JPS5822510Y2 - 脱穀機における選別装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来の脱穀機の受網Ｆ方から排塵室にわたる選別風路に
架設した揺動選別体は、穀粒を漏下させる選別網はもと
よりその移送終端の近傍から排塵口に向けて設けた二番
移送選別体はいずれも上り傾斜に構成されていたので、
該二番移送選別体上に排塵を風選して除去するためめ空
間を設けると、どうしても排塵室の天板を高い位置に設
けざるを得す、また、二番移送選別体を上り傾斜にする
と移送機能が低下するので刈取脱穀作業において殻稈が
濡れていると、藁屑が二番選別体上に堆積してこれが選
別風の風向を上方に変換させることとなり、排塵室ハ天
板を第２図に示すように高くしても扱室に続く四番口や
排稈口に多くの塵埃な含む選別風が吹き出しきわめて非
衛生的であると共にエンジンのエアクリーナーやラジェ
ターの目に吹き出された藁屑や塵埃が詰る等の欠点があ
った。

本考案は前述の諸欠点を改善することを目的とするもの
であって、二番移送選別体を移送方向へ下向勾配とする
ことにより藁屑の移送排出を促進して二番移送選別体上
に藁屑等が堆積するのを防止し、以って四番口等からの
噴風を可及的に少なくしたことを特徴とするものである
。

以下図面に示す例について更に詳述すると、１は扱室２
内に軸架した扱胴であって、受網３の下方から排塵口４
にわたる選別室６は供給口５の下方に設けた風車７によ
って風路に形成しである。

そして、前記選別室６には偏芯輪８と支軸９′を中心と
して前後揺動する揺動アーム９とにより支架された揺動
選別体１０が設けてあり、この揺動選別体１０は受網３
からの漏下物を後方へ移送しながら比重選別する移送板
１０ａと、その後端に連設されていて前記受網３と同じ
目金（８〜１５％）に形成され、かつ−審樋１１上に臨
む選別網１０ｂと、一番渡板１３の上端から後方に向う
と共に多数の移送突条を備えかつ稍々上り傾斜になって
いる中継板１０ｃと、該中継板１０ｃ１７”）下面から
二番受樋１２上を経て排塵口４に向う多数のストロ−ラ
ック又はスポークからなる二番移送選別体１０ｄと、前
記選別網１０ｂ上を覆った状態で送塵口１４から排出さ
れる送塵物を受けて移送するゴム板１０ｃ′付の受送板
１０ｅと、該受送板１０ｅの後端から二番移送選別体１
０ｄ上に向けて突設されていて長杆ａと稍々下降傾斜し
た短杆すとが交互に配設された多数のスポーク１０ｆ等
で構成されており、前記移送板１０ａ、選別網１０ｂ及
び二番移送選別体１０ｄは第１図及び第７図に示す如く
後方が低くなるよう稍々下降傾斜している。

而して前記偏芯輪８は駆動軸の軸芯から選別網１０ｂの
網目のピッチの略１４乃至それよりや工小さいか又はや
ム大きく偏芯ｌしているので選別１０ｂは２１の幅で揺
動し、偏芯量８の回転数は毎分４００〜５００回転する
ように設定しである。

また、前記二番移送選別体１０ｄの下方には二番受樋１
２側が低くなるように傾斜した二番原板１５を前後の揺
動アーム１６，１６により支架し、その上面には二番受
樋１２に向う多数の突条が設けてあり、後方の揺動アー
ム１６の枢着部は連杆１１より前記揺動選別体１０の揺
動アーム９の下端部に連結されているので、二番原板１
５は揺動選別体１−０に連動して前後揺動し、その後端
の立上り部１５′は二番移送選別体１０ｄ前端よりも低
くなっている。

なお、前記選別網１０ｂの傾斜は偏芯量８の偏芯量を選
別網の目金よりやへ小さくした場合は多少１＠、傾斜と
し、多少大きくした場合は更に緩傾斜とする。

また、偏芯量８と揺動アーム９は図示の例とは前後を逆
にしても良く、それらは両方とも偏芯量又は揺動アーム
としてもよいがいずれの場合も揺動選別体１０が前進す
る時上昇し、後退する時下降するように駆動することが
望ましい。

更に選別網を略水平にしても良く、その際は揺動選別体
１」を前進時に上昇させ後退時に下降させる。

１８は排塵選別室１９の天板であって、二番移送選別体
１０ｄが下降傾斜しているので、排塵選別室１９のスペ
ースを充分とった上で扱胴１の下端部と略等しい高さと
なる程度に低く構成されており、その上部にはカッター
２０（又は結束装置）が設けてあり、排稈口２１から排
出された排稈は必要に応じて挾持レールを併設した排藁
搬送帯２２に受は継がれてカッター２０に供給され、適
当な長さに細断される。

なお、図面中２３は上部カバー、２４はゴム板からなる
吹出防止板、２５は揺動選別体１０のフィードチェーン
２６と反対側の側板の内側面に突設した寄せ原板、２１
は二番スロワ−である。

前述の脱穀装置はコンバインの機台上に供給口５を前位
として搭載するものであって、刈取装置で刈取られた殻
稈は搬送装置により脱穀装置に供給されて脱穀処理され
る。

そして、偏芯量８の回転により揺動選別体１」及び二番
原板１５は前後揺動し、受網３から漏下した脱穀物は移
送板１０ａにより穀粒と藁屑とが層状に分けられるよう
に比重選別されながら選別網１０ｂ上に送り込まれる。

その際、揺動選別体１０の一方は偏芯量８により最も上
昇した点で前進する方向に円運動し、他方は大きな揺動
半径で前後揺動するので、例えば２ｔ＝１２％とした場
合、第１図に示す如くピッチ１０％、高さ８％の突条を
有する移送板１０ａの前端部では上下径１０％、前後径
１２％の楕円運動をなし、選別網１０ｂの前端では上下
径４％、前後径１２％の長細い楕円運動を行う。

なお、実験例では偏芯量８を毎分４５０回転させた。

このような選別網１０ｂ上の穀粒は選別網１０ｂの煽動
乃至は揺動と選別網１０ｂの傾斜にともなって順次前方
へ移動し、その間に長さ３〜６％の穀粒は従来のように
横線を一挙にかつ高速で乗り越えるようなことはなく、
丁度網目上に止まるか通過せんとするとき確実に網目よ
り落下し、一端が横線上に停止せんとすると横線を支点
として他端部側に下降し網目から漏下することとなり、
結局穀粒は従来のように選別網１０ｂ上を激しく前後移
動したり飛びはねたりすることなく静かにかつ的確に漏
下する。

また、穀粒と略等しい比重の切藁は揺動選別体１０の振
幅が小さいので、第７図に示す如（大きく跳ね上げるこ
となく略網面に沿う平らな姿勢で前方に送られることと
なり、網目から漏下することなく穂切れ等と共に中継担
１０ｃ上に転送され、二番移送選別体１０ｂに受は渡さ
れる。

更に前記転送された被選別物は跳ね飛ばされることな（
軽く上下動しながら二番移送選別体１０ｄが下降傾斜し
ていることと前記揺動とが相俟って比較的安定した状態
で順次移送され、その間に混入する穀粒や穂切れ等が漏
下し、藁屑は排塵口４から後方へ排出される。

前記選別網１０ｂ及び二番移送選別体１０ｄによる篩選
別時に風選されることは勿論であり、二番移送選別体１
０ｄから漏下した二番物は二番原板１５により二番受樋
１２へ向けて逆向に送り戻され、それが二番螺旋により
機側に移送されると、二番スロワ−２７はそれを移送板
１０ａ上に還元する。

而して二番移送選別体１０ｄは下降傾斜していて低くな
っており、それにともなって二番移送選別体１０ｄ上に
充分な高さの風路を構成しながら排塵選別室１９の天板
１８も低く形威し得るので風車７による選別風は四番口
２８の下方でそれ程上向となることがなく、その結果四
番口２８からの吹き出しを防止することができる。

また、天板１８は第２図に鎖線で示す如〈従来の実線で
示すものより低くなっているので、カッター２０（又は
結束装置）を低い位置に装着することができ機体の安定
性を著しく向上せしめることができる。

本考案は前述のように扱室の下方から排塵口に向う選別
風路に、脱穀物中の一番穀粒を篩分けする選別網と、該
選別網の網上物を受継して移送しながら篩選別する二番
移送選別体等からなる揺動選別体を支架した脱穀機にお
いて、前記二番移送選別体をその移送終端となる排塵口
側へ向けて緩かな下向勾配となるように傾斜させたので
、選別網から二番移送選別体上に送り込まれた被選別物
はスムーズに移送され、その間に穂切れを含む二番物を
確実に回収し、藁屑はそれが濡れていても堆積すること
なく排塵口に排出される。

従って、二番移送選別体自体が全体として低くなること
と、該二番移送選別体上に藁屑が堆積しないこととが相
俟って風路の方向を上方へ向けて変換させることが殆ん
どなく、四番口等から選別風が噴風となって吹き出すの
を少なくし、以って良好な環境で作業を行うことができ
ると共に噴風によって吹き出された藁屑や塵埃がエンジ
ンのエアクリーナー及びラジェーターの目等に詰るのを
防止することができる。

また、二番移送選別体を緩い下り勾配とすることにより
その上方の排塵室の天板を低くしても充分排塵すること
ができ、その結果天板上にカッター又は結束機等の排藁
処理装置を抵く搭載することが可能になり、機体の後部
に排藁処理装置を連設する必要がなく、かつ機体の重心
が低くなり、コンバイン等の操向性及び安定性を向上せ
しめることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の→りを示す脱穀装置の縦断側面図、第
２図は従来例の縦断側面図、第３図は横断面図、第４図
は要部の斜視図、第５図は同上側面図、第６図は従来例
の拡大断面図、第７図は本実施例の拡大断面図である。 ３・・・受網、４・・・排塵口、１・・・風車、８・・
・偏芯輪、９・・・揺動アーム、１」・・揺動選別体、
１０ａ・・・移送板、１０ｂ・・・選別網、１０ｄ・・
・二番移送選別体、１５・・・二番原板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱室の下方から排塵口に向う選別風路に、脱穀物中の一
   番穀粒を篩分けする選別網と、該選別網の網上物を受継
   して移送しながら篩選別する二番移送選別体等からなる
   揺動選別体を支架した脱穀機に動いて、前記二番移送選
   別体をその移送終端となる排塵口側へ向けて緩かな下向
   勾配となるように傾斜させたことを特徴とする脱穀機に
   おける選別装置。