JPS5829302Y2 - 自動車用クラツチにおけるレリ−ズフオ−ク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車のクラッチにおけるレリーズフォーク
の構造に係り、特にクラッチ各部からの振動か機械式ク
ラッチレリーズ系を介してダッシュパネルおよびペダル
ブラケット等に伝達され車室内に該振動により異音が発
生するのを防止するための構造に関する。

従来、振動伝達を遮断する一方法として、クラッチレリ
ーズフォークとクラッチケーフルとの連結部にラバーや
適当なバネ定数を持たせたコイルスプリング等を介在さ
せるものが実開昭４９−１４０５５１号公報、実開昭５
１−８２２２７号公報で知られているが、ラバーやスプ
リングのストロークロスによりクラッチペダルの操作性
が悪化し、そのために特別の機構を設けたりして形状、
構造に大幅な変更を要しコスト的にも不利であった。

また、他の方法としてクラッチ操作系のレリーズフォー
クと連結される付近のケーブルインナー、すなわら、従
来ブーツによりシールされている部分にウェイトを取り
付はケーブルインナー自体の振動を抑止しようとするも
のも提案されているが、ケーブルインナーの摺動ストロ
ークの確保、フーツの取り付は等のスペース面に無理が
生じるとともにウェイトの大きさも制限される欠点があ
った。

さらにケーブルインナーに曲げ力が作用するため耐久性
の面でも懸念されるものであった。

この考案は上記欠点に鑑み、従来部品の大幅な変更を要
せず簡単な構造で、かつ、効果の確実な振動伝達防止構
造を得ることを目的とする。

以下図面に基づいて実症例を説明する。

１はフライホイール、２はクラッチフェーシング２ａを
有するクラッチプレート、３はプレッシャープレート、
４はダイヤフラムスプリングでクラッチカバー５に支持
されている。

６はレリーズベアリング、７はレリーズフォークでハウ
ジング８に固定した球面支持体９との接合部を支点に揺
動する。

中央部は上記レリーズベアリング６に当接しており上記
揺動によりレリーズベアリング６を図中左方に動かし、
タイヤフラムスプリング４を作動する。

上記クラッチプレート２は、メインドライブシャフトの
スプライン溝１１にスプラインハブ１２を介して支持さ
れている。

１３はクラッチケーフルで、そのケーブルインナー１３
ａは一端が上記レリーズフォーク７に連結され、他端が
クラッチペダル（図示しない）に連結されている。

１４はフーツで、ケーブルインナー１３ａのストローク
部分をシールする。

１５はウェイトで、レリーズフォーク７の先端付近にボ
ルト止めされている。

このウェイト１５の形状、重量はダイヤフラムスプリン
グを伝わってくる振動特性に応じて適宜選択される。

また、ウェイト１５のレリーズフォーク７への取り付は
方法はボルト止め、リベット止め等公知の手段で行なわ
れるが、取り付けた状態は実施例のようにすると好まし
い。

すなわら、ウェイト１５０両端をレリーズフォーク７に
固定するのではなく、一端のみを固定してレリーズフォ
ーク７の形状を利用して他端側はレリーズフォーク７と
の間に若干間隙を生じさせた、いわゆる片持ちはり式に
固定する。

上記構造によれば１クラツチペダルに足を乗せ、レリー
ズベアリング６とダイヤフラムスプリング４とが接触し
た状態になるとクラッチからの振動がレリーズブオーク
７に伝わるが、ウェイト１５を付設しているためレリー
ズフォーク７は共振を起こさす、クラッチケーブル１３
に振動を伝えない。

さらに、上記ウェイト１５は片持ちはり式に固定してい
るため、ウェイト１５自をの振動特性も作用し上記レリ
ーズフォーク７の振動特性の変化がより大ぎく行なわれ
る。

第２図は室内騒音レベルの変化を示すデータで、ウェイ
ト付設前の曲線Ａとウェイト付設後の曲線Ｂとを比較す
ると８００−１５００Ｈｚ付近のレベルに大きな差が生
じている。

また−第３図はレリーズフォークの振動特性の変化を示
すデータで、ウェイト付設前の曲線Ａとウェイト付設後
の曲線Ｂとを比較すると共振点Ｐは１２２０Ｈｚから１
７００Ｈｚまで変化しており、ウェイト付設によりレリ
ーズフォークの振動特性に変化が生じていることが確認
できる。

なお、上記実施例ではクラッチ操作系としてケーブル式
を例に挙げたが、油圧を利用した操作系を持つクラッチ
装置に実施することも可能である。

以上この考案は、レリーズフォークに、該レリーズフォ
ークの振動特性を変えるウェイトを、その一端を固定し
他端を自由端として付設したことにより、クラッチ各部
からの振動伝達を消し去ることができ室内騒音を大幅に
低減できるとともに、ウェイトの取り付は状態を工夫す
ることにより大きな効果を得ることができる。

さらに、従来の振動伝達遮断装置に比べて効果が確実で
あるとともにスペース、部品の強度等を考慮する必要が
なく制約がなくなる。

また、大幅な改造を要せずに簡便に実施でき、作業性、
工数、コスト等積々の面で有利な実用的価値の大きい考
案である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の摩擦クラッチの操作装置を示す一部
切断側面図、第２図は室内騒音レベルの変化を示すグラ
フ、第３図はレリーズフォークの振動特性の変化を示す
グラフである。 ２・・・・・・クラッチプレート、４・・・・・・ダイ
ヤフラムスプリング、６・・・・・・レリーズベアリン
グ、Ｔ・・・・・・レリーズフォーク、１５・・・・・
・ウェイト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入力軸とともに回転する回転体に、出力軸とともに回転
   するクラッチ板をスプリング手段により押圧接スること
   により動力を伝達し、レリーズフォークを前後方向に揺
   動させることにより上記クラッチ板を回転体から離し動
   力の伝達を切断するようにした摩擦クラッチにおいて、
   上記レリーズフォークに、該レリーズフォークの振動特
   性を変えるウェイトを、その一端を固定し他端を自由端
   として付設したことを特徴とする自動車用クラッチにお
   けるレリーズフォーク。