JPH06126956A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JPH06126956A
JPH06126956A JP28317592A JP28317592A JPH06126956A JP H06126956 A JPH06126956 A JP H06126956A JP 28317592 A JP28317592 A JP 28317592A JP 28317592 A JP28317592 A JP 28317592A JP H06126956 A JPH06126956 A JP H06126956A
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substrate
board
ink jet
ink
boards
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Application number
JP28317592A
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English (en)
Inventor
Shinichi Kamisuke
真一 紙透
Shinichi Yotsuya
真一 四谷
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Publication of JPH06126956A publication Critical patent/JPH06126956A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14314Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane

Abstract

(57)【要約】 【構成】 マイクロマシニング技術により加工したSi
基板及び/またはガラス基板を構成部材とし、振動板を
変形させるためのギャップ部を金属または半導体の薄膜
で形成し、該構成部材間を陽極接合法により接合する。
または、ギャップ部をSiと共晶を形成する物質で形成
する。 【効果】 ギャップ部の寸法精度が高いことにより、印
字品質が優れたインクジェットヘッドを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロマシニング技
術を応用して作製した小型高密度のインクジェット記録
装置の主要部であるインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、記録時の騒
音がきわめて小さく、また、高速印字が可能であり、安
価な普通紙にも印字が可能であるなど多くの利点を有し
ているが、中でも記録に必要な時にのみインク滴を吐出
する、いわゆるインク・オン・デマンド方式が、記録に
不要なインク滴の回収を必要としないため、現在主流と
なってきている。
【0003】このインク・オン・デマンド方式のインク
ジェットヘッドには、特公平2−51734号公報に示
されるように、駆動手段が圧電素子であるものや、特公
昭61−59911号公報に示されるように、インクを
加熱し気泡を発生させることによる圧力でインクを吐出
する方式がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来のインクジェットヘッドでは以下に述べるような課
題があった。
【0005】前者の圧電素子を用いる方式においては、
圧力室に圧力を生じさせるためのそれぞれの振動板に圧
電素子のチップを貼り付ける工程が煩雑で、特に、最近
のインクジェット記録装置による印字には、高速・高印
字品質が求められてきており、これを達成するためのマ
ルチノズル化・ノズルの高密度化において、圧電素子を
微細に加工し各々の振動板に接着することはきわめて煩
雑である。又、高密度化においては、圧電素子を幅数1
0〜100数十ミクロンで加工する必要が生じてきてい
るが、従来の機械加工における寸法・形状精度では、印
字品質のバラツキが大きくなってしまうという課題があ
った。
【0006】又、後者のインクを加熱する方式において
は、駆動手段が薄膜の抵抗加熱体により形成されるた
め、上記のような課題は存在しなかったが、駆動手段の
急速な加熱・冷却の繰り返しや、気泡消滅時の衝撃によ
り抵抗加熱体がダメージを受けることにより、インクジ
ェットヘッドの寿命が短いという課題があった。
【0007】これらの課題を解決するものとして本出願
人は、駆動手段として圧力室に圧力を生じさせる振動板
を、静電気力で変形させる方式のインクジェット記録装
置について特許出願(特願平3−234537号)を行
っているが、この方式は小型高密度・高印字品質及び長
寿命であるという利点を有している。
【0008】本発明の目的は、静電気力を駆動源とする
インクジェットヘッドにおいて、さらに高い印字品質の
インクジェットヘッドを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、インクを吐出するための単一、または複数の
ノズルと、該ノズルのそれぞれに対応する圧力室と、該
圧力室の少なくとも一方の壁を構成する振動板と、該振
動板に変形を生じさせる駆動手段と、該圧力室にインク
を供給する共通のインク室とを備え、前記駆動手段が前
記振動板を静電気力により変形させる電極からなるイン
クジェットヘッドにおいて、前記振動板が形成される第
1の基板と前記電極が形成される第2の基板が金属また
は半導体の薄膜層を介して接合されており、前記第1の
基板はSi単結晶からなり、前記第2の基板はSi単結
晶またはSi単結晶の熱膨張率と同等の熱膨張率を有す
るガラスであることを特徴とする。
【0010】Si単結晶は、アルカリ液を用いてエッチ
ングする際、その結晶面方位によりエッチング速度が大
きく異なるいわゆる異方性エッチングが可能であり、こ
のことを利用して様々な立体形状を精度良く加工するこ
とができる。さらに、これまでIC製造技術において培
われてきた、フォトリソグラフィ・薄膜形成・エッチン
グ等の各技術を利用しての加工を組み合わせることによ
る微小なデバイスを形成する、いわゆる“マイクロマシ
ニング技術”が現在注目を浴びているが、本発明はマイ
クロマシニング技術によりSi単結晶に様々な加工を施
し、高性能なインクジェットヘッドを提供するものであ
る。また、前記第1の基板と前記第2の基板は金属また
は半導体の薄膜層を介して接合されることを特徴とする
が、前記振動板と前記電極の間隔は精度良く保たれ各振
動板の振動特性は均一となり、従って均一な印字品質が
得られる。
【0011】前記第2の基板がガラスであり、前記金属
または半導体の薄膜層が前記第1の基板、すなわちSi
基板上に形成される場合は、該第1の基板と該第2の基
板は陽極接合法により接合されることを特徴とする。こ
の工程では、前記金属または半導体の薄膜層は変形しな
いため、前記第1及び第2の基板間は該金属または半導
体の薄膜層の厚みだけ隔てられて接合され、すなわち、
該金属または半導体の薄膜層の成膜時の膜厚精度と同等
の精度で、前記振動板と前記電極の間隔は精度良く保た
れる。
【0012】前記第2の基板がSi基板である場合は、
前記金属または半導体の薄膜層は前記第1または第2の
基板のどちらか一方の上に形成され、または前記第2の
基板がガラス基板である場合は、前記金属または半導体
の薄膜層は前記ガラス基板上に形成され、該金属または
半導体の薄膜層は上記のごとく、金、またはアルミニウ
ム、またはスズ、またはゲルマニウム、または金・アル
ミニウム・スズ・ゲルマニウムのうち少なくとも一つを
含有する化合物であることを特徴とする。
【0013】上記の金属または半導体は、Siと共晶を
形成するため、前記第1の基板と前記第2の基板とは強
固に接合される。また、圧力・温度等の接合条件が決定
されれば、金属または半導体の薄膜層の厚みに対し、一
義的に共晶層の厚みが決定されるため、前記両基板に形
成されている前記振動板と前記電極の間隔は正確に規定
される。
【0014】
【作用】本発明のインクジェットヘッドの動作原理は、
前記電極または前記振動板に形成された電極にパルス電
圧を印加し、正または負の電荷をそれらに与えることに
より、前記振動板を静電的吸引または反発により変形さ
せ、前記圧力室内のインクをノズルより吐出するもので
ある。本動作原理においては、前記振動板と前記電極間
の間隔寸法を高精度に形成することが、インクジェット
ヘッドの高性能化にとって不可欠である。これまで述べ
てきた本発明の構成により、前記間隔寸法の精度の向上
がはかられ、従ってインクジェットヘッドの高性能化が
達成できる。
【0015】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の第1の実施例に基づき詳細
に説明する。
【0016】図1は、本発明の第1の実施例におけるイ
ンクジェットヘッドの構造を分解して示す斜視図であ
り、一部断面を示してある。また、図2は本発明の第1
の実施例におけるインクジェットヘッドの一部を拡大し
て示す斜視図であり、一部断面を示してある。
【0017】図1に示したように、本実施例のインクジ
ェットヘッドは、ノズル4・キャビティ5・振動板6等
が形成された第1の基板1と、電極11が形成された第
2の基板2と、第3の基板3とを積層してなる構造を有
する。
【0018】第1の基板1は、結晶面方位が(100)
である単結晶Si基板であって、該第1の基板1の表側
の面(図1では上側)には、複数のノズル4と、各々の
ノズル4に連通し底部の壁が振動板6であるようなキャ
ビティ(凹部)5と、各々のキャビティ5においてノズ
ル4と反対側の端部に形成されるインク供給路8と、各
々のインク供給路8にインクを供給するための共通のイ
ンク室7とが形成され、該第1の基板1の裏側の面に
は、振動板6と、第2の基板2上に形成される電極11
との間隔を正確に規定するためのギャップスペーサ9で
あるAl膜が形成されている。前記Al膜は、前記第1
の基板1の裏側の面の振動板6に相当する箇所を除く部
分に形成されている。第2の基板2は、Siの熱膨張率
とほぼ等しい熱膨張率を有するホウケイ酸系ガラスであ
って、該第2の基板2の表側の面(図1では上側)に
は、前記振動板6と対応した位置に電極11が形成され
ている。第3の基板3も第2の基板2と同様ホウケイ酸
系ガラスであって、該第3の基板3は、前記第1の基板
1との間にインクを加圧するための圧力室13・ノズル
4等を形成するように、前記第1の基板1の表側の面に
接合される(図2)。
【0019】図1に示した第1の基板1の製造工程を図
3に示す。
【0020】まず、(100)面方位のSi基板の両面
を鏡面研磨し、厚み200ミクロンのSi基板1を形成
し(図3(a))、該Si基板1にO2 及び水蒸気雰囲
気中で摂氏1100度、4時間の熱酸化処理を施し、該
Si基板1の両面に厚さ1ミクロンのSiO2 膜15及
び16を形成する(図3(b))。前記SiO2 膜15
及び16は、耐エッチング材として使用するものであ
る。
【0021】次いで、前記SiO2 膜15の上にノズル
4・キャビティ5等の形状に相当するフォトレジストパ
ターン17(図示しない)を形成し、フッ酸系エッチン
グ液にて前記SiO2 膜15の露出部分をエッチング除
去し、フォトレジストパターン17を除去する(図3
(c))。
【0022】次に、アルカリ液によるSiの異方性エッ
チングを行う。単結晶Siにおいては、周知のごとく、
水酸化カリウム水溶液やヒドラジン等のアルカリでエッ
チングする場合、結晶面によるエッチング速度の差が大
きいため、異方性エッチングが可能となる。具体的には
(111)結晶面のエッチング速度が最も小さいため、
エッチングの進行と共に(111)面が平滑面として残
留する構造が得られる。本実施例では、イソプロピルア
ルコールを含む水酸化カリウム水溶液を用いてエッチン
グを行った。振動板6の機械的変形特性は、該振動板の
各部寸法によって決定されるため、本構成のインクジェ
ットヘッドに要求されるインク吐出特性上から該振動板
6の各部の設計寸法が決定される。本実施例では、振動
板6の幅hを500ミクロン、厚みtを30ミクロンと
した。(100)Si基板において、(111)面は基
板表面である(100)面に対して結晶構造上約55度
の角度をもって交わっているため、上記のように、(1
00)Si基板中に形成する構造の寸法が決定される
と、第1の基板1の厚みに対し耐エッチング材のマスク
パターン寸法は一義的に決定される。図4に示すよう
に、キャビティ5の上端の幅dを740ミクロンとし、
170ミクロンのエッチングを施すと、幅hが500ミ
クロン、厚みtが30ミクロンである振動板6が得られ
る。実際のエッチングでは、(111)面はわずかずつ
エッチング(アンダーカット)され、図4における寸法
dはマスクパターン幅d´より若干大きくなる。従っ
て、マスクパターン17の幅d´は、(111)面18
のアンダーカット寸法の分だけ小さくしなければならな
いので、本実施例では730ミクロンとし、上記のアル
カリエッチング液にて所定量(170ミクロン)のエッ
チングを行った(図3(d))。
【0023】次いで、Si基板1上の耐エッチング材で
あるSiO2 膜15及び16をフッ酸系エッチング液に
より全て除去し、該Si基板1の裏側の面に真空蒸着法
により0.5ミクロンのAl膜10を形成する。前記A
l膜10は、前記振動板6と前記電極11との間隔を規
定するギャップスペーサとして機能するものである。次
に、前記Al膜10上に前記振動板6に相当する形状の
フォトレジストパターン19(図示しない)を形成し、
リン酸系エッチング液にて前記Al膜10の露出部分を
エッチング除去し、フォトレジストパターン19を除去
する(図3(e))。
【0024】以上のような工程を経て、図1に示した第
1の基板が形成される。
【0025】図1に示した第2の基板2の製造工程を図
5に示す。
【0026】まず、厚み1mmのホウケイ酸系ガラス基
板2の鏡面研磨された表側の面(図5では上側)14
に、真空蒸着法により電極11となるAl膜20を厚み
0.1ミクロンで形成する(図5(a))。次に、前記
Al膜20上に電極11の形状に相当するフォトレジス
トパターン22(図示しない)を形成し、前記Al膜2
0の不要部分をリン酸系エッチング液によりエッチング
除去し、フォトレジストパターン22を除去し、電極1
1を形成する(図5(b))。
【0027】次に、前記電極11の保護膜として、前記
ガラス基板2の表側の面14全面に0.1ミクロンの厚
みのガラス薄膜21をスパッタリングにより形成する。
スパッタリングターゲットとしては、前記ガラス基板2
と同一の組成のガラスを用いた。上記の工程により第2
の基板2が形成される。
【0028】以上の工程により形成された第1の基板1
及び第2の基板2は、陽極接合法により接合される。接
合工程は、以下の通りである。まず、第1の基板1と第
2の基板2を洗浄、乾燥後前記第1の基板1及び第2の
基板2の対応するパターン同士の位置合わせを行い、両
基板を重ね合わせる。次に、両基板をホットプレート上
で摂氏300度に加熱し、前記第1の基板1すなわちS
i基板側を正、前記第2の基板2すなわちガラス基板側
を負として500Vの直流電圧を10分間印加し、接合
を行った。
【0029】次いで、Si基板1と第3の基板3である
ガラス基板3との接合を行う。ガラス基板3には、イン
ク供給パイプ26が接合される部分に、機械加工により
貫通穴27が穿孔されている。前記貫通穴27と前記S
i基板1に形成されたインク室7との位置合わせを行っ
た後、前記した陽極接合法により、前記Si基板1と前
記ガラス基板3を接合した。
【0030】上記の工程により、前記第1の基板1と第
2の基板2と第3の基板3とは積層一体化された。その
接合方法は、陽極接合法によるものであり、接合のため
に接着剤を用いず、また、各基板やギャップスペーサで
あるAl膜10は、形状・厚みが変化しないため、それ
ぞれの基板の加工上がりでの寸法精度が保たれたまま接
合ができる。また、ギャップスペーサ9及び電極11で
あるAl膜は、真空蒸着法により厚み精度を正確に形成
できるため、振動板6と電極11とのギャップ間隔長g
は正確に規定される。
【0031】最後に、ノズル4の長さが設計値となるよ
う、ダイシング及びポリシングによりインク吐出口28
を形成し、インクタンク(図示しない)を前記インク供
給パイプ26に接続して、発振回路12をSi基板1及
び電極11に接続し、インクジェットヘッド29が完成
する。
【0032】本実施例では、前記間隔gの設計値は0.
5ミクロンであり、従ってギャップスペーサ9の目標厚
みを0.5ミクロン、また電極11の目標厚みを0.1
ミクロン、また保護膜であるガラス薄膜21の目標厚み
を0.1ミクロンとした。
【0033】本実施例の一連の工程により形成された1
00個のインクジェットヘッドのギャップ間隔gの長さ
は、0.5±0.05ミクロンという範囲に分布してい
た。また、これらのインクジェットヘッドを100V、
5kHzで駆動したところ、インク滴の吐出速度は5±
0.5m/s、インク滴体積は(0.1±0.01)×
10-6ccという範囲に分布し、実印字試験において良
好な印字が得られた。
【0034】本実施例では、ギャップスペーサとしてA
l膜を用いたが、この他にNi−Cr2層膜、Ti、T
a、W、Cu、Fe等様々な金属の薄膜やSi等の半導
体薄膜を用いても同様の効果が得られる。
【0035】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
に基づき詳細に説明する。
【0036】図6は、本発明の第2の実施例におけるイ
ンクジェットヘッドの構造を分解して示す斜視図であ
り、一部断面を示してあるが、該インクジェットヘッド
は、本発明の第1の実施例におけるインクジェットヘッ
ドと構造上ほぼ同一である。
【0037】第1の基板1は、結晶面方位が(100)
である単結晶Si基板であり、該第1の基板1上に形成
されるノズル4・キャビティ5等の形成方法は、本発明
の第1の実施例の場合と同様であるので説明は省略す
る。
【0038】第2の基板2は、Si単結晶基板である。
本実施例においては、結晶面方位として(100)面で
あるSi単結晶基板を使用したが、他の結晶面方位の基
板を使用することもできる。
【0039】第2の基板2の製造工程について図7を用
いて説明する。まず、(100)面方位のSi基板の一
方の面31を鏡面研磨し、厚み400ミクロンのSi基
板2を形成し(図7(a))、該Si基板2にO2 及び
水蒸気雰囲気中で摂氏1100度、4時間の熱酸化処理
を施し、該Si基板の両面に厚さ1ミクロンのSiO2
膜32及び33を形成する(図7(b))。前記SiO
2 膜32は、後に前記Si基板2の鏡面である一方の面
31上に形成される電極11と、前記Si基板2との電
気的絶縁のために使用される。
【0040】次に、前記SiO2 膜32に、真空蒸着法
により電極11となるAl膜34を厚み0.1ミクロン
で形成し(図7(c))、該Al膜34上に電極11の
形状に相当するフォトレジストパターン35(図示しな
い)を形成し、前記Al膜34の不要部分をリン酸系エ
ッチング液によりエッチング除去し、フォトレジストパ
ターン35を除去し、電極11を形成する(図7
(d))。
【0041】次に、SiO2 膜32の不要部分をフッ酸
系エッチング液を用いたフォト・エッチング工程により
除去する(図7(e))。
【0042】次に、第1の基板1と第2の基板2との接
合材及びギャップスペーサ9として機能するAl膜36
を該第2の基板2上に形成する。まず、前記Si基板2
上に、空所が前記ギャップスペーサ9の所望形状である
ようなフォトレジストパターン37を形成し(図7
(f))、次いでAl膜36を前記フォトレジストパタ
ーン37上に真空蒸着法により1.62ミクロンの厚み
で形成し(図7(g))、続いて前記Si基板2をアセ
トン中に浸漬し、超音波振動を加えて前記フォトレジス
トパターン37及び前記Al膜36のうち該フォトレジ
ストパターン37上に堆積した分のみを除去し、ギャッ
プスペーサ9を形成し(図7(h))、第2の基板2を
得る。
【0043】次に、以上の工程により製造された第2の
基板2であるSi基板と第1の基板1の、各々の対応す
る部位同士の位置合わせを行い両基板を重ね合わせ、ホ
ットプレートまたはオーブン等の加熱手段により、両基
板を摂氏585度に20分間保持して両基板を接合し、
インクジェットヘッドのギャップ部分を形成する。
【0044】周知の通り、SiとAlは共晶を形成す
る。本実施例においては、第2の基板2とAl膜36間
及び第1の基板1とAl膜36間で共晶が形成され、第
1の基板1と第2の基板2は強固に接合される。本実施
例におけるインクジェットヘッドでは、前記振動板6と
前記電極11とのギャップ間隔長を正確に規定する必要
があるが、本実施例においても、ギャップ間隔長の設計
値は0.5ミクロンである。
【0045】第1の基板1と第2の基板2とを重ね合わ
せた際のギャップ間隔長gの値は、Al膜36の厚み
1.62ミクロンから電極11であるAl膜の厚み0.
1ミクロン及びSiO2 膜32の厚み1ミクロンを差し
引いた0.52ミクロンであるが、前記の接合条件(摂
氏585度、20分)によって加熱・接合を行った後に
は、Al膜36の厚みは、共晶の形成により実質的には
1.6ミクロンとなり、すなわちギャップ間隔長は設計
値通りの0.5ミクロンとなる。
【0046】本実施例では、ギャップスペーサとしてA
l膜を用いたが、この他にSiと共晶を形成する物質で
あるAu、Sn、Ge、あるいはこれらの物質を含有す
る化合物を用いても、各々の物質または化合物に最適な
圧力・温度等の接合条件により、同様にインクジェット
ヘッドのギャップ部が構成できる。
【0047】また、本実施例では、ギャップスペーサで
あるAl膜36を第2の基板2上に形成したが、該Al
膜36を第1の基板1の裏側の面に形成しても同様の効
果が得られる。
【0048】本実施例において製造されたインクジェッ
トヘッド100個のギャップ間隔長gの実測値は、0.
5±0.05ミクロンの範囲に入っており、また、実印
字試験においても良好な印字が得られた。
【0049】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
に基づき詳細に説明する。
【0050】本発明の第3の実施例におけるインクジェ
ットヘッドは、本発明の第2の実施例におけるインクジ
ェットヘッドと構造上同一であるので、図6を用いて説
明する。
【0051】第1の基板1は、結晶面方位が(100)
面である単結晶Si基板であり、該第1の基板1上に形
成されるノズル4・キャビティ5等の形成方法は、本発
明の第1の実施例の場合と同様であるので説明は省略す
る。
【0052】第2の基板2は、ホウケイ酸系ガラスであ
り、該第2の基板2の製造工程について図8を用いて説
明する。
【0053】まず、厚み1mmのホウケイ酸系ガラス基
板2の鏡面研磨された表側の面41(図8では上側)
に、真空蒸着法により電極11となるAl膜42を厚み
0.1ミクロンで形成し(図8(a))、次に前記Al
膜42上に電極11の形状に相当するフォトレジストパ
ターン43(図示しない)を形成し、前記Al膜42の
不要部分をリン酸系エッチング液によりエッチング除去
し、フォトレジストパターン43を除去する(図8
(b))。次に、前記ガラス基板2上にギャップスペー
サ9を形成する。まず、空所が前記ギャップスペーサ9
の所望形状であるようなフォトレジストパターン44を
形成し(図8(c))、次いでCr及びAuからなる2
層膜45(Cr:0.01ミクロン、Au:0.62ミ
クロン)をスパッタリングにより該フォトレジストパタ
ーン44上に形成し(図8(d))、続いて前記ガラス
基板2をアセトン中に浸漬し、超音波振動を加えて前記
フォトレジストパターン44及び前記Cr・Auの2層
膜45のうち該フォトレジストパターン44上に堆積し
た分のみを除去し、該2層膜45をギャップスペーサ9
とする(図8(e))。
【0054】以上の工程を経て第2の基板2が形成され
る。
【0055】次に、以上の工程により製造された第2の
基板2と第1の基板1の、各々の対応する部位同士の位
置合わせを行い、両基板を重ね合わせ、ホットプレート
等の加熱手段により両基板を摂氏380度で20分間保
持して、両基板を接合し、インクジェットヘッドのギャ
ップ部分を形成する。
【0056】本実施例では、ギャップスペーサであるC
r・Au2層膜45のAu部分とSiである第1の基板
の裏側の面との間でSi−Au共晶が形成され、両基板
は強固に接合される。本実施例においても、ギャップ間
隔長gの設計値は0.5ミクロンである。Cr・Au2
層膜45は、当初の厚みが0.62ミクロンであったの
が、前記接合条件(摂氏380度、20分)による処理
によりSi−Au共晶が形成され、該Cr・Au2層膜
45の厚みは実質的には0.6ミクロンとなり、ギャッ
プ間隔長gとしては電極11の厚みである0.1ミクロ
ンを差し引いた値である0.5ミクロンとなる。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、イ
ンクジェットヘッドのギャップスペーサとして金属また
は半導体の薄膜を用い、陽極接合法により構成部材間の
接合を行うことにより、電極と振動板間の間隔を精度良
く規定することができるため、インク吐出バラツキの小
さい、高性能なインクジェットヘッドを提供することが
できる。また、Siと共晶を形成する物質をギャップス
ペーサとして用い、適当な条件で構成部材間を接合する
ことにより、電極と振動板間の間隔を精度良く規定する
ことができ、同様に高性能なインクジェットヘッドを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの構造を分解して示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの構造の一部を拡大して示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの第1の基板の製造工程図である。
【図4】本発明の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの各部寸法の関係を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの第2の基板の製造工程図である。
【図6】本発明の第2の実施例におけるインクジェット
ヘッドの構造を分解して示す斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施例におけるインクジェット
ヘッドの第2の基板の製造工程図である。
【図8】本発明の第3の実施例におけるインクジェット
ヘッドの第2の基板の製造工程図である。
【符号の説明】
1 第1の基板 2 第2の基板 3 第3の基板 4 ノズル 5 キャビティ 6 振動板 7 インク室 8 インク供給路 9 ギャップスペーサ 11 電極 12 発振回路 26 インク供給パイプ 27 貫通穴

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するための単一または複数
    のノズルと、該ノズルのそれぞれに対応する圧力室と、
    該圧力室の少なくとも一方の壁を構成する振動板と、該
    振動板に変形を生じさせる駆動手段と、該圧力室にイン
    クを供給する共通のインク室とを備え、前記駆動手段が
    前記振動板を静電気力により変形させる電極からなるイ
    ンクジェットヘッドにおいて、前記振動板が形成される
    第1の基板と、前記電極が形成される第2の基板が、金
    属または半導体の薄膜層を介して接合されていることを
    特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記第1の基板がSi単結晶であり、前
    記第2の基板はSi単結晶の熱膨張率と同等の熱膨張率
    を有するガラスであることを特徴とする請求項1記載の
    インクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記第1の基板と前記第2の基板が、陽
    極接合法により接合されていることを特徴とする請求項
    2記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記第1の基板と前記第2の基板が、共
    にSi単結晶であることを特徴とする請求項1記載のイ
    ンクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 前記金属または半導体の薄膜層が、金、
    またはアルミニウム、またはスズ、またはゲルマニウ
    ム、または金・アルミニウム・スズ・ゲルマニウムのう
    ち少なくとも一つを含有する化合物であることを特徴と
    する請求項2または請求項4記載のインクジェットヘッ
    ド。
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