JPS582069Y2 - 回転ヘッド装置におけるリ−ド線の配線構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えばテニプレコーダのリバース機に適用され
る回転ヘッド装置におけるリード線の配線構造に関する
ものである。

従来からこの種回転ヘッド装置として、ヘッド支持台と
、そのヘッド支持台に回転自在に取付けられた回転軸と
、その回転軸の一端にヘッド支持体を介して取付けられ
た記録再生用ヘッドと、テープの走行方向に応じて上記
回転軸を回転駆動する駆動部材と、上記回転軸の他端に
取付けられた回転腕に一端が連結されたスプリングとを
具備し、上記駆動部材による駆動と上記スプリングとに
よる共働作用とによって上記回転軸を駆動して、上記ヘ
ッドをテープの走行方向に応じて所定の角度範囲内で回
転調整するように構成した回転ヘッド装置がある。

この種回転ヘッド装置では、上記ヘッドと所定の回路と
を結ぶリード線がそのヘッドの回転によって不測によじ
れたり或いはばらついたりし易い。

特に上記スプリングをコイルスプリングにて構成し、か
つそのコイルスプリングの近くにリード線を配線するよ
うにしたものでは、例えば第６図に示すように、上記ヘ
ッドの回転時にそのコイルスプリング４０が伸び縮みす
る時に、リード線４１がそのコイルスプリング４０と直
角に交差してそのコイルスプリング４０のピッチ間に不
測に挾み込まれて、断線するような事故が往々にして発
生し易い。

本考案は上述の如き欠陥を是正すべく考案されたもので
あって、前述した回転ヘッド装置において、上記ヘッド
と所定の回路とを結ぶリード線を極めて効果的に配線処
理出来るものを提供しようとするものである。

以下本考案をカセットデツキのリバース機における磁気
ヘッド装置に適用した一実施例を第１図〜第５図によっ
て説明する。

先ず磁気ヘッド装置を説明すれば、このカセットデツキ
は縦型であり、垂直状をなすシャーシ１の前面にヘッド
基板２が取付けられている。

このヘッド基板２は第１図で上下方向に往復動自在に構
成され、ヘッド基板往復動駆動機構（図示せず）にて往
復動駆動される。

ヘッド基板２の前面にヘッド支持台３がビス止め等にて
取付けられている。

ヘッド支持台３には垂直状をなす回転軸４が回転自在に
軸支されている。

回転軸４の上端にはヘッド支持体５が固着され、そのヘ
ッド支持体５に磁気ヘッド６がビス止め等にて取付けら
れている。

なお回転軸４とヘッド支持体５とを一体に成形すること
も可能である。

ヘッド支持台３には一対の腕部７ａ、７ｂが一体に成形
されていて、これら両腕部７ ａ 、７ ｂに一対のア
ジマス調整ネジ８ａ、８ｂが取付けられている。

なお両アジマス調整ネジ８ａ、８ｂは両腕部７ ａ 、
７ ｂに設けられたネジ孔９ ａ 、９ ｂにネジ込ま
れ、かつ回り止め用のバネ１０ａ、１０ｂにて押えられ
ている。

ヘッド支持体５の一部に回転腕１１が一体に成形されて
いて、この回転腕１１が両アジマス調整ネジ８ａ、８ｂ
の先端に交互に当接されて、ヘッド支持体５の回転角度
が規制される。

なおその回転角度はほぼ１８０°である。

一方回転軸４の下端には従動ギヤー１３が取付けられて
いる。

この従動ギヤー１３に係合されてこれを駆動する駆動部
材である駆動ギヤー１４が別に設けられている。

この駆動ギヤー１４は扇形ギヤーに形成されていて、支
点軸１５を介してヘッド支持台３に回転自在に軸支され
ている。

駆動ギヤー１４には回転腕１６が一体に成形されていて
、この回転腕１６はヘッド基板２及びシャーシ１に設け
られた開口１７ ａ 、１７ ｂを挿通してシャーシ１
の背面側に突出されている。

シャーシ１の背面には駆動スライダー１８が取付けられ
ている。

この駆動スライダー１８は第１図で左右方向に往復動自
在に構成され、駆動スライダー往復動駆動機構（図示せ
ず）にて往復動駆動される。

この駆動スライダー１８には第１図で上下方向の長孔１
９が設けられていて、この長孔１９に駆動ギヤー１４の
回転腕１６が挿入されている。

なおこの長孔１９はヘッド基板２の往復動時における回
転腕１６の逃げとなり、かつ回転腕１６に対して長孔１
９は充分な遊びがある。

また従動ギヤー１３には回転腕２１が一体に成形され、
その回転腕２１の先端に一体に成形されたバネ係止部２
２と、ヘッド基板２の一部に一体に成形されたバネ係止
部２３との間にトグルバネ２４が架は渡されている。

なおこのトグルバネ２４はコイルスプリングからなる引
張バネにて構成されている。

なお前記ヘッド基板往復動駆動機構及び駆動スライダー
往復動駆動機構としては例えばプランジャーを用いる機
構の如く各種の機構を用い得るが、通常はモータの回転
力を間欠回転ギヤー機構を介して受けて、間欠的に回転
駆動されるカム機構によりヘッド基板２及び駆動スライ
ダー１８を各々所定のタイミングで往復動駆動する機構
が用いられる。

次に磁気ヘッド６の回転駆動状況を説明すると、先ずノ
ーマル状態では磁気ヘッド６は第２図に実線で示される
高さに保持されている。

なおこの状態ではトグルバネ２４のバネ力により回転軸
４を介してヘッド支持体５が第３図で反時計方向に回動
附勢され、第３図で実線の如く回転腕１１が一方のアジ
マス調整ネジ８ａの先端に当接されて、それ以上の回転
が規制されている。

なおこのノーマル状態でアジマス調整ネジ８ａを調整す
れば、トグルバネ２４との共働作用により、ヘッド支持
体５を第３図で時計方向又は反時計方向に簡単に回動調
整させて、テープＴに対する磁気ヘッド６のアジマスを
簡単に調整出来る。

次にノーマル状態からリバース状態への切換えは、駆動
スライダー１８が第４図で矢印方向に所定のストローク
分スライドされることによって行われる。

即ち駆動スライダー１８が第４図で矢印方向にスライド
されると、長孔１９部分で回転腕１６が押されて、駆動
ギヤー１４が第４図で時計方向に回動される。

すると従動ギヤー１３が第４図で反時計方向に回動され
て、回転軸４を介してベッド支持体５が第３図で時計方
向に回動される。

この際回転腕・・２１の回動に伴ってトグルバネ２４が
引き伸ばされるが、この引き伸ばしも、バネ係止部２２
が回転軸４の軸心Ｐ１とバネ係止部２３の中心Ｐ２とを
結ぶ中心線Ｐ３を越えるまでであり、バネ係止部２２力
伸心線Ｐ３を第４図で反時計方向に越えた瞬間に、トグ
ルバネ２４は縮少し、その時のバネ力により回転腕２１
．回転軸４を介してヘッド支持体５が第３図で時計方向
に瞬間的に回動される。

なおこの際従動ギヤー１３により駆動ギヤー１４が第４
図で時計方向に駆動され、回転腕１６は長孔１９の遊び
の範囲内で回動される。

しかしてヘッド支持体５と共に磁気ヘッド６が回転され
、ヘッド支持体５がほぼ１８０°回転した時に、第３図
で鎖線の如く回転腕１１が他方のアジマス調整ネジ８ｂ
の先端に当接して、上記回転が停止され、かつ以後その
状態に保持される。

そしてヘッド支持体５の上記はぼ１８０°の回転により
、磁気ヘッド６の高さが第２図に鎖線で示されるリバー
ス状態に切換えられる。

なおこのリバース状態で、アジマス調整ネジ８ｂを調整
すれば、トグルバネ２４との共働作用により、ヘッド支
持体５を第３図で反時計方向又は時計方向に簡単に回動
調整させて、テープＴに対する磁気ヘッド６のアジマス
を簡単に調整出来る。

また以上述べた磁気ヘッド装置によれば、駆動ギヤー１
４によって従動ギヤー１３がその回転角度の士以上、即
ちほぼ９０°以上に回転されると、トグルバネ２４の働
きによってヘッド支持体５を自動的に所定方向に回転駆
動させるように構成したものであるから、駆動スライダ
ー１８の往復動ストロークを正確に規制しなくても、磁
気ヘッド６の所定角度（はぼ１８０’）の回転切換えを
常に正確に行える。

しかもこの際磁気ヘッド６のアジマスが決った時点では
、回転腕１６が長孔１９及び開口１７ ａ 、１７ｂ内
で遊んでいて、駆動、−ライダー１８及びヘッド基板２
に対して無接触状態となっている。

従って磁気ヘッド６はその回転駆動系に対して完全に切
り離された状態を呈し、磁気ヘッド６のアジマス調整及
びヘッド基板２の往復動に影響を全く与えない。

次に上記磁気ヘッド装置に採用されたリード線保持装置
を説明する。

先ず前記トグルバネ２４は前述したようにコイルスプリ
ングにて構成されている。

また前記回転軸４は中空軸に構成されていて、これには
中心孔２６が設けられている。

そして前記磁気ヘッド６の入出力端子２７と、前記ヘッ
ド基板２に取付けられたプリント基板２８の所定の回路
パターン２９との間がリード線３０によって配線（結線
）されている。

なおこの場合力セットテ゛ツキがステレオである関係で
磁気ヘッド６の入出力端子２７は４端子であり、リード
線３０は４本になっている。

しかして上記リード線３０は、前記回転軸４の中心孔２
６を挿通され、更にトグルバネ２４の中空部３１を挿通
されて、このトグルバネ２４によってばらつかないよう
に保持されている。

以上要するにコイルスプリングからなるトグルバネ２４
がリード線３０の保持具を兼用しており、前述した磁気
ヘッド６の回転切換え時に、リード線３０がばらついて
、その配線近傍部の各所に不測に引っ掛かったり、或い
はトグルバネ２４自体に不測に挾み込まれたりして、断
線するような事故は全く発生しない。

また磁気ヘッド６の回転軸４の中心孔２６にリード線３
０を挿通したことで、磁気ヘッド６の回転切換え時にリ
ード線３０が不測によじれるようなことはない。

ところでトグルバネ２４は導電性を有する金属線にて成
形されており、シャーシ１及びヘッド基板２は板金にて
或′形されている。

従ってトグルバネ２４はヘッド基板２を介してシャーシ
１に接地された状態になっており、このトグルバネ２４
はリード線３０のシールド効果を発揮する。

この結果リード線３０がハムを拾い、磁気ヘッド６の記
録及び再生信号にノイズが現われるようなことを極力防
止出来て、精度良い記録、再生を行える。

本考案は上述した如く、ヘッド支持台と、そのヘッド支
持台に回転自在に取付けられた回転軸と、その回転軸の
一端にヘッド支持体を介して取付けられた記録再生用ヘ
ッドと、テープの走行方向に応じて上記回転軸を回転駆
動する駆動部材と、上記回転軸の他端に取付けられた回
転腕に一端が連結されたスプリングとを具備し、上記駆
動部材による駆動と上記スプリングとによる共働作用と
によって上記回転軸を駆動して、上記ヘッドをテープの
走行方向に応じて所定の角度範囲内で回転調整するよう
に構成した回転ヘッド装置において、上記スプリングを
中心に沿って中空部が形成されているコイルスプリング
にて構成すると共に、上記回転軸にもその中心に沿って
中心孔を貫通させて設け、上記回転調整される上記ヘッ
ドと所定の回路とを結ぶリード線を、上記回転軸の中心
孔及び上記コイルスプリングの中空部内に沿ってこれら
の軸線方向に挿通させて配線したことを特徴とする回転
ヘッド装置におけるリード線の配線構造である。

従って本考案によれば、ヘッドが回転調整される際にリ
ード線が不測によじれたり或いはばらついたりすること
が全くなく、況んやリード線が、伸び縮みするコイルス
プリングと直角に交差してそのコイルスプリングのピッ
チ間に不測に挾み込まれて、断線するような事故を確実
に防止することが出来る。

そして中空の回転軸受及びコイルスプリングでリード線
の保持具を兼用させる構造であって、別の専用のリード
線保持具を用いなくても良いものであるから、非常に低
コストなものが得られる。

また中空の回転軸及びコイルスプリングの中空部内に沿
ってこれらの軸線方向にリード線を挿通させたものであ
って、これら回転軸及びコイルスプリングは通常導電性
を有する金属にて成形される関係で、リード線のシール
ド効果も発揮出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案をカセットデツキのリバース機
に適用した一実施例を示したものであって、第１図は正
面図、第２図は平面図、第３図は第１図ｌｌｌ−ＩＩＩ
線断面図、第４図は第１図ＩＶ−ＩＶ線断面図、第５図
は斜視図である。 第６図はコイルスプリングによるリード線の挾み込み、
断線事故を説明する斜視図である。 また図面に用いられた符号において、２・・・・・・ヘ
ッド基板、３・・・・・・ヘッド支持台、４・・・・・
・回転軸、５・・・・・・ヘッド支持体、６・・・・・
・磁気ヘッド（記録再生用ヘッド）、１４・・・・・・
駆動ギヤ（駆動部材）、２１・・・・・・回転腕、２４
・・・・・・コイルスプリング、２６・・・・・・回転
軸の中心孔、２８・・・・・・プリント基板、３０・・
・・・・リード線、３１・・・・・・コイルスプリング
の中空部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘッド支持台と、そのヘッド支持台に回転自在に取付け
   られた回転軸と、その回転軸の一端にヘッド支持体を介
   して取付けられた記録再生用ヘッドと、テープの走行方
   向に応じて上記回転軸を回転駆動する駆動部材と、上記
   回転軸の他端に取付けられた回転腕に一端が連結された
   スプリングとを具備し、上記駆動部材による駆動と上記
   スプリングとによる共働作用によって上記回転軸を駆動
   して、上記ヘッドをテープの走行方向に応じて所定の角
   度範囲内で回転調整するように構成した回転ヘッド装置
   において、上記スプリングを中心に沿って中空部が形成
   されているコイルスプリングにて構成すると共に、上記
   回転軸にもその中心に沿って中心孔を貫通させて設け、
   上記回転調整される上記ヘッドと所定の回路とを結ぶリ
   ード線を、上記回転軸の中心孔及び上記コイルスプリン
   グの中空部内に沿ってこれ、、らの軸線方向に挿通させ
   て配線したことを特徴とする回転ヘッド装置におけるリ
   ード線の配線構造。