JPS6127234Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、音声増巾回路とスピーカとを含む
電気機器、例えば車載用無線通信機における電源
電圧異常警報装置に関するものである。

車載用無線通信機は、一般的に、12V電源を用
いるように構成されているが、自動車には、12V
バツテリ搭載車のほか24Vバツテリ搭載車があ
る。したがつて、この無線通信機を24Vバツテリ
搭載車に車載するときには、適当なコンバータを
用いて電圧を12Vに変換しなければならなのであ
るが、不注意によつて24V電圧を直接かけてしま
うことがあつた。この場合、従来の車載用無線通
信機では、このような誤接続に対する保護対策が
採られていないため、使用者は高電圧によつて無
線通信機が故障するまでこの誤接続を気付くこと
ができないという欠点があつた。

したがつて、この考案の目的は、車載用無線通
信機などの電気機器がその定格電圧とは異なる電
圧源に接続された場合、これを自動的に検出して
スピーカから警報音を発音させるようにした電源
電圧異常警報装置を提供することにある。

以下、この考案の実施例を添付図面を参照して
詳細に説明する。

この電源電圧異常警報装置は、音量調整器１
と、この音量調整器１にスケルチゲート４を介し
て接続されている音声増巾回路２と、この音声増
巾回路２からの増巾信号により駆動されるスピー
ガ３とを含む音声出力回路を利用してなるもの
で、前記音量調整器１には、その入力側と出力側
との間に接続された第１の電子スイツチ５を含む
バイパス回路６が設けられている。また、スケル
チゲート４とトーンスケルチ部７およびノイズス
ケルチ部８との間には、第２の電子スイツチ９が
設けられており、これらの第１および第２の電子
スイツチ５，９は、電圧検出回路１０からの出力
信号により制御されるようになつている。電圧検
出回路１０は予め設定されている基準電圧を有
し、この基準電圧と図示しない車載バツテリなど
の電源から入力端子１１を介して印加される電源
電圧とを比較し、それが異常な高電圧である場合
には第１および第２の電子スイツチ５，９の制御
信号を出力する。

上記した構成において、電源電圧が正常になる
ときには、第１の電子スイツチ５はオフでバイパ
ス回路６は遮断されており、また第２の電子スイ
ツチ９はオンでトーンスケルチ部７およびノイズ
スケルチ部８からのスケルチ信号によりスケルチ
ゲート４は開かれた状態にあるため、受信機内部
雑音は抑制され、スピーカ３からは音声のみが出
力される。一方、電源電圧が基準電圧よりも高い
場合には、電圧検出回路１０は第１および第２の
電子スイツチ５，９に制御信号を出力し、第１の
電子スイツチ５をオンさせ、一方第２の電子スイ
ツチ９をオフさせる。これにより、バイパス回路
６が閉成されるとともに、トーンスケルチ部７お
よびノイズスケルチ部８からのスケルチ信号は第
２の電子スイツチ９にてカツトオフされスケルチ
ゲート４が閉じられるため、受信機検波雑音は音
量調整器１をバイパスして音声増巾回路２に直接
に入力される。したがつて、スピーカ３からは音
量調整器１の調整量に関係なくほぼ最大出力に近
い雑音が出力されることになり、この雑音出力に
て使用者に電源電圧の異常を知らせることができ
る。

なお、この実施例を変形して、この警報装置に
て電池電源を内蔵する電気機器における電池切れ
表示を行なうこともできる。もつともこの場合に
は、電圧検出回路１０の基準電圧は、電池の有効
使用電圧の下限値に設定されることになる。した
がつて、電圧検出回路１０は入力端子１１を介し
て印加される電池電圧がその基準電圧を下回つた
時点において第１および第２の電子スイツチ５，
９に制御信号を出力して第１の電子スイツチ５を
オンさせる一方、第２の電子スイツチ９をオフさ
せる。これにより、前述と同様にしてスピーカ３
から電池切れを表示する雑音が出力されることに
なる。なお、上記実施例における電子スイツチ
は、トランジスタ等により構成されるが、他のス
イツチ素子を用いてもよいことは勿論である。

上記した実施例の説明から明らかなように、こ
の考案によれば、電源電圧に異常がある場合に
は、電圧検出回路１０から制御信号により第１の
電子スイツチ５がオンされ、第２の電子スイツチ
９がオフされるため、音量調整器１のバイパス回
路６が閉成され、一方トーンスケルチ部７および
ノイズスケルチ部８からのスケルチ信号がカツト
オフされてスケルチゲート４が閉じられるので、
スピーカ３からは音声増巾回路２にて増巾された
受信機検波雑音が電源電圧異常警報音として発音
される。このように、この考案は在来の音声出力
回路を利用したものであるため、構成が簡単であ
り、また使用者はほぼ最大出力にて発音される雑
音警報音により即座に電源電圧の異常を気付くこ
とができ、電気機器を適正な状態にて使用するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案による電源電圧異常警報装置
の回路図である。 図中、１は音量調整器、２は音声増巾回路、３
はスピーカ、４はスケルチゲート、５は第１の電
子スイツチ、６はバイパス回路、７はトーンスケ
ルチ部、８はノイズスケルチ部、９は第２の電子
スイツチ、１０は電圧検出回路である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 音量調整器と、この音量調整器の出力側に接続
   されたスケルチゲートを含む音声増巾回路と、こ
   の音声増巾回路からの増巾信号により駆動される
   スピーカと、前記スケルチゲートを介して前記音
   声増巾回路に接続されたスケルチ回路とを備えた
   電気機器において、 前記音量調整器の入力側と出力側とを選択的に
   短絡させる第１のスイツチ手段と、前記スケルチ
   ゲートと前記スケルチ回路との間に接続された第
   ２のスイツチ手段と、電源電圧と予め設定されて
   いる基準電圧とを比較し前記第１および第２のス
   イツチ手段に制御信号を供給する電圧検出回路と
   を有し、電源電圧の異常時には、前記第１のスイ
   ツチ手段にて前記音量調整器の入力側と出力側と
   を短絡させるとともに、前記第２のスイツチ手段
   を介して前記スケルチゲートを閉じて前記音声増
   巾回路に対するスケルチ動作を停止させることを
   特徴とする電源電圧異常警報装置。