JPH1199647A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

Info

Publication number
JPH1199647A
JPH1199647A JP26334997A JP26334997A JPH1199647A JP H1199647 A JPH1199647 A JP H1199647A JP 26334997 A JP26334997 A JP 26334997A JP 26334997 A JP26334997 A JP 26334997A JP H1199647 A JPH1199647 A JP H1199647A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
ink jet
ink
jet head
diaphragm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26334997A
Other languages
English (en)
Inventor
Mikio Ohashi
幹夫 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP26334997A priority Critical patent/JPH1199647A/ja
Publication of JPH1199647A publication Critical patent/JPH1199647A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14314Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動板基板と電極基板の接合の際に確実に非
接合部分が形成でき、高精度に接合ができるインクジェ
ットヘッドを提供する。 【解決手段】 第1の基板1と第2の基板2との接合に
陽極接合を利用して基板接合を行って、インクジェット
ヘッドを組み立てる。陽極接合法は他の接合法と比較し
て、ギャップGの寸法精度の確保が期待でき、基板間に
電圧印加を行うことにより比較的低温(300〜400
℃)で精密な接合ができる。今、電極10に発振回路1
4より0Vから100Vのパルス電圧を印加すると、電
極10の表面がプラス電位に帯電し、対応する振動板5
の下面はマイナス電位に帯電する。従って、振動板5は
静電気の吸引作用により下方へ撓む。次に、電極10へ
の電圧印加をOFFすると、振動板5は復元し、吐出室
6内の圧力が急激に上昇し、ノズル溝4よりインク液滴
が形成され、記録紙に向けてインク吐出が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッド、より詳細には、記録を必要とする時にのみインク
液滴を形成・吐出し、所望の記録媒体にインク記録を行
うドロップ・オン・デマンド型インクジェット記録装置
の記録ヘッドに関し、特に、静電気力を利用してインク
吐出を行うインクジェット記録装置の記録ヘッド(イン
クジェットヘッド)に関するもので、例えば、複写機,
ファックス,印刷機,プリンタ,プロッタ等の記録装置
の記録ヘッドとして使用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット記録装置は、
現象、定着などのプロセスを必要とせず、非接触にて直
接記録ができるために、低騒音,高速高画質カラー記録
が可能で、普通紙を使用できることから低ランニングコ
ストで、装置的にも安価となる等の特徴を有している。
その中でも、記録を必要とする時のみインク液滴を吐出
するドロップ・オン・デマンド(DOD)方式の記録装
置は、記録に不必要なインクの回収系がないためメンテ
ナンスが簡単で、装置構成が小型で安価となるため、近
年、注目されている。このDOD記録方式の記録ヘッド
には、電気機械変換方式,電気熱変換方式,静電吸引方
式,放電方式等の多種多様な駆動方式が提案され、実用
化されている。中でも、圧電素子であるピエゾを利用し
た、電気機械変換方式の記録ヘッドは古くから現在に至
るまで種々の方式が提案されている。
【0003】例えば、(a)U.S.Patent 3683212(S.I.Z
oltan)では、円筒状をしたインク室およびピエゾ素子に
より、その円筒を収縮,膨張させ、インクに生じた圧力
波でインクの液滴を吐出する方式が開示されている。ま
た、(b)U.S.Patent 3747120(N.G.E.Stemme)では、イ
ンク室がピエゾ振動子を有する圧力室とインクタンクに
連通するインク供給室に分割されており、その2室を連
合する通路とインク吐出口とを一直線上に並べて、ピエ
ゾ素子により発生する圧力波で効率よくインク液滴を形
成して、吐出エネルギーに変換する方式が開示されてい
る。また、(c)U.S.Patent 3946398(E.L.Kyser)で
は、インク室の一部をバイモルフ型のピエゾ素子を利用
して構成し、そのピエゾ素子を振動させてインク室が収
縮した時にインクに生じた圧力波でオリフィスよりイン
クを吐出させ、膨張した時にインクをインクタンクより
補給する方式が開示されている。
【0004】また、最近では、記録ヘッドを小型高密度
にでき、高印字品質及び長寿命が可能な駆動方式とし
て、インク室の一部を構成する振動可能な振動板を圧電
素子を利用せず静電気力を利用して振動させ、インク側
に圧力波を生じさせてインク吐出を行う方式が(d)特
開平6−71882号公報(セイコーエプソン)に開示
されている。
【0005】図10,図11は、上記特開平6−718
82号公報に記載されたインクジェットヘッドの一例を
示す図で、図10は、一部を断面で示す分解斜視図、図
11は、図10の一部を取り出し、ギャップを拡大して
示す拡大斜視図で、このインクジェットヘッドは、図示
のように、3枚の基板1,2,3を重ねて接合した積層
構造になっており、第1の基板1は、複数のノズル孔を
構成するように基板1の表面に一端より平行に等間隔で
形成された複数のノズル溝4と、各々のノズル溝4に連
通し底壁を振動板5とする吐出室(インク加圧室)6
と、吐出室6の後部に設けられたインク流入口のための
細溝7と、各々の吐出室6にインクを供給するための共
通のインクキャビティ8を有する。
【0006】前記第1の基板1の下面に第2の基板2を
接合することによって振動室を構成するとともに、基板
2の前記振動板5に対応する各々の位置に振動板形状と
類似した形状に電極10を形成する。第1の基板1の上
面に接合される上側の第3の基板3によって、前記ノズ
ル溝4,吐出室6,オリフィス7及びインクキャビティ
8が構成される。
【0007】しかしながら、前記特開平6−71882
号公報記載の記録ヘッドでは、静電気力を利用するた
め、インク室の一部を構成する振動板と、該振動板を駆
動するための電極10との間に非常に微少なギャップ
(0.05μm以上,2.0μm以下)を形成する必要が
あり、図11中の記号Gが微少ギャップを示す。静電気
力を利用する方式では、圧電素子を利用する方式のもの
に比べて同じ電圧で発生する吐出圧力が非常に低く、し
かも発生圧力は距離の逆数の二乗に比例するので、印字
品質のバラツキを抑えるために、その微少ギャップの寸
法精度を所定範囲内に極めて高い精度で実現し、保つ必
要性がある。
【0008】そこで、前記特開平6−71882号公報
記載の発明では、その微少ギャップを形成する方法とし
て、前記振動板を形成する基板(振動板基板)と、前記
電極を形成する(電極基板)のどちらかに凹部を設けて
陽極接合法により両基板同士を接合し、基板間で微少ギ
ャップの形成を行っている。陽極接合法は硼珪酸系ガラ
ス基板とシリコン基板とを利用した接合法であり、前記
電極を形成した硼珪酸系ガラス基板を陰極側,前記振動
板を形成したシリコン基板を陽極側として、摂氏300
℃〜400℃の温度中で−500V程度の電圧を前記両
基板間に印加することにより、両基板の界面において極
めて強い静電引力が発生し、基板接合が行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、その陽
極接合法では、前述のように、接合の際にインクジェッ
トヘッド駆動時の電圧に比べ著しく高い電圧でもって振
動板基板と電極基板とを接合するため、振動板5と電極
10との間の空隙(ギャップ)で極めて強い静電引力が
働き、振動板が電界により変形した状態でその周囲を固
定されてしまう。そのため振動板に残留応力が発生し個
々の振動板の固有振動数が変動するため、インクの吐出
特性が変動してしまうといった問題がある。また、ヘッ
ドの低電圧駆動を行うためには、ギャップをより小さく
することが望ましいが、ギャップがより小さい領域で
は、より強い静電引力が働くため、最悪の場合、変形し
た振動板が電極に接触してギャップを形成することがで
きず、振動板を振動させることが不可能であるといった
問題も抱えている。
【0010】さらに、振動板と電極との間の空隙(ギャ
ップ)では、気体の絶縁破壊や電界放出などによる放電
の大電流が瞬間的に流れ、電極が溶融したり、電極と振
動板とが短絡を生じたりしてヘッドを破壊するといった
問題も含んでいる。その問題は、より小さいギャップ領
域において、顕著に現れることを言うまでもない。
【0011】そこで、前記特開平6−71882号公報
では、上記の問題を解決すべく、図12に示すように、
接合の際に、前記振動板5と前記電極間10との間に電
位差による静電引力が働かないよう振動板5と電極10
とが同電位となる部材11,12を取付けて接合を行
い、問題解決を行っている。しかしながら、その接合の
際には、そのような同電位となる部材を用意する必要が
あり、その部材の取付け、取り外しは煩雑で手間がかか
る。
【0012】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたもので、請求項1の発明は、振動板基板と電極基板
の接合の際に確実に非接合部分が形成でき、高精度に接
合ができるインクジェットヘッドを提供すること、請求
項2乃至9の発明は、振動板基板と電極基板とを陽極接
合して微少ギャップ形成する際に、同電位部材を使用せ
ずに簡易にギャップ部への接合時の電界の影響を低減
し、確実、かつ、高精度に微少なギャップ形成と接合が
できるインクジェットヘッドを提供することを目的とし
てなされたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、イン
クを吐出するためのノズルと、該ノズルに連通するイン
ク流路と、該流路の一部に設けられた振動板と、該振動
板に対向して設けられた対向電極とを有し、前記振動板
と前記対向電極との間に生じる静電気力を利用して、前
記振動板を前記対向電極と非接触となるように変形さ
せ、前記ノズルからインク液滴を吐出するインクジェッ
トヘッドにおいて、前記振動板が形成される第1の基板
と、前記対向電極が形成される第2の基板との間に選択
的に非接着層を設けて前記第1の基板と第2の基板を接
合したことを特徴とするものである。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記対向電極と対向する振動板の表面あるいは前記
振動板に対向する対向電極の表面に選択的に非接着層を
設けて、前記第1の基板と前記第2の基板とを接合した
ことを特徴とするものである。
【0015】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、前記非接着層が絶縁膜であることを特徴とするもの
である。
【0016】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、前記絶縁膜が酸化膜および窒化膜であることを特徴
とするものである。
【0017】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記酸化膜と窒化膜が、Al23膜とSi34膜で
あることを特徴とするものである。
【0018】請求項6の発明は、請求項3の発明におい
て、前記絶縁膜が真空蒸着法,イオンプレーティング
法,スパッタリング法,CVD法,ゾルゲル法又は熱酸
化法を利用して形成されていることを特徴とするもので
ある。
【0019】請求項7の発明は、請求項3の発明におい
て、前記絶縁膜の面寸法を前記接合面内において、前記
対向電極の面寸法よりも大きくしたことを特徴とするも
のである。
【0020】請求項8の発明は、請求項3の発明におい
て、前記絶縁膜の厚みを前記空隙を形成する凹部の深さ
から前記対向電極の厚みを差し引いた長さと同等の長さ
とするか、または、それ以下の長さとすることを特徴と
するものである。
【0021】請求項9の発明は、請求項3の発明におい
て、前記絶縁膜の短辺幅を前記空隙を形成する凹部の溝
幅よりも小さくしたことを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明によるインクジェ
ットヘッドの一実施形態を説明するための要部構成を一
部断面図にて示す斜視図で、図中、図10及び図11に
示した従来のインクジェットヘッドと同様の作用をする
部分には、図10及び図11の場合と同一の参照番号が
付してある。図1に示した実施例は、インク液滴を基板
1の端部に設けたノズル溝4から吐出させるエッジイン
クジェットタイプの例を示すもので、図2に、図1のII
−II線で切断した時の断面図を拡大して、また図3に図
2のIII−III線で切断した時の断面図を示す。
【0023】以下、3枚の基板1,2,3を重ねて接合
した積層構造のインクジェットヘッドを例にして説明す
る。まず、中間の第1の基板1はシリコン基板であり、
基板1の一端にノズル溝4が形成され、そのノズル溝4
に連通して底壁を振動板5とするインク吐出室(加圧
室)6を構成する凹部と、該凹部の後部に設けられたオ
リフィス7を構成するインク流入口のための細溝7と、
インク加圧室6にインクを供給するための共通のインク
キャビティ(共通インク室)8を構成する凹部を有す
る。また、振動板5の裏面(接合面側)には本発明の非
接着層20がほぼ振動板5と同じ形状で形成されてい
る。
【0024】次に、第1の基板1の下面に接合される下
側の第2の基板2は、パイレックスガラス(硼珪酸系ガ
ラス)基板を使用したものであり、微少なギャップを形
成するための凹部と、その凹部内にほぼ振動板5と同じ
形状に金をスパッタした電極10を有する。この基板2
の接合によって静電引力を利用して振動板を駆動するた
めの微少なギャップ形成が行われる。本実施例では、振
動板5と対向して配置される電極10との対向間隔、す
なわち、ギャップ部の長さGは第2基板2の凹部の深さ
と電極10の厚みとの差になるように構成する。
【0025】次に、第1の基板1の上面に接合させる上
側の第3の基板3には第2の基板2と同じくパイレック
スガラス基板が使用される。この基板3の接合によっ
て、前記ノズル溝4、インク吐出室(インク加圧室)
6、オリフィス7及びインクキャビティ(共通インク
室)8が構成される。そして、基板3ではインクキャビ
ティ8に連通する図示しないインク供給口が設けられ、
インク供給口は図示しない接続パイプ及びチューブを介
して図示しないインクタンクに接続される。
【0026】次に、第1の基板1と第2の基板2との接
合に陽極接合を利用して基板接合を行い、また、第1の
基板1と第3の基板3を同じ接合条件にて接合し、図1
乃至図3に示したようなインクジェットヘッドを組み立
てる。陽極接合法は他の接合法(ろう接、融接)と比較
して、ギャップの寸法精度の確保が期待でき、基板間に
電圧印加(−500V程度)を行うことにより比較的低
温(300〜400℃)で精密な接合ができるため、本
実施例のインクジェットヘッドのように微少ギャップを
形成し、組み立てる(接合する)方法としては好適であ
る。
【0027】上記のようにしてインクジェットヘッドを
組み立てた後、基板1と電極10との間を配線13によ
り発振回路14を接続し、インクジェット記録装置を構
成する。インクは図示しないインクタンクよりインク供
給口を経て基板1の内部に供給され、インクキャビティ
8、吐出室6等がインクで満たされる。
【0028】次に、上記のようにして構成された本実施
例の動作を説明する。電極10に発振回路14より0V
から100Vのパルス電圧を印加すると、電極10の表
面がプラス電位に帯電し、対応する振動板5の下面はマ
イナス電位に帯電する。従って、振動板5は静電気の吸
引作用により下方へ撓む。次に、電極10への電圧印加
をOFFすると、振動板5は復元する。そのため、吐出
室6内の圧力が急激に上昇し、ノズル溝4よりインク液
滴が形成され、記録紙に向けてインク吐出が行われる。
そして、次に、振動板5が再び下方へ撓むことにより、
インクがインクキャビティ8よりオリフィス7を通じて
吐出室6内に補給される。
【0029】次に、図4を参照して本実施例におけるイ
ンクジェットヘッドの製造工程について説明する。ま
ず、第1の基板1の製造工程について説明する。(10
0)面方位のシリコンウエハの両面を鏡面研磨し、厚さ
200μmのシリコン基板31を作製し、(図4
(A))、シリコン基板31に酸素及び水蒸気雰囲気中
で1100℃、4時間の熱酸化処理を施し、シリコン基
板31の両面に厚さ1μmのSiO2膜32a,32b
を形成する(図4(B))。SiO2膜32a及び32
bは耐エッチング材として使用するものである。次い
で、上面のSiO2膜32aの上に、ノズル4、吐出室
6、オリフィス7、及びインクキャビティ8の形状に相
当するフォトレジストパターン(図示せず)を形成し、
フッ酸系エッチング液にてSiO2膜32aの露出部分
をエッチング除去し、該フォトレジストパターンを除去
する(図4(C))。
【0030】次に、アルカリ液によるシリコン基板31
の異方性エッチングを行う。単結晶シリコンにおいて
は、周知のごとく、水酸化カリウム水溶液やヒドラジン
等のアルカリでエッチングする場合、結晶面によるエッ
チング速度の差が大きいため、異方性エッチングが可能
となる。具体的には、(111)結晶面のエッチング速
度が最も小さいため、エッチングの進行と共に(11
1)面が平滑面として残留する構造が得られる。本実施
例では、イソプロピルアルコールを含む水酸化カリウム
水溶液を用いてエッチングを行った。(100)面方位
のシリコン基板31において、(111)面は基板表面
である(100)面に対して結晶構造上約55℃の角度
をもって交わっているため、上記のように(100)面
方位のシリコン基板中の形成すべき各部の寸法が決定さ
れると、第1の基板の厚さに対し耐エッチング材のマス
クパターン寸法は一義的に決定される。
【0031】図5に示すように、吐出室6の上端の幅d
を740μmとし、180μmのエッチングを施すと、
幅hが500μm,厚さtが20μmである振動板5が
得られる。実際のエッチングでは、(111)面はわず
かずつエッチング(アンダーカット)され、図5におけ
る寸法dはマスクパターン幅d1より若干大きくなる。
従って、マスクパターン幅d1は、(111)面32a
のアンダーカット寸法の分だけ小さくしなければならな
いので、本実施例では730μmとし、上記のアルカリ
エッチング液にて所定量(180μm)のエッチングを
行なった。そして、基板31の全面に残留しているSi
2膜32a,32bを全部除去し、得られたシリコン
基板31の下面(接合面)全面に非接着層となる絶縁膜
33として、Si34膜をECRプラズマCVD法によ
り成形・形成を行った(図4(D))。その際の成膜条
件は以下の通りである。
【0032】印加磁界:875G マイクロ波パワー:500〜2KW 成膜圧力:0.005〜0.1pa 成膜温度:室温〜400℃
【0033】なお、Si34膜を成膜する際には、原料
ガスとしては窒素、珪素それぞれを含む少なくとも2種
類のガスが必要である。これらの原料における相状態は
常温常圧において必ずしも気体である必要はなく気化し
うるものであれば液体でも固体でも使用可能である。珪
素源としてはSiH4,Si26,Si38,SiCl3
等が、窒素源としてはN2,NH3,N2O,ピリジン等
が使用される。これらは原料ガスからのSi34膜の形
成方法としては成膜活性種が直流、低周波、高周波、あ
るいはマイクロ波等を用いたプラズマ法により生成され
るプラズマ状態を経て形成される方法が好ましいが、大
面積化、均一向上、成膜温度の低温化等の目的で磁場効
果をも併用した方法(ECRプラズマCVD法等)が好
適である。その他にも真空蒸着法,イオンプレーティン
グ法,ECRスパッタ法に代表されるスパッタ法,CV
D法,ゾルゲル法,熱酸化法、更にはそれら成膜法を組
み合わせた方法で形成しても良い。
【0034】また、非接着層33としては、振動板と電
極との間のギャップ中での接合時の電界影響を低減する
意味合いから絶縁膜を使用することが好ましく、特に、
陽極接合では400℃程度の熱に耐える必要性があるこ
とから、絶縁性と耐熱性に優れた酸化膜(Al23,S
iO,SiO2,TiO2)、窒化膜(Si34)の使用
が好適である。中でも熱による抵抗値変化が少なく、耐
絶縁性にも優れ、安定した膜であるAl23膜とSi3
4膜の使用は最適である。
【0035】そして、最後に非接着層を全面成膜した
後、ほぼ振動板の形状に相当するフォトレジストパター
ン34を形成し(図4(E))、フッ酸系エッチング液
にてSi34膜33の露出部分をエッチング除去し(図
4(F))、該フォトレジストパターン34を除去する
ことにより、振動板5と非接着層33を有する第1基板
が得られる(図4(G))。本実施例では、その非接着
層33の厚み0.2μm,短辺幅600μm、長さを2
00mmとして製作した。
【0036】次に、図6を参照して、第2の基板2の製
造工程について説明する。両面研磨された厚さ1mmの
パイレックスガラス(コーニング#7740)基板41
の上面にメタルマスク42を介して前記と同様にギャッ
プとなる形状に相当するフォトレジスト43でマスクパ
ターンを形成し(図6(A))、フォトレジスト43を
マスクとして、メタルマスクのエッチングを行い(図6
(B))、次いで、フッ酸系エッチング液にて等方性エ
ッチングを行い、ギャップとなる溝44の形成を行う
(図6(C))。メタルマスクを使用する理由は、エッ
チング後のサイドエッチのだれを防止するためである。
その後、レジストパターン及びメタルマスクを除去し
(図6(D))、次に、各振動板の対向電極となる金電
極45をスパッタリングにより成膜することにより、必
要な電極基板が得られる(図6(E))。ここで、本実
施例ではその金電極の厚みを0.5μm,短辺幅を50
0μm,長さを25mmとし、また、ギャップとなる溝
の深さを1.0μm,その短辺幅を740μm,長さを
25mmとして作製した。
【0037】次に、上記のようにして作製した第1,第
2基板を図2,図3に示すようにして陽極接合を行っ
た。陽極接合時の接合条件は空気中大気圧にて、接合電
圧−500V,接合温度400℃にて行い、接合電極と
してPtを利用して接合を行った。その結果、±10μ
m以下の位置精度で高精度に接合ができ、振動板の変
形、ギャップ中での放電がなく0.5μm程度の微少ギ
ャップが高精度に形成できた。また、その作製したヘッ
ドを利用して図2,図3に示すように組み立て、インク
ジェットヘッドの印字試験を行った結果、印字品質にバ
ラツキの少ない良好な画像が得られた。
【0038】図7は、本発明の他の実施例を説明するた
めの要部概略構成図で、この実施例は、第1の基板1の
振動板5の裏側(インク加圧室6の反対側の面)に凹部
(ギャップ)を形成し、この凹部内に非接着層20を設
けるようにし、第2の基板2には凹部を設けることなく
(第2の基板2の平面上に)、前記第1の基板1に設け
られた凹部(ギャップ)内に収納される対向電極10を
設けるようにしたものである。
【0039】図8及び図9は、それぞれ図2に示した実
施例を代表例として示す各部の寸法を示したもので、図
8に示した例は、対向電極10と非接着層20との間に
ギャップを設けた例、図9に示した例は、対向電極10
上に非接着層20を接触して設け、該非接着層20と振
動板5との間にギャップを設けた例で、図中、a1は非
接着層20の幅、a2は非接着層20の厚さ、b1は対向
電極10の幅、b2は対向電極10の厚さ、c1は対向電
極10が配設される凹部(ギャップ部)の幅、c2は該
凹部の深さ(ギャップ)であり、これらは、好ましく
は、a1>b1、c2−b2≧a2,a1<c1に選ばれる。
例えば、a1>b1とすることにより、対向電極10と振
動板5の間を直接結ぶ径路を長くし(絶縁膜20によっ
て、放電の径路を長くし)、陽極接合時における対向電
極10と振動板5との間の放電を確実に防止し、c2
2≧a2とすることにより、対向電極10と絶縁膜20
との間に必ず間隙ができるようにし、陽極接合時、第1
基板1と第2基板2を重ね合わた時に、絶縁膜20が対
向電極10に当って、振動板5部が浮き上がらないよう
にし、更には、a1<c1とすることにより、陽極接合
時、第1基板1と第2基板2が確実に接合できるように
したものである。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1の発明によれば、ヘッドの組み立て(接合)精度が向
上するため、歩留まりが向上し、印字品質にバラツキが
少ないインクジェットヘッドが提供される。また、請求
項2乃至9の発明によれば、同電位部材を使用せず、簡
易,確実にかつ、高精度により微少なギャップ形成と接
合ができるため、より歩留まりが向上し、さらに駆動電
圧の低電圧化ができ、より印字品質にバラツキが少ない
インクジェットヘッドが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるインクジェットヘッドの一実施
形態を説明するための要部概略斜視図である。
【図2】 図1のII−II線拡大断面構成図である。
【図3】 図2のIII−III線断面概略構成図である。
【図4】 振動板の製作方法の一例を説明するための要
部断面工程図である。
【図5】 振動板部(吐出室部)の拡大詳細図である。
【図6】 第2の基板の製作方法の一例を説明するため
の要部断面工程図である。
【図7】 本発明の他の実施例を説明するための要部概
略断面構成図である。
【図8】 本発明によるインクジェットヘッドの各部の
寸法関係を説明するための要部概略断面構成図である。
【図9】 本発明による他のインクジェットヘッドの各
部の寸法関係を説明するための要部概略断面構成図であ
る。
【図10】 従来のインクジェットヘッドの要部分解斜
視図である。
【図11】 従来のインクジェットヘッドの斜視図であ
る。
【図12】 従来の基板同士の接合方法の一例を説明す
るための要部断面構成図である。
【符号の説明】
1…第1の基板、2…第2の基板、3…第3の基板、4
…ノズル溝、5…振動板、6…吐出室(インク加圧
室)、7…インク流路、8…共通液室、10…対向電
極、20…非接着層(絶縁膜)。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するためのノズルと、該ノ
    ズルに連通するインク流路と、該流路の一部に設けられ
    た振動板と、該振動板に対向して設けられた対向電極と
    を有し、前記振動板と前記対向電極との間に生じる静電
    気力を利用して、前記振動板を前記対向電極と非接触と
    なるように変形させ、前記ノズルからインク液滴を吐出
    するインクジェットヘッドにおいて、前記振動板が形成
    される第1の基板と、前記対向電極が形成される第2の
    基板との間に選択的に非接着層を設けて前記第1の基板
    と第2の基板を接合したことを特徴とするインクジェッ
    トヘッド。
  2. 【請求項2】 前記対向電極と対向する振動板の表面あ
    るいは前記振動板に対向する前記対向電極の表面に選択
    的に非接着層を設けて、前記第1の基板と前記第2の基
    板とを接合したことを特徴とする請求項1記載のインク
    ジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記非接着層が絶縁膜であることを特徴
    とする請求項2記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記絶縁膜が酸化膜および窒化膜である
    ことを特徴とする請求項3記載のインクジェットヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 前記酸化膜と窒化膜が、Al23膜とS
    34膜であることを特徴とする請求項4記載のインク
    ジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 前記絶縁膜が真空蒸着法,イオンプレー
    ティング法,スパッタリング法,CVD法,ゾルゲル法
    又は熱酸化法を利用して形成されていることを特徴とす
    る請求項3記載のインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 前記絶縁膜の面寸法を前記接合面内にお
    いて、前記対向電極の面寸法よりも大きくしたことを特
    徴とする請求項3記載のインクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 前記絶縁膜の厚みを前記空隙を形成する
    凹部の深さから電極の厚みを差し引いた長さと同等の長
    さとするか、または、それ以下の長さとすることを特徴
    とする請求項3記載のインクジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 前記絶縁膜の短辺幅を前記空隙を形成す
    る凹部の溝幅よりも小さくしたことを特徴とする請求項
    3記載のインクジェットヘッド。
JP26334997A 1997-09-29 1997-09-29 インクジェットヘッド Pending JPH1199647A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26334997A JPH1199647A (ja) 1997-09-29 1997-09-29 インクジェットヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26334997A JPH1199647A (ja) 1997-09-29 1997-09-29 インクジェットヘッド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1199647A true JPH1199647A (ja) 1999-04-13

Family

ID=17388246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26334997A Pending JPH1199647A (ja) 1997-09-29 1997-09-29 インクジェットヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1199647A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3374852B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3381729B2 (ja) インクジェットヘッドの製造方法
US5912684A (en) Inkjet recording apparatus
US6113218A (en) Ink-jet recording apparatus and method for producing the head thereof
JP2001277505A (ja) インクジェットヘッド
JPH1199647A (ja) インクジェットヘッド
JP2843176B2 (ja) インクジェットヘッド
JPH0623986A (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法
JPH10315466A (ja) インクジェットヘッド
JPH11277755A (ja) 凹部を有するシリコン基板とインクジェットヘッドの製造方法およびそのシリコン基板とインクジェットヘッド
JP3791385B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびその製造方法
JPH11227195A (ja) インクジェットヘッド
JPH09300630A (ja) インクジェットヘッドの製造方法
JP4100447B2 (ja) 凹部を有するシリコン基板およびインクジェットヘッド
JPH0920007A (ja) インクジェットヘッド
JPH11138794A (ja) 液体噴射記録装置
JPH11129463A (ja) インクジェットヘッド
JP2009006617A (ja) 静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、静電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法
JP2005161706A (ja) 液滴吐出ヘッド、その製造方法及び液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置
JPH0655732A (ja) インクジェットヘッド
JP2003019804A (ja) 静電駆動式のインクジェットヘッド及びその製造方法
JPH0920008A (ja) インクジェットヘッドおよびその製造方法およびそれを搭載した印刷装置
JP2004322454A (ja) 静電駆動式インクジェットヘッド
JP2001047629A (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法
JP2002178523A (ja) 静電駆動式のインクジェットヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040720

A02 Decision of refusal

Effective date: 20050125

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02