JPS6321879B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は原子炉圧力容器を支持するための原子
炉本体基礎の中間スラブ工法に関するものであ
る。

第１図に原子力プラントの概略を示す。

この原子力プラントは原子炉格納容器１、底部
マツトコンクリート２、基礎ボルト３を介して底
部ライナ４上に据え付けられた原子炉本体基礎下
部５ａおよび上部５ｂとで構成された原子炉本体
基礎５、その内部に取り付けられた中間スラブ
６、前記原子炉本体基礎上部５ｂの上部に設置さ
れた原子炉圧力容器７、原子炉しやへい壁８、ダ
イヤフラムフロア９等を備えている。

上記のダイヤフラムフロア９は、ドライウエル
とサプレツシヨンチエンバとを仕切る為の部材
で、鉄筋コンクリートによつて構成される。

前記の原子炉本体基礎５は筒状をなして、上記
のダイヤフラムフロア９を貫通しているので、ド
ライウエルとサプレツシヨンチエンバとを仕切る
為に該原子力本体基礎５の内部を上下に仕切つて
中間スラブ６が設けられる。

上記ダイヤフラムフロア９、及び中間スラブ６
は、ドライウエル内圧とサプレツシヨンチエンバ
との差圧に耐えるように設計される。」 ところで従来の原子炉本体基礎は鉄筋コンクリ
ート構造のため、非常に工数が多くかつ現場作業
が多いので、原子炉圧力容器を据え付けるまでに
長期間を要する欠点があつた。

本発明の目的は原子炉圧力容器を据え付けるま
での期間を著しく短縮できる原子炉本体基礎の中
間スラブ工法を提供することにある。

本発明の概要を略述すると次の如くである。即
ち、第１図に示した垂直円筒状の原子炉本体基礎
５を構成するために、該基礎５を水平に輪切りに
した形の、複数個の中空短円筒状部材を構成し、
この中空短円筒状部材を積み上げてコンクリート
を打設し、上記中空短円筒状の部材はこれを取り
外すことなく構築部材として使用に供する。

上記複数個の中空短筒状部材の内の１個は、中
間スラブを一体に連設すべきものとなる。これを
中間スラブ構造体と呼ぶこととする。

本発明の特徴は、上記中間スラブ構造体と名付
けた中空の部材を、原子炉格納容器内で予め構成
しておいて、これを格納容器内に吊り込んでその
中にコンクリートを打設するところにある。

上記の中間スラブ構造体は、鋼製のリングプレ
ートとその内部に格子状の組み合わされて溶接さ
れた形鋼と該格子状の形鋼に形成された鉄筋差し
込み用孔を介して格子状に組み合された鉄筋とリ
ングプレートに形成された差筋差し込み用孔に通
して放射状に多数取り付けられた差筋とを有する
構造とする。

以下本発明を図面に基づいて説明する。

第２図ないし第６図は本発明の一実施例を示す
もので、原子炉本体基礎１０に中間スラブサポー
ト２５を取り付ける工程、該中間スラブサポート
２５の上部に中間スラブ構造体２９を吊り込み、
設置する工程、中間スラブ構造体２９の内、外部
にコンクリート３９を打設する工程とを有してい
る。

第２図に示した本実施例においては、前記の中
間スラブ構造体２９以外の原子炉本体基礎部分
も、中空短筒状の部材を積み上げてコンクリート
を打ち込んで構築する。上記の、中間スラブ構造
体以外の中空短筒状部材を基礎構造体と呼ぶ。

図示のａ，ｂ，ｄは基礎構造体であつて、その
構成は中間リングプレート１１と、その内、外両
面に突出させて円周方向に複数枚配列された縦リ
ブ１２と、その内、外両側面に配置された内、外
リングプレート１３，１４と、コンクリート打設
用孔１６を有しかつ内、外両リングプレート１
３，１４間の上面に配置された横リブ１５とを互
いに溶接して下部の内、外両側面に溶接用窓１
７，１８を有しており、鋼板溶接構造である。

基礎構造体ｃは上記基礎構造体ａ，ｂ，ｄと略
同様の構成部材であつて、第５図に示す如く、中
間スラブ構造体２９を取り付ける為の多数のスタ
ツト２３を設けてある。

基礎構造体ｅは、前記の基礎構造体ａ，ｂ，ｄ
と略同様の構成であるが、横リブ１５を省略さ
れ、上方に向かつて開口している。

基礎構造体ａ，ｂにはベント孔２２を設けてあ
る。

前記原子炉本体基礎１０を構築する最下部の基
礎構造体ａを原子炉圧力容器の据付位置に搬入
し、縦リブ１２の根元部と基礎板である底部ライ
ナ４とを溶接用窓１７，１８を通じて溶接し、つ
いで溶接用窓１７，１８に閉塞用内、外リングプ
レート１９，２０を溶接して閉塞し、コンクリー
ト打設用孔１６を通じて基礎構造体ａ内にコンク
リート２１を打設する。

ついで２段目の基礎構造体ｂを積み重ね、その
縦リブ１２と最下段の基礎構造体ａの横リブ１５
とを前述のように溶接用窓１７，１８を通じて溶
接後、閉塞用内、外リングプレート１９，２０で
溶接用窓１７，１８を閉塞し、前述の要領でコン
クリート２１を打設する。

さらに３段目の基礎構造体ｃを吊り込み、その
縦リブ１２を２段目の横リブ１５に溶接し、閉塞
用内、外リングプレート１９，２０で溶接用窓１
７，１８を閉塞後、コンクリート打設前に中間ス
ラブ２４の中間スラブサポート２５およびスラブ
構造体２９を取り付け、このスラブ構造体２９と
３段目の基礎構造体ｃとに一緒にコンクリート３
９を打設する。なお中間スラブ２４の旋工につい
ては後述する。

３段目の基礎構造体ｃと中間スラブ２４のコン
クリート３９を打設後、４段目の基礎構造体ｄお
よび最上段の基礎構造体ｅを各別に吊り込み、前
述の要領で３段目および４段目の基礎構造体ｃお
よびｄに縦リブ１２と横リブ１５との溶接を介し
てそれぞれ接続し、コンクリート２１を打設して
第２図に示されるように原子炉本基礎１０を構築
する。

前記原子炉本体基礎１０に、中間スラブサポー
ト２５を取り付ける工程では、この実施例におい
ては原子炉本体基礎周壁１０の３段目の基礎構造
体ｃの縦リブ１２を２段目の基礎構造体ｂの横リ
ブ１５に溶接し、閉塞用内、外リングプレート１
９，２０で溶接用窓１７，１８を閉塞後、コンク
リートを打設する前に、予め形鋼で格子状に組み
合されて形成された中間スラブサポート２５を第
５図に示されるように、３段目の基礎構造体ｃの
内リングプレート１３に溶接し、ついで中間スラ
ブサポート２５の上面に基礎構造体ｃの内径より
も小径に形成されたシールプレート２６を吊り込
んで載置し、該シールプレート２６と基礎構造体
ｃの内リングプレート１３とシールプレート２６
間に、リング状のシールプレート片２７を配置し
て溶接する。その溶接部分を第５図に符号２８で
示す。

前記中間スラブサポート２５の上部に中間スラ
ブ構造体２９を吊り込み、設置する工程では、予
め工場で製作された中間スラブ構造体２９を搬入
し、吊り込む。

上記の中間スラブ構造体２９は第３図、第４図
に示されるごとく、円周方向に等間隔をおいて多
数の差筋差し込み用孔３１を有する鋼製のリング
プレート３０、及び、格子状に組み合されしかも
高さ方向と長さ方向とに多数の鉄筋差し込み用孔
３３を有し、かつ前記リングプレート３０の内部
に溶接された形鋼３２と、前記差筋差し込み用孔
３１に通してリングプレート３０に放射状に多数
取り付けられた差筋３４と、前記鉄筋差し込み用
孔３３を介して格子状に組み合された鉄筋３５と
を有して構成され、全体の高さＨに形成されてい
る。

なお図示実施例では第２図、第３図に示される
ように、中間スラブ構造体２９内の形鋼３２の上
面に、予めドレンサンプピツト３８を取り付けて
いる。

前記中間スラブ構造体２９を中間スラブサポー
ト２５のシールプレート２６上に設置し、要所を
溶接して固定する。

また必要により第６図に示されるように、３段
目の基礎構造体ｃの内リングプレート１３の上部
に形成された鉄筋差し込み孔３６を介して中間ス
ラブ構造体２９の上方に格子状に鉄筋３７を組み
付けるものとする。

前記中間スラブ構造体２９の内、外部にコンク
リート３９を打設する工程では、前記中間スラブ
構造体２９を中間スラブサポート２５のシールプ
レート２６上に設置後、この実施例では中間スラ
ブ構造体２９の内、外部にコンクリート３９を、
中間スラブ構造体２９の高さＨよりも厚く、しか
もドレンサンプピツト３８の端部までの厚さに打
設し、同時に３段目の基礎構造体ｃの内部にもコ
ンクリート３９を打設する。

前記コンクリート３９の打設後、前述のように
３段目の基礎構造体ｃの上部に４段目の基礎構造
体ｄを吊り込んで接続しかつコンクリート２１を
打設し、さらに４段目の基礎構造体ｄの上部に最
上段の基礎構造体ｅを吊り込んで接続し、ついで
コンクリート２１を打設して原子炉本体基礎１０
の中段に中間スラブ２４（第１図における中間ス
ラブ６に対応する構成部分）を一体に架設した原
子炉本体基礎を構築するものである。

本発明は以上説明した構成のもので、本発明に
よれば現場作業の工法を大幅に減少できるもの
で、原子炉圧力容器を据え付けるまでの期間を著
しく短縮できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は原子炉プラントの概略説明図、第２図
は第１図中Ａ部の拡大図であつて原子炉本体基礎
の一部拡大断面図、第３図は中間スラブ構築用の
スラブ構造体の平面図、第４図は第３図中のＢ部
拡大斜視図であつてスラブ構造体の組み立て工程
の説明図、第５図は中間スラブサポートの取り付
け工程の説明図、第６図は第２図中のＣ部分の拡
大図であつて中間スラブの仕上がり状態の一部拡
大断面図である。 １０……原子炉本体基礎、２４……中間スラ
ブ、２５……中間スラブサポート、２６……シー
ルプレート、２９……中間スラブ構造体、３０…
…スラブ構造体のリングプレート、３１……差筋
差し込み用孔、３２……形鋼、３３……鉄筋差し
込み孔、３４……差筋、３５……鉄筋、３９……
コンクリート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 原子炉本体基礎内に中間スラブサポートを取
   り付けた後、上記の中間スラブサポート上に、鋼
   製のリングプレートとその内部に格子状に組み合
   されて溶接された形鋼と該格子状の形鋼に形成さ
   れた鉄筋差し込み用孔を介して格子状に組み合さ
   れた鉄筋とリングプレートに形成された差筋差し
   込み用孔に通して放射状に多数取り付けられた差
   筋とを有して構成された中間スラブ構造体を吊り
   込んで設置し、次いで上記中間スラブ構造体の
   内、外部に、コンクリートを打設することを特徴
   とする原子炉本体基礎の中間スラブ工法。