JP2005161706A - 液滴吐出ヘッド、その製造方法及び液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッド、その製造方法及び液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 液滴吐出ヘッドを構成するノズル基板とキャビティ基板との接合強度が強く、接合強度が落ちる恐れもなく、吐出物によっても悪影響を受けることがない接合信頼性の高い液滴吐出ヘッド、その製造方法及び液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を提供すること。
【解決手段】 液滴を吐出するノズル孔21と、ノズル孔21と連通する吐出室4と吐出室4に液を供給する液体供給部2と、吐出室4の壁面の一部に形成された振動板7と、振動板7と対向配置された個別電極12とを備え、振動板7と電極との間の静電力により振動板7を変位させて吐出室4の液をノズル孔231から吐出させる液滴吐出ヘッドであって、ノズル孔21が形成されたノズル基板20と、吐出室4及び液体供給部2を形成する凹部を有するキャビティ基板1とを備え、これらの基板20、1を陽極接合してなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、接合信頼性の高い液滴吐出ヘッド、その製造方法及び液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置に係り、より詳しくは、例えば、複写機、FAX、プリンタなどの画像形成に用いられるインクジェットヘッド、その製造方法及びインクジェットヘッドを備えた画像形成装置に関するものである。
液滴吐出装置は、家庭用、工業用を問わず、あらゆる分野に利用されている。液滴吐出方式は、ノズルを有する液滴吐出ヘッドを移動させて所定の位置に液体を吐出させるもので、流路の一部に液体を溜めておく吐出室を備え、振動板を撓ませて吐出室内の圧力を高め、吐出室に連通するノズルから液滴を吐出させるようにしたものである。
液滴吐出方式に関しては、例えばオンデマンド型のインクジェットヘッド及びその製造方法が開示されており、かかる技術によれば、ノズル基板にシリコーンと線膨張係数の近いガラスを用い、紫外線硬化樹脂によってノズル基板をキャビティ基板と接合してインクジェットヘッドを形成する(例えば、特許文献1参照)。
特開2002ー86740号公報(図1)
上記のインクジェットヘッド及びその製造方法によれば、ノズル基板とキャビティ基板を接着剤によって接合するので、接合強度が弱く、接着剤がインク等の吐出物に侵されて接合強度が低下する恐れがあり、接着剤がインク等の吐出物に溶け出して悪影響を及ぼす恐れもある。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、液滴吐出ヘッドを構成するノズル基板とキャビティ基板との接合強度が強く、接合強度が低下する恐れもなく、インク等の吐出物によっても悪影響を受けることがない接合信頼性の高い液滴吐出ヘッド、その製造方法及び液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を提供することを目的とする。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出するノズル孔と、該ノズル孔と連通する吐出室と、該吐出室に液を供給する液体供給部と、前記吐出室の壁面の一部に形成された振動板と、該振動板と対向配置された個別電極とを備え、前記振動板と電極との間の静電気力により該振動板を変位させて吐出室の液を前記ノズル孔から吐出させる液滴吐出ヘッドであって、前記ノズル孔が形成されたノズル基板と、前記吐出室及び液体供給部を形成する凹部を有するキャビティ基板とを備え、これらの基板が陽極接合されてなるものである。前記ノズル基板とキャビティ基板との陽極接合には接着剤を用いないので、これらの基板間の接合強度が強く、吐出物の選択範囲が広がり、吐出物の侵食による影響がないので耐久性が良い。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、前記ノズル基板をホウケイ酸ガラスで構成したものである。このため、ノズル基板とキャビティ基板との間の陽極接合が可能となる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、ホウケイ酸ガラスにより形成した前記ノズル基板の線膨張係数が、シリコンにより形成した前記キャビティ基板の線膨張率とほぼ等しくなるように構成したものである。このため、ノズル基板がヒートサイクルによってキャビティ基板と剥離することがない。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、インクジェットヘッドとして用いられるものである。前記インクジェットヘッドのキャビティ基板とノズル基板の陽極接合は接着剤を用いていないので、接合強度が強く、インクを吐出物として使用することができ、侵食による影響もなく、耐久性が良い。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、DNAや蛋白質を吐出するヘッドとして用いられるものである。前記インクジェットヘッドのキャビティ基板とノズル基板の陽極接合は接着剤を用いていないので接合強度が強く、DNAや蛋白質を吐出物として使用することができ、侵食による影響もなく、耐久性が良い。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、液滴を吐出するノズル孔と、該ノズル孔と連通する吐出室と、該吐出室に液を供給する液体供給部と、前記吐出室の壁面の一部に形成された振動板と、該振動板と対向配置された個別電極とを備え、前記振動板と電極との間の静電気力により該振動板を変位させて吐出室の液を前記ノズル孔から吐出させる液滴吐出ヘッドの製造方法であって、前記ノズル孔が形成されたノズル基板と、前記吐出室及び液体供給部を形成する凹部を有するキャビティ基板とを陽極接合するようにしたものである。前記ノズル基板とキャビティ基板を接着剤を用いない陽極接合によって接合するので、両基板は強固に結合する。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、前記ノズル基板のノズル孔を異方性エッチングで加工するようにしたものである。このため、寸法精度の良いノズル孔を形成することができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、前記ノズル基板のノズル孔をICPで加工するようにしたものである。このため、寸法精度の良いノズル孔を形成することができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、前記ノズル基板のノズル孔をレーザーでガラス構造を変化させた後に、異方性ウエットエッチィングで加工するようにしたものである。このため、生産性の良いノズル孔を形成することができる。
また、本発明に係る液滴吐出装置は、上記の液滴吐出ヘッドを搭載したものである。接合強度が強く、吐出物の選択範囲が広がり、耐久性がよく、ヒートサイクルによる剥離が起こることのない液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を得ることができる。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの分解斜視図、図2はインクジェットヘッドの長手方向の縦断面図である。図において、キャビティ基板1は、(110)面方位のシリコン単結晶基板で構成されており、その長手方向の両端近傍に位置してインクを貯留するリザーバ2の一部を構成するリザーバ凹部2aと、その長手方向内側に位置してオリフィス3の一部を構成するオリフィス面部3aと、その長手方向内側に位置して吐出室4の一部を構成する吐出凹部4aにより構成されている。なお、リザーバ凹部2aの長手方向外側には外壁部5が設けられ、吐出凹部4aの間には中央壁部6が設けられている。
吐出凹部4aはほぼ長方形状をなし、キャビティ基板1の長手方向に配向した溝部が短手方向に複数個並列配置するとともに、中央壁部6を介して対向して配置されている。この場合、中央壁部6を介して対向配置する吐出凹部4aは、キャビティ基板1の短手方向に吐出凹部4aの幅をそろえて配置する。また、キャビティ基板1の短手方向に吐出凹部4aの幅をほぼ半分だけずらすようにして配置してもよい。
キャビティ基板1の第2の面B側にはボロンドープ層で形成された振動板7が設けられており、さらにその外側には絶縁膜8が設けられて、振動板7を振動させたときに絶縁破壊及び短絡を防止するようにしてある。なお、キャビティ基板1の第1の面A側に設けた電極端子9は、電極基板(後述)に設けた電極と同期してキャビティ基板1に反対極性の電荷を供給する。
電極基板10は、キャビティ基板1を構成するシリコンと線膨張係数がほぼ等しいホウケイ酸ガラスによって形成され、その第1の面Cがキャビティ基板1の第2の面Bと陽極接合によって接合している。電極基板10には凹状の電極室11が設けられ、その内部に電極12、リード部13及び端子部14(以下、これらを合わせて電極部という)を設けてある。なお、電極12は、キャビティ基板1の振動板7に対向して配置されている
ノズル基板20は、キャビティ基板1を構成するシリコンと線膨張係数がほぼ等しいホウケイ酸ガラスによって形成され、第2の面Fを、キャビティ基板1の第1の面Aと陽極結合によって接合している。
キャビティ基板1のリザーバ凹部2aに対向してノズル基板20の第2の面Fにリザーバ2の一部を構成するリザーバ凹部2bが形成され、キャビティ基板1のオリフィス面部3aに対向してノズル基板20の第2の面Fにオリフィス3の一部を構成するオリフィス凹部3bが形成されている。また、キャビティ基板1の吐出凹部4aに対向してノズル基板20の第2の面Fに吐出室4の一部を構成する吐出面部4bが形成されており、吐出面部4bの中央壁部6近傍にはキャビティ基板1の吐出凹部4aに対向して、拡幅ノズル孔21aとノズル孔21bとからなるノズル部21がノズル基板20の短手方向に一定間隔を置いて設けられている。ノズル部21はテーパー状に近づけるために2段構成となっているもので、第2の面F側の径が第1の面E側の径よりも大きいが、これはインク流れの整流作用によりインクの直進性を高めるためである。なお、ノズル基板20の第1の面E側には、ダイヤフラム22及びノズル凹部23が設けられている。
こうして、ノズル基板20のリザーバ凹部2bとキャビティ基板20のリザーバ凹部2aとからリザーバ2が形成され、キャビティ基板20のオリフィス面部3aとノズル基板20のオリフィス凹部3bから細溝のオリフィス3が形成されている。また、キャビティ基板20の吐出凹部4aとノズル基板20の吐出面部4bとから吐出室4が形成され、タンク(図示せず)からインク供給口10a、1aを通って、リザーバ2にインクが貯留され、オリフィス3、吐出室4を通って、ノズル部21よりインク滴を吐出する液体流路が形成されている。発振回路30は、ワイヤ31を介して電極基板10の端子部14とキャビティ基板1の電極端子9を接続して、電圧の印加及び停止を行う。
上記のように構成したインクジェットヘッドの動作を図2を用いて説明する。インク吐出タンク(図示せず)よりインク供給口10a、1aを通して、リザーバ2、オリフィス3、吐出室4にインクを供給する。発振回路30が駆動し、電極12に電荷を供給して正に帯電させると、振動板7は負に帯電し、静電気力により電極12に引き寄せられて撓み、吐出室4の容積が広がる。電極12への電荷供給を止めると振動板7は元に戻るが、そのとき吐出室4の容積も元に戻るから、その圧力によりインクがノズル孔21から吐出し、液滴70となってプリント紙71に着弾する。
上記のように構成したインクジェットヘッドのキャビティ基板1、電極基板10及びノズル基板20の作製方法を、図3、図4及び図5を用いてそれぞれ説明する。
図3はキャビティ基板1の作製工程を示す説明図である。
(a)シリコン(Si)からなるキャビティ素材40を熱酸化炉に入れ、酸素及び水蒸気雰囲気中で、例えば摂氏1075℃、4時間の条件で熱酸化処理し、シリコンの表面に、厚み1.2μmの酸化膜(SiO2 )41を形成する(図3(a))。
(b)キャビティ素材40の第1の面A側の酸化膜41aに、吐出凹部4a及びリザーバ凹部2a及び貫通穴部9aを形成するためのレジストパターニングを施し、フッ酸系エッチン液で酸化膜41aのエッチングを行い、レジストを剥離すると、パターニングされた酸化膜41aができる(図3(b))。なお、リザーバ凹部2a部分の酸化膜41aは、この段階ではハーフエッチングの状態にある。
(c)第2の面B(ドープ面)に成膜されている酸化膜41bを除去し、第2の面BをB2 3 を主成分とする拡散源に対向させて摂氏1050℃で7時間保持し、ボロン(ホウ素)を拡散させてボロンドープ層42を形成する(図3(c))。
(d)TEOS(テトラ・エチル・オルト・シリケイト)−CVD(化学気層成長法)により、ボロンドープ層42の表面に厚み3.0μmの酸化膜41cを形成する(図3(d))。
(e)次に、第2の面B側の酸化膜41cに、貫通穴部9aとインク供給口1aを形成するためのレジストパターニングを施し、フッ酸系エッチング液で酸化膜41cのエッチングを行い、レジストを剥離すると、パターニングされた酸化膜41cができる(図3(e))。
(f)キャビティ素材40を35重量%濃度の水酸化カリウム(KOH)水溶液に浸し、80℃においてウエットエッチングを行う(図3(f))。
(g)酸化膜41全体をフッ化水素(HF)でハーフエッチングして、リザーバ凹部2aとなる部分の酸化膜41dを除去する。この状態で、キャビティ素材40を80℃で35重量%濃度の水酸化カリウム水溶液に浸し、ウエットエッチングを行う。さらに80℃で3重量%濃度の水酸化カリウム水溶液に浸し、ボロンドープ層42が現れてエッチングストップとみなすことができるまでエッチングを続けると、ボロンドープ層42が吐出凹部4aの振動板7を形成する(図3(g))。このように、2種類の濃度の異なる水酸化カリウム水溶液を用いたエッチイングを行うことによって、振動板7の面荒れを抑制することができる。
(h)フッ酸水溶液で酸化膜41を除去し、プラズマCVDにより振動板7の表面に厚み1100ÅのTEOS絶縁膜43(SiO2 )を形成して、キャビティ基板1を完成する(図3(h))。
図4は電極基板10の作製工程を示す説明図である。
(a)Cr/Auスパッタによって、電極素材50の第1の面CにAu(金)の膜を形成し、その上にCr(クロム)の膜を形成する(図4(a))。
(b)これらのCr/Au膜51の上に、キャビティ基板1の振動板7とほぼ同じ間隔及び形状となる溝を設けるためにレジストパターンを形成し、Crエッチング液及びAuエッチング液でエッチングをおこない、Cr/Auパターンニングを行い、レジストを除去する(図4(b))。
(c)フッ酸系エッチング液でエッチングを行い、Cr/Auの膜を除去した部分をエッチングし、電極室11を形成する(図4(c))。
(d)Crエッチング液及びAuエッチイング液でエッチングを行ってCr/Auの膜を除去した後、ITO(錫添加酸化インジウム)スパッタによるスパッタリングを行って、電極室11に電極12となるITOを成膜する。その後、電極形状のレジストパターンを形成し、ITOエッチング液でエッチングを行い、ITOパターンニングを行い、レジストを除去する(図4(d))。
(e)次に穴あけ加工して、インク供給口10aを形成し、電極基板10を完成する(図4(e))。
図5はノズル基板20の製造工程を示す説明図である。
(a)Cr/Auスパッタによって、ノズル素材60の第2の面FにAuの膜を形成し、その上にCrの膜を形成する。これらのCr/Au膜61の上にノズル孔21を形成するためのレジストパターンを形成し、Crエッチング液及びAuエッチング液でエッチングをおこない、レジストを除去する(図5(a))。
(b)ICP(誘導結合プラズマ)ドライエッチングで、ノズル素材60のCr/Au膜61を除去した部分の第1段目のエッチングを行い、ノズル孔21となるべきノズル凹部62を形成する(図5(b))。このノズル凹部62の加工は、異方性エッチングで行ってもよく、あるいは、レーザーでガラス構造を変化させた後に異方性ウエットエッチングで行ってもよい。
(c)Crエッチング液及びAuエッチイング液でエッチングを行い、Cr/Au膜61を除去し、ノズル素材60の第2の面Fに再びスパッタ法によるCr/Auのスパッタリングを行い、キャビティ基板1のリザーバ凹部2a、オリフィス面部3a、吐出凹部4aの位置に合わせてレジストパターンを形成し、Cr/Auパターンニングを行い、膜61aを形成したのちレジストを除去する(図5(c))。
(d)ICPドライエッチングで第2段目のエッチングを行うと、ノズル素材60のCr/Au膜61aを除去した部分がエッチングされ、拡幅ノズル孔21aとノズル孔21b、オリフィス凹部3b、リザーバ凹部2bが形成される(図5(d))。なお、拡幅ノズル孔21a、ノズル孔21bの加工は異方性エッチングで行ってもよく、あるいはレーザでガラス構造を変化させた後に異方性ウエットエッチングで行ってもよい。
(e)Crエッチング液及びAuエッチイング液でエッチングを行い、第2の面Fに位置するCr/Au膜61aを除去する。そしてノズル素材60の第1の面Eにスパッタ法によるCr/Auのスパッタリングを行い、ノズル凹部23とダイヤフラム22を設けるためのレジストパターンを形成し、Cr/Auパターンニングを行い、膜62を形成したのち、レジストを除去する(図5(e))。
(f)第2の面Fに保護膜を形成したあと、第1の面Eに対してウエットエッチングを行い、ノズル凹部23とダイヤフラム22を形成し(図5(f))、Cr/Au膜62を除去して、ノズル基板20を完成する(図5(g))。
また、(c)の工程に続いて(e)の工程を行い、第2の面Fと第1の面Eを同時にウエットエッチングしてもよい。その際、第2の面Fの保護膜は必要ない。
次に、以上のようにして個別に作製されたキャビティ基板1、電極基板10及びノズル基板20を組合わせてインクジェットヘッドを組立てるが、その処理は以下のようにして行う。上記のキャビティ基板1、電極基板10及びノズル基板20を接合するにあたっては、例えば、キャビティ基板1とノズル基板20をまず接合し、次に電極基板10を接合する。
すなわち、まず、キャビティ基板1の第1の面Aとノズル基板20の第2の面Fとを合わせ、このときキャビティ基板1のリザーバ凹部2bとノズル基板20のリザーバ凹部2bを対向させてリザーバ2を形成し、キャビティ基板1のオリフィス面部3aとノズル基板20のオリフィス凹部3bを対向させてオリフィス3を形成し、キャビティ基板1の吐出面部4aとノズル基板1の吐出面部4bを対向させて吐出室4を形成するようにして、この状態で、キャビティ基板1とノズル基板20を位置合わせする。なお、位置合わせの前にキャビティ基板1とノズル基板20を洗浄しておく。
そして、位置合わせした状態にあるキャビティ基板1とノズル基板20を陽極接合するために、これらの基板1、20を挟み込むようにして両面に電極板(図示せず)をセットし、窒素ガス雰囲気中におく。陽極接合にあたっては、まず両基板1、20を加熱するが、ノズル基板20を構成するホウケイ酸ガラスが急激な温度上昇により割れるのを防ぐため、例えば300℃まで約20分かけて昇温する。次いで、電源により例えば500Vの電圧を20分間印加し、両基板1、20を接合する。接合時、ノズル基板20を構成するホウケイ酸ガラス中のNaイオンの移動により電流が流れるが、接合完了時には電流値が低下するので、接合の目安を付ける。接合完了後、両基板1、20の熱伝導率の差による応力割れを防ぐため、約20分かけて除冷する。
次に、キャビティ基板1の第2の面Bと電極基板10の第1の面Cとを合わせ、このとき、キャビティ基板1のインク供給口1aと電極基板10のインク供給口10aの位置が一致するようにし、また、キャビティ基板1の振動板7が電極基板10の電極12の各々の位置と対向配置するようにして、この状態でキャビティ基板1と電極基板10を接合する。
次に、これらの基板1、10、20を接合して得られた接合体をダイシングによって切断し、発振回路30をワイヤ31により端子部14及び電極端子9と電気的に接続して、インクジェットヘッドを形成する。
なお、上述の組立方法は一例であり、例えばキャビティ基板1と電極基板10とを先に接合し、キャビティ基板1上の部材形成を行ったのち、キャビティ基板1とノズル基板20を陽極接合するようにしてもよい。
本実施の形態1によれば、インクジェットヘッドを構成するキャビティ基板1とノズル基板20の接合には接着剤を用いないので、接合強度が強く、吐出物の選択範囲も広がり、吐出物の侵食による影響もなく、耐久性がよい。また、シリコンと線膨張係数の等しいホウケイ酸ガラスをノズル基板20に用いているので、ヒートサイクルによるキャビティイ基板1との剥離が起こらない。
[実施の形態2]
図6は、本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘッドを用いた画像形成装置の説明図である。図6において、画像形成装置は、プリント紙71を支持するドラム72と、プリント紙71にインクを吐出して記録を行うインクジェットヘッド73を備え、インクジェットヘッド73には液体を供給するための液体タンク(図示せず)が設けられている。そして、送りネジ74がドラム72の軸方向にほぼ平行に設けられてインクジェットヘッド73を保持しており、送りネジ74が回転すると、インクジェットヘッド73がドラム72の軸方向に移動するようになっている。なお、プリント紙71は、ドラム72の軸方向にほぼ平行に設けられた紙圧着ローラ75により、ドラム72に圧着して保持される。
ドラム72は、ベルト76を介してモータ77に接続され、モータ77によって回転駆動される。プリント制御手段78は、印画データ及び制御信号に基づいて送りネジ74、モータ77を駆動させ、また、インクジェットヘッド73に接続された発振回路(図示せず)を駆動させて振動板を振動させながら画像形成を行わせる。
本実施の形態2によれば、接合強度が強く、耐久性に優れ、ノズル基板20とキャビティ基板1とが剥離することがないインクジェットヘッド73を備えた画像形成装置を得ることができる。
[実施の形態3]
実施の形態2では、液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドを備えた画像形成装置によってインクを吐出して画像形成する液滴吐出装置の例を示したが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、液滴吐出ヘッドを電界発光表示パネル製造装置に備え、電界発光素子となる材料を含んだ液体を液滴吐出ヘッドにより表示パネル上に吐出させて定着させることにより、電界発光表示パネルを製造することができる。高分子の材料では蒸着法を用いることができないので、液滴吐出による製造が特に有効である。
また、生体分子を含む溶液を吐出する液滴吐出装置に、本発明に係る液滴吐出ヘッドを設け、このヘッドにより溶液を吐出させて、デオキシリボ核酸(DNA)やタンパク質等の生体分子のマイクロアレイを製造したり、生体に関する検査をするためのバイオ装置を得ることができる。さらに、液晶等を用いた表示装置に用いられるカラーフィルタの製造装置を得ることができる。
また、マイクロバルブやマイクロポンプ等を集積したマイクロ流体制御システムが考えられる。これらの装置は、業務用途として使われることが多いため、特に吐出ヘッドの接合強度が強いことが要求されるが、本発明に係る液滴吐出ヘッドを備えた装置は上記の要求を満たすことができる。さらに、染料の吐出等の工業用途、家庭用途に、上述の液滴吐出ヘッドを備えた装置を用いることができる。
本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの分解斜視図。 図1のインクジェットヘッドの長手方向の断面図。 図1のキャビティ基板の作製工程を示す説明図。 図1の電極基板の作製工程を示す説明図。 図1のキャビティ基板の作製工程を示す説明図。 本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘッドを用いた画像形成装置の説明図。
符号の説明
1 キャビティ基板、1a、10a 液体(インク)供給口、4 吐出室、4a 吐出凹部、4b 吐出面部、7 振動板、10 電極基板、11 電極室、12 電極、20 ノズル基板、21、21a、21b ノズル孔、30 発振回路、40 キャビティ素材、50 電極素材、60 ノズル素材、73 液滴吐出ヘッド。

Claims (10)

  1. 液滴を吐出するノズル孔と、該ノズル孔と連通する吐出室と、該吐出室に液を供給する液体供給部と、前記吐出室の壁面の一部に形成された振動板と、該振動板と対向配置された個別電極とを備え、前記振動板と電極との間の静電力により該振動板を変位させて吐出室の液を前記ノズル孔から吐出させる液滴吐出ヘッドであって、
    前記ノズル孔が形成されたノズル基板と、前記吐出室及び液体供給部を形成する凹部を有するキャビティ基板とを備え、これらの基板が陽極接合されてなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記ノズル基板をホウケイ酸ガラスで構成したことを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッド。
  3. ホウケイ酸ガラスにより形成した前記ノズル基板の線膨張係数が、シリコンにより形成した前記キャビティ基板の線膨張係数とほぼ等しくなるように構成したことを特徴とする請求項2記載の液滴吐出ヘッド。
  4. インクジェットヘッドとして用いられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  5. DNAや蛋白質を吐出するヘッドとして用いられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  6. 液滴を吐出するノズル孔と、該ノズル孔と連通する吐出室と、該吐出室に液を供給する液体供給部と、前記吐出室の壁面の一部に形成された振動板と、該振動板と対向配置された個別電極とを備え、前記振動板と電極との間の静電力により該振動板を変位させて吐出室の液を前記ノズル孔から吐出させる液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記ノズル孔が形成されたノズル基板と、前記吐出室及び液体供給部を形成する凹部を有するキャビティ基板とを陽極接合することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記ノズル基板のノズル孔を異方性エッチングで加工することを特徴とする請求項6記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  8. 前記ノズル基板のノズル孔をICPで加工することを特徴とする請求項7記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  9. 前記ノズル基板のノズル孔をレーザーでガラス構造を変化させた後に、異方性ウエットエッチィングで加工することを特徴とする請求項7記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを搭載したことを特徴とする液滴吐出装置。
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