JPS581037B2 - ライニング槽の施工方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野、 本発明は、例えば、原子力発電プラントや化学工業プラ
ント等に使用されるライニング槽の施工方法に係り、特
に、このライニング槽の下部構造の施工方法に関する。

発明の技術的背景、 一般に、金属板のライニングを施した貯溜槽としてのラ
イニング槽は、例えば、原子力発電プラントの放射性廃
棄物を貯溜したり、各種化学工業プラント等に使用され
ている。

即ち、この種のライニング槽は、原子力発電プラントの
放射性廃棄物を貯溜して放射能の減衰を図るようになっ
ている。

特に、最近の原子力発電プラントは、大容量化する傾向
にある関係上、これらに使用されるライニング槽は、耐
震上、原子炉建屋の大きさが制限されることから、放射
性廃棄物のライニング槽の強度及び漏洩に対する厳密な
検知手段が必要とされている。

従来、この種のライニング槽の下部構造の施工方法は、
第１図乃至第３図に示されるように、放射性廃棄物の漏
洩検知配管手段として、下階壁コンクリート（コンクリ
ート壁体）ａ上に一次床コンクリートｂを打設する前に
、予め、ドレン管ｃをライニング槽ｄの下部中央部に植
設し、他方、上記一次床コンクリ − トｂの打設する
位置に上端筋ｅ及び下端筋ｆを配設し、上記ライニング
槽ｄの下部一側に偏倚して各検出用ノズル（検出用細管
）ｇの接手合板ｈを設け、この接手合板ｈに多数の検出
用細管ｇの各下端開口部ｇ１ を連結し、しかる後、一
次床コンクリートｂを打設し、次に、上記各検出用細管
ｇの他端開口部ｇ２を−ト記ライニング槽ｄの勾配を有
する角形の下地材ｉの各捕集孔ｊに接続し、次に、上記
一次床コンクリートｂ上に各ステイｋを介装して二次床
コンクリートｌを打設して、最後に、この下部構造を構
成した下地材ｉ上にライニング槽ｄの本体を静粛に設置
されるようになっている。

背景技術の問題点、 しかしながら、上述した手段で構成されるライニング槽
の下部構造体の施工方法では、（１）多数の検出用細管
ｇを所定の位置に引きまわして配管する作業がスラブ配
筋内の狭い空間の中で行う関係上、作業能率が低下する
ばかりでなく、（２）一次及び２次床コンクリートの打
設時に配管が移動して誤差を生じ、下地材ｉの各捕集孔
ｊとの接続作業が困難となるおそれがあり、しかも一次
及び２次床コンクリートｂ、１を打設するため、施工期
間が長くなり、さらに、二次床コンクリートの強度にも
悪影響を与える等の欠点があった。

発明の目的及びその概要 本発明は、上述した点に鑑み、予め、下地部材にドレン
管及び各検出用細管を一体的に設けて構成し、次に、こ
れを、予め、床スラブ配筋を施した場所に床コンクリー
トで打設し、一工程で設置し、これにより、安全にしか
も、工期を短縮すると共に、併せて、コンクリートの打
設による各検出用細管の誤差をなくして下地部材の設置
精度及び強度を向上するようにしたことを目的とするラ
イニング槽の施工方法を提供するものである。

発明の実施例、 以下、本発明によるライニング槽の施工方法を図示の一
実施例について説明する。

第４図乃至第６図において、符号１はライニング槽にお
ける下地部材であって、この下地部材１はＨ形鋼又■形
鋼１ａ及びチャンネル材１ｂによってなだらかな勾配を
有する截頭角錐形に構成されており、この下地部材１の
中央部にはドレン管２が沈設されている。

又、この下地部材１の外周縁部には複数の捕集孔３が穿
設されており、この各捕集孔３には各検出用細管４の一
端開口部４ａが連結している。

さらに又、上記各検出用細管４の各基端部４ｂは上記ド
レン管２の下部外周部に上記Ｈ形鋼１ａ等の内壁面の空
間に沿ってそれぞれ接続されており、上記ドレン管２及
び各検出用細管４は下地部材１に一体的にして設けられ
ており、これらは、予め工場で組立構成されている。

一方、ライニング槽が設置される現場（場所）には、第
４図に示されるように、予め、下階壁コンクリート５を
打設し、こり下階壁コンクリート５の上部には複数の支
持部材６が植設されている。

又、この各支持部材６の上部には内向きの水平支杆６ａ
が設けられており、この各水平支持６ａ及び各支持部材
６の内側６ｂには各調整部材７ａ，７ｂが螺装されてい
る。

さらに、上記各支持部材６に囲まれ、しかも、前記下地
部材１を設置する位置には床スラブ配筋としての上端筋
８及び下端筋９が、予め、施されている。

従って、本発明の施工方法は、予め、工場で上記ドレン
管２及び各検出用細管４を配管して組立てた上記下地部
材１を上記床スラブ配筋を施した場所の上記各水平支持
杆６ａの各調整部材７ａ，７ｂによって水平に保持し、
しかる後、床コンクリート１０を打設することにより、
一工程で下地部材１を安全にしかも迅速に、しかも、各
検出用細管を誤差なく設置できるようになっている。

次に、第７図及び第８図に示される実施例は本発明の他
の実施例であって、これは予め、ドレン管２及び各検出
用細管４を配管して組立てた下地部材１を吊ロープ１１
を介して支持枠１２と一体のチャンネル体１３に暫定的
に固着し、この支持枠１２の両端部に設けられた各調整
部材７ａ，７ｂで位置を調整し、しかる後、床コンクリ
ート１０を打設するようにしたものである。

なお、上記床コンクリート１０を打設して固結した後、
上記支持枠１２は取外されるものである。

又、第９図に示される実施例は本発明に使用される各支
持部材６の水平支杆６ａにターンバックルによる調整部
材７ａを設けたものであり、設置作業を容易にしたもの
である。

次に、第１０図に示される実施例は、第９図に示される
具体例の変形例であって、これは水平支杆６ａの水平方
向の向きを支軸１４０周りに回動し得るようにしたもの
であり、これにより、各支持部材６を自由に転用して使
用し得るようにしたものである。

発明の効果、 以上述べたように本発明によれば、勾配を有し、しかも
截頭角錐形に構成された下部部材１の外周縁部にチャン
ネル材１ｂを付設し、このチャンネル材１ｂに複数の捕
集孔３を穿設し、上記下部部材１の中央部にドレン管２
を沈設し、このドレン管２の下部外周部に複数の検出用
細管４の各端部４ｂを連結し、この各検出用細管４の各
他端部４ａを上記下地部材１の内壁面の空間に沿って上
記チャンネル材１ｂの各捕集孔３に接続して一体的にし
て設け、次に、これを予め、床スラブ配筋を施した場所
に床コンクリート１０で打設して設置するようにしてあ
るので、打設工程数が少なくなり、安全にしかも迅速に
設置できるばかりでなく、下地部材１を強度上も強化さ
れ、設置精度を向上することができる等の優れた効果を
有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は従来のライニング槽の下部構造の施
工方法を説明するための各図、第４図は本発明によるラ
イニング槽の施工方法を説明するための縦断面図、第５
図は同上平面図、第６図は第５図中の鎖線Ａ−Ａに沿う
拡大断面図、第７図乃至第１０図は本発明の他の実施例
を示す図である。 １・・・・・・下地部材、２・・・・・・ドレン管、３
・・・・・・捕集孔、４・・・・・・検出用細管、６・
・・・・・支持部材、１０・・・・・・床コンクリート
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 勾配を有し、しかも截頭角錐形に構成された下部部
   材の外周縁部にチャンネル材を付設し、このチャンネル
   材に複数の捕集孔を穿設し、上記下部部材の中央部にド
   レン管を沈設し、このドレン管の下部外周部に複数の検
   出用細管の各端部を連結し、この各検出用細管の各他端
   部を上記下地部材の内壁面の空間に沿って上記チャンネ
   ル材の各捕集孔に接続して一体的にして設け、次に、こ
   れを予め、床スラブ配筋を施した場所に床コンクリート
   で打設して設置するようにしたことを特徴とするライニ
   ング槽の施工方法。