライド溝１２
の前後係止凹部１４，１５内に離脱可能に係合し
得るものである。なお、同係止突部１９と一対の
係止凹部１４，１５とによつて、握り鋏本体Ｓの
収納ケース１１内における収納状態及び突出状態
をロツクするためのロツク手段が構成されてい
る。

さて、上記のように構成した収納ケース付き握
り鋏はその不使用状態において、握り鋏本体Ｓは
第５，６図に示すように、収納ケース１１内に完
全に収納されている。そして、この収納状態では
スライダー１６の押圧操作部１８前端の係止突部
１９がスライド溝１２後端の係止凹部１５に係合
され、その収納状態がロツクされている。従つ
て、この係合によりスライダー１６の前方への移
動が阻止され、握り鋏本体Ｓは収納ケース１１か
ら容易に突出するようなことはない。

次に、前記収納状態を解除して握り鋏本体Ｓを
収納ケース１１から引き出すには、まずスライダ
ー１６の押圧操作部１８をその弾性力に抗して下
方へ押しその係止突部１９を係止凹部１５から下
方へ外す。そして、この係止突部１９をスライド
溝１２の側部に対し下方より弾性的に摺接させな
がら、スライダー１６を前方へ移動させる。この
ようにすると、スライダー１６の移動とともに握
り鋏本体Ｓが収納ケース１１から突出する。同握
り鋏本体Ｓが完全に突出した状態においては、第
７，８図に示すように、押圧操作部１８がその弾
性で上方へ復帰して同押圧操作部１８内面の係止
突部１９がスライド溝１２前端の係止凹部１４に
係合され、その突出状態がロツクされる。

従つて、このようにすれば鋏の使用中にスライ
ダー１６が自然に後方へ移動して握り鋏本体Ｓが
収納ケース１１内へ引込んでしまうようなことを
防止できる。

又、この使用状態においては、収納ケース１１
を掌で握つた場合、使用者の指先がちようど各鋏
片１，２に当たるので、収納ケース１１が握り鋏
本体Ｓの柄としての機能を果たす。従つて、安定
した状態で紙等の切断作業をすることができる。

握り鋏本体Ｓを収納ケース１１内に収める場合
には、前記とは逆の手順で、スライダー１６の押
圧操作部１８をその弾性力に抗して下方へ押し係
止突部１９を係止凹部１４から外す。そして、こ
の係止突部１９を収納ケース１１のスライド溝１
２の側部に対し下方より弾性的に摺接させながら
スライダー１６を後方へ移動させると、スライダ
ー１６の移動とともに握り鋏本体Ｓは収納ケース
１１内へ挿入されていく。完全に挿入された状態
では、スライダー１６の押圧操作部１８が、その
弾性で上方へ復帰して係止突部１９がもう一方の
係止凹部１５に係合される。そして、握り鋏本体
Ｓは収納ケース１１内に確実に収められる。

このように、スライダー１６を利用して握り鋏
本体Ｓを収納ケース１１に対して出入り可能にし
たので、握り鋏本体Ｓの移動時において同鋏本体
Ｓに直接手や指を触れる必要がなく、従つて手や
指を損傷するような危険もない。

考案の効果 以上詳述したように、この考案は比較的長さの
短い握り鋏を楽に使用することができるのみなら
ず、スライダーには弾性を有する押圧操作部を設
けるとともに、同押圧操作部に形成した係止突部
とスライド溝の端部に形成した係止凹部とを係合
させることにより、握り鋏本体を収納ケースに対
して簡単に収納状態と突出状態のうち少なくとも
いずれか一方をロツクすることができるととも
に、スライダーに設けた弾性を有する押圧操作部
には同押圧操作部の弾性力によりスライド溝の側
部に対し弾性的に当接する係合部を突設し、スラ
イド溝の側端部には前記係合部と係合可能な被係
合部を形成したことにより、押圧操作部をその弾
性に抗して押すだけで簡単にロツク解除をするこ
とができるという効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を具体化した一実施例を示す握
り鋏本体の分解斜視図、第２図は一方の鋏片の部
分斜視図、第３図は同握り鋏本体の組立て斜視
図、第４図は同じく一部切欠平面図、第５図は握
り鋏本体の収納ケース内における収納状態を示す
斜視図、第６図は同じくその断面図、第７図は同
じく握り鋏本体の突出状態を示す斜視図、第８図
は同じくその断面図である。 鋏片１，２、収納ケース１１、スライド溝１
２，１３、被係合部としての係止凹部１４，１
５、スライダー１６、ピン１７、押圧操作部１
８、係合部としての係止突部１９、握り鋏本体
Ｓ、収納孔Ｈ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 互いに開閉可能に連結された一対の鋏片１，
   ２を備えた握り鋏本体Ｓと、 同握り鋏本体Ｓ収納用の収納孔Ｈを備えると
   ともに側面に同握り鋏本体Ｓ移動用のスライド
   溝１２，１３を形成した収納ケース１１と、 前記握り鋏本体Ｓに取付けられ、かつ前記ス
   ライド溝１２，１３に摺動可能に配置され、前
   記握り鋏本体Ｓを前記収納孔Ｈから出没可能に
   操作するためのスライダー１６とからなる収納
   ケース付き握り鋏において、 前記スライダー１６には弾性を有する押圧操
   作部１８を設けるとともに、同押圧操作部１８
   には同押圧操作部１８の弾性力により前記スラ
   イド溝１２，１３の側部に対し弾性的に当接す
   る係合部１９を突設し、前記スライド溝１２，
   １３の側端部には前記係合部１９と係合可能な
   被係合部１４，１５を形成し、押圧操作部１８
   の弾性力により変位した係合部１９を被係合部
   １４，１５に係合させることにより、前記握り
   鋏本体Ｓの収納状態と突出状態のうち少なくと
   もいずれか一方をロツクするロツク手段を設け
   たことを特徴とする収納ケース付き握り鋏。 ２ スライダー１６はその内面後端に突設したピ
   ン１７によつて、握り鋏本体Ｓと収納ケース１
   １とを一体に組付けていることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の収納ケース
   付き握り鋏。 ３ ロツク手段はスライダー１６の係止突部１９
   と、収納ケース１１のスライド溝１２の前後両
   端に形成され、係止突部１９が離脱可能に係合
   する一対の係止凹部１４，１５とからなること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の収納ケース付き握り鋏。