JP2971418B2 - 衛生物品用表面シート - Google Patents

衛生物品用表面シート

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JP2971418B2
JP2971418B2 JP9196233A JP19623397A JP2971418B2 JP 2971418 B2 JP2971418 B2 JP 2971418B2 JP 9196233 A JP9196233 A JP 9196233A JP 19623397 A JP19623397 A JP 19623397A JP 2971418 B2 JP2971418 B2 JP 2971418B2
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sheet
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正満 山本
正樹 村上
隆光 伊賀上
浩之 丹治
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衛生物品用表面シ
ートに関し、さらに詳しくは、生理用ナプキン、使い捨
てオムツなどの衛生物品の着用時に、着用者の肌が当接
する該物品の表面を形成するシートに関する。
【0002】
【従来技術】従来、特公昭57−17081において、
衛生物品の表面シートとして、プラスチックフィルムに
所定間隔で先細毛細管が形成されたものが知られてい
る。しかし、この表面シートは、その素材がプラスチッ
クフィルムであることから、フィルム光沢を呈し、肌に
フィルム感触を与える。また、肌にぴったり付着してい
わゆるベタツキを与えるとともに、肌と表面シート間の
通気性や、皮膚呼吸を妨げるなどの問題がある。
【0003】特開昭55−146738においては、前
記問題を少なくするため、表面シートの上面を凹凸状に
し、開口模様を不規則にするなどの手法により、上面に
繊維状外観を付与することが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭55−1467
38に開示されている表面シートは、プラスチックフィ
ルムだけを素材とする点において特公昭57−1708
1の表面シートと本質的に変りがなく、繊維状外観を付
与するには限界がある。この表面シートは、フィルム光
沢をなくすことには或る程度成功しているといえよう
が、肌にフィルム感触を与えることはいなめないうえ、
いわゆるベタツキや、通気性や、皮膚呼吸などの改善に
ついての課題もいまだ充分に解決されているとはいえな
い。
【0005】本発明は、熱可塑性フィルム層の上面に、
肌に当接する繊維層を溶着して複合化するとともにこれ
らに所定間隔で体液を透過するための開口を配列するこ
とにより、前記問題を解決することができる表面シート
を提供することを主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】衛生物品用表面シートに
係る本発明は、シート基材が熱可塑性フィルム層および
該フィルム層の上面に溶融接合されている熱可塑性繊維
を含有する繊維層からなり、前記シート基材には開口が
所定間隔で配列されている衛生物品用表面シートにおい
て、前記フィルム層と前記繊維層とが溶融接合する面積
はそれら両層面の30%以上であって、その接合強度は
前記シート基材の25mm幅で5g以上であり、前記開
口の周縁に連続して前記シート基材の下面から下方向へ
延出する毛細管が形成されていることを特徴とする。
【0007】本発明は、前記毛細管がその基端からその
先端へ次第に小径になるように延びている点、前記毛細
管がその基端からその先端へ同径で延びている点、前記
毛細管がその基端からその先端へ次第に大径になるよう
に延びている点、及び、前記フィルム層及び繊維層が親
水性を有している点の構成を含む。
【0008】また、本発明は、前記毛細管が実質的に前
記繊維層だけから形成されている態様をも含む。この態
様の場合でも、前記繊維層が親水性を有していてもよ
い。
【0009】
【作用】前記構成を有する表面シートは、内部に吸液性
コアを有する衛生物品の表面を形成するために使用され
る。この使用状態においては、体液が各開口を透過して
衛生物品の内部に吸収される。繊維層は着用者の肌にぴ
ったり付着することなく当接し繊維布感触を与えるとと
もに、皮膚と表面シートとの間で通気がなされ、皮膚呼
吸を妨げない。フィルム層は吸液性コアに吸収された体
液の繊維層への逆流を阻止する機能を発揮する。フィル
ム層と繊維層とから形成されている毛細管を有する表面
シートにおいては、それらが毛細管を補強し保形する機
能を発揮する。
【0010】
【発明の実施の態様】図面を参照しながら、本発明に係
る表面シートの実施態様について説明すると、以下のと
おりである。
【0011】図1は、表面シート1の平面図、図2は、
図1の表面シート1の部分拡大断面図である。表面シー
ト1の基材は、熱可塑性フィルム層2と、熱可塑性繊維
を含有する繊維層3とからなる。シート基材、すなわ
ち、フィルム層2及び繊維層3には開口4が所定間隔で
配列されているとともに、開口4の周縁に連続してフィ
ルム層2及び繊維層3の下面から下方向へ延出する毛細
管5が形成されている。毛細管5は開口4から下端開口
7へ径が次第に小さくなるテーパに形成されている。
【0012】図3は、表面シート1の別の態様を示し、
図2に相当する断面図である。毛細管5は、開口4から
下端開口7までが実質的に同じ径に形成されている。
【0013】図4は、表面シートのさらに別の態様を示
し、図2に相当する断面図である。毛細管5は、開口4
から下端開口7へ径が次第に大きくなるテーパに形成さ
れている。
【0014】毛細管5を形成しているフィルム層2及び
繊維層3の周壁6a,6bの肉厚は、表面シート1の非
開口部であるリブのフィルム層2および繊維層3のそれ
ぞれの肉厚よりも小さくなっている。また図4の毛細管
5を形成しているフィルム層2の周壁6a,6bは、下
端開口7へ次第に肉薄になっているとともに、下端開口
7とその近傍には実質的に管軸方向へ延びる幾条かのし
わを有する。
【0015】図5は、表面シート1のさらに別の態様を
示し、図2に相当する断面図である。毛細管5の断面形
も図2のそれとほぼ同じである。ただし、図5の毛細管
5は、主として繊維層3から形成され、フィルム層2が
繊維層3の開口4の下面該周縁に短い管を形成してい
る。図5の毛細管5における繊維層3も下端開口7へ次
第に肉薄になっている。図示してないが、繊維層3によ
る毛細管5は、図3、図4のそれと同じ断面であっても
よい。
【0016】各開口4の合計占有割合はフィルム層2ま
たは繊維層3の30〜70%、径は0.2〜2mm、長
さ(高さ)は0.50〜5mm、開口間におけるリブの
幅は0.5〜2.5mmであることが好ましい。
【0017】熱可塑性フィルム層2の素材としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系合
成樹脂が最も好ましいが、その他の合成樹脂、たとえ
ば、ポリエステル、ナイロン、EVAなども用いること
ができる。フィルム層の厚さは、一般的には7〜30μ
である。フィルム層の素材には、濡れ特性を繊維層3の
それよりも大きくするため、若干量、例えば0.50〜
1重量%の親水性付与剤を含有させてもよい。この親水
性付与剤としては、親水性表面活性剤としてのポリエチ
レングリコールなどのほか、CMC、PVAなども用い
ることができる。
【0018】繊維層3の繊維の配向は特に問われず、そ
の配向は、パラレル、ランダム、これらの混合のいずれ
であってもよい。しかし、表面シート1の長さ方向、換
言すると、表面シートを適用する衛生物品の長さ方向
へ、例えば、30%以上の繊維が配向していると、同方
向へ体液が流動拡散する傾向が強められる。
【0019】繊維層3の素材としては、熱可塑性繊維を
10重量%以上、好ましくは、40重量%以上含有す
る。熱可塑性繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピ
レンなどのポリオレフィン系合成樹脂が最も好ましい。
繊維層を形成しフィルム層2を接合するには、メルトブ
ロン繊維を形成しながらフィルム層2に熱融着させる
か、予めメルトブロン繊維でウエブに形成したものをフ
ィルム層に熱融着させるか、スパンボンド不織布、メル
トボンド不織布、ニードリング不織布のいずれかを熱融
着させる。繊維層の態様によっては、レイヨン、アセテ
ート、コットンなどの親水性繊維を、皮膚に湿潤感を与
えたり皮膚をまあり濡らさない程度の適宜量、例えば4
0重量%以下を含有させてもよい。繊維層の坪量は3〜
30g/m2、繊維径は、可及的に小さいものが好まし
いが、複数種の繊維を混用する場合もあることを考慮す
ると、0.1〜100μであり、特に熱可塑性繊維径は
0.1〜40μであることが好ましい。
【0020】フィルム層2と繊維層3とが接合する面積
はそれ層面の30%以上であって、その接合強度は
れら両層からなるシート基材の25mm幅で5g以上で
あることが好ましい。接合面積が30%未満であると、
接合強度が低下して層間剥離するおそれがあるばかりで
なく、両層間における空隙率が大きくなってその空隙に
体液が滞留してその流動拡散性を低下させることにな
る。
【0021】
【発明の効果】本発明に係る表面シートは、フィルム層
の上面に極細の繊維不織布である繊維層が溶融接合され
ているシート基材で構成されているから、この表面シー
トにより、内部に吸液性コアを有する生理用ナプキンや
使い捨てオムツなどの衛生物品の表面を形成すると、フ
ィルム層が肌に直接当接する既述の従来技術である表面
シートに比較して、繊維布感触に優れることはもちろん
のこと、肌との密着面が少なく、肌と表面シート間の通
気性や、皮膚呼吸が充分にはかられる。その結果、皮膚
にいわゆるベトツキや湿潤感を与えることがなく、ひい
ては皮膚病の原因を未然に防止することができる。
【0022】また、毛細管を有しその内周面に繊維層が
位置している表面シートにおいては、体液を効果的に表
面シートから前記物品内部へ導き、繊維層に体液が滞留
するのを最少にして繊維層が常に乾燥状態にあるように
保つことができる。
【0023】また、毛細管がフィルム層と繊維層とで形
成されている表面シートにおいては、毛細管が補強され
保形性を発揮するから、衛生物品に適用した場合、毛細
管が表面シートと衛生物品の吸液性コアとの間で押しつ
ぶされるようなことが少なく、体液の導入機能を充分に
果たすことができる。
【0024】フィルム層と繊維層とが接合する面積はそ
れら両層面の30%以上であって、その接合強度はシー
ト基材の25mm幅で5g以上であるので、シート基材
が両層間で層間剥離するおそれがなく、両層間における
空隙が生じその空隙に体液が滞留してその流動拡散性を
低下させることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維層の一部を剥離した表面シートの平面図。
【図2】図1の部分拡大断面図。
【図3】別の態様を示す、図2に相当する断面図。
【図4】さらに別の態様を示す、図2に相当する断面
図。
【図5】さらに別の態様を示す、図2に相当する断面
図。
【符号の説明】
1 表面シート 2 フィルム層 3 繊維層 4 開口 5 毛細管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−169801(JP,A) 特開 昭62−125061(JP,A) 特開 昭60−259261(JP,A) 実開 平1−59121(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 A61F 13/15

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート基材が熱可塑性フィルム層および該
    フィルム層の上面に溶融接合されている熱可塑性繊維を
    含有する繊維層からなり、前記シート基材には開口が所
    定間隔で配列されている衛生物品用表面シートにおい
    て、前記フィルム層と前記繊維層とが溶融接合する面積はそ
    れら両層面の30%以上であって、その接合強度は前記
    シート基材の25mm幅で5g以上であり、 前記開口の
    周縁に連続して前記シート基材の下面から下方向へ延出
    する毛細管が形成されていることを特徴とする前記表面
    シート。
  2. 【請求項2】前記毛細管がその基端からその先端へ次第
    に小径になるように延びている請求項1に記載の表面シ
    ート。
  3. 【請求項3】前記毛細管がその基端からその先端へ同径
    で延びている請求項1に記載の表面シート。
  4. 【請求項4】前記毛細管がその基端からその先端へ次第
    に大径になるように延びている請求項1に記載の表面シ
    ート。
  5. 【請求項5】前記フィルム層が親水性を有している請求
    項1に記載の表面シート。
  6. 【請求項6】前記繊維層が親水性を有している請求項1
    に記載の表面シート。
  7. 【請求項7】シート基材が熱可塑性フィルム層および該
    フィルム層の上面に溶融接合されている熱可塑性繊維を
    含有する繊維層からなり、前記シート基材には開口が所
    定間隔で配列されている衛生物品用表面シートにおい
    て、前記フィルム層と前記繊維層とが溶融接合する面積
    はそれら両層面の30%以上であって、その接合強度は
    前記シート基材の25mm幅で5g以上であり、前記開
    口の周縁に連続して前記シート基材の下面から下方向へ
    延出する前記繊維層で毛細管が形成されていることを特
    徴とする前記表面シート。
  8. 【請求項8】前記繊維層が親水性を有している請求項7
    に記載の表面シート。
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