JP2001047629A - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びその製造方法

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JP2001047629A
JP2001047629A JP22900799A JP22900799A JP2001047629A JP 2001047629 A JP2001047629 A JP 2001047629A JP 22900799 A JP22900799 A JP 22900799A JP 22900799 A JP22900799 A JP 22900799A JP 2001047629 A JP2001047629 A JP 2001047629A
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diaphragm
jet head
liquid chamber
ink jet
manufacturing
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JP22900799A
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Yasutarou Kobata
八州太郎 木幡
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/015Ink jet characterised by the jet generation process
    • B41J2/04Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand
    • B41J2002/043Electrostatic transducer

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 静電型インクジェットヘッドにおいては、ヘ
ッドの高密度化に伴ない、振動板の板厚、幅、また振動
板と電極間のギャップ形状等のバラツキが振動板変位に
大きく影響する。液室が高密度化しても安定して高速駆
動を行うことが可能なインクジェットヘッド及びその製
造方法を提供する。 【解決手段】 振動板10の液室側表面に凹部21など
からなる変位制御パターン20を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェットヘッド及
びその製造方法に関し、特に静電型インクジェットヘッ
ド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プ
ロッタ等の画像記録装置として用いるインクジェット記
録装置において使用するインクジェットヘッドは、イン
ク滴を吐出するノズル(吐出口、ノズル孔、オリフィス
等とも称される。)と、このノズルが連通する液室(吐
出室、圧力室、加圧液室、インク流路等とも称され
る。)と、この液室内のインクを加圧するエネルギーを
発生するエネルギー発生手段(アクチュエータ)とを備
えて、アクチュエータを駆動することで液室内インクを
加圧してノズルからインク滴を吐出させるものであり、
記録の必要なときにのみインク滴を吐出するインク・オ
ン・デマンド方式のものが主流である。
【0003】そして、インク滴(記録液体)を吐出させ
るためのアクチュエータの種類により、幾つかの方式に
大別される。例えば、特開平2−51734号公報に記
載されているように、液室の壁の一部を薄い振動板と
し、これに対応して電気機械変換素子としての圧電素子
を配置し、電圧印加に伴って発生する圧電素子の変形に
より振動板を変形させることで液室内の圧力を変化させ
て、インク滴を吐出させるピエゾ方式のもの、また、特
公昭61−59911号公報に記載されているように、
液室内部に発熱体素子を配置し、通電による発熱体の加
熱によって気泡を発生させ、気泡の圧力によってインク
滴を吐出させるバブルジェット方式のものが一般に良く
知られている。
【0004】また、例えば特開平2−289351号公
報に記載されているように、Siからなる液室の一部を
形成する振動板と、この振動板に対向して配置された液
室外の個別電極とを備え、振動板と電極との間に電界を
印加することで発生する静電力により振動板を変形させ
て、液室内の圧力/体積を変化させることによりノズル
からインク滴を吐出させる静電型のものも提案されてい
る。
【0005】このような静電型インクジェットヘッドに
おいて、低駆動電圧で高速かつ安定してインク滴を吐出
しようとする場合、振動板の変位制御、液室の内圧制御
が不可欠であり、これまでにも種々の振動板構造、電極
形状、印加電圧制御方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな静電型インクジェットヘッドにおいては、振動板板
厚、また振動板と電極間のギャップ形状等のバラツキが
振動板変位に大きく影響する。一方、インクジェットヘ
ッドの高密度化に伴ない液室幅つまり振動板幅が短くな
り、低い駆動電圧でインク滴吐出に十分な振動板変位を
得るためには、振動板板厚もより薄く形成する必要があ
る。
【0007】しかし、振動板板厚が薄くなる分、そのば
らつきが振動板変位/インク滴吐出に与える影響もより
大きくなり、ビット間のインク滴体積、滴速度などのイ
ンク吐出特性にもばらつきが発生してしまい、高密度化
の妨げとなる。特に、特開平9−193375号公報に
記載されているインクジェットヘッドのように振動板が
変位するための振動板と電極間のギャップ幅(ギャップ
寸法)が一定幅ではなく、電極と振動板が非平行状態で
配置されている場合、振動板板厚ムラ、特に振動板面内
のムラが大きい場合、ビット間のインク滴吐出のばらつ
きが大きくなる。
【0008】また、液室の壁面の一部をなす振動板の剛
性が小さくなることで、インク滴吐出時に効率的に液室
内の圧力を高めることができず、かつインク滴吐出後の
振動板の残留振動の影響が大きくなる。特に高周波数で
振動板を駆動した場合、インク滴吐出が不安定になり、
高速化の妨げとなるという課題がある。
【0009】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、液室が高密度化しても安定して高速駆動を行う
ことが可能なインクジェットヘッド及びその製造方法を
提供することを目的とする。
【0010】より具体的には、請求項1の発明は液室が
高密度になり振動板が薄膜化し、また電極/振動板間の
ギャップが平行形状でなくても、振動板の振動特性にビ
ット間のばらつきを少なくすることを目的としている。
請求項2の発明は種々の振動特性の振動板の高い精度で
の製作を容易にし、請求項3の発明は振動板全体の剛性
を高め高数周波数駆動でも安定したインク滴を吐出さ
せ、請求項4の発明はノズル付近での液室内のインク圧
力を効果的に高め、低い駆動電圧でインクを吐出させる
ことを目的としている。
【0011】請求項5の発明は簡易なプロセスで高密度
に液室を形成することを目的とし、請求項6、7の発明
は簡易なSi基板(シリコン基板)中への不純物拡散技
術、或いは薄膜形成技術で振動板を形成することを目的
としている。
【0012】請求項8の発明は強度の強い液室/振動板
を作製し、請求項9の発明は液室間の隔壁を厚くして液
室剛性を高め相互干渉を減少させると共に、振動板と液
室との位置合わせ不良を低減することを目的とし、請求
項10の発明は複雑な振動板形状を高精度に形成するこ
とを目的とし、請求項11の発明はより低コストで作製
することを目的としている。また、請求項12、13、
14の発明は簡易なプロセスで高精度の変位制御パター
ンを形成することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェットヘッドは、振動板の液室
側表面又は/及び電極側表面に凹部又は/及び凸部から
なる変位制御パターンを設けた構成とした。
【0014】請求項2のインクジェットヘッドは、上記
請求項1のインクジェットヘッドにおいて、前記変位制
御パターンは、深さ又は高さ、幅、密度の少なくともい
ずれかが異なるパターンである構成とした。
【0015】請求項3のインクジェットヘッドは、上記
請求項2のインクジェットヘッドにおいて、前記変位制
御パターンとなる凹部又は/及び凸部が振動板の長手方
向に形成されている構成とした。
【0016】請求項4のインクジェットヘッドは、上記
請求項2又は3のインクジェットヘッドにおいて、前記
変位制御パターンは、前記ノズル位置に近い位置ほど深
く又は高く、幅広く、又は高密度に形成されている構成
とした。
【0017】請求項5のインクジェットヘッドは、上記
請求項1乃至4のいずれかのインクジェットヘッドにお
いて、前記液室の側壁がシリコン基板の異方性エッチン
グで形成されている構成とした。
【0018】請求項6のインクジェットヘッドの製造方
法は、上記請求項5のインクジェットヘッドを製造する
方法において、単結晶シリコン基板中に高濃度P型層凹
凸の分布を形成し、この高濃度P型層を異方性エッチン
グによるエッチングストップ層として製作する構成とし
た。
【0019】請求項7のインクジェットヘッドの製造方
法は、上記請求項5のインクジェットヘッドを製造する
方法において、シリコン基板の一面に振動板を形成する
部分に振動板表面形状となる高濃度P型層凹凸パターン
を形成した後、薄膜形成プロセスで振動板を形成する構
成とした。
【0020】請求項8のインクジェットヘッドは、上記
請求項1乃至4のいずれかのインクジェットヘッドにお
いて、前記液室の側壁部を形成する液室基板と前記振動
板を形成する振動板基板とがいずれもシリコン基板であ
り、両基板が接合されている構成とした。
【0021】請求項9のインクジェットヘッドは、上記
請求項8のインクジェットヘッドにおいて、前記液室基
板で形成される液室の大きさが前記振動板基板で形成さ
れる振動板よりも小さい構成とした。
【0022】請求項10のインクジェットヘッドの製造
方法は、上記請求項8又は9のインクジェットヘッドを
製造する方法において、液室の側壁部を形成するシリコ
ン基板と表面に耐アルカリ性エッチング層を形成したシ
リコン基板とを貼り合わせた後、液室部をウエットエッ
チングで、振動板を研磨で形成する構成とした。
【0023】請求項11のインクジェットヘッドの製造
方法は、上記請求項8又は9のインクジェットヘッドを
製造する方法において、予め液室側壁部形状を形成した
シリコン基板と予め振動板形状を形成したシリコン基板
とを貼り合わせた後、両面の研磨により液室/振動板を
形成する構成とした。
【0024】請求項12のインクジェットヘッドの製造
方法は、上記請求項1乃至5、8、9のいずれかのイン
クジェットヘッドを製造する方法において、前記変位制
御パターンは結晶面方位(100)のシリコン基板をウ
エットエッチングして形成する構成とした。
【0025】請求項13のインクジェットヘッドの製造
方法は、上記請求項1乃至5、8、9のいずれかのイン
クジェットヘッドを製造する方法において、前記変位制
御パターンはシリコン基板を等方性ウエットエッチング
して形成する構成とした。
【0026】請求項14のインクジェットヘッドの製造
方法は、上記請求項1乃至5、8、9のいずれかのイン
クジェットヘッドを製造する方法において、前記変位制
御パターンはシリコン基板をドライエッチングして形成
する構成とした。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照して説明する。図1は本発明を適用す
る静電型インクジェットヘッドの分解斜視説明図、図2
は同ヘッドの透過状態で示す上面説明図、図3は同ヘッ
ドの液室長辺方向に沿う模式的断面説明図、図4は同ヘ
ッドの液室短辺方向に沿う模式的断面説明図である。
【0028】このインクジェットヘッドは、振動板/液
室基板1と、振動板/液室基板1の下側に設けた電極基
板3と、振動板/液室基板1の上側に設けたノズルプレ
ート4とを備え、複数のノズル5、各ノズル5が連通す
る液室(吐出室)6、液室6に流体抵抗部(インク供給
路)7を介して連通する共通液室8などを形成してい
る。
【0029】振動板/液室基板1には、液室6及びこの
液室6の底部となる振動板10、各液室6を隔てる隔壁
11を形成する凹部、共通液室8を形成する凹部などを
形成している。
【0030】電極基板3には、凹部14を形成して、こ
の凹部14の底面に振動板10に所定のギャップ16を
置いて対向する電極15を形成し、この電極15と振動
板10によって、振動板15を変位させて液室6の内容
積を変化させるアクチュエータ部を構成している。この
電極基板3の電極15上には振動板10との接触によっ
て電極15が破損するのを防止するためのSiO2などの
絶縁層17を成膜している。なお、電極15を電極基板
3の端部付近まで延設して外部駆動回路と接続手段を介
して接続するための電極パッド部15aを形成してい
る。
【0031】この電極基板3は、ガラス基板、また表面
に熱酸化膜3aを形成したSi基板上に、HF水溶液な
どでエッチングにより凹部14を形成し、この凹部10
に窒化チタンなどの高耐熱性を有する電極材料をスパッ
タ、CVD、蒸着などの成膜技術で所望の厚さに成膜
し、その後、フォトレジストを形成してエッチングする
ことにより、凹部14にのみ電極15を形成したもので
ある。この電極基板3と振動板/液室基板1とは陽極接
合、直接接合などのプロセスで接合している。
【0032】ノズルプレート4は、NiやSUSなどの
金属板、ガラス、Siあるいは樹脂等との複合基材から
構成し、ノズル5はエッチングやニッケルのエレクトロ
フォーミング法などの周知の方法で作製することができ
る。また、ノズルプレート4には液室6と共通液室8と
の間のインク供給路7となる溝部及び図示しないヘッド
外部のインクタンクと接続するためのインクタンク接続
口19も形成している。このノズルプレート4のノズル
面(吐出方向の表面)には、インクとの撥水性を確保す
るため、メッキ被膜、あるいは撥水剤コーティングなど
の周知の方法で撥水膜を形成している。
【0033】このインクジェットヘッドにおいては、振
動板10と電極15との間(いずれかを共通電極、他方
を個別電極とする。)に駆動電圧を印加することによっ
て充電して、静電力によって振動板10を電極15側に
変形させ、続いて振動板10と電極15間の電荷を放電
させることによって振動板10が復帰変形して、液室6
の内容積(体積)/圧力が変化することによって、ノズ
ル5からインク滴が吐出される。なお、この場合、振動
板10を電極15に当接させない非当接駆動方式、ある
いは振動板10を電極15に当接させる当接駆動方式の
いずれの方式でも駆動することができる。
【0034】次に、本発明の実施形態の原理について図
5乃至図8を参照して説明する。なお、図5及び図6は
本発明を適用しない比較形態の振動板短辺方向の説明
図、図7及び図8は本発明を適用した実施形態の振動板
短辺方向の説明図である。また、ここでは振動板と電極
とを非平行状態で配置し、徐々に広がるギャップを有す
るヘッドを例にする。
【0035】まず、本発明を適用しない比較形態につい
て図5及び図6を参照して説明すると、図5(a)に示
すようにギャップ16の幅(ギャップ寸法)が広い部分
で振動板10の厚みが薄くなっている場合と、図6
(a)に示すようにギャップ16の幅が狭い部分で振動
板10の厚みが薄くなっている場合とでは、各図(b)
に示すように同じ変位量で振動板10を変位させた場合
でも、振動板10に蓄えられるエネルギーが異なるた
め、振動板10が回復した時のインク液室6内の圧力経
時変化も、また駆動電圧も大きく異なる。そのため、イ
ンク滴速度、インク滴量などの吐出特性もビット毎にば
らつき、また駆動ドライバによって制限される駆動電圧
のばらつきの許容範囲を逸脱してしまうことがある。
【0036】そこで、本発明の実施形態では図7及び図
8に示すように振動板10に変位量を制御する例えば凹
部(又は/及び凸部でもよい。)21などからなる変位
制御パターン20を形成する。すなわち、振動板10の
厚さを比較形態の場合よりも厚く形成する一方、凹部2
1を設けることで振動板10が薄くなる部分を意図的に
形成している。
【0037】これにより、図7(a)に示すようにギャ
ップ16の幅が広い部分で振動板10の厚みが薄くなっ
ている場合、図8(a)に示すようにギャップ16の幅
が狭い部分で振動板10の厚みが薄くなっている場合の
いずれの場合でも、振動板10が変位し易い部分を振動
板板厚とは無関係に特定することができ、つまり、変位
時の振動板形状をある程度制御することができる。した
がって、振動板面内でギャップ幅が異なる電極形状の場
合でも、図5及び図6の比較形態に比べて振動板厚むら
によるインク滴吐出特性のばらつきを小さくすることが
できる。
【0038】このような振動板10の凹凸形状はフォト
リソグラフィプロセスを用いて、たとえばウェハ単位で
一括して高精度に形成することができるので、上述した
図7及び図8に示すように、直線的にギャップ幅が変化
する単純な非平行ギャップ形状のみならず、曲線的にギ
ャップ幅が変化するなど、複雑な電極形状にも容易に対
応することができる。
【0039】なお、この振動板の変位特性を制御するた
めの、ある深さ、幅、密度を有する複数の溝やホールな
どの凹部、及び/又は、柱などの凸部の集まり、若しく
は、1の凹部及び/又は凸部などを「変位制御パター
ン」と称している。つまり、変位制御パターンとは振動
板の液室側表面、あるいは電極側表面、または両面が凹
凸になるようなものである。
【0040】ここで、振動板10の変位制御パターン2
0は、図9に示すように振動板10の液室側表面に形成
しても、図10に示すように振動板10の電極側表面に
形成しても、あるいは図11に示すように振動板10の
液室側表面及び電極側表面の両面に形成してもよい。電
極側に形成した場合には、振動板10が薄くなる部分の
ギャップ幅が広くなるので、その部分に極端に応力が加
わることがなく、また、電極15の保護膜(絶縁膜1
7)との接触面積が少なくなるので、例えば振動板10
表面に付着した水分等による振動板10と保護膜との融
着を抑制する効果もある。
【0041】次に、振動板変位を制御するために形成す
る変位制御パターン20の異なる例について図12乃至
図20をも参照して説明する。なお、図12は振動板を
含む振動板/液室基板の短辺方向の要部断面説明図、図
13は同振動板の斜視説明図、図14乃至図20は同振
動板の異なる例を示す斜視説明図である。また、ここで
は振動板10の液室側表面に変位制御パターンを形成し
た例で説明するが、電極側表面或いは両面に変位制御パ
ターを形成しても良いことは上述したとおりである。
【0042】先ず、図12及び図13に示す振動板10
は、液室6側表面に、液室6内の圧力特性を制御するた
め、液室6の長辺方向に沿って凹部である複数本の溝2
2からなる変位制御パターン20を形成している。
【0043】また、図14に示す振動板10は、変位制
御パターン20として液室側表面に短辺方向に沿って同
じく複数本の溝22を形成している。図15に示す振動
板10は、液室側表面に変位制御パターン20として複
数の円形の凹部(ホール)23を形成している。図16
に示す振動板10は液室側表面に変位制御パターン20
として複数の円形のホール24及び四角形のホール25
を混在して形成している。図17に示す振動板10は液
室側表面に変位制御パターン20として複数本の凸部
(柱)26を形成している。
【0044】なお、変位制御パターン20を構成する複
数の溝、柱、ホールなどの凹部及び/又は凸部は、縦方
向(液室長辺方向)でも横方向(液室短辺方向)でもよ
く、間隔は等間隔でも異なる間隔でもよく、加工可能で
振動板10の強度を極端に減少させるものでなければよ
い。
【0045】また、変位制御パターン20を構成する複
数の溝、柱、ホールなどの凹部及び/又は凸部は、深さ
又は高さ、幅、密度が同一平面内で同じである必要はな
く、これらの深さ又は高さ、幅、密度の少なくともいず
れかを変化させることにより、様々な剛性分布、変位指
向性を有する振動板を得ることができる。
【0046】例えば、図18に示す振動板10は溝22
の深さを変えた場合であり、深い部分での振動板剛性が
小さくなり変形し易くなる。また、図19に示す振動板
10は溝22の幅及び密度を変えた場合である。形成さ
れている溝の密度が大きい部分、また溝の幅が広い部分
では剛性が小さくなり、振動板の変形が大きくなる。そ
して、これら溝22を同一方向に揃えて形成した場合、
形成方向には変位し難く、形成方向と直交する方向には
変位し易い変位指向性を持った振動板10が得られる。
【0047】特に、前述のような溝または柱のパターン
を、図12、図13に示したように振動板の長辺方向に
沿って溝(または柱)などを形成した場合、振動板変位
量を主に規定する短辺方向には、大きい勾配を持って容
易に変位するが、長辺方向においては変位の勾配が小さ
くなり、インク吐出時また吐出後の微小なスケールで振
動板のうねりを抑制することができる。その結果、イン
ク吐出時には効果的に液室内の圧力を高めることがで
き、また吐出後も振動板の高速駆動を不安定にする振動
板の残留振動の高調成分を抑制することもできる。
【0048】次に、図20に示す変位制御パターン20
は、振動板10の面内において、長辺方向、短辺方向い
ずれにおいても、幅、密度また深さなどを変化させて形
成した場合である。この変位制御パターン20はインク
供給路7側からノズル5の位置に対応する側に向けて、
複数の溝22の密度が高くなるように形成している。
【0049】このように短辺方向においては液室との接
続部の剛性が高く、長辺方向においてはインク供給路7
からノズル5に向けて剛性を小さくすることにより、通
常振動板の変位回復からインク吐出まで10μsec程度
と時間がかかる静電型インクジェットヘッドにおいて
も、インク吐出時にノズル5付近でのインク圧力を短い
時間で効果的に高めることができ、残留振動も少なくな
るので、高速(高周波教)でのインク吐出を安定して行
うことができる。
【0050】なお、ここで、変位制御パターン20を構
成する溝、柱、ホールなどの凹/凸のパターンの配列方
向や密度は、図20のものに限定されるものではなく、
例えば前述した図14乃至図19に示すような各種のパ
ターンを用いることができる。
【0051】次に、上述した振動板表面に変位制御パタ
ーンを有するインクジェットヘッドの製造方法の異なる
例について図21及び図22を参照して説明する。な
お、この例では、前述した図1乃至図4のインクジェッ
トヘッドにおける振動板/液室基板を、基材に結晶面方
位(110)の単結晶Si基板を用いて、基板中に導入
したボロンなどによる高濃度P型凹凸層を用いて形成す
る場合について説明する。
【0052】先ず、図21に示す例では、同図(a)に
示すように、両面研磨した結晶面方位(110)のSi
基板31の一方の面に、フォトリソでレジストパターン
32を形成する。そして、例えばボロン(B)などをイ
オン注入し、KOH水溶液(水酸化カリウム水溶液)に
よる異方性エッチングによる液室形成時にエッチングス
トップ層となり、振動板10の表面形状となる高濃度p
型の凹凸層33を形成する。
【0053】ここで、マスクパターン、イオン注入エネ
ルギーを変化させ、以上の工程を繰り返すことにより、
様々な深さ(例えば注入イオンがボロンであれば、注入
エネルギーが200keVで〜0.5μm、500ke
Vで〜1μm、800keVで〜1.5μm程度の深さ
まで注入できる。)、幅の凸/凹形状の変位制御パター
ン20を形成することができる。その後、同図(b)に
示すように、マスクを除去し、全体に浅く振動板10の
底面となる高濃度p型層34を形成する。なお、マスク
層の厚さを薄くしてマスク層をバッファとしてイオンを
注入すれば、1回の注入作業で凹凸分布を形成すること
ができる。その後、注入されたボロンを活性化するた
め、1100℃以上の温度でSi基板41をアニールす
る。
【0054】次いで、同図(c)に示すように、Si基
板41の高濃度p型層34を形成した面の方に、CVD
やスパッタ、蒸着、またsol-gel法などの塗布法を用い
て、Siのエピタキシャル膜、多結晶膜、窒化膜、ニッ
ケル、アルミ等の金属膜、あるいは酸化ジルコニウム等
の金属酸化物膜など、振動板として強度のある薄膜35
を形成する。
【0055】その後、同図(d)に示すように、Si基
板51のもう一方の面から10wt%以下の濃度のKO
H水溶液で異方性エッチングをして液室6を形成するこ
とによって振動板/液室基板1を作製できる。
【0056】なお、振動板10を薄く形成する場合は、
同図(b)に示すように高濃度p型層34を形成した時
点で、異方性エッチングで液室/振動板を形成してもよ
い。また、ボロン導入時のマスクにSi窒化膜などを用
いれば、BNやB23などのプレートを用いた固相拡散
法を用いて、高濃度p型層34を形成することもでき
る。
【0057】次に、図22に示す例では、突起部のみ高
濃度p型部で形成し、振動板10の底面部は薄膜部35
で形成している。薄膜部35がKOH水溶液に対して耐
食性を有していない場合には、例えばイオン注入前に
0.1〜0.2μm程度の熱酸化膜などのエッチングス
トップ層36を形成して、液室形成時に薄膜部35を保
護することができる。
【0058】例えば、10wt%のKOH水溶液では、
前述のような1020/cm3以上にボロンが拡散された
+層で1/100以下、熱酸化膜で1/200程度ま
でエッチングレートが低下する。そのため、再現性良く
振動板を形成することができる。
【0059】上述した例では、Si基板への高濃度p型
層の形成とあるいはまたCVD、スパッタリング、蒸着
等の薄膜形成法を用いて、液室及び振動板を形成する方
法を説明したが、予め表面に振動板形状を形成した振動
板側Si基板と液室側Si基板とを貼り合せて作製するこ
ともできる。
【0060】そこで、この振動板側Si基板と液室側Si
基板とを貼り合せて作製する方法について図23を参照
して説明する。なお、同図はヘッドの短辺方向の断面説
明図である。
【0061】先ず、同図(a)に示すように、振動板基
板として結晶面方位(100)のシリコン基板41を用
いて、このシリコン基板41表面にフォトリソ等のパタ
ーニング技術によってSi窒化膜や酸化膜、レジスト層
等のエッチングマスクを形成し、ウエットエッチングプ
ロセスやドライエッチングプロセスを用いて、液室側表
面に変位制御パターン20を形成する。
【0062】ここで、変位制御パターン20の形成方法
について図24及び図25を参照して説明する。例え
ば、異方性ウェットエッチングならばKOH、TMAH
等の強アルカリ性エッチング液、等方性エッチングなら
ばHF−HNO3系のエッチング液を用いる。Si基板の
種類、エッチング方法を選択して組み合わせることによ
り、様々な振動板形状及び変位制御パターンを形成する
ことができる。
【0063】すなわち、例えば図24はHF−HNO3
系のエッチング液による等方性エッチングを行なった場
合で、マスク幅、エッチング時間などでエッチング形状
を変えることができる。この場合、振動板基板の材質に
制限はなく、安価な結晶面方位(100)基板を用いる
ことができる。そして、これによれば凹部21は断面略
半円形状に形成されて、エッチング溝底部に鋭角な部分
が形成されないため、振動板変位時にも応力の集中が起
こりにくく、耐久性の高い振動板を得られる。
【0064】また、図25は図23(a)に示すように
結晶面方位(100)のSi基板にアルカリ性エッチン
グ液を用いた場合である。結晶面方位(100)のSi
基板のエッチングの場合、(100)面に対して54.
7°の角度で形成される(111)面同士が交わった時
点でエッチングがほぼストップする。そのため、マスク
幅を振動板面内で変化させることにより、一度のエッチ
ングで同図に示すようにエッチング深さの異なる凹部2
1を形成することができる。
【0065】これらウエットエッチングのパターニング
用マスクには、例えばLP−CVD等で形成したSi窒
化膜や熱酸化膜等を用いるが、RIE(反応性イオンエ
ッチング)等のドライエッチングプロセスで形成する場
合、マスクにフォトレジストを用いることができるた
め、前述したようなマスク層の形成の必要がなく、また
Si基板の種類は問わないため、簡易なプロセスで低コ
ストに作製できる。エッチング圧力、反応ガス種/比、
放電電力を変化させれば、図26に示すように異方的に
も、図24で示したように等方的にもエッチングでき
る。
【0066】いずれの方法であっても、変位制御パター
ン20を含む加工深さはせいぜい20μmを越えない範
囲であるので、多少のばらつきであっても全体からする
と微少なものであり、エッチングストップ層の形成は特
に必要としない。ただし、より制御性を向上するために
は、最大でも数μm/min程度で、エッチング圧力、放
電電力を小さくしてやれば、エッチングレートはさらに
小さくできる。ウエットエッチングの場合も、例えば2
5wt%60℃のKOH水溶液で(100)面のエッチ
ングレートが0.7μm/min程度、HF-HNO3系の
等方性エッチング液も純水、酢酸などで希釈して濃度を
下げることにより1μm/min以下のレートでエッチン
グすることができる。
【0067】なお、ここでは液室側表面に変位制御パタ
ーンを形成しているが、振動板の電極側表面への変位制
御パターンも、上述した方法を用いて容易に作製するこ
とができる。
【0068】図23(b)に戻って、上述のようにして
変位制御パターン20が形成された振動板基板となるS
i基板41の表面に、高濃度にボロンなどが拡散された
高濃度P+層や熱酸化膜などのアルカリ性エッチング液
に対して耐食性を有する層43を形成する。前述したよ
うにKOH水溶液では高濃度p型層や熱酸化膜層では急
激にエッチングレートが下がるため、液室形成時のエッ
チング時間ムラを考慮しても、これらのストップ層は数
千Å程度形成すれば良い。
【0069】次に、同図(c)に示すように、振動板基
板となるSi基板41と液室基板となるSi基板42とを
接合する。シリコン基板42としては、高密度に液室を
形成するためにアルカリ性エッチング液で垂直壁を形成
できる結晶面方位(110)のSi基板を用いるのが好
ましい。
【0070】両基板41、42の接合方法としては、直
接接合などの簡易な方法で接合することができるが、エ
ッチングストップ層に高濃度P+層を用いた場合には、
接合温度をあまり高くすると、熱拡散による再分布が発
生する。しかし、ノズルプレートとアクチュエータ部と
の接着時にヘッドに発生する応力を考慮しても、900
℃程度のアニール温度で十分な接着強度が得られ、アニ
ール時間も1時間程度であるので、再分布の問題は発生
しない。
【0071】その後、同図(d)に示すように、振動板
基板となるSi基板41を振動板厚さまで研磨した後、
同図(e)に示すように、電極基板3に直接接合や陽極
接合などの接合方法で接合し、最後に異方性エッチング
で液室基板となるSi基板42に液室6となる貫通穴4
4を形成している。
【0072】なお、図27に示すように(100)のS
i基板に異方性ウエットエッチング(あるいは、等方性
ウエットエッチング、ドライエッチングなどでもよ
い。)で予め液室6となるキャビティ部45を形成した
Si基板42を準備し、このSi基板42とSi基板4
1とを接合して製作することもできる。
【0073】この場合、Si基板42にノズルと連結す
るための貫通穴46を形成するために、同図(e)に示
すように、電極基板3と接合した後、CMPなどの研磨
法で液室高さを例えば100μm程度まで低くしてい
る。これにより、安価なSi(100)基板を用いるこ
とができるだけでなく、液室隔壁が厚くなり、液室剛性
も向上するので、液室の高密度化が進んだ場合にも、液
室間の相互干渉の影響を小さくすることができる。
【0074】以上のように振動板基板と液室基板を分け
て作製することにより、振動板の液室側表面の形状の微
細加工が可能になり、複雑な変位制御パターンを高精度
かつ容易に形成することができる。
【0075】このように振動板基板と液室基板を分けて
作成する場合、それぞれの液室に対応する幅の大きさ
は、図28に示すように、液室基板42の液室幅aを振
動板基板41の液室幅bより小さく形成することが好ま
しい。これにより、液室基板42と振動板基板41の位
置合わせ誤差の許容範囲を大きくとることができ、プロ
セスの余裕度が上がる。
【0076】すなわち、液室の高密度化が進むと、液室
間の隔壁も薄くしなければならないが、図29に示すよ
うに、液室基板42の液室幅aを振動板基板41の液室
幅bより広く(大きく)形成した場合、液室間の相互干
渉防止の面からも隔壁11の厚さcはあまり薄くでき
ず、液室の幅aと幅bの差を大きく取れないため、高い
アライメント性が要求される。
【0077】これに対し、図28の場合は、幅aに対す
る制限が図29の場合に比べて小さいため、液室幅の差
を大きくとることができ、許容されるアライメント誤差
も大きくとることができる。
【0078】さらに、結果として、同じ液室密度でも、
液室間の隔壁を厚く、振動板幅を広くとることができる
ので、前述したように液室が高密度化しても相互干渉が
なく、また低い駆動電圧で大きな振動板変位を得ること
ができる。
【0079】なお、以上では電極と振動板を平行に配置
した平行ギャップ形状のインクジェットヘッドでその作
製方法などを説明したが、電極と振動板とを非平行に配
置した非平行ギャップ形状のインクジェットヘッドにつ
いても、前述したプロセスを用いて作製した振動板に変
位制御パターンを有するインクジェットヘッドを作製し
た。
【0080】その結果、非平行ギャップのインクジェッ
トヘッドにおいても、いずれの作製方法で作製した場合
でも、ビット間のインク吐出特性(インク滴速度Vj、
インク滴体積Mj)のばらつきが小さくなることを確認
した。さらに、図20に示したような振動板を有するイ
ンクジェットヘッドにおいては、インク滴吐出までの時
間が短くなり、インク滴速度も上昇することを確認し
た。さらにまた、より高い駆動周波数で駆動しても不吐
出ビットは発生せず、安定したインク滴吐出を行うこと
ができた。
【0081】なお、上記各実施形態では、ノズルプレー
ト4にノズル孔5を形成して振動板の変位方向にインク
滴を吐出するサイドシュータタイプのインクジェットヘ
ッドを例として筋明したが、ノズルを基板1の側面に形
成してノズルプレートではなく単なる蓋部材とし、振動
板の変位方向と直交する方向にインク滴を吐出するエッ
ジシュータタイプのインクジェットヘッドにも本発明を
適用することができ、上述したと同様な作用効果を得る
ことができる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインク
ジェットヘッドによれば、振動板の液室側表面、あるい
は電極側表面、または両面が凹凸になるような変位制御
パターンを設けたので、電極と振動板との間のギャップ
形状が複雑化しても、振動板の製造上のばらつきによる
影響を低減することができ、安定したインク滴吐出を行
うことができる。
【0083】請求項2のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1のインクジェットヘッドにおいて、変
位制御パターンは、深さ又は高さ、幅、密度の少なくと
もいずれかが異なるパターンである構成としたので、様
々な特性を得ることができて、必要な特性を有するイン
クジェットヘッドを容易に作製することができる。
【0084】請求項3のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項2のインクジェットヘッドにおいて、変
位制御パターンとなる凹凸部が振動板の長手方向に形成
されているので、長辺方向における振動板剛性が高ま
り、振動板変位の勾配が小さくなることで、振動板回復
時に液室内の圧力を効果的に高めることができる。
【0085】請求項4のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項2又は3のインクジェットヘッドにおい
て、変位制御パターンは、ノズル位置に近い位置ほど深
く又は高く、幅広く、又は高密度に形成されているの
で、ノズル付近で効果的にインク圧力を短時間で高める
ことができ、かつ残留振動を少なくでき、高速駆動が可
能になる。
【0086】請求項5のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1乃至4のいずれかのインクジェットヘ
ッドにおいて、液室側壁がシリコン基板の異方性エッチ
ングで形成されているので、より高密度に液室を配置す
ることができ、高密度記録が可能なインクジェットヘッ
ドを得ることができる。
【0087】請求項6のインクジェットヘッドの製造方
法によれば、上記請求項5のインクジェットヘッドを製
造する方法において、単結晶シリコン基板中に高濃度P
型層凹凸の分布を形成し、この高濃度P型層を異方性エ
ッチングによるエッチングストップ層として製作するの
で、簡単なプロセスで変位制御パターンを有する振動板
を作製することができる。
【0088】請求項7のインクジェットヘッドの製造方
法によれば、上記請求項5のインクジェットヘッドを製
造する方法において、シリコン基板の一面に振動板を形
成する部分に振動板表面形状となる高濃度P型層凹凸パ
ターンを形成した後、薄膜形成プロセスで振動板を形成
するので、簡単なプロセスで作製することができる。
【0089】請求項8のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1乃至4のいずれかのインクジェットヘ
ッドにおいて、液室の側壁部を形成する液室基板と振動
板を形成する振動板基板とがいずれもシリコン基板であ
り、両基板が接合されている構成としたので、複雑な形
状の振動板を高精度に作製することができる。
【0090】請求項9のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項8のインクジェットヘッドにおいて、液
室基板で形成される液室の大きさが振動板基板で形成さ
れる振動板よりも小さい構成としたので、振動板基板と
液室基板との位置合わせ精度範囲を大きくとることがで
き、プロセスが簡易化し、また液室間の隔壁の剛性を高
めることができて相互干渉が低減する。
【0091】請求項10のインクジェットヘッドの製造
方法によれば、上記請求項8又は9のインクジェットヘ
ッドを製造する方法において、液室の側壁部を形成する
シリコン基板と表面に耐アルカリ性エッチング層を形成
したシリコン基板とを貼り合わせた後、液室部をウエッ
トエッチングで、振動板を研磨で形成する構成としたの
で、複雑な振動板形状でも高精度に作製することができ
る。
【0092】請求項11のインクジェットヘッドの製造
方法によれば、上記請求項8又は9のインクジェットヘ
ッドを製造する方法において、予め液室側壁部形状を形
成したシリコン基板と予め振動板形状を形成したシリコ
ン基板とを貼り合わせた後、両面の研磨により液室/振
動板を形成する構成としたので、液室基板により安価な
(100)Si基板を用いることができて、より低コス
トで作製することができる。
【0093】請求項12のインクジェットヘッドの製造
方法によれば、上記請求項1乃至5、8、9のいずれか
のインクジェットヘッドを製造する方法において、変位
制御パターンを結晶面方位(100)のシリコン基板を
ウエットエッチングして形成する構成としたので、簡易
なプロセスで高精度に作製することができる。
【0094】請求項13のインクジェットヘッドの製造
方法によれば、上記請求項1乃至5、8、9のいずれか
のインクジェットヘッドを製造する方法において、変位
制御パターンをシリコン基板を等方性ウエットエッチン
グして形成する構成としたので、信頼性の高い振動板を
簡易なプロセスで高精度に作製することができる。
【0095】請求項14のインクジェットヘッドの製造
方法によれば、上記請求項1乃至5、8、9のいずれか
のインクジェットヘッドを製造する方法において、変位
制御パターンをシリコン基板をドライエッチングして形
成する構成としたので、より簡易なプロセスで作製する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する静電型インクジェットヘッド
の分解斜視説明図
【図2】同ヘッドの上面説明図
【図3】同ヘッドの液室長辺方向に沿う模式的断面説明
【図4】同ヘッドの液室短辺方向に沿う模式的断面説明
【図5】本発明の実施形態の原理説明に供する比較形態
の振動板短辺方向の説明図
【図6】同じく比較形態の異なる例の振動板短辺方向の
説明図
【図7】同じく本発明を適用した実施形態の振動板短辺
方向の説明図
【図8】同じく実施形態の異なる例の振動板短辺方向の
説明図
【図9】変位制御パターンの説明に供する断面説明図
【図10】変位制御パターンの他の例の説明に供する断
面説明図
【図11】変位制御パターンの更に他の説明に供する断
面説明図
【図12】本発明の実施形態を示す振動板を含む振動板
/液室基板の短辺方向の要部拡大断面説明図
【図13】同振動板の変位制御パターンの説明に供する
斜視説明図
【図14】同振動板の変位制御パターンの他の例の説明
に供する斜視説明図
【図15】同振動板の変位制御パターンの他の例の説明
に供する斜視説明図
【図16】同振動板の変位制御パターンの他の例の説明
に供する斜視説明図
【図17】同振動板の変位制御パターンの他の例の説明
に供する斜視説明図
【図18】同振動板の変位制御パターンの説明に供する
断面説明図
【図19】同振動板の変位制御パターンの説明に供する
断面説明図
【図20】同振動板の変位制御パターンの説明に供する
断面説明図
【図21】本発明に係るインクジェットヘッドの製造方
法の説明に供する説明図
【図22】本発明に係るインクジェットヘッドの他の製
造方法の説明に供する説明図
【図23】本発明に係るインクジェットヘッドの他の製
造方法の説明に供する説明図
【図24】図23の製造方法の説明に供する模式的断面
【図25】同じく製造方法の説明に供する模式的断面図
【図26】振動板の変位制御パターンの形成方法の他の
説明に供する模式的断面図
【図27】本発明に係るインクジェットヘッドの他の製
造方法の説明に供する説明図
【図28】振動板基板の振動板の幅と液室基板の液室幅
との関係の説明に供する説明図
【図29】振動板基板の振動板の幅と液室基板の液室幅
との関係の説明に供する比較例の説明図
【符号の説明】
1…振動板/液室基板、3…電極基板、4…ノズルプレ
ート、5…ノズル、6…液室、7…インク供給路、8…
共通液室、10…振動板、15…電極、20…変位制御
パターン。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するノズルと、ノズルが
    連通する液室と、液室の少なくとも一部の壁面を形成す
    る振動板と、この振動板に対向する電極とを備え、前記
    振動板と電極との間の静電力で振動板を変位させて前記
    ノズルからインク滴を吐出するインクジェットヘッドに
    おいて、前記振動板の液室側表面又は/及び電極側表面
    に凹部又は/及び凸部からなる変位制御パターンを設け
    たことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、前記変位制御パターンは、深さ又は高さ、
    幅、密度の少なくともいずれかが異なるパターンである
    ことを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のインクジェットヘッド
    において、前記変位制御パターンとなる凹部又は/及び
    凸部が振動板の長手方向に形成されていることを特徴と
    するインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載のインクジェット
    ヘッドにおいて、前記変位制御パターンは、前記ノズル
    位置に近い位置ほど深く又は高く、幅広く、又は高密度
    に形成されていることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、前記液室の側壁がシリコン
    基板の異方性エッチングで形成されていることを特徴と
    するインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のインクジェットヘッド
    を製造するインクジェットヘッドの製造方法において、
    単結晶シリコン基板中に高濃度P型層凹凸の分布を形成
    し、この高濃度P型層を異方性エッチングによるエッチ
    ングストップ層として製作することを特徴とするインク
    ジェットヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のインクジェットヘッド
    を製造するインクジェットヘッドの製造方法において、
    シリコン基板の一面に振動板を形成する部分に振動板表
    面形状となる高濃度P型層凹凸パターンを形成した後、
    薄膜形成プロセスで振動板を形成することを特徴とする
    インクジェットヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至4のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、前記液室の側壁部を形成す
    る液室基板と前記振動板を形成する振動板基板とがいず
    れもシリコン基板であり、両基板が接合されていること
    を特徴とするインクジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のインクジェットヘッド
    において、前記液室基板で形成される液室の大きさが前
    記振動板基板で形成される振動板よりも小さいことを特
    徴とするインクジェットヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載のインクジェッ
    トヘッドを製造するインクジェットヘッドの製造方法に
    おいて、液室の側壁部を形成するシリコン基板と表面に
    耐アルカリ性エッチング層を形成したシリコン基板とを
    貼り合わせた後、液室部をウエットエッチングで、振動
    板を研磨で形成することを特徴とするインクジェットヘ
    ッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項8又は9に記載のインクジェッ
    トヘッドを製造するインクジェットヘッドの製造方法に
    おいて、予め液室側壁部形状を形成したシリコン基板と
    予め振動板形状を形成したシリコン基板とを貼り合わせ
    た後、両面の研磨により液室/振動板を形成することを
    特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至5、8、9のいずれかに
    記載のインクジェットヘッドを製造するインクジェット
    ヘッドの製造方法において、前記変位制御パターンは結
    晶面方位(100)のシリコン基板をウエットエッチン
    グして形成することを特徴とするインクジェットヘッド
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至5、8、9のいずれかに
    記載のインクジェットヘッドを製造するインクジェット
    ヘッドの製造方法において、前記変位制御パターンはシ
    リコン基板を等方性ウエットエッチングして形成するこ
    とを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至5、8、9のいずれかに
    記載のインクジェットヘッドを製造するインクジェット
    ヘッドの製造方法において、前記変位制御パターンはシ
    リコン基板をドライエッチングして形成することを特徴
    とするインクジェットヘッドの製造方法。
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