JPS5827380B2 - タイルパネルの固定方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、ガラス繊維強化セメント、石綿セメント等
の繊維強化セメント製の基板の表面に多数のタイルを予
め定められた配列で固着したタイルパネルを、ボルト・
ナツト、木ねじ等の固定部材を用いてアングル材、木柱
等の支持部材に固定する方法に関し、更にこの方法を行
なう場合に便利なタイルパネル及び座金を提供すること
をも目的とする。

従来、タイルパネルはベニヤ板、鉄板等の板体の表面に
多数のタイルを貼着したものが用いられていたが、この
種のものは上述の如く板体にタイルを１枚１枚貼り付け
る必要があるのでこの面倒な手間を省くため、近時は主
として、型枠に多数のタイルを所要の配列で予め整列固
定し、このタイル群の裏面側にコンクリート打設を行な
うごとにより、コンクリート壁体の表面側に多数のタイ
ルを予め固着したタイル付きコンクリート壁体、すなわ
ちプレキャストコンクリート板が用いられている。

しかしこのプレキャストコンクリート板は、上述のごと
くコンクリート壁体を基板としているため極めて重量が
大きくなるという、建設用資材として看過することので
きない欠点を有するので、この出願人は、比較的薄くて
も機械的強度の大きな繊維強化セメントを基板にしたタ
イルパネルを開発し、上記プレキャストコンクリート板
の重大な欠点を除去することに成功した。

ところがこの繊維強化セメント製の基板は、部分的に強
い力がかかると破壊され易いので、この基板を用いたタ
イルパネルをボルト・ナツト、木ねじ等を用いてアング
ル材、木柱等に固定したときには、タイルパネル全体の
重量が上記ボルト、木ねじ等の挿通部に集中するため、
この部分に強い応力がかかり、機械的疲労のため基板が
破壊されタイルパネルの固定が弛み、場合によりタイル
壁面がくずれる危険があることが判った。

この発明は、主としてこのような問題を解決するため、
タイルパネルの固定に際し、ボルト・ナツト、木ねじ等
の固定部材を、以下に詳述する座金を介して用いること
により、前述した繊維強化セメント製基板の破壊を防止
しようとするものであるが、この発明によれば、更にそ
の他の秀れた効果も得られることが以下ｌこおいて明ら
かにされるであろう。

以下この発明をその実施例を示す図面とともに説明する
と次のとおりである。

第１図のタイルパネル１を示し、このタイルパネルの主
体は繊維強化セメント製の基板２の表面に多数のタイル
３ａが予め定められた配列で固着されているが、このタ
イルパネルの支持部材に対する固定部に相当する位置に
はタイル３ａの固着されていない部分、すなわちタイル
の未固着部４ｂが残置されている。

このタイルの未固着部４ｂは、タイルパネル１を固定す
るのに適当な位置、例えば２，０００ ｍｒｎ×ｉ、ｏ
ｏｏｍｍのタイルパネルの場合には長手方向両側に５
Ｑ Ｑ ｍｗ間隔で５箇所、中央にも長手方向（ｉこ５
００ ｗｎ間隔で５箇所の合計１５箇所に等間隔で設け
られる。

このタイルの未固着部４ｂは、後述するように、タイル
パネル１を支持部材に固定した後ここにタイル３ｂを貼
着するようにしたものであるから、タイル３ｂの１枚分
の面積若しくはクイル３ｂの複数枚分の面積を有し、要
すれば更に、上記タイル３ｂの貼着後タイル間に目地込
めをも行なうための目地部面積を含めた面積を有するも
のである。

この実施例では、タイルの未固着部４ｂの周囲に既に目
地部５が形成されているため、未固着部４ｂはタイル３
ｂの貼り付けに要する広さで足りる。

図中６は座金であって、この座金は、第５６図にも示す
ように、タイルの未を 固着部４ｂ内に納する面積を有するフランジ部Ｉの中央
に、固定部材の座金側露出部、すなわちボルトの頭、ナ
ンド、木ねじの頭等の全体を完全に収容するに足る空間
を有する凹所８を形成し且つとの凹所の底壁には上記固
定部材の軸部を挿入させるに十分な大きさの穴９を形成
したものである。

第１図に示すように座金６は、凹所８の底壁を基板２の
裏方側ｌこ位置させるようにしてフランジ部７をタイル
の未固着部４ｂに接合するとともに穴９を基板２の裏面
側へ開通させでいる。

座金６は、金属のみでなく硬質合成樹脂等適宜の材料を
用いて作製される。

このタイルパネル１は、公知のプレキャストコンクリー
ト板を製造する場合と同様に、型枠（図示せず）に多数
のタイル３ａを予め定められた配列で固定するとともに
座金６をも所要の位置に固定し、タイル３ａの裏面側、
座金６の裏面側及びタイル３３間等に繊維強化セメント
層を形成することにより、基板２の組成と同時にこの基
板２に対するタイル３ａ群及び座金６の各固着並びに必
要な目地部５の形成を行なわせるのが製作の迅速化のた
め便利であるが、予め作成し°た繊維強化セメント板の
表面側にタイル３ａ群及び座金６を接着剤を用いて貼着
し、さらに必要な目地込めを行なうことにより製作して
もよいことは勿論である。

なお座金Ｇを基板２Ｊこしつかりと固着させるため、第
７図に示すように、座金６の凹所８外側面に基板２への
食込み用突起８ａを設けるとよい。

このようにして得られたタイルパネル１をアングル材等
の支持部材に固定するときは、例えば第２図に示すよう
ｌこ、座金の穴９にボルト１０の軸部を挿入し、この軸
部のアングル材１１側の露出端にナツト１２を螺合させ
て締付ける。

このときボルト１０の座金側露出部全体、すなわちこの
例ではボルトの頭部１０ａは座金６の凹所８に完全に収
容されているため、フランジ部７の表面より上へ出るこ
とはない。

そこで次に、第３図に示すように、裏面に接着剤１３を
塗布したタイル３ｂを座金６のフランジ部７表面に貼着
するとタイルパネル１の固定並びにタイル壁面の構築が
完了する。

このようにして後で貼付されたタイル３ｂの表面が他の
タイル３ａの表面と同一平面上に揃うようにさせるため
、タイルの未固着部４ｂの表面はタイルの既固着部４ａ
の表面に比し、座金のフランジ部γの厚みに接着剤１３
の層の厚みを加えた厚みにほぼ相当する分だけ低くなる
ようにするのが良い。

座金の凹所８の底壁は、例えば第４図に示すように、基
板２の裏面に露出されないこともあるが、このときには
基板２における、座金の穴９に対応する位置にボルト１
０等の固定部材を挿入することのできる穴１４を形成す
るのは云うまでもない。

この発明では、第８，９図に示すように、座金６が隣接
する２枚のタイルパネル１，１′にまたがって用いられ
ることがある。

この場合にはタイルの未固着部４ｂは、座金６を介して
隣接することとなる２枚のタイルパネル１，１′にもま
たがり得るようにして、各タイルパネル１及び１′にそ
れぞれ残置される。

図示の場合には、両タイルパネル１，１′の各端縁が座
金６の凹所８の外側面ｌこ接するようになっているため
、未固着部４ｂは、両タイルパネル１，１′の各基板２
，２′端縁表面の面積と座金６の凹所８によって隔てら
れている空所の表面積を合わせたものからなり、この場
合もやはり目地部面積も加えてタイル３ｂの整数倍分（
９枚分）の面積を有する。

第８，９図の例では、座金６はいずれかのタイルパネル
に予め固着されている場合のほか、いずれにも固着され
ない場合もある。

後者の場合には、基板の端縁表面に必要な面積の空所（
タイル３ａを固着していない部分）を残した状態で作製
したタイルパネル１，１′の端縁間に座金６を挾み込み
、その後図示のようにボルト・ナツト１０．１２等の固
定部材で支持部材１１１こ固定する。

タイルパネルの基板をこの発明の座金によって保護して
いない場合には、タイルの重量により基板における固定
部材の挿入穴が拡大してタイルパネルの固定位置が下方
にずれるほか、遂にほこの挿入穴から基板が破壊されて
いく等の事故を発生するおそれがあったが、この発明に
よれ：ｉ基板における固定部材の挿入穴が座金の穴によ
って保護されているためこのような事故を生ずるおそれ
はなく、また固定部材を締め付ける場合にもこの締付は
力が座金のフランジ部によって拡散されるため、タイル
パネルの固定部に集中的な応力がかかるおそれもない。

さらにこの発明によれば、タイルパネルを支持部材に固
定した後この固定部の表面にタイルを貼着するから、固
定部材等がタイル壁表面に現われず外観が美麗となる等
、この発明は幾多の効果をもたらすものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明にかかるタイルパネルの部分的断面図
、第２図は同上のものを支持部材に固定した状態を示す
部分的断面図、第３図はタイルパネルを支持部材に固定
した後タイルを貼着した状態を示す部分的断面図、第４
図／ま座金の固着状態の変形例を示す部分的断簡図、第
５図はこの発明にかかる座金の斜面図、第６図は第５図
のＶＩ−ＶＩ線に沿う断面図、第７図は座金の他の実施
例を示す断面図、第８図はこの発明にかかる固定方法の
他の実施態様により２枚のタイルパネルを固定した状態
を示す部分的正面図、第９図は第８図ＩＫ −■線に沿
う拡大断面図である。 １・・・・・・タイルパネル、２・・・・・・基板、３
ａ・・・・・・予め固着されたタイル、３ｂ・・・・・
・タイルパネルの固定後に貼着されるタイル、４ｂ・・
・・・・タイルの未固着部、５・・・・・・目地部、６
・・・・・・座金、γ・・・・・・フランジ部、８・・
・・・・凹所、９・・・・・・固定部材用の穴、１０・
・・・・・ボルト、１１・・・・・・アングル材、１２
・・・・・・ナツト、１３・・・・・・接着剤。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 繊維強化セメント製の基板の表面に多数のタイルを
   予め定められた配列で固着したタイルパネルを、ボルト
   ・ナツト、木ねじ等の固定部材を用いてアングル材、木
   柱等の支持部材に固定する方法であって、前記タイルパ
   ネルの支持部材に対する固定部に相当する位置にタイル
   １枚分または複数秋分のタイル未固着部を残置したタイ
   ルパネルを用い、前記タイル未固着部に適合して納まり
   得る座面積のフランジ部と前記固定部材の座金側露出部
   を収容する凹所とを有する座金を前記タイル未固着部位
   置の基板内に埋設し、該埋設された座金を介して前記固
   定部材によりタイルパネルを支持部材に固定し、前記埋
   設された座金の表面に１枚または複数枚のタイルを貼着
   して前記タイル未固着部を補填することを特徴とするタ
   イルパネルの固定方法。