JPH0920007A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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Publication number
JPH0920007A
JPH0920007A JP17261995A JP17261995A JPH0920007A JP H0920007 A JPH0920007 A JP H0920007A JP 17261995 A JP17261995 A JP 17261995A JP 17261995 A JP17261995 A JP 17261995A JP H0920007 A JPH0920007 A JP H0920007A
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JP
Japan
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substrate
ink jet
jet head
ink
inkjet head
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Application number
JP17261995A
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English (en)
Inventor
Shinichi Kamisuke
真一 紙透
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Publication of JPH0920007A publication Critical patent/JPH0920007A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14314Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane

Abstract

(57)【要約】 【構成】 圧力室の少なくとも一方の壁を構成する振動
板6を、セラミックスまたはセラミックスと金属の組み
合わせとして薄膜形成技術により加工し、振動板6を静
電気力により変形させるための電極11とのギャップ間
にギャップスペーサとして金属または半導体の薄膜9を
形成して、構成部材1・2・3間を陽極接合法により接
合する。 【効果】 ギャップ部の寸法精度が高いことにより、印
字品質が優れたインクジェットヘッドを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロマシニング技
術を応用して作製した小型高密度のインクジェット記録
装置の主要部であるインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、記録時の騒
音がきわめて小さく、また、高速印字が可能であり、安
価な普通紙にも印字が可能であるなど多くの利点を有し
ているが、中でも記録に必要な時にのみインク滴を吐出
する、いわゆるインク・オン・デマンド方式が、記録に
不要なインク滴の回収を必要としないため、現在主流と
なってきている。
【0003】このインク・オン・デマンド方式のインク
ジェットヘッドには、特公平2−51734号公報の3
頁から15頁に示されるように、駆動手段が圧電素子で
あるものや、特公昭61−59911号公報の8頁から
12頁および20頁から27頁に示されるように、熱エ
ネルギー供給手段によりタンクに熱による状態変化を生
起させ、この状態変化によりインク液滴を吐出する方式
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
従来のインクジェットヘッドでは以下に記するような課
題があった。
【0005】前者の圧電素子を用いるインクジェットヘ
ッドの高密度化においては、圧力室の幅も相当する微小
寸法になり、従って、振動板の板厚はその変形特性上、
従来の100ミクロン台から数ミクロンへと薄くする必
要が生じてくるが、研磨等の方法により数ミクロンの板
厚の材料を形成することは加工の精度上きわめて困難で
ある。
【0006】又、後者のインクに熱による状態変化を生
起させる方式においては、事実上駆動手段が薄膜の抵抗
加熱体により形成されるため、上記のような課題は存在
しなかったが、駆動手段の急速な加熱・冷却の繰り返し
で状態変化(気泡消滅)時の衝撃により抵抗加熱体がダ
メージを受けることにより、インクジェットヘッドの寿
命が短いという課題があった。
【0007】これらの課題を解決するものとして本出願
人は、駆動手段として圧力室に圧力を生じさせる振動板
を、静電気力で変形させる方式のインクジェット記録装
置として特開平5−50601号公報を出願したが、こ
の方式のインクジェットヘッドは小型高密度・高印字品
質及び長寿命であるという利点を有している。
【0008】本発明の目的は、さらに高密度印字が可能
で、かつ、印字品質に優れ、長寿命のインクジェットヘ
ッドを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するものであり、以下にその内容を説明する。請
求項1記載のインクジェットヘッドは、インクを吐出す
るための単一、または複数のノズルと、ノズルのそれぞ
れに対応する圧力室と、圧力室の少なくとも一方の壁を
構成する振動板と、振動板に変形を生じさせる駆動手段
とを備えるインクジェットヘッドにおいて、振動板がセ
ラミックスまたはセラミックスと金属の組み合わせから
なることを特徴とし、請求項2記載のインクジェットヘ
ッドは、そのセラミックスが、Si、Al、N、B、
C、ZrまたはOの元素のうち少なくとも1以上の元素
からなることを特徴とする。
【0010】前記振動板は、インクジェットヘッドにお
いて、インクが満たされた圧力室内の圧力を高め、イン
クをノズルから吐出させるために、駆動手段から受ける
力により適当な変形を生じる必要がある。ノズルのピッ
チが90dpi(ドット・パー・インチ)以上であるよ
うな高密度インクジェットヘッドにおいては振動板の幅
も同様に小さくなり、数10〜200ミクロン程度とな
る。このような振動板において、上記の適当な変形を生
じるためには、振動板の厚みは数ミクロン以下であるこ
とが望ましい。SiN、SiC、AlN、SiAlN等
のセラミックス(たとえばIC製造工程で用いられるC
VD、スパッタリング等の薄膜形成技術により形成され
る)は、適当な機械的変形特性(ヤング率、材料の疲労
特性等)を有し、上記の要求に対し最適である。また、
薄膜形成技術により形成されたセラミックスと金属の組
み合わせも同様の特性を有する。
【0011】請求項3記載のインクジェットヘッドは、
請求項1または請求項2記載の特徴点に加えて、駆動手
段が、前記振動板を静電気力により変形させる電極から
なることを特徴とする。
【0012】請求項4記載のインクジェットヘッドは、
請求項3記載の振動板と電極の間隔を保持するためのギ
ャップスぺーサが金属であることを特徴とし、請求項5
記載のインクジェットヘッドは、その金属が、Al、N
i、Cu、Fe、Cr、TiまたはTa等の金属からな
ることを特徴とする。本構成によれば、前記のように、
圧電素子方式やインクを加熱する方式のインクジェット
ヘッドにおける課題がなく、小型高密度・高印字品質及
び長寿命なインクジェットヘッドを提供できる。
【0013】請求項6記載のインクジェットヘッドは、
請求項3または請求項4記載の特徴点に加え、圧力室が
(110)結晶面方位を有するSi単結晶基板に形成さ
れ、電極がSi単結晶とほぼ等しい熱膨張係数を有する
ガラスまたはセラミックス基板に形成されてなることを
特徴とする。
【0014】Si単結晶は、アルカリ液を用いてエッチ
ングする際、その結晶面方位によりエッチング速度が大
きく異なるいわゆる異方性エッチングが可能であり、こ
のことを利用して様々な立体形状を精度良く加工するこ
とができる。さらに、これまでIC製造技術において培
われてきた、フォトリソグラフィ・薄膜形成・エッチン
グ等の各技術を利用しての加工を組み合わせることによ
る微小なデバイスを形成する、いわゆる“マイクロマシ
ニング技術”が現在注目を浴びているが、本発明はマイ
クロマシニング技術によりSi単結晶に様々な加工を施
し、高性能なインクジェットヘッドを提供するものであ
る。本構成によれば、隣合う圧力室間の壁面が圧力室が
形成される基板であるSi基板表面に対し垂直に形成す
ることができ、圧力室の列を最も高密度に形成できるの
で、高密度なインクジェットヘッドを提供できる。ま
た、電極が形成される基板としてSi単結晶とほぼ等し
い熱膨張係数を有するガラスまたはセラミックス基板を
用いることによって、電極が形成される基板は、圧力室
が形成される基板であるSi基板との陽極接合により、
接着剤を用いずに、事実上、接着代がゼロであるような
接合が可能である。従って、後記するような0.数ミク
ロンのギャップを非常に精度良く形成でき、インクの吐
出ばらつきが小さい、すなわち、印字品質に優れたイン
クジェットヘッドを提供できる。
【0015】
【作用】本発明のインクジェットヘッドは、薄膜形成技
術により形成したセラミックスまたはセラミックスと金
属の組み合わせを振動板として用い、振動板を駆動手段
により変形させ、振動板の変形により圧力室内のインク
を加圧し、ノズルよりインクを吐出するものである。ま
た、本発明のインクジェットヘッドは、前記電極または
前記振動板に形成された電極にパルス電圧を印加し、正
または負の電荷をそれらに与えることにより、振動板を
静電的吸引または反発により変形させ、圧力室内のイン
クをノズルより吐出するものである。
【0016】
【実施例】以下、本発明を一実施例(第1の実施例)に
基づき詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の第1の実施例におけるイ
ンクジェットヘッドの構造を分解して示す斜視図であ
り、一部断面を示してある。また、図2は本発明の第1
の実施例におけるインクジェットヘッドの一部を拡大し
て示す斜視図であり、一部断面を示してある。
【0018】図1に示したように、本実施例のインクジ
ェットヘッドは、ノズル4・キャビティ5・振動板6等
が形成された第1の基板1と、電極11が形成された第
2の基板2と、第3の基板3とを積層してなる構造を有
する。
【0019】第1の基板1は、結晶面方位が(110)
である単結晶Si基板であって、第1の基板1の表側の
面(図1では上側)には、複数のノズル4と、各々のノ
ズル4に連通し底部の壁が振動板6であるようなキャビ
ティ(凹部)5と、各々のキャビティ5においてノズル
4と反対側の端部に形成されるインク供給路8と、各々
のインク供給路8にインクを供給するための共通のイン
ク室7とが形成され、第1の基板1の裏側の面には、振
動板6と、第2の基板2上に形成される電極11との間
隔を正確に規定するためのギャップスペーサ9であるA
l膜が形成されている。Al膜は、第1の基板1のキャ
ビティ5に相当する箇所を除く部分に形成されている。
第2の基板2は、Siの熱膨張率とほぼ等しい熱膨張率
を有するホウケイ酸系ガラスであって、第2の基板2の
表側の面(図1では上側)には、キャビティ5と対応し
た位置に電極11が形成されている。第3の基板3も第
2の基板2と同様ホウケイ酸系ガラスであって、第1の
基板1との間にインクを加圧するための圧力室13を形
成するように、第1の基板1の表側の面に接合される
(図2)。
【0020】図1に示した第1の基板1の製造工程を図
3に示す。
【0021】まず、(110)面方位のSi基板の両面
を鏡面研磨し、厚み200ミクロンのSi基板1を形成
し(図3(a))、Si基板1にO2 及び水蒸気雰囲気
中で摂氏1100度、4時間の熱酸化処理を施し、Si
基板1の両面に厚さ1ミクロンのSiO2 膜15及び1
6を形成する(図3(b))。前記SiO2 膜15及び
16は、耐エッチング材として使用するものである。
【0022】次いで、前記SiO2 膜16上に振動板と
なるSiN及びTi−Pt薄膜を形成する。本構成のイ
ンクジェットヘッドでは要求されるインク吐出特性から
振動板6の板厚の設計寸法が決定されるが、設計寸法
は、振動板6の材質、ノズル4やインク供給路8の形
状、振動板6と電極11との間隔(ギャップ)寸法、駆
動電圧等と密接な関係にあるが、本実施例においては振
動板を上記のSiN、Ti、Ptの積層膜とし膜厚設計
値をそれぞれ2.8、0.05、0.15ミクロンとし
た。まず、プラズマCVD法によりSiN膜17をSi
2 膜16上に形成する。原料ガスとしては、モノシラ
ン、アンモニア、N2 を用い、膜厚が2.8ミクロンと
なるよう成膜を行った。次いで、スパッタリング法によ
りTi−Pt膜をSiN膜17上に形成する。Ti18
を0.05ミクロン、次いで、Pt19を0.15ミク
ロン連続して成膜した(図3(c))。次に、ギャップ
スペーサ9となるAl膜を、Pt膜19上に真空蒸着法
により0.25ミクロンの厚みで形成し、フォトリソ・
エッチングにより空所がキャビティ5の形状に相当する
形状に加工する(図3(d))。
【0023】次いで、前記SiO2 膜15の上にノズル
4・キャビティ5等の形状に相当するフォトレジストパ
ターン(図示しない)を形成し、フッ酸系エッチング液
にて前記SiO2 膜15の露出部分をエッチング除去
し、フォトレジストパターンを除去する(図3
(e))。
【0024】次に、アルカリ液によるSiの異方性エッ
チングを行う。単結晶Siにおいては、周知のごとく、
水酸化カリウム水溶液やヒドラジン等のアルカリでエッ
チングする場合、結晶面によるエッチング速度の差が大
きいため、異方性エッチングが可能となる。具体的には
(111)結晶面のエッチング速度が最も小さいため、
エッチングの進行と共に(111)面が平滑面として残
留する構造が得られる。本実施例では、イソプロピルア
ルコールを含む水酸化カリウム水溶液を用いてエッチン
グを行った。このエッチング工程においては、Si基板
1のSiO2 膜が形成されている面がエッチング液に接
触しないように、樹脂製の治具により面を保護してエッ
チングを行った。次いで、Si基板1上の耐エッチング
材であるSiO2 膜15及びSiエッチングにより露出
したSiO2 膜16をフッ酸系エッチング液により全て
除去する(図3(f))。
【0025】以上のような工程を経て、図1に示した第
1の基板が形成される。
【0026】次に、図1に示した第2の基板2の製造工
程を図4に示す。
【0027】まず、厚み1mmのホウケイ酸系ガラス基
板2の鏡面研磨された表側の面(図4では上側)21
に、真空蒸着法により電極11となるAl膜22を厚み
0.1ミクロンで形成する(図4(a))。次に、前記
Al膜22上に電極11の形状に相当するフォトレジス
トパターン(図示しない)を形成し、前記Al膜22の
不要部分をリン酸系エッチング液によりエッチング除去
し、フォトレジストパターンを除去し、電極11を形成
する(図4(b))。
【0028】次に、前記電極11の保護膜として、前記
ガラス基板2の表側の面21全面に0.1ミクロンの厚
みのガラス薄膜24をスパッタリングにより形成する
(図4(c))。スパッタリングターゲットとしては、
前記ガラス基板2と同一の組成のガラスを用いた。上記
の工程により第2の基板2が形成される。
【0029】以上の工程により形成された第1の基板1
及び第2の基板2は、陽極接合法により接合される。接
合工程は、以下のとおりである。まず、第1の基板1と
第2の基板2を洗浄、乾燥後前記第1の基板1及び第2
の基板2の対応するパターン同士の位置合わせを行い、
両基板を重ね合わせる。次に、両基板をホットプレート
上で摂氏300度に加熱し、前記第1の基板1すなわち
Si基板側を正、前記第2の基板2すなわちガラス基板
側を負として500Vの直流電圧を10分間印加し、接
合を行った。
【0030】次いで、Si基板1と第3の基板3である
ガラス基板3との接合を行う。ガラス基板3には、イン
ク供給パイプ26が接合される部分に、機械加工により
貫通穴27が穿孔されている。前記貫通穴27と前記S
i基板1に形成されたインク室7との位置合わせを行っ
た後、前記した陽極接合法により、前記Si基板1と前
記ガラス基板3を接合した。
【0031】上記の工程により、前記第1の基板1と第
2の基板2と第3の基板3とは積層一体化された。その
接合方法は、陽極接合法によるものであり、接合のため
に接着剤を用いず、また、各基板やギャップスペーサで
あるAl膜9は、形状・厚みが変化しないため、それぞ
れの基板の加工上がりでの寸法精度が保たれたまま接合
ができる。また、ギャップスペーサ9及び電極11であ
るAl膜は、真空蒸着法により厚み精度を正確に形成で
きるため、振動板6と電極11とのギャップ間隔gは正
確に規定される。
【0032】最後に、ノズル4の長さが設計値と等しく
なるよう、ダイシング及びポリシングによりインク吐出
口28を形成し、インクタンク(図示しない)を前記イ
ンク供給パイプ26に接続して、発振回路12を振動板
6のPt部分及び電極11に接続し、インクジェットヘ
ッド29が完成する。
【0033】本実施例では、前記間隔gの設計値は0.
5ミクロンであり、従ってギャップスペーサ9の目標厚
みを0.5ミクロン、また電極11の目標厚みを0.1
ミクロン、また保護膜であるガラス薄膜24の目標厚み
を0.1ミクロンとした。
【0034】本実施例の一連の工程により形成された1
00個のインクジェットヘッドの振動板6の厚みの実測
値は3.0±0.02ミクロンに、また、ギャップ間隔
gの長さは0.5±0.05ミクロンという範囲に分布
していた。また、これらのインクジェットヘッドを30
V、5kHzで駆動したところ、インク滴の吐出速度は
5±0.5m/s、インク滴体積は(0.1±0.0
1)×10-6ccという範囲に分布し、実印字試験にお
いて良好な印字が得られた。
【0035】本実施例では、振動板6としてSiN−T
i−Ptの積層膜を用いたが、SiNのみでは導電性が
ないために、Ti−Pt層を導電層として付加したもの
である。
【0036】また、本実施例では、ギャップスペーサと
してAlを用いたが、この他にNi−Crの組み合わ
せ、Ti、Ta、W、Cu、Fe等の金属の薄膜やSi
等の半導体薄膜を用いても同様の効果が得られる。
【0037】次に、本発明の別の一実施例(第2の実施
例)に基づき詳細に説明する。
【0038】図5は、本発明の第2の実施例におけるイ
ンクジェットヘッドの構造の一部を拡大して示す断面図
であるが、このインクジェットヘッドは、本発明の第1
の実施例におけるインクジェットヘッドと構造上ほぼ同
一であり、振動板6aとしてSiC膜を用いた例であ
る。
【0039】第1の基板1aは、結晶面方位が(11
0)である単結晶Si基板であり、第1の基板1aの加
工工程は、振動板6aの形成工程以外は本発明の第1の
実施例の場合と同様であるので説明は省略する。
【0040】振動板6aの厚みの設計値は本発明の第1
の実施例と同様の手順で3.1ミクロンと決定された。
振動板6aとなるSiC膜は、プラズマCVD法により
形成される。原料ガスとしては、モノシランとメタンを
用い、膜厚が3.1ミクロンとなるよう成膜を行った。
【0041】第2の基板2a及び第3の基板3aの製造
工程及び第1の基板1a、第2の基板a及び第3の基板
3aの接合は本発明の第1の実施例の場合と同様である
ので省略する。振動板6aは導電性を有するので、発振
回路12との接続は直接行われる。
【0042】本実施例において製造されたインクジェッ
トヘッド100個の振動板6aの厚みの実測値は3.1
±0.02ミクロンに、また、ギャップ間隔gの実測値
は、0.5±0.05ミクロンの範囲に入っており、ま
た、これらのインクジェットヘッドを30V、2kHz
で駆動したところ、インク滴の吐出速度は5±0.5m
/s、インク滴体積は(0.1±0.01)×10-6
cという範囲に分布し、実印字試験においても良好な印
字が得られた。
【0043】本発明の第1および第2の実施例では、振
動板として用いられるセラミックスをプラズマCVD法
により成膜したSiN及びSiC膜を用いる場合につい
て説明したが、成膜方法及び膜種はこれに限られるもの
ではなく成膜方法としてはスパッタリング、ゾル−ゲル
法等各種の方式を用いても効果は同様である。また、膜
種としてはセラミックス膜であるSiAlN、AlN等
の膜を用いても本発明の実施例と同様の効果が得られ
る。また、酸化物系のセラミックスである、たとえば、
Zr、Al、B等の酸化物を用いても同様の効果が得ら
れる。また、駆動手段として圧電素子等の電気機械変換
素子や電磁変換素子を用いてもよい。
【0044】次に、本発明の別の一実施例(第3の実施
例)に基づき詳細に説明する。
【0045】図6は、本発明の第3の実施例におけるイ
ンクジェットヘッドの一部を拡大して示す斜視図であ
り、インクを吐出するためのノズル4bが、第3の基板
3b上に第3の基板へのノズルの加工は、エッチング、
サンドブラスト、放電加工等各種の方法により形成する
ことができる。
【0046】第1の基板1bは、結晶面方位が(11
0)面である単結晶Si基板であり、第1の基板1b上
に形成されるキャビティ等の形成方法は、本発明の第1
の実施例の場合と同様であるので説明は省略する。ただ
し、ノズルは第3の基板3bに形成するため、第1の基
板1bにはノズルの加工は行わない。また、第2の基板
2bの形成方法も本発明の第1の実施例と同様である。
【0047】第3の基板3bは板厚が50ミクロンのホ
ウケイ酸系ガラスである。上記の方法により第3の基板
3bにノズル4bとなる穴を所定位置に加工し、第1の
基板1bとノズルが形成された第3の基板3bとの位置
合わせを行い、陽極接合により接合を行う。このように
して得られたインクジェットヘッドでは、第3の基板3
bの表面に対し垂直方向にノズルが形成されるのでノズ
ル長を研磨により調整する必要がないという利点があ
る。
【0048】
【発明の効果】以上記したように、本発明によれば、イ
ンクジェットヘッドの振動板としてSiN、SiC、A
lN、SiAlN等のセラミックスまたはセラミックス
と金属の組み合わせを用い、また、前記振動板と前記電
極間の間隔を保持するためのギャップスぺーサとしてA
l、Ni、Cu、Fe、Cr等の金属を用いることによ
り、高密度のインクジェットヘッドに最適の振動板及び
駆動部を精度良く形成することができるため、インク吐
出バラツキの小さい、高性能なインクジェットヘッドを
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるインクジェットヘッ
ドの構造を分解して示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例におけるインクジェットヘッ
ドの構造の一部を拡大して示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例におけるインクジェットヘッ
ドの第1の基板の製造工程図である。
【図4】本発明の一実施例におけるインクジェットヘッ
ドの第2の基板の製造工程図である。
【図5】本発明の別の一実施例におけるインクジェット
ヘッドの構造の一部を拡大して示す斜視図である。
【図6】本発明のさらに別の一実施例におけるインクジ
ェットヘッドの構造の一部を拡大して示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 第1の基板 2 第2の基板 3 第3の基板 4 ノズル 5 キャビティ 6 振動板 7 インク室 8 インク供給路 9 ギャップスペーサ 11 電極 12 発振回路 26 インク供給パイプ 27 貫通穴

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するための単一または複数
    のノズルと、該ノズルのそれぞれに対応する圧力室と、
    該圧力室の少なくとも一方の壁を構成する振動板と、該
    振動板に変形を生じさせる駆動手段とを備えるインクジ
    ェットヘッドにおいて、前記振動板がセラミックスまた
    はセラミックスと金属の組み合わせからなることを特徴
    とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記セラミックスが、Si、Al、N、
    B、C、ZrまたはOの元素のうち少なくとも1以上の
    元素からなることを特徴とする請求項1記載のインクジ
    ェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段が前記振動板を静電気力に
    より変形させる電極からなることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記振動板と前記電極の間隔を保持する
    ためのギャップスぺーサが金属からなることを特徴とす
    る請求項3記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 前記金属がAl、Ni、Cu、W、F
    e、Cr、TiまたはTaからなることを特徴とする請
    求項4記載のインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 前記圧力室が(110)結晶面方位を有
    するSi単結晶基板に形成され、前記電極がSi単結晶
    とほぼ等しい熱膨張係数を有するガラスまたはセラミッ
    クス基板に形成されてなることを特徴とする請求項3ま
    たは請求項4記載のインクジェットヘッド。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6343854B1 (en) 1997-10-14 2002-02-05 Seiko Epson Corporation Electrostatic actuator and an apparatus mounted with the same

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