JPS5828895Y2 - 車両用サンル−フ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両用、特に自動車用のサンルーフにおいて、
サンルーフ離脱後の天井窓開口に簡単容易に取付けられ
ると共に、多角的な機能を発揮できるバイザープレート
を具備することにより、使用上の利便を増大させたもの
に関する。

既知のように、乗用自動車の天井部分に開口窓を設け、
同窓にガラス、プラスチックプレート等によるサンルー
フを、開閉自在に設けることは、近来実用に供されてい
る。

このサンルーフには大別して２つのタイプがあり、その
１つは開口窓部分にサンルーフをスライド式に開閉可能
に、但し取外し不可能に装設するタイプで、他の１つは
サンルーフが一端を支点として他端が上下方向に可回動
とされることにより開閉自在であると共に、サンルーフ
自体を開口窓より取外し可能としたものである。

本考案は後者の開閉兼着脱自在なサンルーフタイプを対
象とするものであるが、この種のサンルーフにおいて、
サンルーフを取外した後、天井窓をオープンのままに放
置することは、オープンカー的用途には適しているも、
時宜によっては不都合を生じることがある。

即ち駐車休憩等の場合、オープン状態のままでは遮光、
遅閉の必要に応じることができないし、又季節によって
は遅閉に当って通気通風の必要もあるし、防虫等の必要
もある。

サンルーフ自体にかかる多角的の機能を具備させればよ
い訳であるが、サンルーフは車体天井の一部として密閉
性が一義的に要求されると共に、換気や通気の場合にこ
れを開放可能とすることが要求される機能であり、この
機能にそぐわない構造を付与することはできないし、又
開閉兼着脱自在タイプのサンルーフにおける着脱構造は
比較的容易であるとしても、ロック機構や開閉機構の存
在する関係で若干手間が掛り、サンルーフを頻繁に着脱
することは、ドライバーにとって厄介な事でもある。

本考案はこれらの問題点に着目し、かかる開閉兼着脱自
在タイプのサンルーフにおいて、サンルーフ離脱後の窓
開口にきわめて簡単に着脱自在であると共に、多角的な
機能を付与したバイザープレートを具備させたものであ
る。

以下図示の実施例について本考案を詳述すると、第１，
２図は本考案を実施する開閉兼着脱自在タイプのサンル
ーフ１例を示したものであり、勿論この図例のみに止ま
らず、その開閉兼着脱自在の構造は各種存するが、図例
において、１は乗用自動車等の車両天井部であり、２は
同天井部１の操縦席側に設けられた天井窓であり、３は
同天井窓２に開閉兼着脱自在に取付けられたガラス、プ
ラスチック材等の１枚プレート体によるサンルーフであ
る。

このサンルーフ３の窓２における開閉兼着脱構造は、例
えば第２図に第１図Ａ−Ａ断面図を示したように、サン
ルーフ３のフロントグラス側に向う前端には、弧状に彎
曲された挿支舌片４がルーフ巾員方向に複数個列設され
、同舌片４は天井窓２の開口面内周をめぐって形成され
た雨樋を成す窓枠９の内側の垂直壁８の溝孔７に装設さ
れている支持片６における弧状彎曲の挿入溝孔５に挿脱
自在に挿入されているのであり、１５は窓枠９における
外側の垂直壁で、１５ａは固壁１５に付設される密封用
パツキンを示している。

サンルーフ３はこのようにその前端が挿支舌片４支持片
６によって枢支状に支持されると共に、サンルーフ３の
後端側の裏面に設けたブラケット１６のピン１２が、こ
れと対応して窓枠９内に設けた回動機構１０のレバー１
１の長孔１２ａに係合連結され、レバー１１は他端を窓
枠９内に枢軸１３によって枢支され、回動機構１０の作
動によりそのレバー１１の起伏を介して、サンルーフ３
の後端側を上下方向に回動させるには、車室内より操作
可能なホイールノブ１４ａによって回動されるテレスコ
ープ状ねじ１４の正逆回動によって行なわれ、第２図示
のようにサンルーフ３の後端側が上方に押し上げられる
ことによって、換気作用を生じるのであり、このさいサ
ンルーフ３の前端における挿支舌片４支持片６による結
合部分が回動のための枢支点として働くことになる。

このサンルーフ３を天井窓２部分より取外すには前記ピ
ン１２をレバー１１の長孔１２ａより引抜き、前端側の
挿支舌片４が支持片６の溝孔５から引抜くことができる
ようにサンルーフ３を上方へ回動させて、引抜けば容易
に取外せるのであり、図例は勿論その開閉可能及び着脱
可能な構造の１例を示すものであるが、このように天井
窓２に開閉兼着脱可能に装設されるサンルーフ３におい
て、本考案は第３，４図に例示する実施例のように、サ
ンルーフ３を取外した天井窓２の窓開口面を覆うバイザ
ープレート２１を、天井窓２における窓枠９を利用して
、着脱自在に取付けられるように設けるのである。

即ちバイザープレート２１は、ガラス若しくはプラスチ
ックとされ、その全面に多数の通気孔２１ａを有するこ
とによって通気性を持つと共に、また紫外線防止の遮光
色にコーティング乃至着色されることによって遮光性を
持つものであり、窓２の窓枠９によって囲まれる開口全
面を覆う形状と大きさを持ち、このバイザープレート２
１の窓枠９を利用しての着脱自在の取付構造は、実施例
では窓枠９の外側の垂直壁１５にパツキン１５ａを介し
て係合される係脱自在な支持ブラケット２２の複数個を
用い（図例では窓枠９の前側と後側に夫々２箇、合計４
箇であるが、その数や係止位置はもとより自由に設計で
きる）、同ブラケット２２に長孔２２ａを設けると共に
これと対応してバイザープレート２１の周縁に長孔２１
ｂを設け、両長孔２１ｂ、２２ａを、例えば締結ボルト
２３ナツト２４等の締結具によって係脱自在に締結する
ことにより、バイザープレート２１を着脱自在に取付け
るようにするものである。

とのさいバイザープレート２１の着脱に当っては、サン
ルーフ３を取外した窓枠９の所要位置に支持ブラケット
２２を係止させ、しかる後車室内よりバイザープレート
２１をブラケット２２に取付けるようにすることが便利
である。

バイザープレート２１の取付具は図例の支持ブラケット
２２及びボルト２３及びナツト２４等の締結構造のみに
限定されるものではない。

本考案によれば、サンルーフにバイザープレート２１を
具備させることによって、以下のような作用効果を新た
に生じる。

即ちサンルーフ３自体による従来の作用効果の他に、サ
ンルーフ３を取外した天井窓２にバイザープレート２１
を取付は使用すれば、例えば駐車休憩等にさいして、プ
レート２１の持つ遮光性によって、外光の照り込みや紫
外線を防止すると共に、その通気孔２１ａの存在による
ベンチレーション効果によって、快適な室内環境を維持
できるし、又通気孔２１ａの適当な大きさ、密度によっ
て防虫効果も得られ、特に夏季等は蒸し暑さや蚊や蝿等
の侵に防止も得られるのであり、遮光色彩や材料によっ
て外界よりの透視を防ぐと共に、装飾的効果をも併せ生
じるのであり、サンルーフ３を取外したオープン構造に
よって生じる問題点を、このバイザープレート２１の使
用によって解決し、ドライブ上の利便を増大させること
が可能である。

特に本考案ではバイザープレート２１に対して、サンル
ーフ３には望み得ない機能や特性を多角的に付与できる
ので、従来のサンルーフのみの型式に対し、その使用上
の利便を著しく増大し、ユーザーの多様な要求を満足さ
せるものとして優れている。

更に本考案によれば、バイザープレート２１がガラス若
しくはプラスチック板を紫外線透過防止の遮光色に施さ
れていることから上記効果を奏するほか、これが雨樋を
威す窓枠９に対して取付具を介し着脱自在に固定される
構造であるから、車両天井部１には殊更取付構造を別設
する必要がなく単に窓枠９をそのまま利用すれば良く簡
便であり、しかも取付具も上述の如き支持ブラケット２
２並びにボルト・ナツト２３．２４のような簡易な構造
のもので足り、従来の開閉兼着脱自在タイプのサンルー
フにそのまま容易に実施できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は開閉兼着脱自在なサンルーフ型式１例の説
明図、第３図は本考案バイザープレート実施例の取付状
態平面図、第４図は第３図Ｂ−Ｂ線断面における取付構
造実施例の要部断面図である。 １・・・・・・天井部、２・・・・・・天井窓、３・・
・・・・サンルーフ、２１・・・・・・バイザープレー
ト、２２・・・・・・支持ブラケット、２１ａ・・・・
・・通気孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 雨樋を成す窓枠により区画形成された車両天井窓に開閉
   兼着脱自在なサンルーフを具備したものにおいて、該サ
   ンルーフ離脱後の天井窓開口に着脱自在に取付けられる
   バイザープレートを備え、該バイザープレートは、略全
   面に多数の通気孔を設けたガラス若しくはプラスチック
   板を紫外線透過防止の遮光色に施されて成ると共に、前
   記雨樋を威す窓枠に取付具を介して着脱自在に固定され
   て成ることを特徴とする車両用サンルーフ。