JPS582786B2 - コウサクキカイヨウコウグ

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【発明の詳細な説明】この発明は工作機械用工具に関し、さらに詳しくは長尺
で重量のある工作機械用工具に関する。

最近機械工作作業の省力化を目的として、ほとんどの工
作機械には自動工具交換装置が採用されるに至り、さら
にはマシニングセンタの出現をよんでいる。

このマシニングセンタで使用される工具は数種数十種類
の多きを数え、これら工具を取扱う作業は迅速性と共に
安全性が要求されるが、ポーリングバーは長尺で、かな
りの重量を有するためこの工具を安全かつ確実に取扱う
にはかなりの配慮が必要であり、安全作業の見地からも
軽するわけにはいかない問題である。

一般に工具取扱いは、工具の端部に設けた１本の溝をグ
リツパの爪が挟んで掴みグリツパの運動により工具の取
扱いを行っている。

しかしながら、グリツパは工具の末端近くを片持ち支持
するにすぎないので不安定であり、とくに前述したポー
リングバーのように長さが大なる工具のときはとくに不
安定となる。

この発明は大形化された工具であっても確実に掴持する
ことができるようにすることを直接の目的とするもので
、グリツパの掴む場所を２か所にすると共にグリツパが
寸法的に定められた位置を掴むことができるようにした
ものである。

以下、この発明の詳細を図面に沿って説明する。

図において符号１で示す工具は棒状の長いものであって
、工具部１０とホルダ部２０とによって構成されている
。

前記工具部１０は一端に軸受に挿入するだめの軸受挿入
部１１を有し、この軸受挿入部１１は工具部１０の中央
部の径よりやや小さい径になっている。

工具部１０の軸部１２には刃物１２ａが所定の間隔で植
設されていて、この軸部１２の他端部には雄ねじ部１３
があり、この雄ねじ部１３と隣合って端部寄りにはホル
ダ装着部１４が形成されている。

このホルダ装着部１４の外形はストレートでもテーパで
あってもよい。

ホルダ装着部１４の中央部には後述するホルダを装着し
固定するだめのビン孔１４ａが穿けてある。

さらに、ホルダ装着部１４と隣合った端部にはテーパシ
ャンク１５が形成してあり、シャンク１５とホルダ装着
部１４が結合する部分ではシャンク１５の方が大径と力
っていて、フランジ１５ａを形成している。

ホルダ部２０は前記ホルダ装着部１４を挿入するキャビ
テイ２１を中心部に有し、ホルダ部２０の外周には２本
のグリップ溝２２，２３が設けてある。

グリップ溝２２はほぼＶ形をした溝であって、溝部が幅
の小さいフラットになっており、他のグリップ溝２３は
底部がフラットなＵ形の溝になっている。

このホルダ部２０は締付ナット３０によって、前記工具
部１０のホルダ装着部１４に固定される。

また、グリップ溝２２．２３の中間位置にはホルダ装着
部１４のピン孔１４ａと対応するピン孔２４が直径方向
に穿けてあり、ここにピン２５を嵌入して工具部１０と
ホルダ部２０の結合を固定的にしている。

このような構成による工作機械用工具を掴むグリツパは
２本の爪をもち、そのうちの１本はグリップ溝２２を掴
むことができ、爪は溝の形状に合った斜面を有し、爪の
斜面とグリップ溝の斜面が接して掴み位置を補正し、常
時工具の同位置をグリツパが掴むことができる。

グリップ溝２３は斜面を有せず、グリツパの爪もこの溝
の断面形状に合った形状をもっていて、爪はグリップ構
２３を支え、この部分は位置補正の機能をもたず単に重
量を支えるにとどまっている。

工具のグリップ溝２２とグリップ溝２３の２か所をグリ
ツパが掴むことができるので、工具を安定した状態で掴
むことが可能となる。

なお、上記実施例においては、工具部１０とホルダ部２
０が分解できる形式のものを説明したが、この発明は工
具部とホルダ部とが一体的に形成されたものであっても
実施することができる。

なおまた、上記実施例では工具部１０にシャンク１５を
設けたものを示したが、このシャンク１５を第２図に示
すようにホルダ部２０の端部に一体的に設けたものであ
ってもよい。

第２図の実施例のものはホルダ装着部１４にテーバを付
け、工具部１０とホルダ部２０の結合のためボルト１６
を用い、ホルダ部２０側からねじ込んだボルト１６がホ
ルダ装着部１４の端部にねじ込まれるようになっている
。

この図において前記実施例に相当する部分は同一符号で
示してある。

以上の説明から明らかなように、この発明によれば、グ
リツパが工具を掴む際に工具の２か所を支えることがで
きるので、工具が重く長いものであっても確実でしかも
安定した状態で支えることができ、安全作業に寄与する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による工具の断面図、第２図は他の実
施例による工具の部分断面図である。１０……工具部、１１……軸受挿入部、１２……軸部、
１３……雄ねじ部、１４……ホルダ装着部、１５……シ
ャンク、２０……ホルダ部、２１……キャビテイ、２２
，２３……グリップ溝、２５……ピン。