JPH11138794A - 液体噴射記録装置 - Google Patents

液体噴射記録装置

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JPH11138794A
JPH11138794A JP30467297A JP30467297A JPH11138794A JP H11138794 A JPH11138794 A JP H11138794A JP 30467297 A JP30467297 A JP 30467297A JP 30467297 A JP30467297 A JP 30467297A JP H11138794 A JPH11138794 A JP H11138794A
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JP
Japan
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electrode
dielectric
diaphragm
recording apparatus
jet recording
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JP30467297A
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Tomoki Kato
知己 加藤
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14314Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電力型のインクジェット記録装置における
低電圧駆動を安定して実現する。 【解決手段】 液室13を構成する壁面の一部が振動板
14を兼ねており、振動板14の変形により液室13内
の体積変化が生じ、液室13内に充填されたインクがノ
ズル15から吐出する。振動板14の変形は、該振動板
14の裏面に設けられた第1電極16と該第1電極16
と離間して設けられた第2電極18の間に作用する静電
力によってもたらされる。第1電極16と第2電極18
の間に誘電体20を介在させており、誘電率εの大きい
誘電体20をギャップ中に介在させることで電極16,
18間のギャップ長を小さくすることなく駆動電圧を小
さくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体噴射記録装
置、より詳細には、静電力を利用したインクジェット記
録装置に関し、例えば、複写機、ファックス、プリン
タ、プロッター等の記録ヘッド、マイクロポンプ等に利
用可能な静電アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】オンデマンド型のインクジェット記録技
術には、インクを充填した液室の壁の一部に圧電体を配
置し、該圧電体への電圧印加により液室内の体積を変化
させて圧力を高め、インクを吐出する方式(ピエゾオン
デマンド型インクジェット記録装置)や、通電によって
発熱する発熱体を液室内に設け、該発熱体の発熱により
生じる気泡によって液室内の圧力を高め、インクを吐出
する方式(バブルジェットインクジェット記録装置)が
広く知られている。また、これらの方式の課題を解決
し、更なる小型高密度、高速印字、高品質印字、長寿
命、高信頼性を実現する方式として、静電力によって液
室の体積変化を生ぜしめてインクを吐出する方式(静電
力型インクジェット記録装置)が新たに提案されてい
る。
【0003】例えば、特開平5−50601号公報に記
載のインクジェット記録装置では、シリコンからなる中
基板にエッチングによりノズル、吐出室、インク流路お
よび振動板を形成する凹部を一体的に形成し、インク供
給口を有する上基板と、中基板の凹部に対応して電極が
設けられた下基板とを接合することによりヘッドを構成
し、振動板と電極間への電圧印加により振動板を変形さ
せてインクを吐出する静電力型のインクジェット記録装
置が提案されている。この静電力型のインクジェット記
録装置では、低電圧駆動のためには、静電力を得る対向
する平行電極間の距離を可能な限り小さくすることが必
要であるが、このような微小ギャプで放電、リークせず
に安定して静電力を得ることは容易ではない。
【0004】図7は、静電力型インクジェット記録装置
の一例を説明するための要部概略構成図で、図中、11
は上基板、12は下基板で、上基板11は、液(イン
ク)室13、該液室13の一部を構成する振動板14、
該振動板14が変形して液室13内の液に圧力が加えら
れた時に液(インク)を噴射するノズル15、振動板1
4の外側(下側)に設けられた第1電極16等から成
り、また、下基板12には、前記第1電極16より広い
面積の凹部17が設けられており、この凹部17内に、
前記第1電極16と対向して第2電極18が間隔Gを置
いて配設されており、これら上基板11と下基板12
は、図示のように、第1電極16と第2電極18とが対
向するように接合されている。
【0005】上記液体噴射記録装置においては、液室1
3を構成する壁面の一部が振動板14を兼ねており、振
動板14の変形により液室13内の体積変化が生じ、液
室13内に充填されたインクがノズル15から吐出す
る。振動板14の変形は、該振動板14の裏面に設けら
れた第1電極16と該第1電極16と離間して設けられ
た第2電極18の間に作用する静電力によってもたらさ
れる。この場合、第1電極16と第2電極18のギャッ
プGを小さくするほど、また、振動板14の板厚を薄く
するほど低電圧で振動板14を変位させることができ
る。また、駆動電圧は振動板14の幅、長さにもよる
が、小型、高解像度のインクジェットプリンタヘッドを
想定した場合、振動板14のサイズを小さくすることが
必要で、サイズを大きくすることで低電圧駆動を実現す
ることは難しい。また、振動板14の板厚が薄すぎると
振動板14の剛性が減少してインクを吐出できなくなっ
てしまう。したがって、小型、高解像度、低電圧駆動の
インクジェットヘッドを実現するには、電極間のギャッ
プGをいかに小さくするかが大きな課題である。100
[V]以下程度の電圧で駆動するには、2〜3[μm]
以下の微小ギャップを形成しなければならないのが現実
であるが、このくらいの微小ギャップにおいては放電、
リークなどが生じやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、静電力
インクジェット記録装置では低電圧駆動のためには、静
電力を得る対向する平行電極間の距離を可能な限り小さ
くすることが必要であるが、このような微小ギャップで
放電、リークせずに安定して静電力を得ることは容易で
はない。
【0007】本発明は、上述のごとき実情に鑑みて、静
電力型のインクジェット記録装置における低電圧駆動を
安定して実現することを目的としてなされたもので、請
求項1及び2の発明は、所望の静電力を得るために電圧
の増加を伴わずに電極間距離を大きくして有効に放電を
回避すること、請求項3乃至5の発明は、放電が生じに
くく且つ振動板の変形に最も効果的な電極の中央部に電
界を集中させること、請求項6の発明は、電極端部等に
電界集中が生じにくいようにすること、を目的としてな
されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ノズ
ルを有する液室の一部に形成された振動板と、該振動板
に設けられた第1の電極と、該第1の電極と微小間隔隔
てて対向して設けられた第2の電極とを有し、該第1の
電極と第2の電極との間に電位差を生ぜしめて静電力で
前記振動板を変形させて前記ノズルからインクを吐出さ
せて記録を行う液体噴射記録装置において、前記第1の
電極と前記第2の電極の間に誘電体を介在させることを
特徴とし、もって、所望の静電力を得るために、電圧の
増加を伴わずに電極間距離を大きくすると共に有効に放
電を回避するようにしたものである。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記第1の電極と第2の電極の間隔dと前記誘電体
の厚さtと前記振動板の変位δの関係が略d−t≒δで
あることを特徴とし、もって、所望の静電力を得るため
に電圧の増加を伴わずに電極間距離を大きくすると共に
有効に放電を回避するようにしたものである。
【0010】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において、前記第1の電極と第2の電極のいずれか一方
あるいは両方の対向面の中央部付近のみに誘電体を有す
ることを特徴とし、もって、放電が生じにくく且つ振動
板の変形に最も効果的な電極の中央部に電界を集中させ
るようにしたものである。
【0011】請求項4の発明は、請求項1又は2の発明
において、前記第1の電極と第2の電極のいずれか一方
あるいは両方の対向面の中央部付近に第1の誘電体を有
し、端部付近に第2の誘電体を有し、該第1の誘電体の
誘電率ε1と第2の誘電体の誘電率ε2の関係がε1>
ε2であることを特徴とし、もって、放電が生じにくく
且つ振動板の変形に最も効果的な電極の中央部に電界を
集中させるようにしたものである。
【0012】請求項5の発明は、請求項1又は2の発明
において、前記第1の電極と第2の電極のいずれか一方
あるいは両方の対向面の中央部付近に第1の誘電体を有
し、端部付近に第2の誘電体を有し、前記第1の誘電体
の厚みt1と第2の誘電体の厚みt2の関係がt1>t
2であることを特徴とし、もって、放電が生じにくく且
つ振動板の変形に最も効果的な電極の中央部に電界を集
中させるようにしたものである。
【0013】請求項6の発明は、請求項1又は2の発明
において、前記第1の電極と第2の電極の少なくとも一
方の対向電極に対する投影形状の一部が曲面であること
を特徴とし、もって、電極端部等に電界集中が生じにく
いようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による静電力型イ
ンクジェット記録装置の一実施形態を説明するための要
部概略構成図で、図中、20は誘電体で、その他、図7
に示した従来技術と同様の作用をする部分には、図7の
場合と同一の参照番号が付してある。
【0015】本発明は、図1に示したように、第1電極
16と第2電極18の間に誘電体20を介在させてお
り、これらの間に働く静電力fはf=0.5×ε×(V
/t)2で表わせる。ここで、εはギャップを形成する
物質の誘電率、Vは電極間の電位差、tは電極間距離で
ある。したがって、εの大きい誘電体をギャップ中に介
在させることでギャップ長を小さくすることなく駆動電
圧Vを小さくすることができる。当然のことながら、誘
電体20の誘電率は大きいほうが効果が大きく、PZT
等の強誘電体が最も望ましい。誘電率の大きな誘電体2
0を用いた場合には、誘電体20を厚く形成して電極間
の実質ギャップが増加しても、空気層の厚みが等しけれ
ばほぼ等しい静電力を作用させることができる。このよ
うに誘電体層を厚くすることで、放電回避に対しても有
効となる。以上より、低電圧駆動のために最も有効な誘
電体の厚みtは、振動板の変位をδ、電極間距離をdと
して、d−t=δの式を満たすtで表わされる。
【0016】図2は、本発明の他の実施形態を説明する
ための要部構成図で、この図2に示した実施例では、誘
電体20を電極の中央部にのみ設けている。このように
することで、電界が振動板14の変形に効果的な中央部
に集中し、逆に、振動板14の変形にはあまり寄与せず
放電の可能性が高い電極端部の電界が弱まるので放電の
危険性が減少する。
【0017】図3は、本発明の更に他の実施形態を説明
するための要部概略構成図で、この図3に示した実施例
は、電極中央部に第1誘電体20aを設け、電極端部に
第2誘電体20bを設けたものである。ここで、誘電体
20aの誘電率εaと誘電体20bの誘電率εbはεa
>εbとなるようにする。このようにすることで、電界
が振動板14の変形に効果的な中央部に集中し、逆に振
動板14の変形にはあまり寄与せず放電の可能性が高い
電極端部の電界が弱まるので放電の危険性が減少する。
【0018】図4は、本発明の更に他の実施形態を説明
するための要部概略構成図で、この図4に示した実施例
は、電極中央部付近の第1誘電体20aの厚さよりも電
極端部の第2誘電体20bの厚さを薄くしたもので、こ
の場合は、第1誘電体20aと第2誘電体20bは同じ
物質でもよい。
【0019】図5は、放電を回避するために有効な電極
形状を示すもので、図5(A)はヘッドの長手方向の断
面構造を概略的に示し、図5(B)に示すように、電極
取出部21の反対側の電極の端部(B部)が矩形状であ
ると、このB端部(B部)に電界が集中し放電が生じや
すい。そこで、この部分(B部)を、図6(C)にCに
て示すように、曲線状にすることにより放電が生じにく
くなり、静電力をより安定して得ることが可能になる。
なお、以上の説明で第2の電極18に誘電体20を形成
する構成のみをあげたが、図6に示すように、誘電体2
0を第1電極16に設けることもできるし、両方の電極
に設けてもよい。
【0020】〔実施例1〕図1に示す誘電体20を設け
る前に実験をした。基板12としては、厚さ1[mm]
のパイレックスガラスを用い、ギャップを形成する部分
のみを開口したレジストパターンを用いて基板12をエ
ッチングして基板12上に溝状の段差(凹部17)を設
けた。次に、この溝部(凹部17)にスパッタ法にてN
i薄膜を第2電極18として設けた。ここで、ガラスの
溝幅は幅約250[μm]、深さ約0.6[μm]、第
2電極18の幅は約220[μm]、厚み約0.1[μ
m]とした。振動板14は、Si(100)をKOH水
溶液を用いてエッチングを行うことにより形成し、板厚
が約10[μm]になるようにした。次に、基板12上
の電極位置と振動板14の位置を正確に位置決めして、
両者を陽極接合により接合し、約0.5[μm]のギャ
ップを形成した。第1電極16としては振動板裏面に金
属層をコートしてもよいが、本実施例では振動板14が
半導体のSiであるため、振動板14で第1電極16を
兼用した。このような構成で、第1電極16と第2電極
18の間に電圧を印加したところ、十分な変位を得る前
にショートすることが頻発し、安定して振動板14を駆
動することができなかった。
【0021】次に、振動板14を基板12に接合する前
に、第2電極18の上に厚さ0.1[μm]の誘電体2
0としてのSiO2層をスパッタ法で製膜した。図1に
示すように振動板14と接合して電圧を印加したとこ
ろ、ショートの頻度は減り、約50[V]の電圧で約
0.1[μm]の変位を得ることができた。更に、先に
示した式d−t=δを満たすようにSiO2の膜厚を約
0.4[μm]にしたところ、ショートする現象はほぼ
なくなり、同じ0.1[μm]の変位量を得るための電
圧が約20[%]減少した。本実施例のような微小ギャ
ップで静電力を安定に得るためには、電極形状も重要で
ある。電極間ギャップが0.5[μm]で誘電体を全く
設けない条件で、電極端部を図5(B)に示したような
矩形状にした場合と図5(C)に示したように角部を丸
めた形状にした場合でショートする確率を比較したとこ
ろ、図5(C)の構成の場合の方が若干ではあるが確率
が低い結果を得た。
【0022】〔実施例2〕図2に示す誘電体20を設け
る前に、次の実験をした。実施例1と同様に、基板12
としては、厚さ1[mm]のパイレックスガラスを用
い、ギャップを形成する部分のみを開口したレジストパ
ターンを用いて基板12をエッチングして基板上に溝状
の段差(凹部17)を設けた。次に、この溝部(凹部1
7)にスパッタ法にてA1薄膜を第2電極18として設
けた。ここで、ガラスの溝幅は幅約250[μm]、深
さ約0.9[μm]、第2電極18の幅は約220[μ
m]、厚み約0.1[μm]とした。振動板は、Si
(110)をKOH水溶液を用いてエッチングを行うこ
とにより形成し、板厚が約10[μm]になるようにし
た。次に、基板12の電極位置と振動板14の位置を正
確に位置決めして、両者を陽極接合により接合し、約
0.8[μm]のギャップを形成した。この場合におい
ても、振動板14が半導体のSiであるため、振動板1
4で第1電極16を兼用した。このような構成で、第1
電極16と第2電極18の間に周波数1.0[kH
z]、大きさ80[V]のパルス電圧を印加したとこ
ろ、初期的には振動板14の振動を得ることができた。
しかし、長時間連続で駆動したところ、振動が次第に不
安定になり、遂には振動しなくなってしまった。そこ
で、別の実験で電極に流れる電流をモニターしたとこ
ろ、時折放電によるものと思われるスパイク状の電流が
観測された。この状態を放置することにより、だんだん
電極が剥離していき最終的には断線に近い状態になって
しまうことがわかった。
【0023】そこで、図2に示すように、振動板14を
基板12に接合する前に、第2電極18上の中央部に2
00[μm]幅で厚さ0.5[μm]の誘電体20とし
てのTiO2層を真空蒸着法で製膜した。振動板14と
接合して前と同様にパルス駆動したところ、約40
[V]の電圧で先と同程度の大きさの振動変位を得るこ
とができ、連続駆動に対しても安定した振動を得ること
ができた。この結果は、TiO2層を電極中央部付近に
厚く設けたため、電界が電界中央部付近に集中し、放電
が生じやすい電極端部の電界強度が弱まったため考えら
れる。また、同じ変位量を得るための電圧値が小さくな
ったことについては、TiO2の比誘電率が大きい(文
献値では50以上)ために、理論的にTiO2層の厚み
が薄くなる効果となり、ギャップが実質の電極間距離よ
り小さくなったものと考えられる。
【0024】〔実施例3〕本発明の第3の実施例を図6
に基づいて説明する。実施例1、実施例2と同様に、基
板12としては、厚さ1[mm]のパイレックスガラス
を用い、ギャップを形成する部分のみを開口したレジス
トパターンを用いて基板12をエッチングして基板上に
深さ約1[μm]の溝状の段差(凹部17)を設けた。
次に、この溝部(凹部17)の電極を形成しない部分を
フォトレジストでマスクした後、全面に電極材料のPt
/Tiを積層製膜し、最後にアセトン+超音波にてリフ
ト・オフを行い厚さ約0.1[μm]の第2電極18を
設けた。ここで、ガラスの溝幅は幅約250[μm]、
第2電極18の幅は約220[μm]とした。振動板1
4は、ZrO2をスクリーン印刷法により堆積した後焼
成する方法で板厚が約10[μm]になるように形成し
た。次に、振動板14の裏面に同様の方法で第1電極1
6としてのPt電極と第1誘電体20aとしてのPZT
層を形成した。ここで、Pt電極の幅は、約220[μ
m]、厚さは約0.1[μm]とした。また、PZT層
の幅は約200[μm]とし、厚さは約0.6[μm]
とした。その後、更に、第1電極16の端部にスパッタ
法により第2誘電体20bとしてのTa205薄膜を厚
さ0.2[μm]形成した。最後に基板12上の電極位
置と振動板14上の電極位置を正確に位置決めして、両
者をガラス封着法により接合し、図6のような構成のギ
ャップを形成した。
【0025】上記の構成で、第1電極16と第2電極1
8の間にパルス電圧を印加して振動評価を行ったとこ
ろ、実施例2よりも更に低電圧で同等の変位を得ること
ができた。これは主に、強誘電体を第1誘電体として用
いたことと電極中央部の空気層が実施例2よりも薄いこ
との相乗効果によるものである。また、本実施例では、
第2誘電体20bとして第1誘電体20aよりも誘電率
が小さい誘電体を用いたので電界が電極中央部付近に集
中し、有効に放電の危険性を緩和することができる。ま
た、電極端部にも第2誘電体20bを形成したので電極
からの電子の放出を抑制する効果が生じ、放電回避にさ
らに有効である。電子の放出抑制が目的であるので、こ
の第2誘電体20bは厚い必要がなく、逆に薄く形成し
た方が電極端部での電界が弱まるので有効である。
【0026】
【発明の効果】請求項1の発明の効果:請求項1記載の
インクジェットヘッドによれば、液室を変形させてイン
クを吐出する静電力アクチュエータの第1の電極と第2
の電極の間に誘電体を介在させたので、所望の静電力を
得るために電圧の増加を伴わずに電極間距離を大きくす
ると共に有効に放電を回避することができる。
【0027】請求項2の発明の効果:請求項2記載のイ
ンクジェットヘッドによれば、第1の電極と第2の電極
の間隔dと誘電体の厚さtと振動板の変位δの関係を略
d−t=δとしたので、所望の静電力を得るために電圧
の増加を伴わずに電極間距離を大きくすると共に有効に
放電を回避することができる。
【0028】請求項3の発明の効果:請求項3記載のイ
ンクジェットヘッドによれば、第1の電極と第2の電極
のいずれか一方あるいは両方の対向面の中央部付近のみ
に誘電体を設けたので、電極間に放電が生じにくく且つ
振動板の変形に最も効果的な電極の中央部に電界を集中
させることができる。
【0029】請求項4の発明の効果:請求項4記載のイ
ンクジェットヘッドによれば、第1の電極と第2の電極
のいずれか一方あるいは両方の対向面の中央部付近に第
1の誘電体を設け、端部付近に第2の誘電体を設け、第
1の誘電体の誘電率ε1と第2の誘電体の誘電率ε2の
関係がε1>ε2であるので、電極間に放電が生じにく
く且つ振動板の変形に最も効果的な電極の中央部に電界
を集中させることができる。
【0030】請求項5の発明の効果:請求項5記載のイ
ンクジェットヘッドによれば、第1の電極と第2の電極
のいずれか一方あるいは両方の対向面の中央部付近に第
1の誘電体を設け、端部付近に第2の誘電体を設け、第
1の誘電体の厚みt1と第2の誘電体の厚みt2の関係
がt1>t2であるので、電極間に放電が生じにくく且
つ振動板の変形に最も効果的な電極の中央部に電界を集
中させることができる。
【0031】請求項6の発明の効果:請求項6記載のイ
ンクジェットヘッドによれば、第1の電極と第2の電極
の少なくとも一方の対向電極に対する投影形状の一部が
曲面になっているので、電極端部等に電界集中が生じに
くくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による静電力型インクジェット記録装
置の一実施形態を説明するための要部概略構成図であ
る。
【図2】 本発明の他の実施形態を説明するための要部
概略構成図である。
【図3】 本発明の更に他の実施形態を説明するための
要部概略構成図である。
【図4】 本発明の更に他の実施形態を説明するための
要部概略構成図である。
【図5】 放電を回避するために有効な電極形状を示す
図である。
【図6】 本発明の更に他の実施形態を説明するための
要部概略構成図である。
【図7】 静電力型インクジェット記録装置の一例を説
明するための要部概略構成図である。
【符号の説明】
11…上基板、12…下基板、13…液室、14…振動
板、15…ノズル、16…第1電極、17…凹部(溝
部)、18…第2電極、20,20a,20b…誘電
体。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルを有する液室の一部に形成された
    振動板と、該振動板に設けられた第1の電極と、該第1
    の電極と微小間隔隔てて対向して設けられた第2の電極
    とを有し、該第1の電極と第2の電極との間に静電力を
    作用させて前記振動板を変形させて前記ノズルからイン
    クを吐出させて記録を行う液体噴射記録装置において、
    前記第1の電極と前記第2の電極の間に誘電体を介在さ
    せたことを特徴とする液体噴射記録装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の電極と第2の電極の間隔dと
    前記誘電体の厚さtと前記振動板の変位δの関係が略d
    −t≒δであることを特徴とする請求項1記載の液体噴
    射記録装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の電極と第2の電極のいずれか
    一方あるいは両方の対向面の中央部付近のみに誘電体を
    有することを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射
    記録装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の電極と第2の電極のいずれか
    一方あるいは両方の対向面の中央部付近に第1の誘電体
    を有し、端部付近に第2の誘電体を有し、該第1の誘電
    体の誘電率ε1と第2の誘電体の誘電率ε2の関係がε
    1>ε2であることを特徴とする請求項1又は2記載の
    液体噴射記録装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の電極と第2の電極のいずれか
    一方あるいは両方の対向面の中央部付近に第1の誘電体
    を有し、端部付近に第2の誘電体を有し、前記第1の誘
    電体の厚みt1と第2の誘電体の厚みt2の関係がt1
    >t2であることを特徴とする請求項1又は2記載の液
    体噴射記録装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の電極と第2の電極の少なくと
    も一方の対向電極に対する投影形状の一部が曲面である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射記録装
    置。
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