JPH1195106A - 光学素子及びそれを用いた光学系 - Google Patents

光学素子及びそれを用いた光学系

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JPH1195106A
JPH1195106A JP9269358A JP26935897A JPH1195106A JP H1195106 A JPH1195106 A JP H1195106A JP 9269358 A JP9269358 A JP 9269358A JP 26935897 A JP26935897 A JP 26935897A JP H1195106 A JPH1195106 A JP H1195106A
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健志 秋山
Norihiro Nanba
則廣 難波
Hiroshi Saruwatari
浩 猿渡
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    • G02B17/0856Catadioptric systems comprising a refractive element with a reflective surface, the reflection taking place inside the element, e.g. Mangin mirrors
    • G02B17/086Catadioptric systems comprising a refractive element with a reflective surface, the reflection taking place inside the element, e.g. Mangin mirrors wherein the system is made of a single block of optical material, e.g. solid catadioptric systems
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    • G02B17/08Catadioptric systems
    • G02B17/0896Catadioptric systems with variable magnification or multiple imaging planes, including multispectral systems

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オフアキシャル曲面を利用して、光学系全体
の小型化を図りつつ物体像を所定面上に形成することが
できる光学素子及びそれを用いた光学系を得ること。 【解決手段】 光束を入射面より入射させ、該入射面か
らの光束をオフアキシャル曲面より成る複数の反射面で
反射させて出射面より出射させる光学素子であって、該
入射面又は出射面又は複数の反射面のうち少なくとも1
つは回折作用を有した面より成っていること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学素子及びそれ
を用いた光学系に関し、特に、物体面から像面にいたる
基準波長の光路(基準軸)が曲面と交わる点において面
法線が基準軸と一致しない平面ではない曲面{オフアキ
シャル(Off−Axial)曲面}を含む光学素子
(オフアキシャル光学素子)を用いて物体像を所定面上
に形成するようにしたビデオカメラやスチルカメラ、そ
して複写機等の光学系に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、各面(レンズ面,反射面)の
回転対称軸である光軸のまわりに回転対称の屈折面また
は反射面を配置してなる共軸光学系が主として物体の像
を像面に結像する為の光学系として用いられてきた。し
かし最近、今までの共軸光学系の範疇に入らない物体面
から像面にいたる基準波長の光路(基準軸)が曲面と交
わる点において面法線が基準軸と一致しない平面ではな
い曲面(Off−Axial曲面)を含むオフアキシャ
ル光学系という新しい概念の光学系が、例えば第20回
光学シンポジウム予稿集49ページから56ページにか
けて紹介されている。
【0003】こうしたオフアキシャル光学系は、従来の
共軸光学系に対して、基準軸(共軸光学系の光軸に相
当)が折れ曲がった形で定義でき、従来の共軸光学系は
このオフアキシャル光学系の特殊な場合と考えることが
できる。このため、光学系の配置の自由度を増加させる
ことができるほか、光学系のバリエーションとしても共
軸光学系より多くなることが予想されている。
【0004】一方、回折現象を利用した回折光学素子を
偏心光学系(一般に偏心とは「芯」である面の回転対称
軸が平行にシフトした場合やある点のまわりにティルト
した場合をさし、偏心光学系は一般には面を表わす式が
有効部の外の領域までも含めても回転対称軸を持たない
面で構成されるオフアキシャル光学系の特殊例になる)
に応用した例としては、USP4669810、USP
4763990、USP4799765などに示されて
いる航空機や自動車のヘッドアップッディスプレーのコ
ンバイナーに反射型ホログラムをつけた例などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た光学系(Off−Axial光学系)に対しては、共
軸光学系では回転対称性のために考えなくてよかった回
転非対称の収差をとる必要が生じて来る。このために、
面形状の表現式を回転非対称な形状で表現する必要があ
り、面形状を回転対称な面等の簡単な面では構成するこ
とができなくなるという問題点がある。
【0006】一方、面形状の式を回転非対称にとること
により1面あたりの面形状の係数として設計の自由度は
増加する。しかしながら、補正すべき非対称収差の数も
増えて来るので、収差補正に要する屈折並びに反射面の
数にも限度があり、収差補正には共軸系と同等程度の面
数が必要となる。この為、設計自由度の増加の割りには
面数の削減の効果としては小さいという問題点があっ
た。
【0007】また、上記引用例で紹介した航空機や自動
車のヘッドアップッディスプレーのコンバイナーに反射
型ホログラムをつけた例においては、いずれも観察光学
系であることや使われている面数が2面程度に限られて
いる。この為、これを結像光学系に応用しようとしても
面形状の制限もあり、色収差等の光学性能は必ずしも満
足のいくものではなかった。
【0008】また、上記自動車のヘッドアップッディス
プレーのコンバイナーに反射型ホログラムをつけた例に
おいては、回折作用を持っている面は事実上空間上に単
独で設置される形になっている。これを結像光学系に応
用しようとすれば、他の光学要素との設置位置合わせ等
光学調整をきちんとやっておかなければならないという
問題点があった。
【0009】本発明は、オフアキシャル曲面より成る複
数の反射面と屈折面とを有する光学素子の少なくとも1
つの面に回折作用を持たせることにより物体像を所定面
に形成するときの収差補正上の設計の自由度を増し、又
光学系全体の小型化を図りつつ、高い光学性能が容易に
得られる光学素子及びそれを用いた光学系の提供を目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の光学素子は、 (1-1) 光束を入射面より入射させ、該入射面からの光
束をオフアキシャル曲面より成る複数の反射面で反射さ
せて出射面より出射させる光学素子であって、該入射面
又は出射面又は複数の反射面のうち少なくとも1つは回
折作用を有した面より成っていることを特徴としてい
る。 (1-2) 透明体の表面に、光束が屈折して入射する入射
面と、該入射光束を順次反射するオフアキシャル曲面を
有する複数の反射面と、該複数の反射面にて反射された
光束を屈折して射出する出射面を一体に形成した光学素
子であって、該入射面又は出射面又は複数の反射面のう
ち少なくとも1つは回折作用を有した面より成っている
ことを特徴としている。
【0011】特に構成(1-1)又は(1-2)において、 (1-2-1) 前記回折作用を有した面は曲面であること。 (1-2-2) 前記回折作用を有した面は球面であること。 (1-2-3) 前記回折作用を有した面は回転対称非球面で
あること。 (1-2-4) 前記回折作用を有した面は非対称非球面であ
ること。 (1-2-5) 前記回折作用を有した面はホログラムタイプ
回折面であること。 (1-2-6) 前記回折作用を有した面はキノフォームタイ
プ回折面であること。 (1-2-7) 前記回折作用を有した面はバイナリータイプ
回折面であること。 (1-2-8) 前記回折作用を有した面は回転非対称な縞形
状を持った回折面であること。 (1-2-9) 前記回折作用を有した面の回折作用の次数に
より光路を複数に分割していること。 (1-2-10) 前記回折作用を有した面の回折作用の次数に
より異なる複数の焦点距離を有していること。 等を特徴としている。
【0012】本発明の光学系は、(2-1) 複数の光学要
素によって構成される光学系であって、構成(1-1)又は
(1-2)の光学素子を少なくとも1つ備えることを特徴と
している。
【0013】特に、 (2-1-1) 前記光学素子が移動することにより、全系の
焦点距離が変化すること。 (2-1-2) 前記光学素子は基準軸に沿って移動するこ
と。 (2-1-3) 共軸光学素子を備えること。 (2-1-4) 前記共軸光学素子が移動することにより、全
系の焦点距離が変化すること。 (2-1-5) 前記共軸光学素子は基準軸に沿って移動する
こと。 等を特徴としている。
【0014】本発明の光学素子は、(3-1) 光束を入射
面より入射させ、該入射面からの光束を複数の反射面で
反射させて出射面より出射させる光学素子であって、該
入射面又は出射面又は複数の反射面のうち少なくとも1
つは回転非対称な縞形状を持った回折作用を有した面よ
り成っていることを特徴としている。
【0015】本発明の光学系は、(4-1) 構成(3-1)の光
学素子を少なくとも1つ含み、物体像を所定面に形成し
ていることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】実施形態の説明に入る前に、実施
形態の構成諸元の表し方及び実施形態全体の共通事項に
ついて説明する。後述する本実施形態は定性的なもので
あるが、これはホログラム等の回折作用を持つ光学素子
を光学系の内部に含む為に面形状によらず光路を自由に
設定できるという理由からである。
【0017】図18は本発明のオフアキシャル光学系の
構成を定義する座標系の説明図である。本発明の実施形
態では物体側から像面に進む1つの光線(図18中の一
点鎖線で示すもので基準軸光線と呼ぶ)に沿ってi番目
の面を第i面とする。
【0018】図18において第1面R1は絞り、第2面R2
は第1面と共軸な屈折面、第3面R3は第2面R2に対して
チルトされた反射面、第4面R4、第5面R5は各々の前面
に対してシフト、チルトされた反射面、第6面R6は第5
面R5に対してシフト、チルトされた屈折面である。第2
面R2から第6面R6までの各々の面はガラス、プラスチッ
ク等の媒質で構成される一つの光学素子上に構成されて
おり、図1中では第1の光学素子B1としている。
【0019】従って、図18の構成では不図示の物体面
から第2面R2までの媒質は空気、第2面R2から第6面R6
まではある共通の媒質、第6面R6から不図示の第7面R7
までの媒質は空気で構成している。
【0020】本発明の光学系はオフアキシャル光学系
(物体面から像面にいたる基準波長の光路(基準軸)が
曲面と交わる点において面法線が基準軸と一致しない平
面でない曲面(Off Axial曲面)を含む光学
系)であるため光学系を構成する各面は共通の光軸を持
っていない。そこで、本発明の実施形態においては先ず
第1面の光線有効径の中心を原点とする絶対座標系を設
定する。
【0021】そして、本発明の実施形態においては、第
1面の光線有効径の中心点を原点とすると共に、原点と
最終結像面の中心とを通る光線(基準軸光線)の経路を
光学系の基準軸と定義している。さらに、本実施形態中
の基準軸は方向(向き)を持っている。その方向は基準
軸光線が結像に際して進行する方向である。
【0022】本発明の実施形態においては、光学系の基
準となる基準軸を上記の様に設定したが、光学系の基準
となる軸の決め方は光学設計上、収差の取り纏め上、若
しくは光学系を構成する各面形状を表現する上で都合の
良い軸を採用すれば良い。しかし、一般的には像面の中
心と、絞り又は入射瞳又は射出瞳又は光学系の第1面の
中心若しくは最終面の中心のいずれかを通る光線の経路
を光学系の基準となる基準軸に設定する。
【0023】つまり、本発明の実施形態においては、基
準軸は第1面、即ち絞り面の光線有効径の中心点を通
り、最終結像面の中心へ至る光線(基準軸光線)が各屈
折面及び反射面によって屈折・反射する経路を基準軸に
設定している。各面の順番は基準軸光線が屈折・反射を
受ける順番に設定している。
【0024】従って基準軸は設定された各面の順番に沿
って屈折若しくは反射の法則に従ってその方向を変化さ
せつつ、最終的に像面の中心に到達する。
【0025】本発明の各実施形態の光学系の構成面は、
簡単の為に構成するチルト面は基本的にすべてが同一面
内でチルトしている。そこで、絶対座標系の各軸を以下
のように定める。
【0026】Z軸:原点を通り第2面R2に向かう基準軸 Y軸:原点を通りチルト面内(図18の紙面内)でZ軸に
対して反時計回りに90゜をなす直線 X軸:原点を通りZ、Y各軸に垂直な直線(図18の紙面に
垂直な直線) 又、光学系を構成する第i面の面形状を表すには、絶対
座標系にてその面の形状を表記するより、基準軸と第i
面が交差する点を原点とするローカル座標系を設定し
て、ローカル座標系でその面の面形状を表した方が形状
を認識する上で理解し易い為、本発明の構成を表示する
実施形態では第i面の面形状をローカル座標系で表わ
す。
【0027】また、第i面のYZ面内でのチルト角は絶対
座標系のZ軸に対して反時計回り方向を正とした角度θi
(単位°)で表す。よって、本発明の実施形態では各面
のローカル座標の原点は図1中のYZ平面上にある。また
XZおよびXY面内での面の偏心はない。さらに、第i面の
ローカル座標(x,y,z)のy,z軸は絶対座標系(X,Y,Z)に対
してYZ面内で角度θi傾いており、具体的には以下のよ
うに設定する。
【0028】z軸:ローカル座標の原点を通り、絶対座
標系のZ方向に対しYZ面内において反時計方向に角度θi
をなす直線 y軸:ローカル座標の原点を通り、z方向に対しYZ面内に
おいて反時計方向に90゜をなす直線 x軸:ローカル座標の原点を通り、YZ面に対し垂直な直
線 また、Diは第i面と第(i+1)面のローカル座標の原点間
の間隔を表すスカラー量、Ndi、νdiは第i面と第(i
+1)面間の媒質の屈折率とアッベ数である。
【0029】ここで、球面は以下の式で表される形状で
ある:
【0030】
【数1】 また、本発明の光学系は少なくとも回転非対称な非球面
を一面以上有し、その形状は以下の式により表す: A=(a+b)・(y2・cos2t+x2) B=2a・b・cos t[1+{(b-a)・y・sin t/(2a・b)}+〔1+{(b-a)・
y・sin t/(a・b)}-{y2/(a・b)}-{4a・b・cos2t+(a+b)2sin2t}
x2 /(4a2b2cos2t)〕1/2] としてz=A/B+C02y2+C20x2+C03y3+C21x2y+C04y4+C22x2y
2+C40x4上記曲面式はxに関して偶数次の項のみであるた
め、上記曲面式により規定される曲面はyz面を対称面と
する面対称な形状である。さらに以下の条件が満たされ
る場合はxz面に対して対称な形状を表す。
【0031】C03=C21=t=0 さらに C02=C20 C04=C40=C22/2 が満たされる場合は回転対称な形状を表す。以上の条件
を満たさない場合は非回転対称な形状である。
【0032】つぎに以下の実施形態に含まれる光学系を
説明するにあたって共通の用語や作用について説明す
る。以下の実施形態で用いる回折作用を持った面(回折
格子面)は文字通り、境界となる面に位相レベルを変化
させる作用を付加し回折による偏向を起こすことができ
る面である。
【0033】そうした回折作用を持った面としては製法
による分類としてホログラムタイプ、キノフォームタイ
プに大別できる。ホログラムタイプの面とは一般的にコ
ヒーレントな物体光と参照光という2つの波面の干渉縞
として位相情報を記録したホログラムを持った面であ
り、位相情報を透過率の差として記録した振幅型と屈折
率の変化として記録した位相型がある。そして最近は計
算機によって干渉縞の形状を計算し、そのパターンを基
板上に描画したCGH(計算機ホログラム)も作られる
ようになってきているが、これは実際の2つの波面を干
渉させて作ったものではないが、思想は同じなのでホロ
グラムタイプの中に含めるものとする。
【0034】一方キノフォームタイプは、境界面に光の
通し方を変えた規則的な回折格子の微細な縞を描いてあ
り、これも光の通過部分と遮光部分とを繰り返した構造
を持つ振幅型(ゾーンプレート)と、1周期の位相変化
を境界面上における1つの山型構造の厚さの変化として
1本の縞とし、この構造を多数繰り返して特定の次数の
回折効率を高めた位相型(キノフォーム)とがある。
【0035】この位相型は1本ずつの縞を微細なバイト
等を使って加工(ブレーズ加工)した型を作り、その型
を使ってガラスやプラスチック等の光学材料にその形状
を転写させることができるので、同一のキノフォームを
安価に大量生産することができる。このキノフォームタ
イプのうち、その1周期分の山型構造を連続関数(図1
9(A))として表現するのではなく図19(B)に示
すような2の冪乗(2のN乗)段の階段状の形状として
近似し、その微細な階段構造を光リソグラフィーの手法
をN回繰り返してで形成することが最近よく行なわれて
いる。
【0036】そうして作られたキノフォームは特にバイ
ナリータイプのキノフォーム、あるいは単にバイナリー
タイプの回折素子と呼ばれる。このバイナリータイプの
回折素子は、通常のキノフォームと同様に加工用の型を
光リソグラフィーの手法で作れば、その型を使ってガラ
スやプラスチック等の光学材料にその形状を転写させる
ことができるので、同一のバイナリータイプの回折素子
を安価に大量生産することができる。なお、光リソグラ
フィーの手法で作られるバイナリータイプ回折素子用の
型は、バイトなどを用いて加工した通常のキノフォーム
用型に比べて微細な構造を持たせることが容易であるた
め、バイナリータイプの回折素子はキノフォームタイプ
回折素子の主流となってきている。
【0037】次に本発明の各実施形態について説明す
る。図1は本発明の光学系の実施形態1の要部断面図で
あり、光路も図示している。B1は曲率を有する複数の
反射面が一体に形成された光学素子(オフアキシャル光
学素子)の一例である。光学素子B1は透明体の表面に
物体側からの基準軸光線Laに沿って順に回折作用を有
する入射屈折面sd1と、凹面鏡s2・凹面鏡s3・凹
面鏡s4・凹面鏡s5の4つの反射面と射出屈折面s6
を形成している。
【0038】各反射面s2〜s5はオフアキシャル曲面
である。各屈折面及び各反射面はいずれも紙面(YZ
面)に対して対称であり、従って基準軸は全てYZ面に
含まれる。そして光学素子B1の入射基準軸の方向と射
出基準軸の方向は平行でかつ同じ向きである。なお、各
反射面には反射膜を加工している。又、光学素子B1は
紙面に平行な2つの側面をもっている。
【0039】imは最終像面であり、CCD等の撮像素
子の撮像面が位置する。Pは光学素子B1の物体側に配
置された絞り、Laは光学系の基準軸である。
【0040】次に本実施形態における結像作用を説明す
る。無限遠にある物体からの光束Lsは絞りPにより入
射光量を規制された後、光学素子B1の入射屈折面sd
1に入射して屈折した後凹面鏡s2に達する。
【0041】凹面鏡s2は、物体光束Lsを凹面鏡s3
へ反射するとともに、凹面鏡s2のパワーにより中間結
像面IP1上に物体像を一次結像する。
【0042】このように、早い段階にて光学素子B1内
に物体像を結像することにより、絞りPより像側に配置
された面の光線有効径の増大を抑制している。
【0043】中間結像面IP1に1次結像された物体光
束Lsは凹面鏡s3と凹面鏡s4によって、中間結像面
IP2に再結像し、その後、凹面鏡s5にて順次反射し
て、ここで屈折して光学素子B1から射出する。
【0044】次いで物体光束Lsは最終像面im上に結
像する。このように、光学素子B1は、曲率を有する複
数の反射鏡による反射を繰り返しながら、所望の光学性
能をもち、全体として結像作用を有してX方向に極めて
薄いレンズユニットとして機能している。
【0045】又、本光学系においては、光学素子B1を
その入射基準軸Laと平行な方向に移動してフォーカシ
ングを行う。
【0046】又、図1は本発明の光学系の一例であっ
て、本発明の光学系としてはこの他に、例えば曲率を有
する複数の反射面が一体に形成された光学素子を複数個
配置し、複数の光学素子をそれぞれ移動して変倍(ズー
ミング)を行う変倍光学系がある。
【0047】なお、本発明の光学系はビデオカメラやス
チールビデオカメラ及び複写機等に組み込んで使用して
いる。
【0048】なお、本実施形態において屈折面sd1,
s6をレンズ系より構成し、反射面s2,s3,s4,
s5をミラーより構成し、光学素子B1として中空の素
子より構成しても良い。これは以下の全ての実施形態に
おいても同様である。
【0049】本実施形態の光学素子B1においては反射
面s2,s3,s4,s5がオフアキシャル曲面(絞り
P中心と像面imの中心を通る基準波長の光線の光路が
形作る基準軸と交点における面法線が一致しない曲面)
である。
【0050】オフアキシャル光学素子B1においては、
オフアキシャル面への光束の入射の非対称性のために一
般に軸上(基準軸上)の光線においても非点収差やコマ
収差といった非対称収差を持つ。こうした非対称収差を
とるためにオフアキシャル曲面は通常、非対称非球面を
用いている。しかし面数が少ない場合これらのオフアキ
シャル曲面だけではこの非対称収差をとりきれないこと
が多い。その場合、入射と射出の2つの屈折面もオフア
キシャル屈折面にしてこの非対称収差を軽減させるてい
る。
【0051】本実施形態において、屈折面に非対称な収
差を発生させる回折作用を持たせればこの屈折面の面形
状を非対称な形状にしなくとも(たとえば製作しやすい
ばかりでなく、面形状測定の際の基準となる面としても
使える球面で)非対称収差を軽減でき面数も増やさずに
済むことができる。
【0052】尚、本実施形態においてはそうした回折作
用を持たせた面にはsdなる記号をつけて表示してい
る。これは以下全て同じである。
【0053】図1には第1面の屈折面に回折作用をもた
せた実施形態なので第1面をsd1のように表示してい
る。屈折面に非対称な収差を発生させる回折作用を持た
せるには入射面に回転非対称な形状の縞を持ったホログ
ラムをつける方法や、屈折面の形状の上にキノフォーム
を作りつける方法が適用可能である。
【0054】屈折面の形状の上にキノフォームを作りつ
ける方法としては微細なバイトを使ってブレーズ化する
方法、リソグラフィーの手法で図19(B)に示したよ
うなバイナリータイプの格子縞をつける方法等がある。
【0055】こうしたキノフォームタイプは大量にしか
も安価に作りたい場合には、微細なバイトを使ってブレ
ーズ化する方法やリソグラフィーの手法を使って型上に
あらかじめ縞を作りつけ、光学素子をガラスやプラスチ
ックで成形する時にその形を転写させて作ってもよい。
【0056】図2は本発明の光学系の実施形態2の要部
概略図である。本実施形態では有限距離にある物体面o
bからの光束Lsが絞りPを通過した後、屈折面2面と
反射面5面から成り一体的に成形された光学素子B1に
入射している。この光学素子B1においては反射面s
2、s3、s4、s5、s6のほか屈折面s7がオフア
キシャル曲面(絞りPの中心と最終像面imの中心を通
る基準波長の光線の光路が形作る基準軸と交点における
面法線が一致しない曲面)である。
【0057】この光学素子B1は実施形態1と同様なオ
フアキシャル光学素子である。そしてこれらの面で発生
する非対称収差のうち各面の形状で補正できない部分に
ついては、入射屈折面と射出屈折面に回転非対称な回折
作用を持たせることによって補正しており、これは実施
形態1と同様である。
【0058】この実施形態においても、そうした回折作
用を持たせた面にはsdなる記号をつけてsd1、sd
7と表示してある。屈折面に非対称な収差を発生させる
回折作用を持たせるには入射面に回転非対称な形状の縞
を持ったホログラムをつける方法や、屈折面の形状の上
にキノフォームを作りつける方法が適用可能であり、こ
れは実施形態1と同様である。
【0059】屈折面の形状の上にキノフォームを作りつ
ける方法としてのブレーズ化する手法やリソグラフィー
技術を用いてバイナリータイプにする手法、それを安価
に大量に製作する際に型を作って転写させる方法につい
ても実施形態1と同様である。
【0060】図3は本発明の光学系の実施形態3の要部
断面図である。本実施形態は実施形態1と同様に無限遠
にある物体面からの光束Lsが絞りPを通過した後、屈
折面2面と反射面4面から成り一体的に成形されたB1
光学素子に入射している。この光学素子B1においては
反射面s2、s3、s4、s5がオフアキシャル曲面
(絞りPの中心と像面imの中心を通る基準波長の光線
の光路が形作る基準軸と交点における面法線が一致しな
い曲面)である。
【0061】この光学素子は実施形態1と同様オフアキ
シャル光学素子である。実施形態1とは、基準軸の光路
が交叉型になっている点で異なっている。こうした交叉
型のオフアキシャル光学素子は光路がコンパクトにでき
るという特徴を持っている。そしてこれらのオフアキシ
ャル面で発生する非対称収差のうち各面の形状で補正で
きない部分については、入射屈折面と射出屈折面に回転
非対称な回折作用を持たせることによって補正している
ことは実施形態1と同様である。
【0062】この実施形態の図においてもそうした回折
作用を持たせた面にはsdなる記号をつけてsd1、s
d6と表示してある。屈折面に非対称な収差を発生させ
る回折作用を持たせるには入射面に回転非対称な形状の
縞を持ったホログラムをつける方法や、屈折面の形状の
上にキノフォームを作りつける方法が適用可能であり、
これは実施形態1と同様である。屈折面の形状の上にキ
ノフォームを作りつける方法としてのブレーズ化する手
法やリソグラフィー技術を用いてバイナリータイプにす
る手法、それを安価に大量に製作する際に型を作って転
写させる方法についても実施形態1と同様である。
【0063】図4は本発明の光学系の実施形態4の要部
断面図である。本実施形態の光学系は、オフアキシャル
光学素子(第1の光学素子)B1と通常の共軸光学素子
(第2の光学素子)LE1からなるハイブリッド光学系
である。この光学系は実施形態3と同様に無限遠にある
物体面からの光束Lsが絞りPを通過した後、屈折面2
面と反射面4面から成り一体的に成形された第1の光学
素子B1に入射している。そしてこの第1の光学素子B
1においては反射面s2、s3、s4、s5がオフアキ
シャル曲面(絞りPの中心と像面imの中心を通る基準
波長の光線の光路が形作る基準軸と交点における面法線
が一致しない曲面)であるので、この光学素子B1は実
施形態3と同様オフアキシャル光学素子である。
【0064】そしてこれらのオフアキシャル面で発生す
る非対称収差のうち各面の形状で補正できない部分につ
いては、入射屈折面と射出屈折面に回転非対称な回折作
用を持たせることによって補正していることは実施形態
3と同様である。ただこの光学系においては、回転対称
な収差に対しては必ずしもこの第1の光学素子B1でと
れている必要はない。この実施形態3においては回転対
称な収差は第1の光学素子B1のほかに、面s7、面s
8からなる共軸である第2の光学素子LE1とからなる
全系でとられている。この実施形態の図においても回折
作用を持たせた面にはsdなる記号をつけてsd1、s
d6と表示してある。
【0065】屈折面に非対称な収差を発生させる回折作
用を持たせるには入射面に回転非対称な形状の縞を持っ
たホログラムをつける方法や、屈折面の形状の上にキノ
フォームを作りつける方法が適用可能であり、これは実
施形態1と同様である。屈折面の形状の上にキノフォー
ムを作りつける方法としてのブレーズ化する手法やリソ
グラフィー技術を用いてバイナリータイプにする手法、
それを安価に大量に製作する際に型を作って転写させる
方法についても実施形態1と同様である。
【0066】図5は本発明の光学系の実施形態5の要部
断面図、図6は図5の近軸屈折力配置の説明図である。
【0067】本実施形態は2つのオフアキシャル光学素
子B1,B2を使った所謂二群型のズームレンズを示し
ている。そして屈折面に回折作用を持たせた面がズーム
レンズ内の移動群に配設されている場合を示している。
【0068】同図において、B1,B2は複数の曲面反
射面を有する第1及び第2の光学素子である。第1の光
学素子B1は物体側より順に、凹屈折面sd1及び凹面
鏡s2・凸面鏡s3・凹面鏡s4・凸面鏡s5の四つの
オフアキシャル反射面及び凸屈折面sd6より成り、全
体として正の屈折力を有するレンズユニットである。そ
して、第1の光学素子B1に入射する基準軸の方向とこ
れから出射する基準軸の方向が平行でかつ同一方向であ
る。
【0069】この第1の光学素子B1では屈折面sd1
と屈折面sd6に回折作用を持たせて、この光学素子B
1で発生する回転対称な収差成分や回転非対称な収差成
分の補正作用を持たせている。
【0070】第2の光学素子B2は物体側より凸屈折面
s7及び凸面鏡s8・凹面鏡s9・凸面鏡s10・凹面
鏡s11の四つのオフアキシャル反射面及び凸屈折面s
d12より成り、全体として正の屈折力を有するレンズ
ユニットである。そして第1の光学素子B1と同様に第
2の光学素子B2に入射する基準軸の方向とこれから出
射する基準軸の方向が平行でかつ同一方向である。この
第2の光学素子B2では屈折面sd12に回折作用を持
たせて、この光学素子B2で発生する回転対称な収差成
分や回転非対称な収差成分の補正作用を持たせている。
【0071】lpfは平行平板よりなる光学補正板であ
り、水晶ローパスフィルターや赤外カットフィルター等
である。また、imは撮像素子面であり、CCD(撮像
媒体)等の撮像面である。pは第1の光学素子B1の物
体側に配置した絞りである。
【0072】本実施形態の結像作用を説明する。物体か
らの光束Lsは、絞りpにより入射光量を規制された
後、第1の光学素子B1の凹屈折面sd1を屈折および
回折して透過し、凹面鏡s2、凸面鏡s3、凹面鏡s
4、凸面鏡s5にて反射を繰り返し、それぞれの反射鏡
の持つパワーにより収束或は発散作用を受けて、凸屈折
面sd6に至り、ここで屈折および回折して第1の光学
素子B1から射出する。なお、第1の光学素子B1中で
は一旦物体の中間像を中間結像面(1次結像面)IP1
に形成している。
【0073】このように、一旦第1の光学素子B1内に
物体像を結像することは、絞りpより像側に配置された
面の光線有効径の増大を抑制するのに有効である。1次
結像面IP1に一次結像した光束は、凸面鏡s3、凹面
鏡s4、凸面鏡s5にて反射を繰り返し、それぞれの反
射鏡の持つパワーにより収束或は発散作用を受けて、凸
屈折面sd6に至り、ここで屈折および回折した光束は
2次結像面C(IP2)上に物体像を形成する。
【0074】この様に第1の光学素子B1は、入出射面
による屈折と、複数の曲面反射鏡による反射を繰り返し
て、所望の光学性能を備える全体として正のパワーを有
するレンズユニットとして機能している。この様に第1
の光学素子B1は、入出射面による屈折と、複数の曲面
反射鏡による反射を繰り返して、所望の光学性能を備え
る全体として正のパワーを有するレンズユニットとして
機能している。
【0075】次いで光束は、第2の光学素子B2の凸屈
折面s7を透過した後、凸面鏡s8、凹面鏡s9、凸面
鏡s10、凹面鏡s11で反射を繰り返し、凸屈折面s
d12を屈折および回折して第2の光学素子B2から射
出する。なお、第2の光学素子B2中でも一旦物体の中
間像を中間結像面IP3に形成している。
【0076】第2の光学素子B2から射出した光束は光
学補正板lpfを通過後、撮像素子面im上に結像す
る。この様に第2の光学素子B2は、第1の光学素子B
1が2次結像面C(IP2)上に形成した物体像を撮像
素子面im上に再結像しており、第1の光学素子B1と
同様に、入出射面による屈折、回折と、複数の曲面反射
鏡による反射を繰り返して、所望の光学性能を備えた、
全体として正のパワーを有するレンズユニットとして機
能している。
【0077】本実施形態においては、第1の光学素子B
1及び第2の光学素子B2を結像面imに対して相対的
に移動することにより、最終結像位置imを変えずに光
学系の焦点距離(結像倍率)を変化させている(変倍或
はズーミングと称される動作である。)。
【0078】本実施形態の変倍作用を図6によって説明
する。図6は実施形態5の各光学素子B1,B2を夫々
単一の薄肉レンズとし、光学系をその基準軸に対して展
開した光学配置図である。なお、図6(A)は光学系が
広角端の状態(W)の配置図であり、図6(B)は望遠
端の状態(T)の配置図である。
【0079】同図において、第1の光学素子B1の焦点
距離をf1、第2の光学素子B2の焦点距離をf2とす
る。光学系が広角端の状態の場合、第2の光学素子B2
の前側焦点F2から第1の光学素子B1の像点までの距
離をxW(−)、後側焦点F2’から結像面imまでの
距離をxW’としたときに、ニュートンの結像公式 xW*xW’=−f2*f2 が成り立っているならば、第2の光学素子B2の結像倍
率β2Wは、 β2W=−(xW’+f2)/(−xW+f2) =f2/xW =−xW’/f2 となり、広角端の焦点距離fWは、 fW=f1*β2W =f1*f2/xW となる。
【0080】ここで、第2の光学素子B2がニュートン
の結像公式を満足しつつ移動し、第2の光学素子B2の
移動に伴う第2の光学素子B2の物点の位置変化を補正
する様に、第1の光学素子B1が移動することにより、
光学系は最終結像位置imを変えずに全体の焦点距離を
変化させている。
【0081】第2の光学素子B2がある一定量移動して
広角端(W)から望遠端(T)へと変倍したとする。こ
の望遠端の状態の時、第2の光学素子B2の前側焦点F
2から第1の光学素子B1の像点までの距離をxT
(−)、後側焦点F2’から結像面imまでの距離をx
T’とすると、第2の光学素子B2の結像倍率β2T
は、 β2T=(xT’+f2)/(−xT+f2) =f2/xT =−xT’/f2 望遠端の焦点距離fTは、 fT=f1*β2T =f1*f2/xT となるので、光学系の変倍比Zは、 Z=fT/fW =xW/xT となる。
【0082】本実施形態では、第1の光学素子B1と第
2の光学素子B2の中間に中間結像面としての2次結像
面C(IP2)が存在するが、第1の光学素子B1若し
くは第2の光学素子B2の内部に中間結像面があっても
良い。この中間結像位置を物点として第2の光学素子B
2の結像関係が成り立っている。
【0083】また、本実施形態の構成とは異なる、物体
側から順に全体として負の屈折力を有する光学素子とそ
の後方に正の屈折力を有する光学素子がある場合にも、
物体側から順に全体として正の屈折力を有する光学素子
とその後方に負の屈折力を有する光学素子がある場合に
も、各光学素子を相対的に移動することにより、撮影光
学系の焦点距離(結像倍率)を変化させることが出来
る。
【0084】また、変倍時における光学素子の移動方向
は、広角端から望遠端への移動に際して各反射面の基準
軸の入射点位置を変えなければ、変倍時に生じる誤差を
最少限にとどめられるので、各光学素子B1,B2に入
射、出射する基準軸の方向を平行にするとともに、各光
学素子の移動も該光学素子に入射、出射する基準軸線上
に沿って平行に移動させるとよい。
【0085】この場合、各光学素子に入射・出射する基
準軸方向が平行な光学素子を構成する場合、本実施形態
に示したように入射方向に対して出射方向を同方向とす
るか、次の実施形態に示すような反対方向とするかの二
種類のパターンが考えられる。
【0086】入射方向に対して出射方向を同方向とした
場合、入射した基準軸と出射する基準軸の位置を所望の
位置にシフトすることが可能となる。又、入射方向に対
して出射方向を反対方向とした場合、光学素子の移動に
伴って入射側及び出射側の間隔が移動量と同一量変化す
る為に、全体として移動量の2倍分だけ光路長を変化さ
せることが可能となる。
【0087】このようにオフアキシャル光学系を使った
ズーム光学系は上記2種類のパターンで構成することが
可能なので、光学配置上の自由度を増すことが出来る。
【0088】しかしながら、光学素子の移動方向は2つ
の光学素子への入射、出射する基準軸方向と平行である
必要はなく、例えば光学系へ入射する基準軸の方向と移
動光学素子の移動方向が、30゜、45゜、60゜等の
ある角度をなしていても良い。
【0089】図7は本発明の光学系の実施形態6の要部
概略図である。本実施形態は所謂二群型のズームレンズ
を示している。本実施形態は変倍時に移動する光学素子
B2の移動方向が最も物体側に配置された光学素子B1
の入射基準軸L1aの方向にたいして平行でない場合を
示している。そして屈折面に回折作用を持たせた面がズ
ームレンズ内の固定群に配設されている場合を示してい
る。
【0090】同図においてB1、B2は複数の曲面反射
面を有する第1、第2の光学素子である。第1の光学素
子B1は物体側より順に、凹屈折面sd1及び凹面鏡s
2・凸面鏡s3・凹面鏡s4・凹面鏡s5の四つの反射
面及び凸屈折面sd6より成り、全体として正の屈折力
を有するレンズユニットでありズームの際は固定群とな
る。そして第1の光学素子B1に入射する基準軸L1a
の方向とこれから出射する基準軸La2の方向が略45
゜の傾きを持っている。そして屈折面sd1、sd6に
回折作用を持たせており、回折の自由度を用いて対称収
差や非対称収差の補正を行ない、構成面の数ができるだ
け少なくなるような構成となっている。
【0091】第2の光学素子B2は物体側より凹屈折面
sd7及び凹面鏡s8・凹面鏡s9・凸面鏡s10・凹
面鏡s11・凹面鏡s12・凹面鏡s13の6つの反射
面及び凸屈折面sd14より成り、全体として正の屈折
力を有するレンズユニットである。そして第2の光学素
子B2に入射する基準軸La2の方向とこれから出射す
る基準軸La3の方向が平行でかつ反対方向となってい
る。lpfは平行平板よりなる光学補正板であり、水晶
ローパスフィルターや赤外カットフィルター等である。
【0092】imは撮像素子面であり、CCD(撮像媒
体)等の撮像面である。pは第1の光学素子B1の物体
側に配置した絞りである。
【0093】本実施形態の結像作用を説明する。物体か
らの光束Lsは、絞りpにより入射光量を規制された
後、第1の光学素子B1の凹屈折面sd1を屈折および
回折して透過し、凹面鏡s2、凸面鏡s3、平面鏡s
4、凹面鏡s5にて反射を繰り返し、それぞれの反射鏡
の持つパワーにより収束或は発散作用を受けて、凸屈折
面sd6に至り、ここで屈折および回折した光束は中間
結像面IP1上に物体像を形成する。なお、第1の光学
素子B1中でも一旦物体の中間像を形成している。
【0094】中間結像面IP1の物体像からの光束は、
第2の光学素子B2の凹屈折回折面sd7を透過した
後、凹面鏡s8、凹面鏡s9、凸面鏡s10、凹面鏡s
11、凹面鏡s12、凹面鏡s13を経て凸屈折回折面
sd8を屈折および回折して第2の光学素子B2から射
出する。なお、第2の光学素子B2中でも一旦物体の中
間像を形成している。
【0095】第2の光学素子B2から射出した光束は光
学補正板lpfを通過後、撮像素子面im上に結像す
る。
【0096】本実施形態において、異なる物体距離に対
するフォーカシングは、第2の光学素子B2を移動させ
ることにより行っている。この時第2の光学素子B2の
移動は、第1の光学素子B1から出射する基準軸La2
の方向に平行に移動するが、第1の光学素子B1の入射
する基準軸La1の方向と出射する基準軸の方向は略4
5゜の傾きをなしている為、第1の光学素子B1の入射
する基準軸の方向に対して、第2の光学素子B2がフォ
ーカシングに際して移動する方向は略45゜傾いている
こととなる。
【0097】従って第2の光学素子B2はフォーカシン
グに際してこれに入射、出射する基準軸La2,La3
の方向に対して平行に移動するものの、第1の光学素子
B1の入射する基準軸La1の方向に対しては45゜の
傾きをもって移動する。
【0098】又、本実施形態においても実施形態5と同
様に第1、第2の光学素子B1,B2が結像面imに対
して相対的に移動することにより、光学系の結像倍率を
変化させる。但し、各光学素子に入射、出射する基準軸
の方向と、各光学素子の移動方向が全て平行であった実
施形態5とは異なり、第1の光学素子B1に入射する基
準軸の方向と出射する基準軸の方向は45°の傾きを為
しているので、変倍動作時に第1の光学素子B1から第
2の光学素子B2に入射する基準軸の方向を維持する為
に、第1の光学素子B1の移動方向を第2の光学素子B
2の入射基準軸の方向に対して平行に移動する。
【0099】図8は本発明の光学系の実施形態7の要部
概略図である。本実施形態の光学系では、無限遠の物体
面からの光束Lsが絞りPを通過した後、入出射面が平
面、反射面4面から成り一体的に成形された光学素子B
1に入射している。この光学素子B1においては反射面
sd1,s2、sd3、s4がオフアキシャル曲面(絞
りPの中心と像面imの中心を通る基準波長の光線の光
路が形作る基準軸と交点における面法線が一致しない曲
面)であるので、この光学素子B1はオフアキシャル光
学素子である。
【0100】こうしたオフアキシャル光学素子において
は、オフアキシャル面への光束の入射の非対称性のため
に一般に軸上(基準軸上)の光線においても非点収差や
コマ収差といった非対称収差を持つ。こうした非対称収
差をとるためにオフアキシャル曲面は通常、非対称非球
面が用いられる。しかし面数が少ない場合これらのオフ
アキシャル曲面だけではこの非対称収差をとりきれない
ことが多い。そこでこれらの反射面に非対称な収差を発
生させる回折作用を持たせて、この反射面の面形状を非
対称な形状にしなくとも(たとえば製作しやすいばかり
でなく、面形状測定の際の基準となる面としても使える
球面で)非対称収差を軽減でき面数も増やさずに済むよ
うにしている。
【0101】本実施形態の図においてはそうした回折作
用を持たせた面には先の屈折面に回折作用を持たせた場
合と同様にsdなる記号をつけて表示している。図8は
第1面、第3面の反射面に回折作用をもたせた実施形態
なので第1面をsd1、第3面をsd3のように表示し
ている。反射面に非対称な収差を発生させる回折作用を
持たせるにはこれらの反射面に回転非対称な形状の縞を
持ったホログラムをつける方法や、反射面の形状の上に
キノフォームを作りつける方法が適用可能である。
【0102】反射面の形状の上にキノフォームを作りつ
ける方法としては微細なバイトを使ってブレーズ化する
方法、リソグラフィーの手法で図19(B)に示したよ
うなバイナリータイプの格子縞をつける方法等がある。
こうしたキノフォームタイプは大量にしかも安価に作り
たい場合には、微細なバイトを使ってブレーズ化する方
法やリソグラフィーの手法を使って型上にあらかじめ縞
を作りつけ、光学素子をガラスやプラスチックで成形す
る時にその形を転写させて作るようにしても良い。
【0103】図9は本発明の光学系の実施形態8の要部
概略図である。本実施形態の光学系では、有限距離にあ
る物体面obからの光束Lsが絞りPを通過した後、屈
折面2面と反射面5面から成り一体的に成形された光学
素子B1に入射している。この光学素子B1においては
反射面sd2,s3、s4、sd5、s6のほか屈折面
sd7がオフアキシャル曲面(絞りP中心と像面の中心
imを通る基準波長の光線の光路が形作る基準軸と交点
における面法線が一致しない曲面)であるので、この光
学素子は実施形態7と同様オフアキシャル光学素子であ
る。
【0104】そしてこれらの面で発生する非対称収差の
うち各面の形状で補正できない部分については、幾つか
の反射面に回転非対称な回折作用を持たせることによっ
て補正していることは実施形態7と同様である。また、
回折作用を持たせる面は反射面だけである必要もないの
で、実施形態2の時と同様に射出屈折面にも回折作用を
持たせてある。この実施形態の図においてもそうした回
折作用を持たせた面にはsdなる記号をつけてsd2、
sd5、sd7と表示してある。
【0105】反射面や屈折面に非対称な収差を発生させ
る回折作用を持たせるには回折作用を持たせる面に回転
非対称な形状の縞を持ったホログラムをつける方法や、
それら面の形状の上にキノフォームを作りつける方法が
適用可能であり、これは実施形態7と同様である。
【0106】面の形状の上にキノフォームを作りつける
方法としてのブレーズ化する手法やリソグラフィー技術
を用いてバイナリータイプにする手法、それを安価に大
量に製作する際に型を作って転写させる方法についても
実施形態7と同様である。
【0107】図10は本発明の光学系の実施形態9の要
部概略図である。本実施形態の光学系では、実施形態7
と同様に無限遠にある物体面からの光束Lsが絞りPを
通過した後、屈折面2面と反射面4面から成り一体的に
成形された光学素子B1に入射している。この光学素子
B1においては反射面sd2、s3、sd4、s5がオ
フアキシャル曲面(絞り中心と像面imの中心を通る基
準波長の光線の光路が形作る基準軸と交点における面法
線が一致しない曲面)であるので、この光学素子B1は
実施形態7と同様オフアキシャル光学素子である。
【0108】実施形態7とは、基準軸の光路が交叉型に
なっている点で異なっている。こうした交叉型のオフア
キシャル素子は光路がコンパクトにできるという特徴を
持っている。そしてこれらのオフアキシャル面で発生す
る非対称収差のうち各面の形状で補正できない部分につ
いては、反射面sd2,sd4に回転非対称な回折作用
を持たせることによって補正していることは実施形態7
と同様である。この実施形態の図においてもそうした回
折作用を持たせた面にはsdなる記号をつけてsd2、
sd4と表示してある。
【0109】反射面に非対称な収差を発生させる回折作
用を持たせるにはそれらの面に回転非対称な形状の縞を
持ったホログラムをつける方法や、面の形状の上にキノ
フォームを作りつける方法が適用可能であり、これは実
施形態7と同様である。面の形状の上にキノフォームを
作りつける方法としてのブレーズ化する手法やリソグラ
フィー技術を用いてバイナリータイプにする手法、それ
を安価に大量に製作する際に型を作って転写させる方法
についても実施形態7と同様である。
【0110】図11は本発明の光学系の実施形態10の
要部概略図である。本実施形態の光学系は、オフアキシ
ャル光学素子B1と通常の共軸光学素子LE1からなる
ハイブリッド光学系である。この光学系をには実施形態
9と同様に無限遠にある物体面からの光束Lsが絞りP
を通過した後、屈折面2面と反射面4から成り一体的に
成形された第1の光学素子B1に入射している。
【0111】そしてこの第1の光学素子B1においては
反射面s2、sd3、s4、sd5がオフアキシャル曲
面(絞りPの中心と像面imの中心を通る基準波長の光
線の光路が形作る基準軸と交点における面法線が一致し
ない曲面)であるので、この光学素子は実施形態9と同
様オフアキシャル光学素子である。
【0112】そしてこれらのオフアキシャル面で発生す
る非対称収差のうち各面の形状で補正できない部分につ
いては、第3、第5面の反射面に回転非対称な回折作用
を持たせることによって補正していることは実施形態9
と同様である。ただこの光学系においては、回転対称な
収差に対しては必ずしもこの第1の光学素子B1でとれ
ている必要はない。この実施形態においては回転対称な
収差は第1の光学素子B1のほかに、面s7、s8から
なる共軸である第2の光学素子Le1とからなる全系で
とられている。
【0113】この実施形態の図においても回折作用を持
たせた面にはsdなる記号をつけてsd3、sd5と表
示してある。反射面に非対称な収差を発生させる回折作
用を持たせるにはそれらの面に回転非対称な形状の縞を
持ったホログラムをつける方法や、面の形状の上にキノ
フォームを作りつける方法が適用可能であり、実施形態
7と同様である。
【0114】面の形状の上にキノフォームを作りつける
方法としてのブレーズ化する手法やリソグラフィー技術
を用いてバイナリータイプにする手法、それを安価に大
量に製作する際に型を作って転写させる方法についても
実施形態7と同様である。
【0115】図12は本発明の光学系の実施形態11の
要部概略図、図13は図12の近軸屈折力配置の説明図
である。本実施形態は2つのオフアキシャル光学素子B
1,B2を使った所謂二群型のズームレンズを示してい
る。そして反射面に回折作用を持たせた面がズームレン
ズ内の移動群に配設されている場合を示している。
【0116】同図において、B1、B2は複数の曲面反
射面を有する第1及び第2の光学素子である。第1の光
学素子B1は物体側より順に、凹屈折面s1及び凹面鏡
sd2・凸面鏡s3・凹面鏡sd4・凸面鏡s5の四つ
のオフアキシャル反射面及び凸屈折面sd6より成り、
全体として正の屈折力を有するレンズユニットである。
そして、第1の光学素子B1に入射する基準軸の方向と
これから出射する基準軸の方向が平行でかつ同一方向で
ある。この第1の光学素子B1では反射面sd2と反射
面sd4および屈折面sd6に回折作用を持たせて、こ
の光学素子B1で発生する回転対称な収差成分や回転非
対称な収差成分の補正作用を持たせている。
【0117】第2の光学素子B2は物体側より凸屈折面
s7及び凸面鏡sd8・凹面鏡sd9・凸面鏡sd10
・凹面鏡sd11の四つのオフアキシャル反射面及び凸
屈折面s12より成り、全体として正の屈折力を有する
レンズユニットである。そして第1の光学素子B1と同
様に第2の光学素子B2に入射する基準軸の方向とこれ
から出射する基準軸の方向が平行でかつ同一方向であ
る。この第2の光学素子B2では反射面sd8、sd
9、sd10、sd11に回折作用を持たせて、この光
学素子B2で発生する回転対称な収差成分や回転非対称
な収差成分の補正作用を持たせている。
【0118】lpfは平行平板よりなる光学補正板であ
り、水晶ローパスフィルターや赤外カットフィルター等
である。また、imは撮像素子面であり、CCD(撮像
媒体)等の撮像面である。pは第1の光学素子B1の物
体側に配置した絞りである。
【0119】本実施形態の結像作用を説明する。物体か
らの光束Lsは、絞りpにより入射光量を規制された
後、第1の光学素子B1の凹屈折面s1を屈折して透過
し、凹面鏡sd2、凸面鏡s3、凹面鏡sd4、凸面鏡
s5にて反射(面sd2、sd4については回折作用も
受ける)を繰り返し、それぞれの反射鏡の持つパワーに
より収束或は発散作用を受けて、凸屈折面sd6に至
り、ここで屈折および回折して第1の光学素子B1から
射出する。なお、第1の光学素子B1中では一旦物体の
中間像IP1を中間結像面N1に形成している。
【0120】このように、一旦第1の光学素子B1内に
物体像を結像することは、絞りpより像側に配置された
面の光線有効径の増大を抑制するのに有効である。1次
結像面IP1に一次結像した光束は、凸面鏡s3、凹面
鏡sd4、凸面鏡s5にて反射(面sd4については回
折作用も受ける)を繰り返し、それぞれの反射鏡の持つ
パワーにより収束或は発散作用を受けて、凸屈折面sd
6に至り、ここで屈折および回折した光束は2次結像面
C(IP2)上に物体像を形成する。この様に第1の光
学素子B1は、入出射面による屈折と、複数の曲面反射
鏡による反射を繰り返して、所望の光学性能を備える全
体として正のパワーを有するレンズユニットとして機能
している。この様に第1の光学素子B1は、入出射面に
よる屈折と、複数の曲面反射鏡による反射を繰り返し
て、所望の光学性能を備える全体として正のパワーを有
するレンズユニットとして機能している。
【0121】次いで光束は、第2の光学素子B2の凸屈
折面s7を透過した後、凸面鏡sd8、凹面鏡sd9、
凸面鏡sd10、凹面鏡sd11で反射および回折作用
をを繰り返し受け、凸屈折面s12を屈折して第2の光
学素子B2から射出する。なお、第2の光学素子B2中
でも一旦物体の中間像を中間結像面IP3に形成してい
る。第2の光学素子B2から射出した光束は光学補正板
lpfを通過後、撮像素子面im上に結像する。この様
に第2の光学素子B2は、第1の光学素子B1が2次結
像面C(IP2)上に形成した物体像を撮像素子面im
上に再結像しており、第1の光学素子B1と同様に、入
出射面による屈折、回折と、複数の曲面反射鏡による反
射を繰り返して、所望の光学性能を備えた、全体として
正のパワーを有するレンズユニットとして機能してい
る。
【0122】本実施形態においては、第1の光学素子B
1及び第2の光学素子B2を結像面imに対して相対的
に移動することにより、最終結像位置imを変えずに光
学系の焦点距離(結像倍率)を変化させる。(変倍或は
ズーミングと称される動作である。) 本実施形態の変倍作用を図13によって説明する。図1
3は実施形態11の各光学素子B1,B2を夫々単一の
薄肉レンズとし、光学系をその基準軸に対して展開した
光学配置図である。なお、図13(A)は光学系が広角
端の状態(W)の配置図であり、図13(B)は望遠端
の状態(T)の配置図である。
【0123】この図を使ったズームの原理および広角端
(W)や望遠端(T)での結像倍率や焦点距離の計算式
についての説明は実施形態5における、図6を使った説
明と全く同じなのでここでは省略する。
【0124】本実施形態では、第1の光学素子B1と第
2の光学素子B2の中間に中間結像面としての2次結像
面C(IP2)が存在するが、第1の光学素子B1若し
くは第2の光学素子B2の内部に中間結像面があっても
良い。この中間結像位置を物点として第2の光学素子B
2の結像関係が成り立っている。
【0125】また、本実施形態の構成とは異なる、物体
側から順に全体として負の屈折力を有する光学素子とそ
の後方に正の屈折力を有する光学素子がある場合にも、
物体側から順に全体として正の屈折力を有する光学素子
とその後方に負の屈折力を有する光学素子がある場合に
も、各光学素子を相対的に移動することにより、撮影光
学系の焦点距離(結像倍率)を変化させることが出来
る。
【0126】また、変倍時における光学素子の移動方向
は、広角端から望遠端への移動に際して各反射面の基準
軸の入射点位置を変えなければ、変倍時に生じる誤差を
最少限にとどめられるので、各光学素子B1,B2に入
射、出射する基準軸の方向を平行にするとともに、各光
学素子の移動も該光学素子に入射、出射する基準軸線上
に沿って平行に移動させるとよい。
【0127】この場合、各光学素子に入射・出射する基
準軸方向が平行な光学素子を構成する場合、本実施形態
に示したように入射方向に対して出射方向を同方向とす
るか、次の実施形態に示すような反対方向とするかの二
種類のパターンが考えられる。入射方向に対して出射方
向を同方向とした場合、入射した基準軸と出射する基準
軸の位置を所望の位置にシフトすることが可能となる。
又、入射方向に対して出射方向を反対方向とした場合、
光学素子の移動に伴って入射側及び出射側の間隔が移動
量と同一量変化する為に、全体として移動量の2倍分だ
け光路長を変化させることが可能となる。
【0128】このようにオフアキシャル光学系を使った
ズーム光学系は上記2種類のパターンで構成することが
可能なので、光学配置上の自由度を増すことが出来る。
【0129】しかしながら、光学素子の移動方向は2つ
の光学素子への入射、出射する基準軸方向と平行である
必要はなく、例えば光学系へ入射する基準軸の方向と移
動光学素子の移動方向が、30゜、45゜、60゜等の
ある角度をなしていても良い。
【0130】図14は本発明の光学系の実施形態12の
要部概略図である。本実施形態は所謂二群型のズームレ
ンズを示している。本実施形態は変倍時に移動する光学
素子B2の移動方向が最も物体側に配置された光学素子
B1の入射基準軸La1の方向にたいして平行でない場
合を示している。そして反射面に回折作用を持たせた面
がズームレンズ内の固定群に配設されている場合を示し
ている。
【0131】同図においてB1、B2は複数の曲面反射
面を有する第1、第2の光学素子である。第1の光学素
子B1は物体側より順に、凹屈折面s1及び凹面鏡sd
2・凸面鏡sd3・凹面鏡sd4・凹面鏡sd5の四つ
の反射面及び凸屈折面s6より成り、全体として正の屈
折力を有するレンズユニットでありズームの際は固定群
となる。そして第1の光学素子B1に入射する基準軸L
a1の方向とこれから出射する基準軸La2の方向が略
45゜の傾きを持っている。
【0132】そして反射面sd2、sd3、sd4、s
d5に回折作用を持たせており、回折の自由度を用いて
対称収差や非対称収差の補正を行ない、構成面の数がで
きるだけ少なくなるような構成となっている。第2の光
学素子B2は物体側より凹屈折面s7及び凹面鏡s8・
凹面鏡sd9・凸面鏡s10・凹面鏡s11・凹面鏡s
d12・凹面鏡s13の6つの反射(sd9、sd12
では回折作用も持たせてある)面及び凸屈折面s14よ
り成り、全体として正の屈折力を有するレンズユニット
である。そして第2の光学素子B2に入射する基準軸L
a2の方向とこれから出射する基準軸La3の方向が平
行でかつ反対方向となっている。lpfは平行平板より
なる光学補正板であり、水晶ローパスフィルターや赤外
カットフィルター等である。
【0133】imは撮像素子面であり、CCD(撮像媒
体)等の撮像面である。pは第1の光学素子B1の物体
側に配置した絞りである。
【0134】本実施形態の結像作用を説明する。物体か
らの光束Lsは、絞りpにより入射光量を規制された
後、第1の光学素子B1の凹屈折面s1を屈折して透過
し、凹面鏡sd2、凸面鏡sd3、平面鏡sd4、凹面
鏡sd5にて反射および回折作用を繰り返し受け、それ
ぞれの反射鏡の持つパワーにより収束或は発散作用を受
けて、凸屈折面s6に至り、ここで屈折した光束は中間
結像面IP1上に物体像を形成する。なお、第1の光学
素子B1中でも一旦物体の中間像を形成している。
【0135】中間結像面IP1の物体像からの光束は、
第2の光学素子B2の凹屈折回折面s7を透過した後、
凹面鏡s8、凹面鏡sd9、凸面鏡s10、凹面鏡s1
1、凹面鏡sd12、凹面鏡s13で反射作用(面sd
9、sd12では回折作用も持たせてある)を受けた後
凸屈折面s8を屈折して第2の光学素子B2から射出す
る。なお、第2の光学素子B2中でも一旦物体の中間像
を形成している。
【0136】第2の光学素子B2から射出した光束は光
学補正板lpfを通過後、撮像素子面im上に結像す
る。
【0137】本実施形態において、異なる物体距離に対
するフォーカシングは、第2の光学素子B2を移動させ
ることにより行っている。この時第2の光学素子B2の
移動は、第1の光学素子B1から出射する基準軸La2
の方向に平行に移動するが、第1の光学素子B1の入射
する基準軸La1の方向と出射する基準軸La2の方向
は略45゜の傾きをなしている為、第1の光学素子B1
の入射する基準軸La1の方向に対して、第2の光学素
子B2がフォーカシングに際して移動する方向は略45
゜傾いていることとなる。
【0138】従って第2の光学素子B2はフォーカシン
グに際してこれに入射、出射する基準軸の方向に対して
平行に移動するものの、第1の光学素子B1の入射する
基準軸の方向に対しては45゜の傾きをもって移動す
る。
【0139】又、本実施形態においても実施形態11と
同様に第1、第2の光学素子B1,B2が結像面imに
対して相対的に移動することにより、光学系の結像倍率
を変化させる。但し、各光学素子に入射、出射する基準
軸の方向と、各光学素子の移動方向が全て平行であった
実施形態11とは異なり、第1の光学素子B1に入射す
る基準軸の方向と出射する基準軸の方向は45°の傾き
を為しているので、変倍動作時に第1の光学素子B1か
ら第2の光学素子B2に入射する基準軸の方向を維持す
る為に、第1の光学素子B1の移動方向を第2の光学素
子B2の入射基準軸の方向に対して平行に移動する。
【0140】図15は本発明の光学系の実施形態13の
要部概略図である。本実施形態の光学系では、無限遠の
物体面からの光束Lsが絞りPを通過した後、反射面4
面から成り一体的に成形された光学素子B1に入射して
いる。この光学素子B1においては反射面s2、s3、
s4、s5がオフアキシャル曲面(絞りPの中心と像面
imの中心を通る基準波長の光線の光路が形作る基準軸
と交点における面法線が一致しない曲面)であるので、
この光学素子はオフアキシャル光学素子である。
【0141】この実施形態ではこのオフアキシャル光学
素子の射出屈折面sd6に回折作用を持たせ、その回折
次数の違いによって多焦点光学系(この図は2焦点光学
系)を構成している。
【0142】この図において、射出面sd6で回折の次
数の違い(たとえば0次と1次回折光)により、光線は
その次数の回折効率に従って異なる像面(この図では像
面im1、im2の2つの像面)に結像する多焦点光学
系となっている。面に回折作用を持たせるにはこれらの
面に回転非対称な形状の縞を持ったホログラムをつける
方法や、面の形状の上にキノフォームを作りつける方法
が適用可能である。
【0143】面の形状の上にキノフォームを作りつける
方法としては微細なバイトを使ってブレーズ化する方
法、リソグラフィーの手法で図19(B)に示したよう
なバイナリータイプの格子縞をつける方法等がある。こ
うしたキノフォームタイプは大量にしかも安価に作りた
い場合には、微細なバイトを使ってブレーズ化する方法
やリソグラフィーの手法を使って型上にあらかじめ縞を
作りつけ、光学素子をガラスやプラスチックで成形する
時にその形を転写させて作るようにしても良い。
【0144】その回折面を作成する場合、目的の次数の
回折効率を上げることができるように格子縞の形状を最
適化しておくことが望ましい。
【0145】図16は本発明の光学系の実施形態14の
要部概略図である。本実施形態の光学系では、無限遠の
物体面からの光束Lsが絞りPを通過した後、反射面4
面から成り一体的に成形された光学素子B1に入射して
いる。この光学素子B1においては反射面sd2,s
2、s3、s4、s5がオフアキシャル曲面(絞りPの
中心と像面imの中心を通る基準波長の光線の光路が形
作る基準軸と交点における面法線が一致しない曲面)で
あるので、この光学素子はオフアキシャル光学素子であ
る。
【0146】この実施形態ではこのオフアキシャル素子
の1つの反射面sd2および射出屈折面sd6に回折作
用を持たせ、その回折次数の違いによって多焦点光学系
(この図では4焦点光学系)を構成している。
【0147】このように回折作用を持たして光束を分け
る面は屈折面だけでなく反射面も使うことができる。こ
の図において、面sd2および面sd6で回折の次数の
違い(たとえば0次と1次回折光)により、光線はその
次数の回折効率に従って異なる像面(この図では像面i
m1、im2、im3、im4の4つの像面)に結像す
る多焦点光学系となっている。面に回折作用を持たせる
にはこれらの面に回転非対称な形状の縞を持ったホログ
ラムをつける方法や、面の形状の上にキノフォームを作
りつける方法が適用可能である。
【0148】面の形状の上にキノフォームを作りつける
方法としては微細なバイトを使ってブレーズ化する方
法、リソグラフィーの手法で図19(B)に示したよう
なバイナリータイプの格子縞をつける方法等がある。こ
うしたキノフォームタイプは大量にしかも安価に作りた
い場合には、微細なバイトを使ってブレーズ化する方法
やリソグラフィーの手法を使って型上にあらかじめ縞を
作りつけ、光学素子をガラスやプラスチックで成形する
時にその形を転写させて作る様にしても良い。その回折
面を作成する場合、目的の次数の回折効率を上げること
ができるように格子縞の形状を最適化しておくことが望
ましい。
【0149】図17は本発明の光学系の実施形態15の
要部概略図である。本実施形態の光学系では、無限遠の
物体面からの光束Lsが絞りPを通過した後、反射面4
面から成り一体的に成形された光学素子B1に入射して
いる。この光学素子においては反射面s2、s3、s
4、s5がオフアキシャル曲面(絞りPの中心と像面i
mの中心を通る基準波長の光線の光路が形作る基準軸と
交点における面法線が一致しない曲面)であるので、こ
の光学素子B1はオフアキシャル光学素子である。この
実施形態ではこのオフアキシャル光学素子の射出屈折面
sd6に回折作用を持たせ、その回折次数の違いによっ
て多焦点光学系(この図は2点光学系)を構成してい
る。
【0150】この図において、射出面sd6で回折の次
数の違い(たとえば0次と1次回折光)により、光線は
その次数の回折効率に従って異なる光路をとり、各々の
像面(この図では像面im1、im2の2つの像面)に
結像する多焦点光学系となっている。
【0151】実施形態13との違いは多数の像面(この
例では像面im1とim2の2面)がおなじ軸上にな
く、分離して得られることである。回折においてはこの
ような軸はずし系にすることは面上の縞の形状を変える
ことによって可能となる。面に回折作用を持たせるには
これらの面に回転非対称な形状の縞を持ったホログラム
をつける方法や、面の形状の上にキノフォームを作りつ
ける方法が適用可能である。
【0152】面の形状の上にキノフォームを作りつける
方法としては微細なバイトを使ってブレーズ化する方
法、リソグラフィーの手法で図19(B)に示したよう
なバイナリータイプの格子縞をつける方法等がある。こ
うしたキノフォームタイプは大量にしかも安価に作りた
い場合には、微細なバイトを使ってブレーズ化する方法
やリソグラフィーの手法を使って型上にあらかじめ縞を
作りつけ、光学素子をガラスやプラスチックで成形する
時にその形を転写させて作るようにしても良い。その回
折面を作成する場合、目的の次数の回折効率を上げるこ
とができるように格子縞の形状を最適化しておくことが
望ましい。
【0153】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、オフアキ
シャル曲面より成る複数の反射面と屈折面とを有する光
学素子の少なくとも1つの面に回折作用を持たせること
により物体像を所定面に形成するときの収差補正上の設
計の自由度を増し、又光学系全体の小型化を図りつつ、
高い光学性能が容易に得られる光学素子及びそれを用い
た光学系を達成することができる。
【0154】特に本発明によれば、オフアキシャル光学
系を構成するオフアキシャル光学素子の構成面(屈折面
反射面)に回折作用を持たせることにより、設計の自由
度を増加させることができ、少ない面数で収差補正が可
能になるため、設計上小型化、軽量化に効果がある。ま
た、回転非対称な収差の補正を回折作用に持たせること
により、ベースの面形状としては作りやすい回転対称面
にできるため、製作上作りやすくなるという効果もあ
る。
【0155】また、物体面の像を像面に結像させるオフ
アキシャル光学素子中に回折作用を起こす面を入射面、
複数の曲率を有するオフアキシャル反射面、射出面の一
部あるいは全部に施すにしても、オフアキシャル面の成
形と同時に一体的に成形することができるので面形状と
同様に、回折作用を起こす面の相対的位置精度を上げる
ことができるという効果がある。
【0156】また、回折作用を持った面を含む複数のオ
フアキシャル素子の相対的位置を変化させることにより
コンパクトなズーム光学系を構成できるという効果もあ
る。また、回折作用を光束の分離に利用することにより
コンパクトな多焦点光学系を構成できるという効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学系の実施形態1の要部概略図
【図2】本発明の光学系の実施形態2の要部概略図
【図3】本発明の光学系の実施形態3の要部概略図
【図4】本発明の光学系の実施形態4の要部概略図
【図5】本発明の光学系の実施形態5の要部概略図
【図6】図5の近軸屈折力配置の説明図
【図7】本発明の光学系の実施形態6の要部概略図
【図8】本発明の光学系の実施形態7の要部概略図
【図9】本発明の光学系の実施形態8の要部概略図
【図10】本発明の光学系の実施形態9の要部概略図
【図11】本発明の光学系の実施形態10の要部概略図
【図12】本発明の光学系の実施形態11の要部概略図
【図13】図12の近軸屈折力配置の説明図
【図14】本発明の光学系の実施形態12の要部概略図
【図15】本発明の光学系の実施形態13の要部概略図
【図16】本発明の光学系の実施形態14の要部概略図
【図17】本発明の光学系の実施形態15の要部概略図
【図18】本発明のオフアキシャル光学系を定義する座
標系および基準軸の概念的説明図
【図19】キノフォーム光学系、バイナリー光学系を説
明する概念図
【符号の説明】
s1、s2 屈折面または反射面 sd1、sd2 回折作用をも持たせた屈折面または
反射面 p 絞り面 Ipf 平行平板より成る光学補正板 ob 物体面 im、im1、im2、im3、im4 像面 La 基準軸 Ls 光束 IP1,IP2 中間結像面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 健志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 難波 則廣 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 猿渡 浩 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 荒谷 道晴 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 木村 研一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光束を入射面より入射させ、該入射面か
    らの光束をオフアキシャル曲面より成る複数の反射面で
    反射させて出射面より出射させる光学素子であって、該
    入射面又は出射面又は複数の反射面のうち少なくとも1
    つは回折作用を有した面より成っていることを特徴とす
    る光学素子。
  2. 【請求項2】 透明体の表面に、光束が屈折して入射す
    る入射面と、該入射光束を順次反射するオフアキシャル
    曲面を有する複数の反射面と、該複数の反射面にて反射
    された光束を屈折して射出する出射面を一体に形成した
    光学素子であって、該入射面又は出射面又は複数の反射
    面のうち少なくとも1つは回折作用を有した面より成っ
    ていることを特徴とする光学素子。
  3. 【請求項3】 前記回折作用を有した面は曲面であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2の光学素子。
  4. 【請求項4】 前記回折作用を有した面は球面であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2の光学素子。
  5. 【請求項5】 前記回折作用を有した面は回転対称非球
    面であることを特徴とする請求項1又は2の光学素子。
  6. 【請求項6】 前記回折作用を有した面は非対称非球面
    であることを特徴とする請求項1又は2の光学素子。
  7. 【請求項7】 前記回折作用を有した面はホログラムタ
    イプ回折面であることを特徴とする請求項1又は2の光
    学素子。
  8. 【請求項8】 前記回折作用を有した面はキノフォーム
    タイプ回折面であることを特徴とする請求項1又は2の
    光学素子。
  9. 【請求項9】 前記回折作用を有した面はバイナリータ
    イプ回折面であることを特徴とする請求項1又は2の光
    学素子。
  10. 【請求項10】 前記回折作用を有した面は回転非対称
    な縞形状を持った回折面であることを特徴とする請求項
    1から9のいずれか1項記載の光学素子。
  11. 【請求項11】 前記回折作用を有した面の回折作用の
    次数により光路を複数に分割していることを特徴とする
    請求項1から9のいずれか1項記載の光学素子。
  12. 【請求項12】 前記回折作用を有した面の回折作用の
    次数により異なる複数の焦点距離を有していることを特
    徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の光学素
    子。
  13. 【請求項13】 複数の光学要素によって構成される光
    学系であって、請求項1から12いずれか1項記載の光
    学素子を少なくとも1つ備えることを特徴とする光学
    系。
  14. 【請求項14】 前記光学素子が移動することにより、
    全系の焦点距離が変化することを特徴とする請求項13
    の光学系。
  15. 【請求項15】 前記光学素子は基準軸に沿って移動す
    ることを特徴とする請求項14の光学系。
  16. 【請求項16】 共軸光学素子を備えることを特徴とす
    る請求項13の光学系。
  17. 【請求項17】 前記共軸光学素子が移動することによ
    り、全系の焦点距離が変化することを特徴とする請求項
    16の光学系。
  18. 【請求項18】 前記共軸光学素子は基準軸に沿って移
    動することを特徴とする請求項17の光学系。
  19. 【請求項19】 光束を入射面より入射させ、該入射面
    からの光束を複数の反射面で反射させて出射面より出射
    させる光学素子であって、該入射面又は出射面又は複数
    の反射面のうち少なくとも1つは回転非対称な縞形状を
    持った回折作用を有した面より成っていることを特徴と
    する光学素子。
  20. 【請求項20】 請求項19の光学素子を少なくとも1
    つ含み、物体像を所定面に形成していることを特徴とす
    る光学系。
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