JPS582567B2 - 異方性Fe−Cr−Co系磁石合金の製造方法 - Google Patents

異方性Fe−Cr−Co系磁石合金の製造方法

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JPS582567B2
JPS582567B2 JP53154360A JP15436078A JPS582567B2 JP S582567 B2 JPS582567 B2 JP S582567B2 JP 53154360 A JP53154360 A JP 53154360A JP 15436078 A JP15436078 A JP 15436078A JP S582567 B2 JPS582567 B2 JP S582567B2
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    • C21D6/00Heat treatment of ferrous alloys
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    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はFe,Cr,Coを主成分とする永久磁石合金
の製造方法、とくに材料の有する最大限の特性を工業的
規模でも安定的に、かつ効率的に発揮させ得るような熱
処理方法に関するものである。
Fe,Cr,Coを主成分とする磁石合金は、すでに数
多くの文献等により知られている。
例えば、特公昭49−20451号公報には、重量比で
15〜35%Co、3〜50%Cr、残部Feから成る
もの、また特公昭51−29859号公報には重量比で
Cr20〜35%、Co10〜20%、T10.3〜3
%および残部実質的にFeから成るもの、あるいは特公
昭53−35536号公報には、重量比でCr17〜3
5%、Co5〜20%、Si0.3〜3%および残部実
質的にFeより成るものが開示されている。
一方、製造方法に関しては、例えば特公昭49−204
51号公報に合金を溶解、鋳造後溶体化処理を行ない、
ついで磁場中時効を行なった後時効する方法、また特公
昭50−37011号公報には、液体化処理後磁場中時
効を行ない、ついで冷間加工を行なって後多段時効する
ことを特徴とする方法が開示されている。
また特開昭51−52318号公報には650℃以上、
1085℃以下の温度において3〜300分間保持する
ことを特徴とする液体化処理方法、あるいは特開昭51
−38224号公報には冷間での塑性加工を行なう場合
の前処理方法として850℃以上、1085℃以下の温
度において3〜300分間保持することを特徴とする方
法が開示されている。
また特開昭51−79631号公報には700〜400
℃の温度範囲内の任意の温度から少なくとも10℃の温
度差区間を10℃について5分ないし50時間の冷却速
度で連続的に冷却することを特徴とする時効処理方法が
開示されている。
また、米国電気ならびに電子技術者協会発行の雑誌“I
EEE Transactions on Magne
tics”Vol.MAG−12、−No.6、p97
7〜979(1976年11月発行)には磁場中におい
て一定温度に保持した後、室温まで冷却し、その後磁場
の作用なしに多段時効方式による二次時効を施す熱処理
方法、および磁場中において一定温度に保持した後、こ
れにひき続き、その温度から磁場の作用なしに連続的徐
冷の時効を施す熱処理方法が示されている。
本Fe−Cr−Co系磁石合金の製造工程としては、溶
解、鋳造、熱間加工、冷間加工等の工程により所望の形
状に成形した後、必要な場合にはこれらの工程の途中に
おいて、もしくはこれらの工程の後に溶体化処理を施し
て、最後に合金を永久磁石化するための時効処理を施す
という方法が一般的である。
上記した溶体化処理は特に冷間加工を受けている材料に
対しては実施することが望ましいが、熱間での加工を受
けているのみで、加工歪が殆んど残存していないような
状態の材料に対しては、これを省略して、直接に時効処
理を施しても特性上差支えない。
また上記した時効処理は、合金を永久磁石化する手段で
あり、製品の磁気特性を決定する重要な工程であるが、
通常、この処理は、本願発明者らの特許出願になる特開
昭51−79631号公報において明らかにされている
如く、700〜400℃間の温度範囲内の任意の温度か
ら少なくとも10℃の温度差区間を10℃について5分
ないし50時間の冷却速度で連続的に冷却する方法によ
って実施することが好ましく、この中の650〜450
℃は特に効果の著しい区間である。
また、とくに、後述の二次時効処理として600〜50
0℃の区間を連続的冷却することは、特性の向上に絶大
な効果を有する。
磁気特性を向上させるために時効処理の一部もしくは全
部を磁場中で行なうことにより材料を磁気特性的に異方
性化することもしばしば行なわれる。
しかし、後に金相学的な観点から詳細に説明するような
理由からこれまでこの連続的冷却の処理は、磁場中時効
処理としては好ましくないと考えられてきており、した
がって異方性Fe−Cr−Co系磁石合金を製造するに
は磁場中において一定温度で保持した後、それにひき続
いて磁場の作用なしに上記した連続的冷却の処理(二次
時効処理)を施す。
あるいは本願発明者の特許出願になる特開昭53−99
027号公報において開示されているように、一定温度
での保持の処理を磁場中において行なった後、通常の冷
却方法でいったん室温付近まで冷却したものに対して、
あらためて加熱して、上記磁場中時効処理より低い所定
温度区間を磁場の作用なしに上記した連続的冷却の処理
(二次時効処理)を施す。
などといった方法が行なわれてきている。
以上のようにFe,Cr,Coを主成分とする磁石合金
に関する文献等は数多く存在し、漸次、特性の向上、製
造方法の合理化等が計られてきており、この磁石合金が
いよいよ有用な材料となりつつある。
とくに、成分組成面力ら見た場合、コバルトは、今日の
世界的な省資源化の動向の中で、我が国は、その需要を
100%輸入に頼らざるを得ないところの元素であるの
で、貴重な原料であるが、本合金ではその含有量が、現
在磁石合金として最も多く用いられるAlnico5磁
石のほぼ半分程度であるにも拘らず、それとほぼ同等の
特性が得られるという点で大きな注目を集めている。
そして今後の課題としては、得られる永久磁石特性のい
っそうの向上、および熱処理のより安定化、簡易化等で
あり、これらの点を改良することがこの磁石合金に対し
て現在切望されている。
すなわち、後に詳述するように本合金の磁気特性は、本
質的に時効の初期段階での反応にきわめて敏感であり、
したがって、上記したような異方性Fe−Cr−Co系
磁石合金の製造方法では、磁場中時効における一定保持
温度のわずかな変動によっても得られる磁気特性が大幅
に変化してしまうという致命的な欠点をもつことが知ら
れている。
すなわち、このことから所期の磁気特性が安定に得られ
ない製品を一回あたり大量には熱処理することができな
い。
など工業上の多くの問題点が発生することとなり、その
ために、本合金は上記したような省資源化問題に呼応す
るものであるから、産業各界から、その早急な実用化が
渇望されているにもかかわらず、本格的な工業化は未だ
阻まれている実情にある。
本発明は、上記実情に鑑み、本Fe−Cr−Co系磁石
合金の有する最大限の特性を安定的に得るための簡易な
熱処理方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、この合金を永久
磁石化する手段としての時効処理工程の少なくとも一部
を磁場中で行なうことにより異方性化するような異方性
Fe−Cr−Co系磁石合金の製造方法において上記磁
場中時効処理を磁場中において合金をまずその二相分離
温度以下の一温度で処埋した後、これと同じ方向の磁場
を作用させながら、上記処理の温度より低い温度でさら
に磁場中処理するようにしたことを特徴とする異方性F
e−Cr−Co系磁石合金の製造方法を提供するもので
ある。
本発明方法において、上記Fe−Cr−Co系磁石合金
は重量比でCrl7〜45%、Co3〜35%を含み、
残部実質的にFeから成る合金であるが、これに5%以
下のSi、Ti、V、Ni、Nb、Al、Sn、Mn、
S、Zr、Zn、Pb・・・・・・等が含まれることは
本発明の効果を妨げるものではない。
Cr、Coがこれよりも少ないと永久磁石としての保磁
力が得られにくい。
またCrが45%よりも多いと加工性が劣るとともに永
久磁石としての残留磁束密度が不足してくる。
またCoが15%を超えると、加工性が劣るようになっ
てくるので、特に、深絞り加工等が必要な場合には、C
o含有量が15%未満の材料を選択することが好ましい
Coが35%よりも多いと永久磁石としての残留磁束密
度が著しく不足する。
上記した成分範囲の中でも本発明方法の効果が顕著な特
に好適な成分範囲ぱCr23〜35%、Co5〜20%
の範囲である。
またSiは合金の製造において、溶湯の流動性の改善、
溶体化処理の簡易化、等のために、0.3〜3%程度含
有させることが好ましい。
また、上記した磁場中での連続的な冷却の処理における
好適な冷却速度は、もちろん合金組成にも依存するが、
一般的には1分間あたりに降下させる温度が0.05℃
ないし10℃のときに優れた効果が得られる。
高温域における冷却がこれより遅い場合には、後に説明
するような核発生一成長機構による二相分離組織が発達
しやすくなると共に、過時効現象が進み、いずれも永久
磁石特性を劣化させる。
また、低温域においては、冷却を遅くするほど特性が向
上してくるが、1分間あたりに降下させる温度をおよそ
0.05℃以下にしても特性が飽和1〜てしまい、これ
より速い冷却と同程度の特性しか得られないようになる
冷却が10℃/minより速い場合には二相分離反応が
不充分である。
上記した冷却速度範囲の中でも1分間あたりに降下させ
る温度が0.2℃ないし5℃、とくに好ましくは0.5
℃ないし2℃のときには広い合金組成範囲にわたって優
れた永久磁石特性を得ることができる。
本発明は、本合金の時効処理の意義を詳しく考察するこ
とによってなされたものであるので、以下にそれを金相
字的な立場から詳細に説明する。
Fe−Cr−Co系磁石合金は時効処理によって均一固
溶体(以下、これをα相と呼ぶ)から強磁性相(以下、
これをα1相と呼ぶ)と、非磁性もしくは弱い磁性の相
(以下、これをα2相と呼ぶ)との二相に分離する第1
図イは、この様子を模式状態図により定性的に表わした
ものである。
これまでの公知文献によるとα1相はFeおよびCOに
富む相、α2相はCrに富む相であろうとされている。
しかしながら、まだ正確に確認するまでには到っていな
いが本願発明者の考察によればCoはFeよりもむしろ
Crとの親和力の方が強いと考えられるので、したがっ
てα1相はFe,またはFeおよびCoに富む相、α2
相はCrおよびCoに富む相、となっているのではない
かと推定される。
第1図イにおいて実線円弧は、二相分離限界を示し、こ
の線より外側(高温側)では合金は単相(α相)である
が、内側(低温側)ではα1相とα2相との二相に分離
する。
二相分離領域内に破線で示されている円弧はスピノダル
線と呼ばれ、熱力学的に定義されるものであるが、この
線と二相分離線との中間の領域では、二相分離が核発生
→成長機構により進行し、またスピノダル線より内側(
低温側)では、スピノダル分解機構により二相分離が進
行する。
第1図イにおいて本磁石合金の組成はたとえばXGで示
され、この合金Gは高温ではα単相であるが、二相分離
温度Td以下の、たとえば温度TAで時効すると成分組
成がX1のα1相と、成分組成がX2のα2相との二相
に分離する。
時効治度が異なれば、分離する各相の成分組成が異なり
、たとえば温度TAで時効した場合には成分組成がX1
′のα1相と、成分組成がX2′のα2相との二相に分
離する。
そして、第1図ニに模式的に示すように強磁性α1相は
、非磁性α2相の中に微細に分散するのでα1相は単磁
区粒子として振る舞い、しかも形状が細長いので、その
方向が磁化容易軸であるような形状磁気異方性を具える
ことから、原理的には、StonerとWohlfar
thによって説明されたような単磁区微粒子理論に基づ
き、高い保磁力が発生することとなる(Hc=2Ku/
Is:Ku;一軸磁気異方性、■s;α1粒子の飽和磁
化)。
(注:この説明の便宜上、第1図ハ,ニではα1相を析
出粒子として描いたが、本願発明者は、析出して来るの
はむしろα2相であると考えるので、第1図イのような
状態図を描いた。
)磁気的硬化機構がこのようであることから、この磁気
特性は二相分離の幾何学的因子(すなわち、寸法・形状
・二相の体積比など)、および分離した各相の飽和磁化
の値(したがって成分組成)に依存する。
すなわちFe−Cr−Co系磁石合金が優れた永久磁石
特性を発揮するのに望ましい理想的な状態は幾何学的因
子についていえば、まずα1相の寸法は、それが単磁区
的に振る舞うことの必要性から粗大すぎぬことが要求さ
れると共に、一方、超常磁性( superparam
agnetism )的に挙動することは望ましくない
ので、微細すぎぬことが要求される。
そこで、ふつうα1相はおおよそ数百〜数千オングスト
ロームのオーダーの寸法をもつ強磁性粒子であることが
望ましい。
また、前述のようにこの強磁性粒子が必要とする磁気異
方性は形状磁気異方性に基づいているが、これが大であ
るためには、α1相の形状はできるだけ細長いことが望
ましいと共に、それらの伸長方向が相互に揃っているこ
とが重要である。
よく知られているようにこの二つを実現するためには、
二相分離反応を磁場中において進行させることがたいへ
ん有効な場合がある。
また二相の体積比については、α1相が少なすぎる場合
は磁石としての飽和磁化の値が小さくなってしまうし、
一方、これが多すぎる場合は、α1相同志が近接するこ
とからそれらの間に磁気的な相互作用が生じて、各α1
相の磁気異方性が減少すると共に、それが完全には単磁
区的に振る舞わなくなるので、Hcの低下を来たし、い
ずれの場合も優れた永久磁石特性を得るためには望まし
くない。
永久磁石化機構が本合金とよく似ているアルニコ合金の
場合にはα1相の体積率が50〜80%程度であるとき
に好特性が得られるとされている。
一方、本合金が優れた永久磁石特性を発揮するためには
以上に説明してきたような幾伺学的因子が理想的な状憐
に制御されるだけでは不充分で、その上にさらにもう一
つの条件として分離した両相の間の飽和磁化の値の差が
犬であることが要求される。
つまり、α1相の磁化■1はできるだけ大であり、また
α2相の磁化■2はできるだけ小であることが必要であ
る。
この中の前者の命題についてはすぐ理解できるように、
飽和磁化・残留磁束密度を増す意味があるが、その他に
α1相の形状磁気異方性が■1の二乗に比例することか
ら、Hcもまた■1に比例して向上することになる点で
重要である。
一方、後者については、一見、奇異な感じを受けるが、
少し考えてみれば容易に理解されるようにもし、■2が
大きな値を有する場合には、それが、いわばヨークの役
割を果たし、弧立している各α1相粒子同志を結びつけ
てしまい、組織形態的には、明白に二相分離していても
、磁気的な意味では二相のコントラストが弱く、したが
って形状異方性が小さいのでHeの低下につながる。
さて以上に説明してきたような永久磁石特性に影響をお
よぼす各因子は、時効処理の熱処理条件によって実に多
様に変化し得るので、得られる磁気特性は時効処理条件
にきわめて強く依存して広範に変化するが、これらの因
子の中、前述した幾何学的因子は時効処理温度の中でも
特に比較的高温域においては殊に時効条件に対する依存
性が強い。
すなわち第1図イで説明した二相分離温度Td以上の温
度では、時効しても二相分離が生じないので、第1図口
に示すように単相のままであるからHCは殆んど発生し
ない。
またTd直下では析出核発生→成長の機構により、多く
の場合、第1図ハに模式的に示すように球状で寸法が不
均一の析出相が形成され、しかも、これは析出物の表面
エネルギ、等の関連から、一般に時効温度が高いほど、
また、時効時間が長いほど、粗大な寸法の組織となる。
このような場合には、強磁性相の形状異方性も小さいし
、全体的にも大きさならびに方向が分散しているので、
あまり優れた磁気特性は得られない。
時効温度をさらに低下させて、スピノダル温度Ts以下
で時効した場合には、二相分離がスピノダル分解の機構
により進行するため、第1図二に示すように均質かつ周
期的な構造(変調構造)を有する組織が形成される。
この場合の組織は、規則的な構造であり、かつ各粒子の
形状もある程度の異方性を有するようなものであるので
、その寸法が適切である場合には優れた永久磁石特性を
示す。
時効温度をTA(<TS)とし、これとスピノダル温度
との差を△T、すなわち△T=Ts−TAとすれば、こ
の変調構造の寸時効温度が高いほど粗大な寸法の組織と
なるが、△Tは上式の分母にはいっているので、△T≒
0、つまり時効温度が比較的高くてスピノダル温度に近
い場合には変調構造組織の寸法は時効温度にきわめて強
く依存することがわかる。
逆に時効温度が比較的低い場合には、微細な寸法の変調
構造組織となるが、その寸法は時効温度によってあまり
著しくは変化しないといえる。
比較的高温域における時効では、以上に述べたような二
相分離の機構そのものが本質的に複雑な温度依存性を有
するばかりでなく、それが進行するための原子の拡散速
度もまた大きいので、したがって前記したように、幾何
学的因子の時効条件依存性がきわめて強い。
そこで優れた永久磁石特性のための理想的な金属組織を
得るためには、この段階の熱処理に特に細心の注意を払
い、条件の適切なコントロールが重要である。
また、熱処理時に磁場を作用させることの意義は、それ
によってこれと異った方向に伸びたα1粒子の反磁場エ
ネルギを増加させることによってその伸長を抑止する点
にあるので、熱処理時に磁場を印加することの効果が顕
著であることが期待されるのは、幾何学的因子を大きく
変化させ得るこの段階である。
一方、前記した各分離二相の間の飽和磁化の値の差は、
それらの成分組成の差に比例するので、第1図イからわ
かるように、これは温度が低くなるほど大きくなってく
る。
この点からいえば時効温度をできるだけ低く選ぶことが
望ましいが、しかし、いきなり低い温度で寺効しても、
二相分離反応の進行が遅いこと、および形成される二相
分離組織の寸法が微細すぎること、等から却って磁気特
性はよくない。
優れた永久磁石特性を得るための時効熱処理方法を築き
上げる問題は結局、これら互いに相反すると思われる二
つの命題をいかにして同時に満足させ得るような手段を
工夫するかという問題に帰着される。
このために、まず比較的高い温度で時効して、いったん
その温度に対応する二相分離組織を形成させておいた後
、つぎに比較的低い温度での時効を重ねる(多段時効)
ことによって、形成されている二相の間の成分組成差を
拡げる。
といった方法等が工夫されてきた。しかし、上記目的の
ために最も効果的な方法は、むしろこれを滑らかな温度
変化とし、各温度での組成平衡を保つようにしながらゆ
っくりと降温する連続的徐冷の方法である。
この方法を提供したものが、本願発明者らの特許出願に
なる特開昭51−79631号公報において開示されて
いる方法である。
これらの時効処理において、その初期段階、すなわち比
較的高い温度域での処理(以下では、これを一次時効処
理と呼ぶ)により、いったん二相分離組織が形成された
後は、その後の比較的低い温度域での処理(以下では、
これを二次時効処理と呼ぶ)を加えても、この過程では
短範囲の原子移動で実現が可能な二相間における原子の
入れ替え、つまり二相間の成分組成差の拡大のみが主と
して進行し、二相分離組織の変化のように、長い距離の
原子移動が必要となる反応は殆んど進行しない。
実際、二次時効処理を追加することにより、永久磁石特
性は著しく向上してくるにも拘らず、二相分離組織はこ
の過程を通じて殆んど変化しないことが、電子顕微鏡を
用いた組織観察により確認されている。
したがって本Fe−Cr−Co系磁石合金の永久磁石特
性の向上を計る目的で時効処理の一部、もしくは全部を
磁場中で行なって異方性化する場合、これは、前に説明
したように、磁場を印加することにより、二相分離の組
織を異方的に発達させることに基づいているものである
から、時効処理過程の中でも、特に初期の段階、すなわ
ち、上記一次時効処理において実施した場合に大きな意
義をもつものであり、したがってその効果も顕著なるこ
とを期待することができるが、時効処理の途中の過程、
すなわち、比較的低温域での時効においては磁場を作用
させる意義が乏しく、その効果が小さいので、二次時効
処理においては、通常、磁場を印加しない。
ただし、磁場の印加を停止した後は、新たな二相分離組
織の形成を極力抑止することが優秀な永久磁石特性を得
るための必須条件の一つである。
この目的のために従来は本願発明者の特許出願になる特
開昭53−99027号公報において明らかにされてい
る如く、時効処理工程を磁場中において一定温度に保持
することにより、磁場方向に規制された金属組織を形成
せしめる処理と、この処理より後、前記磁場中時効処理
の温度より低い所定温度区間を磁場の作用なしに連続的
に徐冷することにより前記磁場中時効処理で形成された
金属組織を調整せしめる二次時効の処理とから構成し、
かつ前記磁場中時効処理の終了後、少なくとも前記二次
時効処理の開始温度以下までを速やかに冷却することに
より、磁場の作用なしに二相分離組織が形成されること
を抑止する。
といった方法等が工夫されてきている。
この方法では、上記の如く、磁場中時効湿度と二次時効
の徐冷開始温度との間にはある程度の温度ギャップを設
けることが原理上、必要な条件であるが、これは主とし
て二相分離の組織構造を理想的なものに作り上げる。
という点に重点をおいた考察からの要請である。
しかしながら、合金が優れた永久磁石特性を発揮するた
めに必要となる条件の中、前記、分離二相間の成分組成
差を巧く拡大するという点からいうと、このような温度
ギャップが存在することは先に述べた説明から容易に理
解されるように、もちろん好ましくないことである。
本願発明はこの点を改善するためになされたものであり
、磁場中において合金をまずその二相分離温度以下の一
温度で処理した後、これと同じ方向の磁場を作用させな
がら、上記処理の温度より低い温度でさらに磁場中処理
することを特徴とする異方性Fe−Cr−Co系磁石合
金の製造方法を提供するものである。
本発明を例えば特許請求の範囲第2項に記載した方法を
例にとってさらに詳細に説明するならば、磁場中におい
て合金をその二相分離温度以下の一温度に加熱保持する
ことにより異方的な二相分離組織を形成せしめた後、ひ
き続き、磁場を印加したまま、あまり速くない速度で冷
却することにより、分離二相の各組成を、より低い温度
での平衡組成に対応するものに近づけしむることを特徴
とする異方性Fe−Cr−Co系磁石合金の製造方法を
提供するものである。
この方法によれば、上記徐冷の間において新たな二相分
離組織が形成されてしまう場合でも、このときは磁場が
作用しているので、その方向に規制された金属組織とな
り、異方性の乱れを極力防止することができるので、二
相分離の組織構造を好ましい姿に保ったままでその成分
組成をも理想的なものに完成させることができる。
ここで、磁場中において合金を加熱保持した該温度から
低温側へ少なくともおよそ5℃以上の区間にわたって上
記磁場中冷却の処理を施した場合にこの効果が認められ
てくるが、好ましくは10℃以上、さらに好ましくは2
0℃以上の区間にわたって該磁場中冷却処理を実施する
ことが望ましい。
上記した如くの磁場中冷却処理を実施することの意義を
考えれば容易に理解されるように、この冷却処理は、代
わりに、磁場中において合金をその二相分離温度以下の
一温度に加熱保持することにより異方的な二相分離組織
を形成せしめた後、ひき続いて、上記と同じ方向の磁場
を作用させながら、逐次上記加熱温度より低い所定温度
に加熱保持する。
といった処理を1回、もしくはそれ以上重ねる方法(磁
場中多段時効処理)、あるいは上記方法において、一の
磁場中処理の終了後、いったん通常の方法で冷却し、つ
ぎに再び先と同じ方向の磁場を作用させながら上記処理
より低い所定温度に加熱保持して次段の磁場中処理を施
す。
どいつた方法(多重磁場中時効処理)によっても置き換
え得ることは明白である。
上記いずれの方法の場合にも、これらの磁場中時効処理
の後には、磁場の作用なしで、より低温域の所定温度区
間を連続的に徐冷する方法、等によって二次時効処理を
施すことが、効率的に高い磁気特性を得るために好まし
い方法である。
さて、以上に説明してきたように、本Fe−Cr−Co
系磁石合金の永久磁石特性は、これを時効処理するこ
とによってはじめて発生してくるのであるが、これまで
の説明からわかるように、従来方法の時効処理では、そ
の過程の中でも、特に初期の段階、すなわち比較的高温
域での時効条件の適切なコントロールがきわめて重要で
ある。
というのは、この段階の時効処理によって、永久磁石特
性に決定的な影響をもつところの二相分離組織の幾何学
的因子、すなわち、寸法、形状、二相の体積比、配向度
、等が殆んど確定されてしまうのであるが、この段階で
は二相分離反応の機構そのものが本質的に複雑な温度依
存性を有するばかりでなく、それが進行するための原子
の拡散速度もまた大きいので、熱処理条件のわずかな差
違によっても、上記二相分離組織の幾何学的因子は大き
く変化してしまい、したがって、得られる磁気特性が大
きく左右されてしまうからである。
例えば、異方性Fe−Cr−Co系磁石合金を製造する
場合には、通常、はじめに、磁場を作用させなから二相
分離温度以下の所定の温度に保持する処理を行なった後
、磁場の作用なしに、連続的冷却、もしくは多段時効の
二次時効処理を施す方法が行なわれてきているが、これ
らの方法においては、最初の磁場中時効の処理条件に依
存して、得られる磁気特性が大きく変化してしまう。
そして、このことは、得られる特性が不安定(すなわち
、特性不合格品が出たり、特性ばらつきが大きい)とな
ってしまう。
あるいは、1回あたりに処理できる製品の量を著しく減
じなければならない。
などの点で、工業生産上の大きな隘路をなすところとな
り、この磁石合金の本格的実用化を妨げる大きな原因と
なっている。
一般に、一定量の製品全体を正確に所定の温度に加熱し
、所定の時間だけ保持する。
という処理に実現することは、工業的にはかなり困難な
ことであり、敢えて実施してもきわめて非能率的な工程
とならざるを得ない。
それに対して、冷却処理の場合に、冷却の開始・終了温
度をさほど厳密にコントロールする要はなく、(所定温
度の近傍の温度区間において)単に冷却速度のみを正確
にコントロールするというのであれば、あまり極端に速
い冷却は別として、適度な冷却速度をもつ処理の場合な
らば、これを実現することは、例えば製品を適当な保温
材で包む、電気炉をプログラム制御する。
などの適当な方法で、きわめて容易にかつ安定的に可能
である。
そして、この方法による熱処理を多くの合金に対して種
々の条件で試験してみたところ、後述の実施例に示す如
く、期待されたとおりのきわめて好ましい結果の得られ
ることが確認された。
なお、付言しておくならば、本方法の熱処理を行なうと
きにおいても、この磁場中での冷却の処理をある程度低
い温度にまで継続する場合には、前述した本願発明の効
果をも合わせ得られることはいうまでもない。
多くの場合、上記磁場中冷却処理をおよそ620℃以下
の温度にまで実施することにより、広い合金組成範囲に
わたって好結果を得ることができた。
一方、本方法が実現されるような磁場中冷却時効開始の
下限温度は、当然、合金組成に依存して決まってくるも
のであるが、多くの場合、およそ650℃以上の温度か
ら磁場中冷却することにより好結果が得られる。
また、磁気特性の点からは、上記してきたような考察に
基づく限り、本発明方法では高々従来方法であるスピノ
ダル温度域での磁場中等温保持から始まる処理と同程度
のものしか得られないと予想されたにもかかわらず、実
際に試験してみると後述の実施例に示す如く、本発明方
法によった方が、むしろ従来方法で得られる特性よりも
高い値が得られる場合のあることも判明した。
このことは、時効処理機構に関して上で行なってきた範
囲のみの考察からは説明し尽くされないことであり、こ
れの理解には、二相分離反応の進行過程−とくにその初
期段階が重要であると考えられるが−についての動力学
的な解明、等の点に関してさらに詳細な考察が必要であ
ると思われる。
したがって、この点、すなわち本熱処理法がこれほどま
でに有効であることの理論的根拠についてはまだ100
%完全に究め尽くされたとは言い難く、なお不明確な部
分も残すのであるが、しかし、きわめて簡便、かつ効率
的な熱処理方法によって、しかも従来にも勝る優れた永
久磁石特性を得ることが可能であるということは工業的
見地からすれば疑う術もなく甚だ大きな意義を有するも
のであると信ずることから、ここに本発明方法を提供す
る次第である。
今後、上記の点についての詳細な理論的解明を進めるこ
とは学問的な興味が甚だ大であると共に、本磁石合金の
よりいっそうの有用性を高める上で大いに資するところ
があるものと期待される。
以下、実施例により本願の発明を説明する。
実施例 1 重量比でCr24%、Co12%、Si1.3%残部F
eから成る合金を高周波溶解して5kgのインゴットを
得た。
これを熱間圧延・冷間圧延して2mm厚の板とし、この
板から幅10mm、長さ20mmの短冊状試片を切り出
して1100℃で10分間溶体化処理した後、実験試料
とした。
これを約2000Oeの磁場中において、この合金の二
相分離温度より低い645℃に加熱し5分間保持した後
、磁場を印加したまま1分間あたりに0.5℃の割合で
610℃まで冷却し、以後は炉から取り出し空気中放冷
とする磁場中時効処理を施した。
つぎに、二次時効処理として磁場の印加なしに580℃
まで加熱し、その温度で70分間保持した後、100℃
の温度降下に16時間を要するような割合で470℃ま
でを連続冷却する処理を施した。
この試料の磁気特性は、Hc=5640Oe、Br=1
4.1KG、(BH)max=6.4MGOeであった
なお、比較のため、上記磁場中時効処理の代わりに、従
来法により、約2000Oeの磁場中において645℃
の一定温度に60分間保持する磁場中時効処理を施して
、以後は上記と同じ二次時効処理を施した試料の磁気特
性は、Hc=332Oe、Br=14.3KG、(BH
)max=3.5MGOeであった。
実施例 2 重量比でCr26%、Co13%、Si1.3%、Ti
0.5%、残部Feから成る合金を高周波溶解してシェ
ル鋳型に鋳造し、14■×13Iの試料を得た。
これを1150℃で10分間溶体化処理した後、実験試
料とした。
これを約2000Oeの磁場中において、この合金の二
相分離温度より低い645℃に加熱し10分間保持した
後、磁場を印加したまま1分間に1℃の割合で605℃
まで冷却し、以後は炉から取り出して空気中放冷とする
磁場中時効処理を施した。
つぎに二次時効処理として、磁場の印加なしに590℃
まで加熱し、その温度で60分間保持した後、100℃
の温度降下に16時間を要するような割合で475℃ま
でを連続冷却する処理を施した。
この試料の磁気特性はHc=593Oe,Br=13.
3KG、(BH)max=6.0MGOeであった。
なお、比較のため、上記磁場中時効処理の代わりに従来
法により約2000Oeの磁場中において645℃の一
定温度に60分間保持する磁場中時効処理を施して、以
後は上記と同じ二次時効処理を施した試料の磁気特性は
Hc=520Oe,Br=13.3KG、(BH)ma
x=4.9MGOeであつた。
実施例 3 重量比でCr27%、Co12.5%、Si1.3%、
残部Feから成る合金を実施例1と同様な方法で作製し
、1100℃で10分間溶体化処理した後、実験試料と
した。
これを約2000Oeの磁場中において、この合金の二
相分離温度より低い635℃に加熱し30分間保持した
後、予め620℃に加熱しておいた別の炉Bに移すと共
に、4000Oeの磁場を印加して、そのまま60分間
保持する磁場中時効処理を施した。
なお、この場合、試料の質量が小さかったので、試料温
度は炉Bに移し替えた後3分間以内に620℃に低下し
た。
つぎに実施例2と同様の方法で二次時効処理を施した。
この試料の磁気特性はHc=586Oe、Br13.1
KG、(BH)max=5.7KGであった。
なお、比較のため、上記磁場中時効処理の代わりに従来
法により約4000Oeの磁場中において635℃で7
0分間保持するのみの磁場中時効処理を施して、以後は
上記と同じ二次時効処理を施した試料の磁気特性は、H
c=497Oe、Br=13.1KG、(BH)max
=4.8MGOeであった。
実施例 4 重量比でCr24%、Col2%、Si1.3%、残部
Feから成る合金を実施例1と同様な方法で作製し、1
100℃で10分間溶体化処理した後、実験試料とした
この中の1個の試料イを約2000Oeの磁場中におい
て、この合金の二相分離温度より低い650℃に加熱し
60分間保持した後、炉から取り出して空気中放冷した
また、別の試料口には、上記と同様な方法で645℃に
60分間保持する処理を施した。
つぎに、上記二試料とも約2000Oeの磁場中におい
て再び加熱し、630℃で60分間保持する磁場中時効
処理を追加した後、二次時効処理として、磁場の印加な
しに585℃まで加熱し、その温度で60分間保持した
後、100℃の温度降下に16時間を要するような割合
で470℃までを連続冷却する処理を施した。
これらの試料の磁気特性は、イはHc=560Oe、B
r=13.9KG、(BH)max=6.1MGOe、
またロはHc=550Oe,Br=13.9KG、(B
H)max=5.9MGOeであった。
なお、比較のため、上記磁場中時効処理の代わりに、従
来法により約2000Oeの磁場中において、645℃
で60分間保持するのみの磁場中時効処理を施して、以
後は上記と同じ二次時効処理を施した試料の磁気特性は
、Hc=500Oe、Br=13.8KG、(BH)m
ax=5.4MGOeであった。
以上に詳説したように、本発明はFe、Cr、Coを主
成分とする異方性永久磁石合金の製造方法、とくに材料
の有する最大限の特性を工業的規模でも安定的に、かつ
効率的に発揮させ得るような熱処理方法を提供するもの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図はFe−Cr−Co系合金の状態図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 主としてFe,Cr,Coから成る磁石合金(以下
    、これをFe−Cr−Co系磁石合金と呼ぶ)を永久磁
    石化する手段としての時効処理工程の少なくとも一部を
    磁場中で行なうことにより異方性化するような異方性F
    e−Cr−Co系磁石合金の製造方法において、前記磁
    場中時効処理を、磁場中において、合金をまずその二相
    分離温度以下の一温度で処理した後、これと同じ方向の
    磁場を作用させながら、上記処理の温度より低い温度で
    、さらに磁場中処理するようにしたことを特徴とする異
    方性Fe−Cr−Co系磁石合金の製造方法。 2 特許請求の範囲第1項に記載の異方性Fe−Cr−
    Co 系磁石合金の製造方法において、該磁場中時効処
    理が、磁場中において合金をその二相分離温度以下の一
    温度に加熱保持し、ついで磁場を印加したまま、その温
    度から冷却する方法であることを特徴とする異方性Fe
    −Cr−Co系磁石合金の製造方法。 3 特許請求の範囲第2項に記載の異方性Fe−Cr−
    Co 系磁石合金の製造方法において該磁場中冷却の冷
    却速度が、1分間あたり0.05℃ないし10℃の温度
    降下であることを特徴とする異方性Fe−Cr−Co系
    磁石合金の製造方法。 4 特許請求の範囲第3項に記載の異方性Fe−Cr−
    Co 系磁石合金の製造方法において、該磁場中冷却速
    度が、1分間あたり0.2℃ないし5℃の温度降下であ
    ることを特徴とする異方性Fe−Cr−Co 系磁石合
    金の製造方法。 5 特許請求の範囲第4項に記載の異方性Fe−Cr−
    Co系磁石合金の製造方法において、該磁場中冷却速度
    が、1分間あたり0.5℃ないし2℃の温度降下である
    ことを特徴とする異方性Fe−Cr−Co系磁石合金の
    製造方法。 6 特許請求の範囲第2項ないし第5項に記載の異方性
    Fe−Cr−Co系磁石合金の製造方法において、該磁
    場中冷却処理が、磁場中において、加熱保持した該温度
    から低温側へ5℃以上の区間にわたることを特徴とする
    異方性Fe−Cr−Co系磁石合金の製造方法。 7 特許請求の範囲第6項に記載の異方性Fe−Cr−
    Co系磁石合金の製造力法において、該磁場中冷却処理
    が、磁場中において加熱保持した該温度から低温側へ1
    0℃以上の区間にわたることを特徴とする異方性Fe−
    Cr−Co系磁石合金の製造方法。 8 特許請求の範囲第7項に記載の異力性Fe−Cr−
    Co系磁石合金の製造方法において、該磁場中冷却処理
    が、磁場中において加熱保持した該温度から低温側へ2
    0℃以上の区間にわたることを特徴とする異方性Fe−
    Cr−Co系磁石合金の製造方法。 9 特許請求の範囲第1項に記載の異方性Fe−Cr−
    Co系磁石合金の製造方法において、該磁場中時効処理
    が、磁場中において合金をその二相分離温度以下の一温
    度に加熱保持し、ついで上記と同じ方向の磁場を作用さ
    せながら、逐次、上記加熱温度より低い所定温度に保持
    する、といった処理を1回以上重ねる方法であることを
    特徴とする異方性Fe−Cr−Co系磁石合金の製造方
    法。 10 特許請求の範囲第1項に記載の異方体Fe−Cr
    −Co系磁石合金の製造方法において該磁場中時効処理
    が、磁場中において合金をその二相分離温度以下の一温
    度に加熱保持した後、いったん通常の方法で冷却し、つ
    ぎに再び、上記と同じ方向の磁場を作用させながら、逐
    次、上記加熱温度より低い所定温度に加熱保持する、と
    いった処理を1回以上重ねる方法であることを特徴とす
    る異方性Fe−Cr−Co系磁石合金の製造方法。
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