JPH0772293B2 - Fe−Co−V系鋳造磁性部品の製造方法 - Google Patents
Fe−Co−V系鋳造磁性部品の製造方法Info
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- JPH0772293B2 JPH0772293B2 JP59251545A JP25154584A JPH0772293B2 JP H0772293 B2 JPH0772293 B2 JP H0772293B2 JP 59251545 A JP59251545 A JP 59251545A JP 25154584 A JP25154584 A JP 25154584A JP H0772293 B2 JPH0772293 B2 JP H0772293B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はFe−Co−V系鋳造磁性部品に関し,特に飽和磁
束密度が高く,保磁力が小さい特性が要求されている各
種ヨーク用磁性部品(例えばパルスモーター,VCM,プリ
ンターヘッド用)の製造方法に関するものである。
束密度が高く,保磁力が小さい特性が要求されている各
種ヨーク用磁性部品(例えばパルスモーター,VCM,プリ
ンターヘッド用)の製造方法に関するものである。
ヨーク材としては純鉄,1%Si−Fe,3%Si−Fe合金等の冷
間加工材が一般的に使われている。しかし最近複雑な形
状を有するヨーク材については,大量生産による低価格
を目的として,精密鋳造法による鋳造部品により提供さ
れている。
間加工材が一般的に使われている。しかし最近複雑な形
状を有するヨーク材については,大量生産による低価格
を目的として,精密鋳造法による鋳造部品により提供さ
れている。
しかし磁気特性について言えば,3%Si−Feで飽和磁束密
度Bs=1.7T(但しH=8000A/m)であり,飽和磁束密度
2.0T以上が要求される分野には対応できない。またこの
ような高飽和磁束密度が要求される分野では,Fe−48%C
o−2%V合金(2Vパーメンジュール)が使われてい
る。しかし2Vパーメンジュールも冷間加工材では,加工
歪が磁性熱処理における再結晶の駆動力として充分あっ
て磁気特性が 飽和磁束密度 Bs=2.3T 保磁力 Hc=50A/m 最大透磁率 μm=20000 とすぐれた高飽和磁束密度,低保磁力および高最大透磁
率を合わせ持っているが,冷間加工性があまり良くな
く,価格的に高価な材料となっている。一方精密鋳造法
により製造された2Vパーメンジュールは,磁気特性が 飽和磁束密度 Bs=2.1T 保磁力 Hc=280A/m 最大透磁率 μm=3000 となり,冷間加工材に比べ磁気特性が悪く実用化されて
いない。
度Bs=1.7T(但しH=8000A/m)であり,飽和磁束密度
2.0T以上が要求される分野には対応できない。またこの
ような高飽和磁束密度が要求される分野では,Fe−48%C
o−2%V合金(2Vパーメンジュール)が使われてい
る。しかし2Vパーメンジュールも冷間加工材では,加工
歪が磁性熱処理における再結晶の駆動力として充分あっ
て磁気特性が 飽和磁束密度 Bs=2.3T 保磁力 Hc=50A/m 最大透磁率 μm=20000 とすぐれた高飽和磁束密度,低保磁力および高最大透磁
率を合わせ持っているが,冷間加工性があまり良くな
く,価格的に高価な材料となっている。一方精密鋳造法
により製造された2Vパーメンジュールは,磁気特性が 飽和磁束密度 Bs=2.1T 保磁力 Hc=280A/m 最大透磁率 μm=3000 となり,冷間加工材に比べ磁気特性が悪く実用化されて
いない。
2Vパーメンジュールを精密鋳造法で作製し,かつ冷間加
工材と同等の磁気特性すなわち 飽和磁束密度 Bs=2.3T 保磁力 Hc=50A/m 最大透磁率 μm=20000 を得ることである。さらに,精密鋳造法の特徴を生か
し,複雑な形状をもつヨークを低価格で提供するもので
ある。
工材と同等の磁気特性すなわち 飽和磁束密度 Bs=2.3T 保磁力 Hc=50A/m 最大透磁率 μm=20000 を得ることである。さらに,精密鋳造法の特徴を生か
し,複雑な形状をもつヨークを低価格で提供するもので
ある。
本発明は上記の問題点を解決するために,溶解,鋳造
後,得られた鋳造体を再結晶温度以上(800℃),融点
未満の温度に10分間以上加熱した後,50℃/秒以上の冷
却速度で急冷処理することにより歪を与える。そしてこ
の歪を磁性熱処理(700℃ないし900℃の温度で30分間な
いし10時間加熱し,このあと100℃/時間以下の速度で
常温まで冷却する)において再結晶の駆動力とすること
により,冷間加工材と同等の磁気特性を得るようにした
ものである。
後,得られた鋳造体を再結晶温度以上(800℃),融点
未満の温度に10分間以上加熱した後,50℃/秒以上の冷
却速度で急冷処理することにより歪を与える。そしてこ
の歪を磁性熱処理(700℃ないし900℃の温度で30分間な
いし10時間加熱し,このあと100℃/時間以下の速度で
常温まで冷却する)において再結晶の駆動力とすること
により,冷間加工材と同等の磁気特性を得るようにした
ものである。
上記の実験は、2Vパーメンジュールについての実施例で
あるが、Vが1%程度でもまた3%程度でも同じような
結果が得られる。
あるが、Vが1%程度でもまた3%程度でも同じような
結果が得られる。
また、本発明の熱処理条件の温度及び時間を上記のよう
に限定した理由は、次のとおりである。
に限定した理由は、次のとおりである。
鋳造体を再結晶温度以上、融点未満の温度で加熱するこ
とにより、鋳造体の内部で再結晶が始まり、10分間でほ
ぼ均一な状態に達する。
とにより、鋳造体の内部で再結晶が始まり、10分間でほ
ぼ均一な状態に達する。
鋳造体は、再結晶温度以上の温度から、急速に冷却する
ことにより、内部に焼入歪を付与することができる。50
℃/秒以下の冷却速度であると、鋳造体内部に十分な歪
を残すことができずに、次の熱処理で十分な特性を引き
出すことができないため、50℃/秒以上の速度で常温ま
で冷却する。
ことにより、内部に焼入歪を付与することができる。50
℃/秒以下の冷却速度であると、鋳造体内部に十分な歪
を残すことができずに、次の熱処理で十分な特性を引き
出すことができないため、50℃/秒以上の速度で常温ま
で冷却する。
Fe−Co−V合金は、700〜900℃の範囲で強磁性相(α
相)であり、900℃を越えると、非磁性相(γ相)が析
出し、磁気特性が劣化する。また、700℃以下では、α
相への変化が起きず、良好な磁気特性が得られない。
相)であり、900℃を越えると、非磁性相(γ相)が析
出し、磁気特性が劣化する。また、700℃以下では、α
相への変化が起きず、良好な磁気特性が得られない。
鋳造体をさらに加熱する時間が、30分以下であると、強
磁性相への変化が十分でなく、30分以上の最低限の特性
が得られる。10時間以上加熱しても、特性改善は、認め
られないため、30分間〜10時間加熱する。
磁性相への変化が十分でなく、30分以上の最低限の特性
が得られる。10時間以上加熱しても、特性改善は、認め
られないため、30分間〜10時間加熱する。
鋳造体を100℃/時間以上の冷却速度で冷却すると、鋳
造体に歪が残り、軟質磁性材料としての特性が得られな
いため、100℃/時間以下の速度で常温まで冷却する。
造体に歪が残り、軟質磁性材料としての特性が得られな
いため、100℃/時間以下の速度で常温まで冷却する。
50%Fe−48%Co−2%V合金を真空中で溶解し,これを
精密鋳造法により鋳造し,内径33φ,外径45φ,厚さ5m
mのリング状の鋳造体を3個得た。第1の試料について
は焼入れ処理を行わず,第2および第3の試料について
は各鋳造体を1000℃に加熱し,30分間保持した後,第2
の試料では水焼入(400℃/秒),第3の試料では油焼
入(100℃/秒)の処理を行い,次にこれらの試料を水
素気流中において830℃に加熱し,5時間保持した後100℃
/時間の冷却速度で常温まで冷却した。
精密鋳造法により鋳造し,内径33φ,外径45φ,厚さ5m
mのリング状の鋳造体を3個得た。第1の試料について
は焼入れ処理を行わず,第2および第3の試料について
は各鋳造体を1000℃に加熱し,30分間保持した後,第2
の試料では水焼入(400℃/秒),第3の試料では油焼
入(100℃/秒)の処理を行い,次にこれらの試料を水
素気流中において830℃に加熱し,5時間保持した後100℃
/時間の冷却速度で常温まで冷却した。
表1は上記のようにして得られた各試料につ いて,最大透磁率μm,保磁力Hc,飽和磁束密度Bsを測定
した結果を示す。また同時に比較例として,2Vパーメン
ジュールの冷間加工材について前記と同様の試料(第4
の試料)を用意し,前述と同様の測定を行った結果を併
せて記してある。なお飽和磁束密度の測定は8000A/mの
磁場中で行った。又磁性焼鈍処理はすべての試料につい
て同じであるので省略してある。
した結果を示す。また同時に比較例として,2Vパーメン
ジュールの冷間加工材について前記と同様の試料(第4
の試料)を用意し,前述と同様の測定を行った結果を併
せて記してある。なお飽和磁束密度の測定は8000A/mの
磁場中で行った。又磁性焼鈍処理はすべての試料につい
て同じであるので省略してある。
第1図および第2図は鋳造後直ちに磁性焼鈍した試料
(第1)及び鋳造後水焼入した後磁性焼鈍した試料(第
2)について光学顕微鏡組織観察を行った結果を示す。
倍率はいずれも400である。
(第1)及び鋳造後水焼入した後磁性焼鈍した試料(第
2)について光学顕微鏡組織観察を行った結果を示す。
倍率はいずれも400である。
表1から明らかなように,2Vパーメンジュールは鋳造後
の熱処理のみでは最大透磁率保磁力ともに冷間加工材に
比べかなり劣る。しかし磁性熱処理の前に焼入処理を施
すことにより,最大透磁率,保磁力ともに大幅に改善さ
れて冷間加工材と同等の磁気特性が得られることが確認
された。
の熱処理のみでは最大透磁率保磁力ともに冷間加工材に
比べかなり劣る。しかし磁性熱処理の前に焼入処理を施
すことにより,最大透磁率,保磁力ともに大幅に改善さ
れて冷間加工材と同等の磁気特性が得られることが確認
された。
また第1図および第2図に示される組織観察結果から
も,鋳造後の磁性熱処理のみでは鋳造組織が残っている
のに対し(第1図),磁性熱処理の前に焼入処理を施し
たものでは鋳造組織は消滅してすべて再結晶した組織と
なっていることが確認された(第2図)。
も,鋳造後の磁性熱処理のみでは鋳造組織が残っている
のに対し(第1図),磁性熱処理の前に焼入処理を施し
たものでは鋳造組織は消滅してすべて再結晶した組織と
なっていることが確認された(第2図)。
以上の説明で明らかなように,本発明による製造方法
は,1〜3%のVを含むパーメンジュール系のもつ,高い
飽和磁束密度,高い最大透磁率,および低い保磁力を損
わずに,複雑な形状を有するヨーク材等の精密磁性部品
を,精密鋳造法により安価に製造する場合の熱処理方法
として有効である。
は,1〜3%のVを含むパーメンジュール系のもつ,高い
飽和磁束密度,高い最大透磁率,および低い保磁力を損
わずに,複雑な形状を有するヨーク材等の精密磁性部品
を,精密鋳造法により安価に製造する場合の熱処理方法
として有効である。
第1図は鋳造後直ちに焼鈍した試料の光学顕微鏡組織断
面写真を示す図,第2図は鋳造後水焼入れした後焼鈍し
た試料の光学顕微鏡組織断面写真を示す図である。
面写真を示す図,第2図は鋳造後水焼入れした後焼鈍し
た試料の光学顕微鏡組織断面写真を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】重量%でCo48〜52%、V1〜3%、残部が実
質的にFeからなる合金の溶湯から任意の形状を有する鋳
造体を得、該鋳造体を再結晶温度以上融点未満の温度で
10分間以上加熱した後、50℃/秒以上の速度で常温まで
冷却し、これをさらに700〜900℃の温度で30分間〜10時
間加熱し、100℃/時間以下の速度で常温まで冷却する
ことを特徴とするFe−Co−V系鋳造磁性部品の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59251545A JPH0772293B2 (ja) | 1984-11-30 | 1984-11-30 | Fe−Co−V系鋳造磁性部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59251545A JPH0772293B2 (ja) | 1984-11-30 | 1984-11-30 | Fe−Co−V系鋳造磁性部品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61130419A JPS61130419A (ja) | 1986-06-18 |
JPH0772293B2 true JPH0772293B2 (ja) | 1995-08-02 |
Family
ID=17224419
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59251545A Expired - Fee Related JPH0772293B2 (ja) | 1984-11-30 | 1984-11-30 | Fe−Co−V系鋳造磁性部品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0772293B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112680578A (zh) * | 2020-12-18 | 2021-04-20 | 孙学银 | 一种高磁导率高饱和密度FeCo软磁合金的热处理制备方法 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS634036A (ja) * | 1986-06-23 | 1988-01-09 | Nec Corp | Fe−Co−V合金およびその製造方法 |
WO1989012112A1 (en) * | 1988-05-30 | 1989-12-14 | Kawasaki Steel Corporation | SINTERED MAGNETIC Fe-Co MATERIAL AND PROCESS FOR ITS PRODUCTION |
WO2021182518A1 (ja) * | 2020-03-10 | 2021-09-16 | 日立金属株式会社 | Fe-Co系合金棒材の製造方法およびFe-Co系合金棒材 |
CN116507745A (zh) * | 2021-09-14 | 2023-07-28 | 株式会社博迈立铖 | Fe-Co系合金棒材 |
CN116457479A (zh) * | 2021-09-14 | 2023-07-18 | 株式会社博迈立铖 | Fe-Co系合金棒材 |
-
1984
- 1984-11-30 JP JP59251545A patent/JPH0772293B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112680578A (zh) * | 2020-12-18 | 2021-04-20 | 孙学银 | 一种高磁导率高饱和密度FeCo软磁合金的热处理制备方法 |
CN112680578B (zh) * | 2020-12-18 | 2022-01-11 | 孙学银 | 一种高磁导率高饱和密度FeCo软磁合金的热处理制备方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61130419A (ja) | 1986-06-18 |
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