JPS5829794Y2 - 空気調和機の運転制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ヒートポンプ式空気調和装置の改良に関する
もので、低外気温時の室外熱交換器の凍結を防止すると
ともに、暖房能力の向上をはかることを目的の一つとす
るもので゛ある。

一般に、ヒートポンプ式空気調和装置においては、冬期
等において低温多湿の外気条件で暖房運転を開始すると
、室外ユニット熱交換器に霜が堆積するため、そのとき
には暖房サイクルを冷房サイクルに切換えてデフロスト
を行なうのが通例である。

ところで、暖房運転開始時に（１）前回の暖房運転をテ
゛フロストの途中で終了したことによる水分の残留、（
２）寒冷地で運転開始時に雨水あるいは雪等がかかつて
いる、（３）露点温度以下になり熱交換器に水分が付着
している等の原因により室外ユニット熱交換器に水分が
残っている場合、あるいは寒冷地で雪が熱交換器に付着
した場合に運転を行なった場合、従来のものは、室外ユ
ニット熱交換器に水分および雪等が付着したままで運転
を続けるため、充分な熱交換能力が発揮できないにもか
かわらず運転を行なっていた。

その結果暖房能力の立ち上り特性が著しく悪く、また定
常時の能力も著しく低いものであった。

さらに暖房運転をそのような状態で続ければ室外ユニッ
ト熱交換器に付着した水分や雪が徐々に氷のようなもの
に変化し、仮にデフロストサイクルに入ったとしても充
分解けきらなくなり、やがては氷が発達して水着状態と
なりファンが凍結してロックされてしまう等異常事態に
もなり得る欠点を有していた。

本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、暖房運転開
始時あるいは終了時に一定時間デフロスト運転を行なわ
せしめ、室外側熱交換器に付着した水分や雪を取り去る
ことにより充分な熱交換能力が発揮できる暖房運転を行
なわしめるようにしたものである。

そのための構成として、本考案は圧縮機、四方弁、室内
側熱交換器、減圧器、室外側熱交換器を環状に連結して
冷凍サイクルを構成し、さらにこの冷凍サイクルに、温
風を室内へ吹出す室内ファンと、運転スイッチの投入に
より作動して一定時間後に前記四方弁を除霜サイクルか
ら暖房サイクルに切換えかつ前記室内ファンを運転する
時限装置を設けたものである。

以下、本考案をその一実施例を示す図面を参考に説明す
る。

第１図において、１は操作スイッチで、室内側熱交換器
（図示せず）に対応した室内ファンモータ２と室外側熱
交換器（図示せず）の着霜の有無を検出するディアイサ
３とヒータ４ａを具備したタイムスイッチ４の接点４ｂ
がそれぞれ直列に接続されている。

５は一端が前記操作スイッチ１に接続された冷暖切換ス
イッチで、他端の暖房端子には前記ヒータ４ａと室内温
度を制御する室内サーモスタット６が、また冷房端子に
は前記室内サーモスタット６と冷房時にのみ作動するリ
レー７のコイル７ａがそれぞれ接続されている。

さらに前記室内サーモスタット６には圧縮機モータ８と
、前記テ゛イアイサ３に接続された室外ファンモータ９
がそれぞれ接続されている。

１０は前記冷暖切換スイッチ５の暖房端子と前記ディア
イサ３に接続された四方弁で、ヒートポンプ式冷凍サイ
クル（図示せず）の冷媒の流れを冷房用と暖房用にそれ
ぞれ切換える。

また前記リレー７の接片７ｂは前記タイムスイッチ４の
接点４ｂと並列に接続されている。

上記構成において、暖房運転を行なう場合、操作スイッ
チ１をＯＮとして冷暖切換スイッチ５言暖房側に投入す
る。

したがって、圧縮機モータ８が運転されるとともに、タ
イムスイッチ４のヒータ４ａにも同時に通電される。

このとき、テ゛イアイサ３は、室外側温度あるいは室外
側熱交換器の温度（低温度）を検出しているため、通常
ＯＦＦ状態にある（室外温度が高温であるときはＯＮ状
態にある）。

したがって、室内ファンモータ２．室外ファンモータ９
および四方弁１０は動作せず暖房運転でありながら冷媒
が除霜サイクル（冷房サイクル）で流れ、室外側熱交換
器を加熱して室外側熱交換器の除霜を行なう。

そしてヒータ４ａの発熱によりタイムスイッチ４がＯＮ
となるとともにディアイサ３が、除霜終了を検出してＯ
Ｎとなったとき、始めて四方弁１０が暖房サイクル側に
切換わり、室内ファンモータ２が回転して暖房を開始す
る。

ここで、前記室内ファンモータ２を所定時間停止してコ
ールドドラフトを防止すれば立上がりのよい暖房効果が
得られる。

したがって、暖房は、室外側熱交換器に着霜がないため
、充分な熱交換能力が得られることから立上がりのよい
すぐれた暖房効果が得られる。

また冷房を行なうときは、冷暖切換スイッチ５を冷房側
端子へ投入することにより、四方弁１０には通電されず
、圧縮機モータ８、室内ファン２が運転されて冷房が開
始される。

さらに、第２図に示す如く、外気温度が所定温度以上に
達するとＯＮとなるサーモスタット１７を設けることに
より、暖房開始時の不必要な除霜運転が削減できる。

上記実施例より明らかなように本考案は、暖房運転の開
始前に室外側熱交換器の除霜を行なうため、暖房運転を
行なうときには室外側熱交換器に着霜がなく、充分な熱
交換能力が得られ、立上がりがすぐれかつ安定した暖房
能力が得られる。

また除霜中は室内ファンが停止しているため、室内へ冷
風が吹出されることもなく、快適さの向上がはかれ、さ
らに必要以上の長時間にわたる除霜運転が防止でき、迅
速に暖房運転が開始される。

また、暖房運転開始前に除霜を行うため、暖房運転終了
時に除霜を行う制御に比較して不必要な除霜運転が削減
でき、効率のよい暖房運転制御となる等、種々の利点を
有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における暖房開始時に除霜運
転を行なう運転制御装置を具備した空気調和機の電気回
路図、第２図は同空気調和機の他の実施例を示す電気回
路図である。 １・・・・・・操作スイッチ、２・・・・・・室内ファ
ンモータ、３・・・・・・ディアイサ、４・・・・・・
タイムスイッチ、８・・・・・・圧縮機モータ、１０・
・・・・・四方弁、１７・・・・・・サーモスタット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮機、四方弁、室内側熱交換器、減圧器、室外側熱交
   換器を環状に連結して冷凍サイクルを構成し、さらにこ
   の冷凍サイクルに、温風を室内へ吹出す室内ファンと、
   運転スイッチの投入により作動して一定時間後に前記四
   方弁を、除霜サイクルから暖房サイクルに切換えかつ前
   記室内ファンを運転する時限装置を設けた空気調和機の
   運転制御装置。