JPS582238B2 - 2−オルガノチオ−2−シクロペンテノン類及びこれらの製造方法 - Google Patents

2−オルガノチオ−2−シクロペンテノン類及びこれらの製造方法

Info

Publication number
JPS582238B2
JPS582238B2 JP4197577A JP4197577A JPS582238B2 JP S582238 B2 JPS582238 B2 JP S582238B2 JP 4197577 A JP4197577 A JP 4197577A JP 4197577 A JP4197577 A JP 4197577A JP S582238 B2 JPS582238 B2 JP S582238B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen atom
carbon atoms
group
formula
coor1
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP4197577A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS53111037A (en
Inventor
橋本喜信
黒住精二
小林真喜子
融健
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US05/775,119 external-priority patent/US4180672A/en
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Publication of JPS53111037A publication Critical patent/JPS53111037A/ja
Publication of JPS582238B2 publication Critical patent/JPS582238B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な2−オルガノチオ−2−シクロペンテノ
ン類及び之等の化合物の製造法に関する。
本発明の新規な2−オルガノチオ−2−シクロペンテノ
ン類は、下記式〔■〕、 〔式中、Zは水素原子、水酸基又は保護された水酸基で
ある。
Rは−CH2−A2+COOR1)n又は−A3−■を
表わす。
ここでA2は炭素数3もしくは8のアルキレン基、R1
は水素原子又は炭素数1〜6の低級アルキル基、nは0
又は1を表わす。
但しn=0のとき−(COOR1)nは水素原子を表わ
す。
A3は炭素数1〜5のアルキレン基、■はフエニル基を
表わす。
該フエニル基は置換基として−Y−A1−(COOR1
)nを有していてもよい。
ここでYは−O−、A1は炭素数1〜3のアルキレン基
、R1は水素原子又は炭素数1〜6の低級アルキル基、
nは0又は1を表わし、nが0のとき−(COOR1)
nは水素原子である。
〕で表わされる。
本発明の上記新規な2−オルガノチオ−2−シクロペン
タン類は、下記式〔■〕、 〔式中、Eは>C=O又は(但しZ′は水素原子、水酸
基又は保護された水酸基である)であり、Xは−S−、
−CH2−又は−CH=であり、一は単結合又は2重結
合を示し、R′は炭素数1〜25の一価又は二価の有機
基、Rは、上記定義に同じ、Zは、水素原子、水酸基又
は保護された水酸基である。
但し、Z及びZ′が共に、水酸基又は保護された水酸基
を表わす場合は、Xは−S−を表わす。
〕で表わされる化合物の中間体となるものである。
前記式〔■〕で示される新規な2−オルガノチオ−2−
シクロペンテノン類はそれ自体例えば抗炎症作用の如き
有用な生理活性を有する化合物である。
近年プロスタグランジンは医薬として幅広い応用が考え
られており、特に人造プロスタグランジンはその特異な
生理作用を示すものが知られており医薬品としての応用
が注目されている〔例えば総説としてイー・ホートン(
E. Horton)らニュー・サイエンテイスト(N
ew Scientist)、Jan.1st、9(1
976)参照〕。
特に最近プロスタノイド骨格を構成する炭素原子をヘテ
ロ原子で置換した類縁体、例えばチアプロスタノイド類
はその特異な生理作用すなわちプロスタノイド拮抗体と
して働くことなどが知られ注目されている。
〔ジエー・フレンド(J.Fried、ジャーナル・オ
ブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエテイ(J. Am
er・Chem.Soc.) 、96、6759(19
74);アイ・ブラタス(I.Vlattas)ら、テ
トラヘドロン・レターズ(TetrahedronLe
tters) 4459(1974)、J.Amer.
Chem, Soc.98、2008(1976)およ
びメルク特許(Marck Patent) 、ベルギ
ー828925(1975)参照〕。
しかるに従来、シクロペンタノン環の2位の位置で硫黄
原子を介して側鎖が結合したE型プロスタン酸誘導体は
全く知られておらず、従って、その製造方法も全く知ら
れていない。
本発明によれば、下記式〔■〕、 〔式中、R及び2は上記定義に同じである。
〕で表わされる前記の2−オルガノチオ−2−シクロペ
ンテノン類は、下記式〔■〕 〔式中、2は上記定義に同じである。
〕で表わされるシクロペンテノン又はその誘導体をそれ
自体公知の方法によりエポキシ化して下記式〔■〕 〔Zの定義は上記と同じ。
〕で表わされる2・3−エポキシ−シクロペンタノン又
はその誘導体を形成し、次いでこれに下記式〔■〕 HS−R・・・〔■〕 〔式中、Rは上記定義に同じである。
〕で表わされるメルカプタンを、塩基性化合物の存在下
で反応させることによって製造することができる。
上記合成経路において製造される前記式〔■〕で表わさ
れる2・3−エポキシ−シクロペンタノン誘導体(2は
水素原子、水酸基又は保護された水酸基)もまた、本発
明者の知る限り、従来文献未載の新規化合物であり、前
記式〔■〕で表わされる2−オルガノチオ−2−シクロ
ペンテノン類を製造するための重用な中間体である。
以下本発明の製造法を各段階の反応に分けて更に詳細に
説明する。
(1)第1段階(エポキシ化) 本発明方法において出発物質として用いられる上記式〔
■〕で表わされるシクロペンテンテノン誘導体は、光学
活性体であってもラセミ体であってもよく、それらの3
・5−ジアセトキシシクロペンテンからの製造法は、例
えば、西独公開公報2558190号に記載されている
式〔■〕におけるZは水素原子、水酸基又は保護された
水酸基であって、水酸基の保護基としては、例えば、t
−ブチルジメチルシリル、トリメチルシリル、トリペン
ジルシリルなどのトリ有機シリル基、あるいは2−テト
ラヒドロピラニル、2−テトラヒドロフラニル、1−エ
トキシエチルなどの水酸基の酸素原子と共にエーテル結
合を形成する基が好ましい。
第1段階のエポキシ化は、かかるシクロペンテノン誘導
体と過酸化水素とを塩基性物質の存在下に反応せしめる
ことにより行われる。
塩基性物質としては、カセイソーダ、カセイカリなどの
無機塩基が好ましく用いられ、その使用量はシクロペン
テノン誘導体に対して1〜100倍モル、特に2〜20
倍モルの範囲で好ましく用いられる。
かかる塩基性物質は、通常0.5〜5N、好ましくは0
.5〜3Nの濃度の水溶液で用いられる。
過酸化水素は通常、約10〜90%、特に20〜50%
の水溶液で用いられる。
その使用量はシクロペンテノン誘導体に対して1〜20
0倍モル、特に好ましくは2〜100倍モルの範囲であ
る。
反応は不活性有機溶媒の存在下に行うのが進行をスムー
ズにさせる為に好ましい。
かかる溶媒としては、水と混合するものが適当であり、
例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピル
アルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど
のエーテル類が挙げられる。
有機溶媒の使用量はシクロペンテノン誘導体に対して1
〜200倍モル、好ましくは3〜100倍モルである。
反応は温和な条件で容易に進行するため、−10〜10
0℃、特に好まし《は0〜60℃の温度範囲で行われる
反応時間は、反応温度、反応溶媒などにより異なるが、
1分〜30時間、好ましくは15分〜15時間行えば十
分である。
反応は薄層クロマトグラフイーなどの手段により原料の
シクロペンテノン誘導体の消失をもって終点とすること
が出来る。
反応後、好ましく1ま例えば塩化アンモニウム又は硫安
の如き塩の存在下で水にて中和し、エーテルの如き適当
な水と非混和性の有機溶媒にて抽出し、有機層を飽和塩
化アンモニウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄し、乾燥後
、濃縮して得られる・粗生成物を薄層クロマトグラフイ
ー、カラムクロマトグラフイーなどの手段により精製す
ることにより高純度の前記式〔■〕で示されるエポキシ
シクロペンタノン誘導体を得ることが出来る。
かくして、本発明において得られるエポキシシクロペン
タノン誘導体の具体例としては例えば4−t−ブチルジ
メチルシロキシ−2・3−エポキシシクロペンタン−1
−オン;4−トリメチルシロキシ−2・3−エポキシシ
クロペンタン−1−オン;4−}IJベンジルシロキシ
ー2・3−エポキシシクロペンタン−1−オン:4−(
2−テトラヒドロビラニロキシ)−2・3−エポキシシ
クロペンタン−1−オン;4(1−エトキシエチル)−
2・3−エポキシシク口ペンタン−1−オン;4−(2
−テトラヒドロフラニルオキシ)−2・3−エポキシシ
クロペンタン−1−オン;4−ヒドロキシ−2・3−エ
ポキシシクロペンタン−1−オンなトヲ挙げることが出
来る。
(2)第2段階(有機チオ基の導入) 本発明によれば、前述したとおり、下記式〔2は上記定
義に同じである。
〕で表わされる2・3−エポキシ−シクロペンタノン又
はその誘導体に、下記式〔■〕 HSR・・・〔■〕 〔式中、Rは上記定義に同じである。
〕で表わされるメルカプタンを、塩基性化合物の存在下
で反応せしめることによって、下記式〔■〕〔式中、R
及び2の定義は前記と同じ。
〕で表わされる2−オルガノチオ−2−シクロペンテノ
ン類を製造することができる。
かかる2−オルガノチオ−2−シクロペンテノン類とし
て下記式〔■−1〕 〔式中、2は水素原子、水酸基又は保護された水酸基、
A2は炭素数3もしくは8のアルキレン基、R1は水素
原子又は炭素数1〜6の低級アルキル基、nは0又は1
を表わす。
但しn=0のとき−(COOR1)nは水素原子を表わ
す。
〕で表わされるものが、特に生理活性の高い前記式〔■
〕で表わされるオルガノテオシクロペンタン類に導くこ
とができ、且つそれ自体としても特異な生理活性を有す
ることにおいて有用である。
従来、2・3−エポキシ−シクロヘキサンが求核性試薬
によってオキシド環が開裂し2−置換シクロヘキセノン
誘導体を与えることは知られている。
〔M. A.Tobiasら、J.Org.Chem.
, 35、1709(1970)参照〕しかし、本発
明の上記第2段階の反応におけるように2・3−エポキ
シ−シクロペンタノン又は4−置換(Z)−2・3−エ
ポキシ−シクロペンタノン誘導体は〔■〕がチオール類
と反応してチオシクロペンテノン誘導体を与える反応及
びそれにより形成されるテオシクロペンテノン誘導体は
知られていない。
本発明の上記第2段階の反応に用いられる塩基としては
、例えば苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸カリ、炭酸ソーダ
の如きアルカリ金属の水酸化物又は炭酸塩;又は例えば
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の第
3級アミン、例えばジアザビシクロ〔2・2・2〕オク
タン、ジアザビシクロ〔3・4・0〕ノネンの如きビシ
クロ強塩基、及び例えばベンジルトリメチルアンモニウ
ムハイドロキサイドの如き第4級アンモニウム類の如き
有機強塩基が好適である。
特に、上記の第3級アミン類、就中トリエチルアミンが
好適である。
上記第2段階の反応をより良く進行させるために不活性
溶媒を使用することが好ましい。
用いられる溶媒としては、原料化合物を溶解し得る不溶
性溶媒であればいかなるものでも良いが、好ましくはメ
タノール、エタノール、の如きアルコール類、エチルエ
ーテル、テトラヒドロフランの如きエーテル類、ヘキサ
ン、ベンゼンの如き炭化水素類が好適である。
溶媒の使用量は反応をスムーズに進行させるに十分な量
があれば良く、通常は原料の1〜100倍容量、好まし
くは2〜20倍容量が用いられる。
本発明において用いられるメルカプタン類〔■〕の量は
化学量論的に原料に対して当モル用いるのが好ましい。
反応を触媒する塩基は原料に対して通常0.0 01〜
20倍モル、好ましくは0.1〜2倍モルが用いられる
反応温度は−20〜100℃の範囲でよい。
反応は発熱的に進行することもあり、0〜30℃が好ま
しい。
反応の進行は原料の消失をもって終了とみなす。
これは通常はガスクロマトグラフィー、薄層クロマドグ
ラフィー等の方法により追跡される。
通常は20分〜2時間で反応は完結する。
反応温度が高いほど反応は早く進行し、反応温度が比較
的低い場合は反応は遅く進行する。
反応後、上記式〔■〕で示される2−オルガノチオ−2
−シクロペンテノン類は反応液を通常の方法により処理
することにより分離、精製される。
例えば抽出、洗滌、蒸留、クロマトグラフィー、あるい
はこれらの組合せによる方法により分離、精製する。
本発明の第2段階の反応で用いるメルカプタン類として
は、下記式〔■〕 HSR・・・〔■〕 〔式中、Rは−CH2−A2−(COOR1)n又は−
A3−■を表わす。
ここでA2は炭素数3もしくは8のアルキレン基、R1
は水素原子又は炭素数1〜6の低級アルキル基、nは0
又は1を表わし、n=0のとき−(COOR1)nは水
素原子を表わす。
A3は炭素数1〜5のアルキレン基、■はフエニル基を
表わし、該フエニル基は置換基として−Y−A1−(C
OOR1)nを有していてもよく、ここでYは−O−、
A1は炭素数1〜3のアルキレン基、R1は水素原子又
は炭素数1〜6の低級アルキル基、nは0又は1を表わ
し、n=0のとき−(COOR1)nは水素原子を表わ
す。
〕で表わされる化合物である。
しかし、生理活性の観点から、下記式〔■−1〕HS−
CH2−A2−(COOR1)n・・・〔■−1〕〔式
中、A2、R1、nの定義は上記に同じ。
〕で表わされるメルカプタン類が好適である。
かかる式〔■−1〕で表わされるメルカプタン類を用い
ることにより下記式〔■−1〕 〔式中、A2、R1、n,Zの定義は上記に同じ。
〕で表わされる好適な2−オルガノチオ−2−シクロペ
ンテノン類を製造することができる。
また下記式〔■−2〕 HS−A3−■・・・〔■−2〕 〔式中、A3、■の定義は上記に同じ。
〕で表わされるメルカブタン類を反応させることにより
下記式〔■−2〕 〔式中、A3、■、Zの定義は上記に同じ。
〕で表わされる2−オルガノチオ−2−シクロペンテノ
ン類が得られる。
上記のメルカプタン類として特に好適なものを例示すれ
ば以下の通りである。
式〔■−1〕で表わされるメルカプタン類:n−オクチ
ルメルカプタン、ω−メルカプトプロピオン酸、ω−メ
ルカプトプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メ
チル−n−へプチルメルカプタン。
式〔■−2〕で表わされるメルカプタン類:3−フエニ
ルプロピルメルカプタン、2−(m−メルカプトメチル
フエノキシ)プロピオン酸、2−(p−メルカプトメチ
ルフエノキシ)プロピオン酸、ベンジルメルカプタン、
3−フエニルブロピルメルカプタン、5−フエニルペン
チルメルカプタン、m−カルボメトキシメトキシベンジ
ルメルカプタンp−カルボメトキシメトキシベンジルメ
ルカプタン。
かくして得られる上記式〔■〕で表わされる2−オルガ
ノチオ−2−シクロペンテノン類に塩基性化合物の存在
下又は不存在下に下記式〔■a〕HSRa′・・・〔■
a〕 〔式中、Ra′は炭素数1〜25の一価の有機基を示す
〕で表わされるメルカプタンを反応させることにより下
記式〔■a′〕 〔式中、R、 Ra′及び2の定義は上記に同じ。
〕で表わされるオルガノチオ−シクロペンタノンが生成
され、これは必要に応じてこれを還元してオルガノチオ
シクロペンタノールに転換し、そのシクロペンタン環に
置換した水酸基を、更に所望によりそれ自体公知の方法
により保護された水酸基に転換することができる。
また上記式〔■〕で表わされる2−オルガノチオ−2−
シクロペンテノンに、非プロトン性不活性有機溶媒の存
在下、下記式〔■〕 〔式中、X1は−CH2−又は−CH=であり、Rb′
は有機銅リチウム化合物に対して不活性の置換基を有し
ていてもよい炭素数1〜25の一価又は二価の有機基で
あり、一は単結合又は二重結合を示し、Qは一価の有機
基又は無機基であり、pは1又は2である。
〕で表わされる有機銅リチウム化合物を反応せしめて下
記式〔■b′〕 〔式中、R、 Rb′、 X1、Zおよびーの定義は前
記に同じである。
〕で表わされるオルガノチオ−シクロペンタノンを形成
させ、Zが水素原子の場合には必要に応じこれを還元し
てオルガノチオ−シクロペンタノールに転換し、そのシ
クロペンタン環に置換した水酸基を更に所望によりそれ
自体公知の方法により保護された水酸基に転換すること
ができる。
かくして、本発明で提供される2−オルガノチオ−2−
シクロペンテノン類は、前記式〔■〕で表わされる新規
なプロスタグランジン類に変換され、それ故に新規なプ
ロスタグランジン類の中間体として有用である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
参考例 1 (1)4−t−ブチルジメチルシロキシ−2・3−エポ
キシシクロペンタン−1−オン 4−t−ブチルジメチルシロキシシクロペント−2−エ
ン−1−オン(400■)をメタノール(10ml)に
溶解し、室温にて35%過酸化水素水(5ml)を加え
た。
次いで、2N−カセイソーダ水溶液(3ml)を水冷下
徐々に加え、加え終った所で水浴をはずし、室温にて2
時間攪拌した。
飽和塩化アンモニウム水を加え、エーチルにて抽出した
有機層を飽和塩化アンモニウム水および飽和食塩水に順
次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留
去した。
得られた油状物を薄層クロマトグラフイー(シクロヘキ
サン:エーチル=8:2)にて精製し、4 − t −
ブチルジメチルシロキシ−2・3−エポキシシクロペン
タン−1−オン345mg(収率80%)を得た。
すなわち、このもののスペクトルデータは以下の通りで
あった。
IR(液体フイルム);1750、1 2 6 0、9
05、830cm−1 NMR(Ccl4ppm);0. 05(6H)、0.
78(9H、S)、1.70(1H、 d、 J=18
Hz)、2.4 0 (1H、dd、J=18.5Hz
)、3.20(1H、s)、3.60(1H、s)、4
.48(1H、d、J=5Hz)(254−t−ブチル
ジメチルシロキシ−2−n−オクチルチオシクロベント
−2−エン−1−オ(2−ヒドロキシ−2−メチルへブ
チルチオ)シクロベント−2−エン−1−オン、 (3)4−t−ブチルジメチルシロキシ−2−(3−フ
エニルプロピル)シクロペント−2−エン−1−オン、 (4)4−t−ブチルジメチルシロキシ−2−〔m又は
p−(1−カルボキシエトキシ)ベンジルチオ〕シクロ
ペント−2−エン−1−オン、実施例 1 4−ヒドロキシ−2−n−オクチルチオシクロペント−
2−エン−1−オン の製造: 上記(1)で得られた4−t−ブチルジメチルシロキシ
−2・3−エポキシシクロペンタン−1−オン212m
gとn−オクチルメルカプタン146■をエーテル5m
lに溶解し、これにトリエチルアミン148mgを加え
た。
室温で1時間攪拌した後、反応物を塩化アンモニウム水
にあけて、酢酸エチルで抽出し、常法により処理し粗製
物を得、このものを薄層クロマトグラフィー(シクロヘ
キサン:酢酸エチル=6:4)で精製し、4−t−ブチ
ルジメチルシロキシ−2 −n−オクチルチオシクロペ
ント−2−エン−1−オン110mg(収率35%:を
得た。
このものの性状は次の通りであった。■R(液体フィル
ム);1720cm−1NMR(Ccl4、ppm)
;0.08(6H、s)、0.9 (9H、s)、0.
9(9H、s)、0.9 (3H、t)、1.3〜1.
6(12H)、2.0〜3.1(4H)、4.1(1H
、m)、6.90(1H、t) Mass(70eV、m/e) ;356(M+)、同
様に、4−t−ブチルジメチルシロキシ−2・3−エポ
キシシクロペンタン−1−オンに対応するメルカプタン
類を反応させることにより、下記の通りの化合物が製造
される。
(2)4−t−ブチルジメチルシロキシ−2−の製造: 4−t−ブチルジメチルシロキシ−2−n−オクチルチ
オシクロペント−2−エン−1−オン90mgを酢酸:
水:テトラヒドロフラン=3:1:1の溶液5mlに溶
解し、48時間室温で反応させた。
反応後を重炭酸ソーダで中和後、酢酸エチルで抽出した
抽出液を常法により処理することにより、薄層クロマト
グラフイー(シクロヘキサン:酢酸エチル=4:6)で
精製し、単一のスポットの4−ヒドロキシ−2 − n
−オクチルチオシクロペント−2−エン−1−オン48
mg(収率84%)を得た。
このものの性状は次の通りであった。
IR(液体フイルム); 3350、1720cm−1
、NMR(Ccl4、ppm); 0.9(3H、t)、1.3〜1.6(12H)、1.
7 〜2.9(5H)、4.1(1H、m)、6.9(
1H、d)、 Mass(70eV、m/e);224(M+−18)
、 同様に対応する4−t−ブチルジメチルシロキシ−2−
オルガノチオシクロペント−2−エン−1一オンを加水
分解することにより下記の如き相当する4−ヒドロキシ
−2−オルガノチオシクロペント−2−エン−1−オン
が製造される。
実施例 2 4−t−ブチルメチルシロキシ−2−(3−カルボメト
キシプロピルチオ)シクロペント−2−エン−1−オン の製 造: 実施例1の(1)の方法と同様にして製造した4−t−
ブチルジメチルシロキシ−2・3−エポキシシクロベン
ト−2−エン−1−オン212mgとω−メルカプトプ
ロピオン酸メチル123■をメタノールに溶解し、トリ
エチルアミン95mgを加え、室温で30分反応後、反
応液よりメタノールを減圧で留去し、エーテルと塩化ア
ンモニウム水溶液を加え、水層なエーテルで抽出した。
抽出液を常法により処理し、粗製物を得、薄層クロマト
グラフイー(シクロヘキサン:酢酸エチル=6:4)で
精製し、217mgの4−t−ブチルジメチルシロキシ
−2−(3−カルボメトキシプロピルチオ)シクロペン
ト−2−エン1−1オン(収率69%)を得た。
このものの性状は下記の通りであった。IR(液体フイ
ルム);1745、171cm−1、NMR(Ccl4
、ppm); 0.08(6H)、0.9(9H)、1.8〜3.1(
6H)、3.6(3H、s)、 4.05(1H、m)、6.90(1H,t)、Mas
s(70eV,m/e);330(M+)実施例 3 4−ヒドロキシ−2−(3−カルボメトオキシプロピル
チオ)シクロペント−2−エン−1−オン の製 造: 4−t−ブチルジメチルシロキシ−2−(3−カルボメ
トオキシプロピルチオ)シクロペント−2−エン−1−
オン200mgを、実施例2と同様の処理をして精製し
、4−ヒドロキシ−2−(3−カルボメトオキシプロピ
ルチオ)シクロペント−2−エン−1−オン110mg
(収率85%)を得た。
このものの物性は下記の通りであった。IR(液体フイ
ルム);1745、1715cm−1、NMR (Cc
l4、ppm); 1.8 〜3.1(7H)、3.6(3H,s)、4.
05(1H,m)、6.85(1H,t)、Mass
(70eV, m/e) ;216(M+)、参考例
2 2・3−エポキシ−4−(2−テトラヒドロピラニルオ
キシ)シクロペンタン−1−オン4−(2−テトラヒド
ロピラニロキシ)シクロペント−2−エン−1−オン(
1g)をメタノール(20ml)に溶解し、室温にて3
0%過酸化水素水(l0ml)を加えた。
続いて氷冷しながら2N−カセイソーダ(3ml)をゆ
つくり加えた。
室温にて1.5時間撹拌した後、実施例1の(1)と同
様の後処理をした。
得られた粗生成物を薄層クロマトグラフイー(シクロヘ
キサン:酢酸エチル=7:3)にて精製し、2・3−エ
ポキシ−4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)シク
ロペンタン−1−オン730mgを得た(収率84%)
このもののスペクトルデータは下記の通りであった。
実施例 4 2−n−オクチルチオシクロベント−2−エンの製造: n−オクチルメチルカプタン3.50gを用いて反応を
行ない、そしてクロマトグラフィーにより精製して、2
−n−オクチルチオシクロペント−2−エン−1−オン
2.9g(収率53%)を得た。
このものの性状は下記の通りであった。
IR(液体フィルム);1710cm−1。
NMR(Ccl4、ppm); 0.9 (3H、t)、1.3(12H)、2.1〜2
.9(6H)、7.0 0 (1H, dd).Mas
s(70eV,m/e);226(M+)実施例 5 2−(3−フエニルプロピルチオ)シクロペント−2−
エン−1−オン 2・3−エポキシシクロペンタノン1.0gと3−フエ
ニルプロピルメルカプタン1.06gをエーテル20m
lに溶解し、20滴のトリエチルアミンを加えて、室温
で2時間反応させた。
反応後、反応混合物より減圧にて溶媒を留去した後、1
.50gの残渣をドライカラムクロマトグラフイー(シ
クロヘキサン:酢酸エチル=8:2)にて精製して、1
.03gの2−(3−フエニルプロピルチオ)シクロペ
ント−2−エン−1−オン(収率64%)を得た。
このものの性状は下記の通りであった。同様に、2・3
−エポキシシクロペンタノンに、対応するメルカプタン
類を反応せしめることにより、下記の通りの化合物が製
造される。
実施例 6 2−(3−カルボメトオキシプロピルチオ)シクロペン
ト−2−エン−1−オン 2・3−エポキシシクロペンタノン6.8gとω−メル
カプトプロピオン酸メチル0.45gをエーテル5ml
に溶解し、これにトリエチルアミン300mlを加えて
実施例15と同様にして処理して精製し、2−(3−カ
ルボメトオキシプロピルチオ)シクロペント−2−エン
−1−オン440mg(収率55%)を得た。
このものの物性は次の通りであった。
実施例 7 2−〔m− (1−カルボエトキシ)ベンジルチオ〕−
2−シクロペント−2−エン−1−オン2・3−エポキ
シシクロペンタノン196■(2.0mmol)に2−
(m−メルカプトメチルフエノキシ)プロピオン酸42
4mg(2.Ommol)のメタノール溶液5mlを加
え、さらにトリエチルアミン348mg(3.4mmo
l)を0℃にて滴下し、その後室温にて約1時間撹拌し
た。
その後常法通りに処理、抽出(酢酸エチル)を行なって
粗生成物478mgを得、これを薄層クロマトグラフイ
ー(イソプロピルエーテル:エチルエーテル:酢酸=8
0:20:3)により精製して2−〔m−(1−カルボ
キシエトキシ)ベンジルチオ〕−2−シクロペント−2
−エン−1−オン187mgを得た(収率32%)。
このものの性状は下記の通りであった。
IR(ヌジョール);1730、1700cm−1。
NMR(CDcl3、ppm); 1.65(3H、d)、2.27〜2.78(4H、M
ass (70eV、 m/e);292(M+).同
様に、2・3−エポキシシクロペンタノンに、対応する
メルカプタン類を反応せしめることにより、下記化合物
が製造される。
実施例 8 2−〔p−(1−カルボキシエトキシ〕ペンジルチオ〕
−2−シクロペント−2−エン−1−の製造: 2・3−エポキシシクロペンタノン311■(3.2m
mol)をメタノール2ml中にとかし、これに2−(
p−メルカプトメチルフエノキシ)プロピオン酸628
mg(3.Ommol)のメタノール溶液3mlを加え
、さらにトリエチルアミン450mg(4. 5mmo
l)を0℃にて滴下して室温にて約70分間撹拌を行な
い、常法通り操作して粗生成物755■を得た。
次いでこれを精製して2−〔p−(1−カルボキシエト
キシ)ベンジルチオ〕−2−シクロペント−2−エン−
1−オン297■を得た(収率34%)。
このものの性状は下記の通りであった。
IR(ヌジョール);1730、1700cm−1、N
MR(CDcl3、ppm); 1.60(3H、d)、2.28〜2.77(4H、m
)、3.96(2H、s)、4.75(1H,q)、6
.45 〜7.38(5H、m)、9.3(1H,bs
)。
Mass(70eV,m/e):292(M+)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記式〔■〕 〔式中、Zは水素原子、水酸基又は保護された水酸基で
    ある。 Rは−CH2−A2−(COOR1)n又は−A3−■
    を表わす。 ここでA2は炭素数3もしくは8のアルキレン基、R1
    は水素原子又は炭素数1〜6の低級アルキル基、nは0
    又は1を表わす。 但しn=0のとき−(COOR1)nは水素原子を表わ
    す。 A3は炭素数1〜5のアルキレン基、■はフエニル基を
    表わす。 該フエニル基は置換基とじて−Y−A1(COOR1)
    nを有していてもよい。 ここでYは−O−、A1は炭素数1〜3のアルキレン基
    、R1は水素原子又は炭素数1〜6の低級アルキル基、
    nは0又は1を表わし、nが0のとき−(COOR1)
    nは水素原子である。 〕で表わされる2−オルガノチオ−2−シクロペンテノ
    ン類。 2 下記式(■−1) 〔式中、Zは水素原子、水酸基又は保護された水酸基、
    A2は炭素数3もしくは8のアルキレン基、R1は水素
    原子又は炭素数1〜6の低級アルキル基,nは0又は1
    を表わす。 但しn=0のとき−(COOR1)nは水素原子を表わ
    す。 〕で表わされる特許請求の範囲第1項記載の2−オルガ
    ノチオ−2−シクロペンテノン類。 3 下記式〔■−2〕 〔式中、2は水素原子、水酸基又は保護された水酸基、
    A3は炭素数1〜5のアルキレン基、■はフエニル基
    を表わす。 該フエニル基は置換基として−Y−A1−(COOR1
    )nを有していてもよい。 ここでYは−O−、A1は炭素数1〜3のアルキレン基
    、R1は水素原子又は炭素数1〜6の低級アルキル基、
    nは0又は1を表わし,n=0のとき、−(COOR1
    )nは水素原子である。 〕で表わされる特許請求の範囲第1項記載の2−オルガ
    ノチオー2−シクロペンテノン類。 4 下記式〔■〕 〔式中,Zは水素原子、水酸基又は保護された水酸基で
    ある。 〕で表わされるシクロペンテノン又はその誘導体を、そ
    れ自体公知の方法によりエポキシ化して下記式〔■〕 〔式中、Zの定義は上記と同じである。 〕で表わされる2・3−エポキシ−シクロペンタノン又
    はその誘導体を形成し、次いで下記式〔■〕HS−R・
    ・・〔■〕 〔式中、Rは−CH2−A2−(COOR1)n又は−
    A3−■を表わす。 ここでA2は炭素数3もしくは8のアルキレン基、R1
    は水素原子又は炭素数1〜6の低級アルキル基、nは0
    又は1を表わし、n=0のとき−(COOR1)nは水
    素原子を表わす。 A3は炭素数1〜5のアルキレン基、■はフエニル基を
    表わし、該フエニル基は置換基として−Y−A1−(C
    OOR1)nを有していてもよく、ここでYは−〇−、
    A1は炭素数1〜3のアルキレン基,R1は水素原子又
    は炭素数1〜6の低級アルキル基,nは0又は1を表わ
    し,n=0のとき−(COOR1)nは水素原子を表わ
    す。 〕で表わされるメルカプタンを塩基性化合物の存在下に
    反応させることを特徴とする下記式〔■〕〔式中、Z、
    Rの定義は上記に同じである。 〕で表わされる2−オルガノチオ−2−シクロペンテノ
    ン類の製造法。
JP4197577A 1977-03-07 1977-04-14 2−オルガノチオ−2−シクロペンテノン類及びこれらの製造方法 Expired JPS582238B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US05/775,119 US4180672A (en) 1976-08-13 1977-03-07 2-Organothio-2-cyclopentenones, organothio-cyclopentanes derived therefrom

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS53111037A JPS53111037A (en) 1978-09-28
JPS582238B2 true JPS582238B2 (ja) 1983-01-14

Family

ID=25103382

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4197577A Expired JPS582238B2 (ja) 1977-03-07 1977-04-14 2−オルガノチオ−2−シクロペンテノン類及びこれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS582238B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0984001B1 (en) * 1997-03-05 2007-04-18 Takara Bio Inc. 4-organothio-2-cyclopentenones and 3-organothio-2-cyclopentanones, production and pharmaceutical uses thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JPS53111037A (en) 1978-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7345181B2 (en) Process for preparing prostaglandin derivatives and starting materials for the same
JPH0451538B2 (ja)
JPS582238B2 (ja) 2−オルガノチオ−2−シクロペンテノン類及びこれらの製造方法
JPH0141142B2 (ja)
JP2546559B2 (ja) ジイソピノカンフェイルクロロボランのインシトゥー製造
JPS5846510B2 (ja) 13,14−デヒドロ−11−デオキシ−プロスタグランジン及びその製造法
JPH025746B2 (ja)
US4384127A (en) Process for synthesis of optically pure prostaglandin E2 and analogs thereof
JP2001322950A (ja) 2−アルキレンアダマンタンの製造方法
JPS6344143B2 (ja)
US4052434A (en) Prostaglandin intermediates
JP2571250B2 (ja) プロスタグランジン化合物
JPS60181068A (ja) 6−置換プロスタグランジンe↓1類およびその製造法
US3898248A (en) Dioxatricyclodecenes
JPH0124147B2 (ja)
JPH09227577A (ja) 錯体及びそれを用いたヒドロキシスルフィド類の製造方法
JPH0262548B2 (ja)
JPH0430951B2 (ja)
JPH0352879A (ja) ムスカリンの中間体
JPS61189245A (ja) 2−ハロ−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類およびその製造法
JPS6045613B2 (ja) シス−3−ヘキセン−1,6−ジオ−ルの製造法
JPS6377839A (ja) イソカルバサイクリン類及びその製造法
JPH0725847A (ja) プロスタグランジンe1類縁体
JPS609512B2 (ja) 1,3ービス(2‐テトラハイドロピラニル)―5―フルオロウラシルの製造法
JPH0220616B2 (ja)