JPS5822697Y2 - 単糸環縫装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、単糸環縫装置に関するものである。

以下に本考案を二重環縫ミシンの単糸環縫装置として具
体化した一実施例につき説明するに、図中１は二重環縫
ミシンのアーム、２はそのアーム１に上下動可能に支承
された押え棒で、下端に布押え足３が取付けられている
。

４は前記アーム１に上下動可能に支承された針棒で、下
端に布送り方向にやや間隔を有する２本の針５，６が取
付けられている。

７はベッド、８はそのベッド７にねじ９，９により着脱
可能に取付けられた針板で、前記針５゜６の通過のため
の針孔１０．１１及び公知の西送り運動をなす送り歯１
２の通過のための複数の送り歯用細溝１３が形成されて
いる。

１４．１５はその針板８の両側における前記ベッド７に
着脱可能に取付けられた蓋板で、一方の蓋板１４は布送
り方向と直交する方向にスライドさせることによって前
記ベッド７に対し着脱できるものであり、また他方の蓋
板１５は前記ベッド７の一部と保合、離脱し得る係止片
１６を操作するための操作つまみ１７を回動操作するこ
とにより前記ベッド７に対し上下方向に着脱し得るもの
である。

これら蓋板１４，１５は後述するルーパーに糸を通した
り或いは修理、調整等のために着脱される。

１８は前記ベッド７に対し布送り方向と平行な軸線に沿
う移動とその軸線の周りの往復回動とが可能に支承され
たルーパー軸で、ルーパー支持腕１９の下端が固着され
、そのルーパー支持腕１９の上端には、前記ルーパー軸
１８の前記軸線方向移動と往復回動にともない前記針５
，６と協働して二重環縫縫目を形成するためのルーパー
２０．２１が取付けられている。

これらルーパー２０．２１は、これにより公知のように
上方より見て楕円形状の運動軌跡をなすものであり、ま
た、これらルーパー２０．２１等は位置的に前記針板８
、前記蓋板１４，１５の下方に配置されている。

２２は前記針５，６の通過点よりも布送り込み側におけ
る前記針板８及び前記蓋板１５の下方に配置された一概
の保持板で、基端がねじ２３．２３により前記蓋板１５
に取付けられると共に自由端が前−記針板８下方に延び
且つ前記針５，６によって担持された針糸ループ２４．
２５を前記ルーパー２０．２１が往回動により捕えた後
そのルーパー２０．２１が復回動に転する時そのルーパ
ー２０．２１との協働により前記針糸ループ２４．２５
を一時的に保持しその針糸ループ２４．２５中への次の
針の降下を許す保持部２６．２７が形成されている。

また、その保持板２２の基端に形成の前記ねし２３．２
３の挿通用小孔２８．２８の径はそのねじ２３，２３の
ねじ部の外径よりもやや大きく形成（バカ孔として形成
されている）されており、前記蓋板１５に対しその位置
が調節可能に取付けられている。

これにより、保持板２２の針５，６に対する位置関係の
設定は、極めて容易且つ正確にできる。

。すなわち、針板８を外すと共に保持板２２を蓋板１５
に対して取付けているねし２２．２３を少し緩めた状態
にて、その蓋板１５をベッド７にセットしておき、この
状態にて針５，６を降下させる等してその針５，６と保
持板２２の保持部２３．２３との位置関係を確認し、も
しも適正でないならば適正な位置までその保持板２２の
位置を移動させる。

その後、この蓋板１５を取外し、保持板２２を蓋板１５
に取付けているねし２３．２３を強く締付ければよい。

次に作用につき説明するに、二重環縫をなす場合には、
針５，６及びルーパー２０．２１に糸を通してミシンを
駆動すればよい。

但し、この時には、保持板２２は蓋板１５から取外して
おくことが必要である。

今、この二重環縫ミシンを利用して単糸環縫をなす場合
には、針５，６にのみ（ルーパー２０．２１には糸通し
をせず）糸を通す一方、蓋板１５に保持板２２を取付け
、ミシンを駆動すれば単糸環縫縫目が形成される。

その縫目形成過程を第５Ａ図、第５Ｂ図、第５Ｃ図を参
照して説明するに、第５Ａ図は針５．６が下死点より上
昇し始め、それによって形成された針糸ループ２４．２
５をルーパー２０．２１が往回動により捕えた状態を示
すものであり、また、第５Ｂ図はその後、そのルーパー
２０．２１が往回動を終え復回動に転じ始めた時の状態
を示すものである。

この時、ルーパー２０．２１は布送り方向と逆方向に移
動し始めており、針５，６は上昇を終え下降行程に入っ
ている。

その後、更にルーパー２０．２１が復回動され第５Ｃ図
に示すようになると、そのルーパー２０．２１によって
捕えられた針糸ループ２０．２１は、そのルーパー２０
．２１と保持板２２の保持部２６゜２７との協働により
略三角形状に拡げられた状態にて一時的に保持され、そ
の保持された針糸ループ２０，２１中に次の針５，６が
降下する。

その後、ルーパー２０．２１が復回動を終え再び往回動
に転する頃になると、針糸ループ２０．２１はルーパー
２０．２１及び保持板２２の保持部２６ 、２７から外
れ、降下する針５．６自身の糸引き作用及びこの時期よ
り引き上げ作用の始まる天秤機構（図示せず）の作用に
よって引き上げられ、糸線めが行なわれる。

その後、その往回動に転じたルーパー２０．２１は第５
Ａ図と同様前記の三角形の針糸ループ中に降下された針
５，６が上昇し始めた時に形成される針糸ループを捕え
るようになる。

このような作用の繰返しにより単糸環縫縫目が連続して
形成される。

尚、上記実施例においては、単糸環縫に際して二重環縫
用のルーパー２０．２１に糸を通さないようにしたもの
であるが、そのルーパー２０．２１の代わりに糸通し孔
等の形成されていない単糸環縫専用のルーパーをルーパ
ー支持腕１９に取付けてもよい。

また、二重環縫と単糸環縫との切換えをすることなしに
単糸環縫専用のミシンとしても有効である。

本考案は以上詳述したような構成からなり、針板８の少
なくとも一側におけるベッド７に着脱可能に取付けられ
た蓋板１５に、ルーパー２０．２１との協働により針５
，６によって担持された針糸ループ２４．２５を一時的
に保持し単糸環縫縫目を形成するための保持部２６．２
７が形成された保持部体２２を調節可能に取付けたから
、針板８を外すことにより、保持部体２２が蓋板１５に
取付けられたままの状態にて、その保持部体２２の針５
，６に対する位置関係の調節をなし得るものであり、そ
の調節作業を容易且つ正確になし得る。

しかも、蓋板１５と保持部体２２とはユニット化される
ため、組立てが容易となる等の実用上優れた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案を二重環縫ミシンの単糸環縫装置として具
体化した一実施例を示すもので、第１図は斜面図、第２
図は針板８を外し且つその針板８の針孔１０．１１及び
送り歯用細溝１３を二点鎖線にて示すベッド７の上面図
、第３図は第２図のＩＩＩＩＩＩ線断面図、第４図は蓋
板１５の裏面図、第５Ａ図、第５Ｂ図、第５Ｃ図は作用
説明図である。 尚、図中 ５，６は針、７はベッド、８は針板、１２は
送り歯、１４．１５は蓋板、１８はルーパー軸、１９は
ルーパー支持腕、２０，２１はルーパー、２２は保持板
、２６．２７は保持部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．ミシンのベッド７と、 そのベッド７に着脱可能に取付けられた針板８と、 その針板８の少なくとも一側における前記ベッド７に着
   脱可能に取付けられた蓋体１４，１５と、前記針板８を
   通過して上下動する針５，６と、その針５，６と協働し
   て単糸環縫縫目を形成するため前記針板８及び蓋板１４
   ，１５下方に配置され且つ布送り方向と平行な軸線に沿
   う移動とその軸線の周りの往復回動とをなし得るルーパ
   ー２０．２１と、前記針５，６の通過点よりも布送り込
   み側における前記針板８及び蓋板１４，１５下方に配置
   され基端が前記蓋板１５に対しその位置を調節可能に取
   付けられると共に自由端が前記針板８下方に延び且つ前
   記針５，６によって担持された針糸ループ２４゜２５を
   前記ルーパー２０．２１が往回動により捕えた後そのル
   ーパー２０．２１が復回動に転する時そのルーパー２０
   ．２１との協働により前記針糸ループ２４゜２５を一時
   的に保持しその針糸ループ２４．２５中への次の針５，
   ６の降下を許す保持部２６．２７が形成された保持部体
   ２２と を設けたことを特徴とする単糸環縫装置。 ２、前記針が２本の針５，６を含むと共に前記ルーパー
   が２本のルーパー２０．２１を含み、それに応じて前記
   保持部体２２にも２個の保持部２６．２７が形成されて
   いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の単糸環縫装置。 ３、前記２個の保持部２６．２７を有する保持部体が一
   枚の保持板２２によって構成されている実用新案登録請
   求の範囲第２項記載の単糸環縫装置。