JPS5811079Y2 - 過電圧保護回路付送信機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は無線送信機の電力増幅器の過電圧保護回路に関
する。

自動車などの移動体に塔載されて使用される無線送信機
の動作電源は、一般に当該移動体のもつ電池により他の
諸装置と共に供給される。

しかしながら移動体に塔載される電池の規格は何種類か
あるので、間違えて別の規格の電池が接続されたり、又
は、電池に接続される他の装置（例えばクーラーなど）
の電源の開閉に伴なって過渡的に過電圧が発生したりし
て、送信機に供給される直流電圧が異常に上昇すること
がある。

このような場合に送信機のトランジスタが破損されない
ように、送信機の電力増幅器には過電圧保護回路が必要
である。

従来の過電圧保護回路を第１図に示す。

第１図において１は送信励振部、２は電力増幅器、３，
３′は他の電力増幅器、４は電源装置、５は過電圧検出
回路、６は遅延回路、７は電圧制御回路、８は送信出力
オン／オフ制御回路の如く構成されており、４の出力電
圧が過電圧となった場合過電圧検出回路５より過電圧信
号７に送出され、電圧制御回路７は遅延回路６を経由し
てくる電圧を電力増幅器２へ供給することを停止し、従
って電力増幅器３，３′への高周波信号が低下し２およ
び３，３′が過電圧に対し保護される。

しかしながら従来の第１図の回路では、電圧制御回路７
により電力増幅器２への正常時の供給電圧が低下という
欠点があり、更に過電圧時に電力増幅器２の入力インピ
ーダンスが大幅に変化するので、前段の励振部の負荷が
大幅に変化し、前段の回路の保護をも考慮しなければな
らないという欠点がある。

また、従来のこの種の過電圧保護回路として、励振器に
定電圧電源を与え、過電圧に対しては当該定電圧電源の
出力を零、従って励振未出力を零とする過電圧保護回路
が知られています（実公昭４８１４７３０）。

しかしながら上記構成では、定電圧を出力すると共に該
定電圧出力を過電圧を検出して零とするための上記定電
圧電源を過電圧防止専用の回路として別に与えなければ
ならず、従来装置の構成を利用して過電圧保護回路を構
成することができない。

また、上記構成では直流電源が直接電力増幅器に与えら
れる構成であるので、過電圧が生じ定電圧電源の出力が
零となり励振器出力が零となるまでの間、過電圧が増幅
器に印加され、能動素子が破壊又は劣化するおそれがあ
る。

従って本考案は従来の技術の上記欠点を除去することを
目的とし、この目的を達成するための重要な特徴として
本考案は、（ａ）通常送信機が具備する送信出力オン／
オフ制御回路を高速動作のものとし、（ｂ）直流電源を
遅延回路を介して増幅器に印加するごとく構成すること
により、過電圧時に励振回路の出力を直ちにオフすると
共に増幅器への電源印加に遅延時間を与え、過電圧に対
してもより有効に電力増幅器を保護することにある。

以下図面により本考案の実施例を説明する。

第２図は本考案による送信機のブロックダイヤグラムを
示し、参照番号１は励振回路、２は電力増幅器、３と３
′は別の電力増幅器、４は直流電源装置、５は過電圧検
出回路、６は遅延回路、９は高速動作のオン／オフ制御
回路をしめす。

直流電源装置４の出力電圧が何等かの原因で過電圧状態
となると、過電圧検出回路５が出力を発生し、これによ
りオン／オフ制御回路９が動作して励振回路１への電力
供給を停止する。

これにより電力増幅器２，３及び３′への励振が停止さ
れるので、電力増幅器への供給直流電圧が少々過電圧と
なっても電力増幅器を構成するトランジスタが破壊され
ることはなくなる。

電力増幅器は一般に０級にバイアスされて使用されるの
で、励振電力が印加されたときの最大電圧は電源電圧よ
りも高くなるので、励振電力を遮断することにより電力
増幅器に印加される最大電圧を低下させることが出来る
。

なお、遅延回路６がもうけられているので送信電力オン
／オフ制御回路９が動作するまでの過渡的な過電圧も防
止される。

オン／オフ制御回路９は過電圧の検出に対し、遅延回路
６の遅延時間内で高速動作する。

以上説明したように本考案では、過電圧時に高速動作の
送信出力オン／オフ制御回路を制御して励振回路の出力
をオフすることにより増幅器を保護する。

従って、本考案では第１図で示した従来の送信機の構成
を利用して過電圧保護を行なうことが可能であり、前述
の実公昭４８−１４７３０号のように別に専用の過電圧
保護回路をもうける必要はない。

また、オン／オフ制御回路９として高速動作のものが用
いられ、更に増幅器は遅延回路を介して電源に接続され
るので、過電圧の発生時から励振回路の出力が断とされ
るまでの過渡期においても、増幅器への過電圧の印加が
防止される。

このような高速動作のオン／オフ制御回路と遅延回路と
の相乗による過電圧に対する保護は本考案の重要な特徴
で、前述した実公昭４８−１４７３０号から何ら示唆さ
れるものではない。

また、本考案では、第１図の従来例のごとき電力増幅器
への供給電圧を制御する電源電圧制御回路が不要となり
、該電源電圧制御回路の挿入による正常時の供給電圧の
低下もない。

さらに過電圧の時にも電力増幅器への電圧が供給されて
いるので、過電圧時にも各段における負荷変動が少ない
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の技術による送信機のブロックダイヤフラ
ム、第２図は本考案による送信機のブロックダイヤグラ
ムである。 １；送信励振回路、２，３．３’ ：電力増幅器、４；
直流電源装置、５；過電圧検出器、６；遅延回路、７；
電源電圧制御回路、８；送信出力オン／オフ制御回路、
９；高速動作送信出力オン／オフ制御回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 励振回路と、その出力に接続される電力増幅器及びアン
   テナと、各部に動作電力を供給する直流電源装置とを有
   する無線送信機において、直流電源装置と電力増幅器と
   の間に挿入される遅延回路と、前記直流電源装置の出力
   電圧を監視する過電圧検出器と、該過電圧検出器の出力
   に従って前記励振回路を介して送信出力を制御する高速
   動作の送側出力オン／オフ制御回路とを有し、該オン／
   オフ制御回路は前記遅延回路の遅延時間内で高速動作す
   るごとく構成されてなることを特徴とする過電圧保護回
   路付送信機。