JPH1199920A - 制動装置 - Google Patents

制動装置

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JPH1199920A
JPH1199920A JP9267330A JP26733097A JPH1199920A JP H1199920 A JPH1199920 A JP H1199920A JP 9267330 A JP9267330 A JP 9267330A JP 26733097 A JP26733097 A JP 26733097A JP H1199920 A JPH1199920 A JP H1199920A
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JP
Japan
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hydraulic pressure
wheel cylinder
brake fluid
value
control
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Application number
JP9267330A
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English (en)
Inventor
Atsushi Takano
淳 高野
Youichi Kumemura
洋一 久米村
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御弁の構成を簡易にすることができかつ小
型にすることができる制動装置を得ること。 【解決手段】 本発明は、運転者により操作されるブレ
ーキペダル1と、ブレーキペダル1の踏み込み量に応じ
たブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ2と、上記ブ
レーキ液圧を検出して、検出結果をマスタシリンダ液圧
信号Sbとして出力する液圧センサ3と、ホイールシリ
ンダ液圧に応じた制動力を各車輪に対して付与するホイ
ールシリンダ20と、アキュムレータ5とホイールシリ
ンダ20との間に介挿され制御電流Iに応じて、ホイー
ルシリンダ20へ供給すべきブレーキ液の流量を制御す
る制御弁31と、ホイールシリンダ20へ付与すべき目
標液圧とホイールシリンダ液圧との偏差がゼロとなるよ
うな制御電流Iを出力するコントローラ30とを有して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両における車輪
の制動に用いられる制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両には、ブレーキペダルの
操作量に応じた制動力を車輪に対して付与する制動装置
が設けられている。図6は、従来の制動装置の構成を示
す図である。この図において、1は、運転者により操作
されるブレーキペダルであり、マスタシリンダ2に接続
されて同図に示す矢印A方向に移動自在に設けられてい
る。
【0003】上記マスタシリンダ2は、内部にブレーキ
液を有しており、ブレーキペダル1の踏み込み量に応じ
たブレーキ液圧を発生する。3は、液圧センサであり、
マスタシリンダ2内のブレーキ液圧を検出して、検出結
果をマスタシリンダ液圧信号Sbとして出力する。
【0004】4は、装置各部を制御するコントローラで
あり、入力されるマスタシリンダ液圧信号Sbおよび後
述するホイールシリンダ液圧信号Shから、ブレーキペ
ダル1の踏み込み量に応じた、後述するホイールシリン
ダ20へ印加すべきブレーキ液圧(以下、目標液圧と称
する)に対応した制御電流Iを出力する。このコントロ
ーラ4の詳細な構成については後述する。
【0005】5は、ブレーキ液圧を蓄圧するアキュムレ
ータであり、高圧源としての役目をしている。6は、ブ
レーキ液を一時的に貯留するリザーバであり、貯留され
ている上記ブレーキ液圧に加えられている圧力は、大気
圧とされている。すなわち、リザーバ6は、大気圧源と
しての役目をしている。
【0006】7は、各車輪に対応して設けられた制御弁
であり、コントローラ4から供給される制御電流Iによ
り弁の開閉が制御される。この制御弁7において、8
は、両端面が塞がれた略円筒形状のスリーブであり、そ
の周壁には、外周面から内周面までを貫通するアキュム
レータポート8a、リザーバポート8bおよびホイール
シリンダポート8cが各々形成されている。
【0007】上記アキュムレータポート8aは、管路9
を介してアキュムレータ5に連通しており、リザーバポ
ート8bは、管路10を介してリザーバ6に連通してお
り、ホイールシリンダポート8cは、管路11を介して
後述するホイールシリンダ20に連通している。
【0008】さらに、スリーブ8の底部8dには、後述
する仕切板16によってスリーブ8内に画成された反力
室8fに連通する反力ポート8eが形成されている。こ
の反力ポート8eは、管路12を介して管路11の途中
に連通している。
【0009】13は、スリーブ8の開口側に設けられ、
比例ソレノイドからなるアクチュエータである。このア
クチュエータ13は、コントローラ4から供給される制
御電流Iに応じた磁力をソレノイドコイルにより発生す
るようになっており、この磁力の大きさによって、移動
部材14に対する同図に示す矢印H1方向の推力を加減
する構成となっている。上記移動部材14は、スリーブ
8の軸線に沿って同図に示す矢印H1またはH2方向に移
動自在に設けられており、図示しないバネにより同図に
示す矢印H1方向に付勢され、該移動部材14の端部
は、後述するスプール弁15と常に当接している。
【0010】15は、スリーブ8の内部に同図に示す矢
印H1またはH2方向に往復自在に設けられたスプール弁
であり、後述する連通室8gに対するアキュムレータポ
ート8aおよびリザーバポート8bの開度を調節する役
目をしている。このスプール弁15は、スリーブ8の内
径と同径の円柱部材15aと、該円柱部材15aと同形
状であって一定間隔をおいて配設された円柱部材15b
と、円柱部材15aと円柱部材15bとをつなぎ、かつ
円柱部材15aの径より小径の円柱部材15cとが一体
に形成されてなる。このスプール弁15の円柱部材15
aの端面には、移動部材14の端部が当接させられてい
る。
【0011】仕切板16は、スリーブ8の内部であって
かつ底部8d側に設けられ、かつ中央部に穴16aが形
成されており、スリーブ8の内部を液密に仕切ってい
る。すなわち、スリーブ8内部において、仕切板16よ
り同図右方の空間は、反力室8fとされており、他方、
仕切板16より同図左方の空間における円柱部材15a
と円柱部材15bとの間の円柱部材15cの周囲の環状
の空間は、連通室8gとされている。
【0012】17は、仕切板16とスプール弁15との
間に介挿されたバネであり、スプール弁15を同図に示
す矢印H2方向へ常時付勢している。18は、頭部18
aを有する棒形状の棒部材(反力ピン)であり、スリー
ブ8の軸線に沿って設けられており、かつ仕切板16の
穴16aに、同図に示す矢印H1またはH2方向に移動自
在に液密に挿通されている。また、棒部材18の先端部
は、円柱部材15bの端面に当接させられている。
【0013】19は、スリーブ8の底部8dと棒部材1
8の頭部18aとの間に介挿されたバネであり、棒部材
18を同図に示す矢印H2方向に常時付勢し、棒部材1
8を円柱部材15bの端面に当接させている。上述した
管路12および仕切板16、バネ17、棒部材18およ
びバネ19は、アクチュエータ13による矢印H1方向
の推力に抗する反力を発生する反力機構を構成してい
る。
【0014】ホイールシリンダ20は、各車輪に対応し
て設けられており、管路11を介して制御弁7のホイー
ルシリンダポート8cに連通している。このホイールシ
リンダ20は、印加されるブレーキ液圧に応じた制動力
を各車輪に対して付与する。21は、ホイールシリンダ
20に付与されるブレーキ液圧(以下、ホイールシリン
ダ液圧と称する)を検出する液圧センサであり、検出結
果をホイールシリンダ液圧信号Shとして出力する。
【0015】ここで、上述したコントローラ4の構成を
図7を参照して説明する。図7において、図6の各部に
対応する部分には同一の符号を付けその説明を省略す
る。この図に示すコントローラ4において、22は、ホ
イールシリンダ20に付与すべきホイールシリンダ液圧
を制御する液圧制御部であり、マスタシリンダ液圧信号
Sbから得られるブレーキペダル1の踏み込み量に応じ
た目標液圧と、ホイールシリンダ液圧信号Shから得ら
れるホイールシリンダ液圧とから、周知のFF(フィー
ドフォワード)−PID制御を用いて、ホイールシリン
ダ20へ供給すべき制御液圧の値(以下、制御液圧値P
と称する)を算出する。
【0016】23は、制御液圧値Pと所定の算出式に基
づいて、アクチュエータ13の移動部材14がスプール
弁15に対して発生すべき、制御液圧値Pに応じた駆動
力(推力)の値(以下、駆動力値Fと称する)を求める
駆動力算出部であり、上記駆動力値Fは、スプール弁1
5の駆動に必要な力に対応している。24は、駆動力値
Fと所定の算出式に基づいて、アクチュエータ13のソ
レノイドコイルへ出力すべき、駆動力値Fに応じた制御
電流Iの電流値を求めた後、該電流値の制御電流Iをア
クチュエータ13のソレノイドコイルへ出力する。
【0017】次に、上述した従来の制動装置の動作につ
いて説明する、図6において、運転者によりブレーキペ
ダル1が踏まれると、マスタシリンダ2内部のブレーキ
液圧が上昇し、液圧センサ3からは、該ブレーキペダル
1の踏み込み量に対応するマスタシリンダ液圧信号Sb
が図7に示すコントローラ4の液圧制御部22へ出力さ
れる。
【0018】これにより、液圧制御部22は、マスタシ
リンダ液圧信号Sbから得られる目標液圧と、ホイール
シリンダ液圧信号Shから得られるホイールシリンダ液
圧とに基づいて、制御液圧値Pを算出する。
【0019】次に、駆動力算出部23は、上記制御液圧
値Pと所定の算出式とから、スプール弁15に対する移
動部材14の駆動力値Fを求め、次いで、制御電流算出
部24は、上記駆動力値Fと所定の算出式とから制御電
流Iの電流値を求めた後、該電流値に対応する制御電流
Iを図6に示す制御弁7のアクチュエータ13のソレノ
イドコイルへ出力する。
【0020】これにより、アクチュエータ13の移動部
材14に対して磁力が発生し、この磁力によって、移動
部材14およびスプール弁15が同図に示す矢印H1方
向へ押圧移動される。このとき、移動部材14およびス
プール弁15は、バネ17の弾性力に抗して移動する。
そして、スプール弁15は、その円柱部材15aがリザ
ーバポート8bを完全に塞ぎ、かつその円柱部材15b
がアキュムレータポート8aの一部を塞ぐかまたはその
全部を完全に開放する位置まで移動する。
【0021】これにより、アキュムレータ5とホイール
シリンダ20とが、管路9、アキュムレータポート8
a、連通室8g、ホイールシリンダポート8cおよび管
路11を介して連通され、ホイールシリンダ20には、
アキュムレータ5より、上述した連通経路を介して、加
圧されたブレーキ液が流入する。この結果、ホイールシ
リンダ20のホイールシリンダ液圧が上昇し、各車輪に
は、制動力が付与される。
【0022】また、ホイールシリンダポート8cまたは
ホイールシリンダ20は、管路11、管路12、反力ポ
ート8eを介して反力室8fに連通される。これによ
り、反力室8fに上述した連通経路を介して、ホイール
シリンダ20に供給されたブレーキ液が流入することに
より、反力室8f内部に圧力が上昇し、棒部材18に
は、同図に示す矢印H2方向に付勢力が作用する。
【0023】すなわち、今、スプール弁15には、同図
に示す矢印H1方向にアクチュエータ13による駆動力
が、他方、同図に示す矢印H2方向にバネ17および1
9による各弾性力(反力)ならびに棒部材18による付
勢力(反力)が各々作用している。そして、スプール弁
15は、矢印H1方向の駆動力と矢印H2方向の反力とが
均衡する位置、すなわち、その円柱部材15aがリザー
バポート8bを塞ぎ、かつその円柱部材15bがアキュ
ムレータポート8aを塞ぐ位置まで移動した後、停止す
る。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の制動装置においては、ブレーキ液圧の機械的フィー
ドバック方式による反力機構が採用されているため、管
路12、仕切板16、棒部材18およびバネ19等から
なるブレーキ液圧の反力機構が必要となる。この反力機
構は、ホイールシリンダ20の液圧変動が制御弁7のス
プール弁15の振動を発生させ、さらにこのスプール弁
15の振動がホイールシリンダ20の液圧変動を増幅さ
せてしまうという設計上の注意が必要であることから、
制御弁7の構造が複雑になってしまうという欠点があっ
た。
【0025】また、従来の制動装置においては、スプー
ル弁15をスムーズに摺動させるべく、図6に示す矢印
H2方向のスプール弁15に対する付勢力に抗して、ア
クチュエータ13による同図矢印H1方向の付勢力があ
る程度大きいことが必要である。従って、従来の制動装
置においては、矢印H1方向の付勢力を所定以上にすべ
く、大型のアクチュエータ13を用いなければならな
い。ここで、仮に、アクチュエータ13を小型化するた
めに棒部材18の径を細くしたとしても、装置を安定に
作動させるためには、棒部材18の径をそれほど細くす
ることができない。このことから、従来の制動装置にお
いては、アクチュエータ13を小型化するにも限界があ
ることから制御弁7が大型になってしまうという問題が
あった。
【0026】本発明はこのような背景の下になされたも
ので、制御弁の構成を簡易にすることができかつ小型に
することができる制動装置を提供することを目的とす
る。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、ブレーキペダ
ルの操作量を検出する操作量検出手段と、液圧の高いブ
レーキ液を供給する液圧供給源と、該液圧供給源から供
給されるブレーキ液の液圧に応じて制動力を発生するホ
イールシリンダと、前記液圧供給源と前記ホイールシリ
ンダとの間に設けられ、スプール押圧手段の押圧力に応
じてスリーブ内を移動するスプールにより前記ブレーキ
液圧源とホイールシリンダとの間の連通を制御する制御
弁と、ブレーキペダルの操作量に対応した制動力を前記
ホイールシリンダで発生させるために、前記操作量検出
手段の検出結果に基づいて、前記制御弁の前記スプール
押圧手段を駆動制御する制御手段とを備えた制動装置に
おいて、前記ホイールシリンダには、該ホイールシリン
ダのブレーキ液圧を検出するホイールシリンダ液圧検出
手段が設けられており、前記制御手段には、前記操作量
検出手段の検出結果に基づき前記ホイールシリンダへ供
給するブレーキ液圧を演算する液圧演算手段と、該液圧
演算手段によって演算されたブレーキ液圧と前記ホイー
ルシリンダ液圧検出手段によって検出されたブレーキ液
圧との偏差を求め、該偏差に基づき前記液圧供給源から
前記ホイールシリンダへ供給すべきブレーキ液の流量を
演算した後、該流量の前記ブレーキ液を流すべく前記制
御弁のスプール押圧手段を駆動制御する制御弁制御手段
が設けられていることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に
よる制動装置の構成を示す図である。この図において、
図6の各部に対応する部分には同一の符号を付けその説
明を省略する。図1に示す制動装置おいては、図6に示
すコントローラ4および制御弁7に代えて、コントロー
ラ30、制御弁31が各々設けられており、かつ図6に
示す管路12が設けられていない構成とされている。
【0029】また、図1に示す制御弁31においては、
図6に示す仕切板16、バネ17、棒部材18およびバ
ネ19からなる反力機構に代えて、バネ32が設けられ
ている。さらに、図1に示すスリーブ8は、図6に示す
反力ポート8eが形成されていない構成とされている。
加えて、図1に示すアクチュエータ13としては、図6
に示すアクチュエータ13のようにホイールシリンダ2
0のブレーキ液圧に基づく、同図に示す矢印H2方向の
付勢力がスプール弁15に作用しないため、これに比し
て同図に示す矢印H2方向の付勢力が弱くて済む小型の
ものが採用されている。
【0030】図1に示す制御弁31において、バネ32
は、スプール弁15とスリーブ8の底部8dとの間に介
挿されており、その弾性力によりスプール弁15を同図
に示す矢印H2方向に付勢している。コントローラ30
は、図6に示す管路12、仕切板16、バネ17、棒部
材18およびバネ19から構成される反力機構の動作を
演算処理的に実行する。
【0031】図2は、上記コントローラ30の構成を示
すブロック図である。この図において、図1および図7
の各部に各々対応する部分には、同一の符号を付ける。
コントローラ30において、液圧制御部22は、ホイー
ルシリンダ20に付与すべきホイールシリンダ液圧(制
御液圧)を制御する液圧制御部であり、マスタシリンダ
液圧信号Sbから得られる目標液圧と、ホイールシリン
ダ液圧信号Shから得られるホイールシリンダ液圧とか
ら、周知のFF(フィードフォワード)−PID制御を
用いて、前述した制御液圧の値(以下、制御液圧値Pと
称する)を算出する。
【0032】33は、上述した反力機構の動作を演算処
理的に実行する反力機構制御部であり、減算器34、液
量算出部35、流量算出部36、変位量算出部37およ
び駆動力算出部38から構成されている。上記減算器3
4は、制御液圧値Pからホイールシリンダ液圧信号Sh
から得られる制御量たるホイールシリンダ液圧値Phを
減算して、減算結果たる偏差Psを得る。
【0033】液量算出部35は、上記偏差Psに基づい
て、当該偏差Psを解消すべくホイールシリンダ20へ
供給すべき、ブレーキ液の液量Qを求める。具体的に
は、流量算出部36は、偏差Psと液量Qとの関係を示
す偏差/液量変換テーブルを用いて、偏差Psを液量Q
に変換する。この偏差/液量変換テーブルは、図3に示
す偏差Psと液量Qとの関係を示す実測値データから作
成されており、図示しないメモリに記憶されている。
【0034】流量算出部36は、スプール弁15の応答
特性すなわち応答時間と、液量算出部35により得られ
る液量Qとから、ブレーキ液が制御弁31を通過すると
きのブレーキ液の流量qを求める。変位量算出部37
は、流量qおよびホイールシリンダ液圧信号Shに基づ
いて、偏差Psに対応する、スプール弁15の変位量x
(移動量)を求める。
【0035】具体的には、変位量算出部37は、流量/
変位量変換テーブルを用いて、流量qを変位量xに変換
する。この流量/変位量変換テーブルは、図4に示す増
圧時における変位量xと流量qとの関係を示す複数の特
性曲線X、YおよびZから作成されており、図示しない
メモリに記憶されている。なお、減圧時においては、図
4に示す変位量x、流量qが共にマイナス方向でであっ
て、特性曲線Yがホイールシリンダ液圧値Phが上記所
定値Ph0より大なるPh+であるときの、流量qと変
位量xとの関係を示す実測値に基づいたものとなる一
方、特性曲線Zがホイールシリンダ液圧値Phが所定値
Ph0より小なるPh−であるときの、流量qと変位量
xとの関係を示す実測値に基づくものとなる。
【0036】図4において、特性曲線Xは、ホイールシ
リンダ液圧値Phが所定値たるPh0であるときの、流
量qと変位量xとの関係を示す実測値に基づくものであ
り、また、特性曲線Yは、ホイールシリンダ液圧値Ph
が上記所定値Ph0より小なるPh−であるときの、流
量qと変位量xとの関係を示す実測値に基づくものであ
る。また、特性曲線Zは、ホイールシリンダ液圧値Ph
が所定値Ph0より大なるPh+であるときの、流量q
と変位量xとの関係を示す実測値に基づくものである。
【0037】すなわち、変位量算出部37は、ホイール
シリンダ液圧値Phの値が所定値Ph0または該Ph0
の近傍値であるとき、図4に示す特性曲線Xに対応する
流量/変位量変換テーブルを用いて、流量qを変位量x
に変換する。また、変位量算出部37は、ホイールシリ
ンダ液圧値Phの値がPh−または該Ph−の近傍値で
あるとき、図4に示す特性曲線Yに対応する流量/変位
量変換テーブルを用いて、流量qを変位量xに変換す
る。さらに、変位量算出部37は、ホイールシリンダ液
圧値Phの値が、Ph+または該Ph+の近傍値である
とき、図4に示す特性曲線Zに対応する流量/変位量変
換テーブルを用いて、流量qを変位量xに変換する。
【0038】駆動力算出部38は、次の(1)式に変位
量算出部37により得られた変位量xを代入することに
より、スプール弁15(図1参照)に対する矢印H1方
向の駆動力の駆動力値Fを求める。 F=k・x ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1) 上記(1)式において、kは、図1に示すバネ32のバ
ネ係数kであり、既値である。
【0039】すなわち、駆動力値Fは、図1に示すスプ
ール弁15に対して作用する同図に示す矢印H2方向の
付勢力(弾性力)に抗して、スプール弁15を変位量x
分だけ、同図に示す矢印H1方向へ移動させるときの、
アクチュエータ13からのスプール弁15に対する付勢
力の値である。
【0040】制御電流算出部24は、駆動力値Fに基づ
いてアクチュエータ13へ出力すべき、制御電流Iの電
流値を求めた後、該電流値の制御電流Iをアクチュエー
タ13へ出力する。具体的には、制御電流算出部24
は、駆動力値/電流値変換テーブルを用いて、駆動力値
Fを制御電流Iの電流値に変換する。この駆動力値/電
流値変換テーブルは、図5に示す駆動力値Fと電流値と
の関係を示す実測値データに対応しており、図示しない
メモリに記憶されている。また、図5に示す駆動力値/
電流値特性は、アクチュエータ13の比例ソレノイド
(図示略)の特性に対応している。
【0041】次に、上述した一実施形態による制動装置
の動作について説明する。図1において、運転者により
ブレーキペダル1が踏まれると、マスタシリンダ2内部
のブレーキ液圧が上昇し、液圧センサ3からは、該ブレ
ーキ液圧に対応するマスタシリンダ液圧信号Sbがブレ
ーキペダル1の操作量として図2に示すコントローラ3
0の液圧制御部22へ出力される。これにより、液圧制
御部22は、マスタシリンダ液圧信号Sbから得られる
目標液圧値と、ホイールシリンダ液圧信号Shから得ら
れるホイールシリンダ液圧値とに基づいて、制御液圧値
Pを算出する。
【0042】これにより、減算器34は、上記制御液圧
値Pと、ホイールシリンダ液圧信号Shから得られるホ
イールシリンダ液圧値Phとの差(偏差Ps)を求め
る。次いで、液量算出部35は、メモリから偏差/液量
変換テーブル(図3参照)を読み出した後、該偏差/液
量変換テーブルを用いて、減算器34の出力値たる偏差
Psに対応する液量Qを演算する。
【0043】次に、流量算出部36は、スプール弁15
の応答時間と、液量算出部35により得られた液量Qと
から、ブレーキ液が制御弁31を通過するときのブレー
キ液の流量qを求める。次いで、変位量算出部37は、
メモリから流量/変位量変換テーブル(図4参照)を読
み出すとともに、今、液圧センサ21より入力されてい
るホイールシリンダ液圧信号Shからホイールシリンダ
液圧値Ph(例えば、Ph0)を得る。
【0044】次に、変位量算出部37は、図4に示す特
性曲線X、YおよびZの中から、上記ホイールシリンダ
液圧値Phに対応する特性曲線Xを選択する。そして、
変位量算出部37は、この選択した特性曲線Xに対応す
る流量/変位量変換テーブルを用いて、ホイールシリン
ダ液圧値Phの特性曲線Xにおける流量qに対応するス
プール弁15の変位量xを演算(変換)する。
【0045】次に、駆動力算出部38は、上述した
(1)式に変位量算出部37により得られた変位量xを
代入することにより、スプール弁15(図1参照)に対
する矢印H1方向の駆動力の駆動力値Fを求める。
【0046】次に、制御電流算出部24は、メモリから
駆動力値/電流値変換テーブル(図5参照)を読み出し
た後、該駆動力値/電流値変換テーブルを用いて、駆動
力算出部38により得られた駆動力値Fを制御電流Iの
電流値に変換する。そして、制御電流算出部24は、上
記電流値に応じた制御電流Iを図1に示すアクチュエー
タ13へ出力する。
【0047】これにより、アクチュエータ13のソレノ
イドコイルには、制御電流Iに応じた磁力が発生し、こ
の磁力によって、移動部材14には、スプール弁15に
対して、矢印H1方向の駆動力値Fに対応する矢印H1方
向の付勢力が付与される。また、このとき、スプール弁
15には、同図に示す矢印H2方向にバネ32の弾性力
が付与されている。従って、スプール弁15は、バネ3
2の弾性力に抗して、同図に示す矢印H1方向へ移動さ
れる。
【0048】そして、スプール弁15は、上述した変位
量x分移動することにより、その円柱部材15aがリザ
ーバポート8bを完全に塞ぎ、かつその円柱部材15b
がアキュムレータポート8aの一部を塞ぐかまたはその
全部を完全に開放する位置に停止する。
【0049】これにより、アキュムレータ5とホイール
シリンダ20とが、管路9、アキュムレータポート8
a、連通室8g、ホイールシリンダポート8cおよび管
路11を介して連通され、ホイールシリンダ20には、
アキュムレータ5より、上述した連通経路を介して、上
述した流量qのブレーキ液が流入する。この結果、ホイ
ールシリンダ20のホイールシリンダ液圧値Phが上昇
し、各車輪には、制動力が付与される。
【0050】以後、図2に示す液圧制御部22は、ホイ
ールシリンダ液圧値Phのフィードバックを受けなが
ら、減算器34の出力値たる偏差Psがゼロとなるよう
な、制御液圧値Pを求める。すなわち、上述した一実施
形態による制動装置においては、ホイールシリンダ液圧
値Phと制御液圧値Pとが一致するように、従来の制動
装置のような機械的反力機構に代えて、ホイールシリン
ダ20へのブレーキ液の流量(供給量)を制御する演算
的処理を行っているのである。
【0051】以上説明したように、本発明の一実施形態
による制動装置によれば、反力機構制御部33の演算的
処理により、フィードバック信号たるホイールシリンダ
液圧値Phと制御液圧値Pとが一致するように、流量に
関してのフィードバック制御(流量に関しての)を行う
ように構成されているので、従来の制動装置のごとき、
機械的反力機構が不要である。従って、一実施形態によ
る制動装置によれば、従来の制動装置の制御弁7に比し
て制御弁31の構成を簡易にすることができるととも
に、小型にすることができるという効果が得られる。
【0052】以上図面を参照して本発明の一実施形態に
ついて詳述してきたが、具体的な構成は上述した一実施
形態に限定されるものではなく、本願発明の要旨を変更
しない限り設計変更等があっても本願発明に含まれる。
例えば、上述した一実施形態による制動装置において
は、図4に示す3本の特性曲線X、YおよびZに対応す
る流量/変位量変換テーブルを用いる例について説明し
たが、これに限定されることなく4本以上の特性曲線に
対応する流量/変位量変換テーブルを用いてもよい。こ
の場合には、さらに精度の高いフィードバック制御を行
うことができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の制動装置
によれば、ブレーキ液の液量を制御するように構成され
ているので、従来の制動装置のごとき制御弁に機械式反
力機構が不要とされる。従って、本発明の制動装置によ
れば、従来の制動装置の制御弁に比して制御弁の構成を
簡易にすることができるとともに、小型にすることがで
きるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による制動装置の構成を
示す図である。
【図2】 図1に示すコントローラ30等の構成を示す
ブロック図である。
【図3】 図2に示す液量算出部35において用いられ
る偏差/液量変換曲線を示す図である。
【図4】 図2に示す流量算出部36において用いられ
る変位量/流量変換曲線を示す図である。
【図5】 図2に示す制御電流算出部24において用い
られる駆動力値/電流値特性を示す特性図である。
【図6】 従来の制動装置の構成を示す図である。
【図7】 図6に示すコントローラ4等の構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 マスタシリンダ 3 液圧センサ 5 アキュムレータ 6 リザーバ 8 スリーブ 13 アクチュエータ 14 移動部材 15 スプール弁 20 ホイールシリンダ 21 液圧センサ 22 液圧制御部 31 制御弁 32 バネ 33 反力機構制御部 34 減算器 35 液量算出部 36 流量算出部 37 変位量算出部 38 駆動力算出部 Sb マスタシリンダ液圧信号 Sh ホイールシリンダ液圧信号 Ph ホイールシリンダ液圧値 Ps 偏差

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの操作量を検出する操作
    量検出手段と、液圧の高いブレーキ液を供給する液圧供
    給源と、該液圧供給源から供給されるブレーキ液の液圧
    に応じて制動力を発生するホイールシリンダと、前記液
    圧供給源と前記ホイールシリンダとの間に設けられ、ス
    プール押圧手段の押圧力に応じてスリーブ内を移動する
    スプールにより前記ブレーキ液圧源とホイールシリンダ
    との間の連通を制御する制御弁と、ブレーキペダルの操
    作量に対応した制動力を前記ホイールシリンダで発生さ
    せるために、前記操作量検出手段の検出結果に基づい
    て、前記制御弁の前記スプール押圧手段を駆動制御する
    制御手段とを備えた制動装置において、 前記ホイールシリンダには、該ホイールシリンダのブレ
    ーキ液圧を検出するホイールシリンダ液圧検出手段が設
    けられており、 前記制御手段には、前記操作量検出手段の検出結果に基
    づき前記ホイールシリンダへ供給するブレーキ液圧を演
    算する液圧演算手段と、該液圧演算手段によって演算さ
    れたブレーキ液圧と前記ホイールシリンダ液圧検出手段
    によって検出されたブレーキ液圧との偏差を求め、該偏
    差に基づき前記液圧供給源から前記ホイールシリンダへ
    供給すべきブレーキ液の流量を演算した後、該流量の前
    記ブレーキ液を流すべく前記制御弁のスプール押圧手段
    を駆動制御する制御弁制御手段が設けられていることを
    特徴とする制動装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009035031A (ja) * 2007-07-31 2009-02-19 Hitachi Ltd ブレーキ装置

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JP2009035031A (ja) * 2007-07-31 2009-02-19 Hitachi Ltd ブレーキ装置

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