JPS5811066Y2 - 押釦同調器におけるクランク軸の固定構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は押釦同調器におけるクランク軸の固定構造に関
するもので、特にクランク軸を弾線を用いて同調器のフ
レーム側面に固定する為のものである。

一般に、押釦同調器のクランク軸は、その軸端を同調器
のフレーム側面に弾力的に固定するもので、その固定手
段としては、第１図に示す如く、弾線の弾性を利用した
ものが従来から知られている。

即ち、この従来型においては、まずフレーム側面ａに略
扇形の取付孔すを穿設し、この取付孔す内にクランク軸
Ｃの軸端を挿入する。

そして、フレーム側面には、両端をフレーム側面に係合
させた弾線ｄを設け、この弾線ｄをクランク軸Ｃに係合
させて、クランク軸Ｃを取付孔すの小径部側に押圧する
ことにより、クランク軸Ｃをフレーム側面ａに弾力的に
固定している。

ところで、この従来型において、弾線ｄの両端をフレー
ム側面ａに係合させるには、フレーム側面ａに係止部ｅ
、ｆを段状に形威し、この係止部ｅ。

ｆに弾線ｄの端部を引掛けていた。

しかし乍ら、このような保合手段は、クランク軸の組込
み作業時に弾線ｄの位置が少しでもずれると、弾線の先
端ｄ′がフレーム側面ａの下縁から突出する欠点があっ
た。

そして、この突出した弾線の先端ｄ′が他の物品に引掛
ったりして、弾線が変形し、クランク軸Ｃを効果的に押
圧することが不可能となり、結果的にはクランク軸の固
定が不完全となって、押釦同調器の使用時に不用意にク
ランク軸が動いて突発的な周波数のずれを誘発するおそ
れがあった。

本考案は、上述の如き従来型の固定構造の欠点を解消せ
んとして提案されたものであって、その目的とする処は
、弾線の一端を係合させる係止部とストッパ部とをフレ
ーム側面に形成することにより、フレーム側面に対する
弾線の位置決めを容易にしてフレーム端縁からの弾線の
突出を防止するようにしたクランク軸の固定構造を提供
することにある。

進んで、本考案を図示の実施例に基いて具体的に説明す
る。

第３図に示す実施例は、弾線の下端部に係止部とストッ
パ部とを設けたものであって、他の部分については第１
図に示す従来型と同様な構成を有する。

即ち、図中１は押釦同調器におけるフレーム側面、２は
このフレーム側面に穿孔したクランク軸取付孔、３は取
付孔２内に挿入したクランク軸である。

４はフレーム側面１に取付けた弾線で、この弾線４の上
端はフレーム側面１から切り起こした係止部５に係合さ
れている。

弾線４の中央部は、略く字状に彎曲した状態で、クラン
ク軸３の軸端に係合しており、このクランク軸３を取付
孔２の小径部側に弾力的に押圧している。

弾線４の下端部は、フレーム側面１から二段に設けたス
トッパ部６及び係止部７に係合されている。

即ち、第４図に拡大して示す如く、第一段目（フレーム
下縁側）に設けられたストッパ部６は、フレーム側面１
の表面から若干突出するように形成され、このストッパ
部６の側面に弾線４の先端が当接し、弾線４の軸方向の
位置を規制している。

一方、第二段目に設けられた係止部７はストッパ部６の
クランク軸側に形成されており、この係止部７とフレー
ム側面１の表面との間に弾線４の軸部が入り込み、フレ
ーム側面１の上部に設けた係止部５と同様に弾線４の横
方向の移動を規制している。

本考案のクランク軸の固定構造は、上述の如き構成を有
するものであるから、これを組立てる場合は、弾線４の
先端をストッパ部６に当接させた状態で、弾線４を両端
の係止部５，７と中央のクランク軸３に係合させる。

すると、このストッパ部６によって弾線４は常に適正な
位置に取付けられるので、組込み作業のばらつきが生ず
ることがなく、また弾線の先端がフレーム側面の下縁か
ら突出するおそれもない。

従って、本考案によれば、弾線が他の物品に引掛って変
形することがなく、クランク軸の固定が確実となって、
突発的周波数ずれの発生も解消される効果がある。

なお、本考案は図示の実施例に限定されるものではなく
、ストッパ部と係止部とは若干離して設けても良い。

また、弾線の上端部にストッパ部と係止部とを二段に設
けることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来型のクランク軸の固定構造を示す側面図、
第２図は同上フレーム側面と弾線の係合状態を示す斜視
図、第３図は本考案のクランク軸の固定構造を示す側面
図、第４図は同上フレーム側面と弾線の係合状態を示す
斜視図である。 １・・・・・・フレーム側面、２・・・・・・取付孔、
３・・・・・・クランク軸、４・・・・・・弾線、５・
・・・・・係止部、６・・・・・・ストッパ部、７・・
・・・・係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレーム側面に設けた取付孔内にクランク軸を挿入し、
   フレーム側面には両端部をフレーム側面に係合させた弾
   線を設け、この弾線を弾力的にクランク軸に係合させて
   戊る押釦同調器において、フレーム側面における弾線の
   一端部側にストッパ部と係止部とを形成し、このストッ
   パ部に弾線の先端を当接させると共に、弾線の一端部を
   係止部に係合させたことを特徴とする押釦同調器におけ
   るクランク軸の固定構造。