JPS5812647Y2 - 化粧用シ−ト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は化粧用シートに関するものである。

従来化粧用シートは綿繊維をシート化したもので、化粧
料の塗布・除去・パッティング等に使用されているが、
これは綿の吸水・保水機能とソフトな触感がその用途に
好適であると判断されたからである。

しかしこれはあく迄も単体としての適性判断で、欠点は
あるもの・総合的に他の単体より有利であると云うに過
ぎない。

その欠点とは、■ 化粧料の塗布・除去時の摩擦で綿繊
維のホツレ現象を生じ顔面に繊維ケバが残存付着したり
する。

■ 化粧料を含浸した時使用前の嵩高性が失われ極めて
薄くなる所謂ヘタリ現象を生じ、化粧料のボタ落ちやシ
ミ出しの原因となる。

■ シート体そのものに伸びがなく、強く圧展動作をす
ると破損する。

等の問題を有していた。本考案はこれらの背景に鑑みな
されたものであり、その目的とする点は、現用シートの
前記欠点を全て解消し、従来にない適度な柔軟性と、使
用機能性を有する化粧用シートを提供することにある。

前記目的を達成するための本考案の特徴は、表面がポリ
エチレン層であるポリプロピレン繊維からなる布帛構成
された第一のシートと、前記第一のシートの表裏面に設
けられた吸水・保水性繊維と表面がポリエチレン層であ
るポリプロピレン繊維が、混合融着された第二のシート
と、前記第一のシートと第二のシートを結合するポリエ
チレン融着層とからなるものである。

考案者は、この欠点の解消のため当初吸水・保水性繊維
に熱可塑性の合成樹脂繊維を配合することを考えたが、
これは融着に当り合成樹脂繊維そのものが融解して繊維
状態を失ない硬さのみ強調されたものとなり意に反した
。

次に適当な不織布シートと綿シートを接着貼合してみた
が、接着剤層の影響で硬い部分が生ずると共に吸水性が
劣ること・、シートが硬くなることで使用に適さなかっ
た。

こ・においてシート体を構成する繊維素材そのもの・特
性を失うことなく、繊維表面層のみが接続点を形成する
事が可能な繊維体が必要であること、更には化粧用シー
トそのものに伸縮機能及び引っ張り強度を付与するため
には布帛構成されたシート体の配設が必要であることが
判明した。

考案者は前記条件を満すべく種々の検討を重ねた結果、
繊維表面層のみの接続点形成には繊維の中核部と表皮部
が異質の素材構成をなす複合繊維体が良好である事を見
出した。

以下図面にもとづいて本案を説明すると、第１図は本考
案の構造状態図であり、第２図は本考案の応用実施例で
ある。

布帛構成された第一のシート１は表面がポリエチレン層
であるポリプロピレン繊維７からなる繊維素材よりなっ
ている。

これは繊維中核部３がポリプロピレン樹脂素材であり、
繊維表皮部４がポリエチレン樹脂である合成樹脂複合繊
維体であり、繊維中核部３より繊維表皮部４は融点の低
い特徴を有するものである。

本複合繊維体としてはチッソ（株）のＥＳ、 ＥＡ織繊
維最も好適である。

前記合成樹脂複合繊維体からの第一のシート１の布帛構
成は織物５編物類を含むものである。

更に前記第一のシート１に機能的な変化をもたらすため
には若干の吸水・保水性の繊維素材を配合して布帛構成
としても良い。

このようにして布帛構成された第一のシート１の表裏面
には、吸水・保水性繊維６と表面がポリエチレン層であ
るポリプロピレン繊維７が混合され、その等の触接部分
で融着された第二のシート２が設けられる。

こ・で使用される吸水・保水性繊維６とは綿。

麻、ウール等の天然繊維やビニロン、アクリル系吸水繊
維等の合成繊維や更にはキュプラレーヨン。

ビスコースレーヨン、セルロース系吸水ｍ維等の再生繊
維等である。

又、表面がポリエチレン層であるポリプロピレン繊維に
ついては、前記第一のシート１に記した事項に準するも
のである。

尚第二のシート２について更に詳細すれば、第１図に示
す如く適当な柔軟性と弾性を有し、互生核部３よりも低
温で融解する表皮部４を有する熱可塑性の合成樹脂複合
繊維体７と吸水・保水性繊維体６を適宜比率で混合した
後、熱風加熱処理をなして表皮部４のみを融解し、前記
合成樹脂複合繊維体どうしの融着はもとより吸水・保水
性繊維体６との触接部分に表皮融着部即ち結合部５を形
成せしめたもので、この結果柔軟な中核部３が健在な合
成樹脂複合繊維体７はその柔軟性や弾性を失なうことな
く、表皮融着結合部５が極めて小面積の接点部分でのみ
形成される混合融着状態となる。

従って吸水・保水性繊維体６はその吸水・保水機能を劣
化されることはない。

即ち第二のシート２は両繊維体６，７の長所を具備する
もので、繊維ホットやヘタリ現象が合成樹脂複合繊維体
７の強度と弾力により解消すると共に、シートを圧縮収
納しても取り出せば弾性により当初の形状に復元する従
来のシートにない新機能のため、非常にコンパクトに包
装し得、保管輸送上に大きな利をもたらすものである。

このようにして仕上げられた第二のシート２と前記第一
のシート１は、片面設置状態又は両面設置状態に積層し
た後熱風処理により融着層８として層間剥離のない一体
化シートとして形成されること）なる。

両シートの結合状態は前記吸水・保水性繊維６と合成樹
脂複合繊維７の結合状態と同一構造をとるものであり、
全て繊維表皮部４のポリエチレン層を介して行なわれる
ため強固な結合部となる。

尚、前記第一シート１については機能面で不織布の使用
も可能となる。

以上の如く構成される本考案にあっては、第一のシート
１の有する布帛構成において化粧用シートとしての伸縮
性の機能と引っ張り強度の向上の機能をもつものであり
、第二のシート２の前記効果を兼備している事から、従
来のこの種のシートにはない幾多の利点を有するものと
して完成した。

更に第一のシート１、第二のシート２の繊維体６．７の
混合比率を変化させる事で、所望の風合や、化粧量の種
類、性質に適応したシートとして形成することが可能で
ある。

更に附言すれば、本考案シートの諸性能はナプキン、バ
ット類、オムツベース類等の衛生及び医療用品等におい
て通ずるもので応用化が高く、業界に寄与するところ大
なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案シートの構造状態図である。 第２図：本考案シートの応用実施例断面図である。 図中の符号 １・・・・・・布帛構成された第一のシー
ト、２・・・・・・繊維混合融着された第二のシート、
３・・・・・・繊維中核部、４・・・・・・繊維表皮部
、５・・・・・・結合部、６・・・・・・吸水・保水性
繊維、７・・・・・・表面がポリエチレン層であるポリ
プロピレン繊維、（合成樹脂複合繊維）８・・・・・・
ポリエチレン融着層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表面がポリエチレン層であるポリプロピレン繊維からな
   る布帛構成された第一のシート１と、前記第一のシート
   の表裏面に設けられた吸水・保水性繊維と表面がポリエ
   チレン層であるポリプロピレン繊維が混合融着された第
   二のシート２と、前記第一のシートと第二のシートを結
   合するポリエチレン融着層８と、からなる化粧用シート
   。