JP3559624B2 - 画像表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置に関し、特に、観察者の頭部又は顔面に保持することを可能にする頭部又は顔面装着式画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、バーチャルリアリティー用、あるいは、個人的に大画面の映像を楽しむことを目的として、ヘルメット型、ゴーグル型の頭部又は顔面装着式画像表示装置が開発されている。
【0003】
例えば、特開平6−308424号に示されているように、リレー光学系を用いずに中間像を光路中で結像することなく、画像表示素子の画像を観察者眼球に導くことが頭部装着式画像表示装置においては重要な技術となる。
しかしながら、特開平6−308424号の場合は、ハーフミラーを介して光路を形成しているため、光量のロスが発生してしまい、明るい表示を行うことが容易ではない。
【0004】
また、ハーフミラーを介さないで明るい画像を表示できる頭部装着式画像表示装置の1つとして、欧州特許第0583116A2号のものがあるが、この場合は、リレー光学系を用いているため、装置が大型化する欠点がある。
【0005】
このような状況において、本出願人は、画像表示素子の表示画像を途中で中間像を結像することなく観測者の眼球に導くためのサイズがコンパクトで広画角で画面全体にクリアな表示が可能な接眼光学系を3面又は4面の光学面からなる偏心プリズム単体で構成し、その3面又は4面の少なくとも1面をパワーを有する面とするものをいくつか提案している。以下に、これらについて簡単に説明する。
【0006】
図33に特願平6−256676号による接眼光学系10の断面図を示す。この接眼光学系10は、4つの光学面1〜4からなり、その間が屈折率が1より大きい媒質で満たされた偏心プリズム体であり、画像表示素子9に対向して配置された透過面の第1面1を経て接眼光学系10に入射した画像表示素子9からの表示光は、偏心配置の反射面の第4面4に入射し、そこで反射された光は、観察者視軸8上に観察者の瞳7と対向して偏心配置された反射面の第2面2に入射して反射され、その反射光は、第4面4への入射光と交差してから、観察者視軸8上に第2面2と観察者の瞳7との間に配置された透過面の第3面3を経て接眼光学系10から射出し、観察者視軸8に沿って進み、観察者の瞳7に中間像が結像されることなく入射し、観察者の網膜上に結像する。
【0007】
図34に特願平6−290892号による接眼光学系10の断面図を示す。この接眼光学系10は、3つの光学面1〜3からなり、その間が屈折率が1より大きい媒質で満たされた偏心プリズム体であり、画像表示素子9に対向して配置された透過面の第1面1を経て接眼光学系10に入射した画像表示素子9からの表示光は、偏心配置の反射面の第2面2に入射し、そこで反射された光は、観察者視軸8上に第2面2と観察者の瞳7との間に配置された透過面の第3面3を経て接眼光学系10から射出し、観察者視軸8に沿って進み、観察者の瞳7に中間像が結像されることなく入射し、観察者の網膜上に結像する。
【0008】
図35に特願平7−127896号による接眼光学系10の断面図を示す。この接眼光学系10は、4つの光学面1〜4からなり、その間が屈折率が1より大きい媒質で満たされた偏心プリズム体であり、画像表示素子9に対向して配置された透過面の第1面1を経て接眼光学系10に入射した画像表示素子9からの表示光は、偏心配置の反射面の第4面4に入射し、そこで反射された光は、観察者視軸8上に観察者の瞳7と対向して偏心配置された反射面の第2面2に入射して反射され、その反射光は、観察者視軸8上に第2面2と観察者の瞳7との間に配置された透過面の第3面3を経て接眼光学系10から射出し、観察者視軸8に沿って進み、観察者の瞳7に中間像が結像されることなく入射し、観察者の網膜上に結像する。
【0009】
図36に特願平7−120034号による接眼光学系10の断面図を示す。この接眼光学系10は、3つの光学面1〜3からなり、その間が屈折率が1より大きい媒質で満たされた偏心プリズム体であり、画像表示素子9に対向して配置された透過面の第1面1を経て接眼光学系10に入射した画像表示素子9からの表示光は、観察者視軸8上に第2面2と観察者の瞳7との間に配置された第3面3が兼ねる反射面の第4面4に入射し、そこで反射された光は、観察者視軸8上に観察者の瞳7と対向して偏心配置された反射面の第2面2に入射して反射され、その反射光は、観察者視軸8上に第2面2と観察者の瞳7との間に配置された透過面の第3面3を経て接眼光学系10から射出し、観察者視軸8に沿って進み、観察者の瞳7に中間像が結像されることなく入射し、観察者の網膜上に結像する。
【0010】
図37〜図39に特願平7−158897号による接眼光学系10の断面図を示す。この中、図37の接眼光学系10は、4つの光学面1〜3、5からなり、その間が屈折率が1より大きい媒質で満たされた偏心プリズム体であり、画像表示素子9に対向して配置された透過面の第1面1を経て接眼光学系10に入射した画像表示素子9からの表示光は、反射面の第5面5に入射して反射され、その反射光は、第1面1が兼ねる反射面の第4面に入射し、そこで反射された光は、観察者視軸8上に観察者の瞳7と対向して偏心配置された反射面の第2面2に入射して反射され、その反射光は、観察者視軸8上に第2面2と観察者の瞳7との間に配置された透過面の第3面3を経て接眼光学系10から射出し、観察者視軸8に沿って進み、観察者の瞳7に中間像が結像されることなく入射し、観察者の網膜上に結像する。
【0011】
図38の接眼光学系10は、4つの光学面1〜4からなり、その間が屈折率が1より大きい媒質で満たされた偏心プリズム体であり、画像表示素子9に対向して配置された透過面の第1面1を経て接眼光学系10に入射した画像表示素子9からの表示光は、観察者視軸8上に観察者の瞳7と対向して偏心配置された反射面の第2面2が兼ねる反射面の第5面5に入射して反射され、その反射光は、反射面の第4面に入射し、そこで反射された光は、観察者視軸8上に観察者の瞳7と対向して偏心配置された反射面の第2面2に入射して反射され、その反射光は、観察者視軸8上に第2面2と観察者の瞳7との間に配置された透過面の第3面3を経て接眼光学系10から射出し、観察者視軸8に沿って進み、観察者の瞳7に中間像が結像されることなく入射し、観察者の網膜上に結像する。
【0012】
図39の接眼光学系10は、4つの光学面2〜5からなり、その間が屈折率が1より大きい媒質で満たされた偏心プリズム体であり、観察者視軸8上に観察者の瞳7と対向して偏心配置された反射面の第2面2が兼ね、画像表示素子9に対向して配置された透過面の第1面1を経て接眼光学系10に入射した画像表示素子9からの表示光は、反射面の第5面5に入射して反射され、その反射光は、第2面2が兼ねる反射面の第6面6に入射して反射され、その反射光は、反射面の第4面に入射し、そこで反射された光は、観察者視軸8上に観察者の瞳7と対向して偏心配置された反射面の第2面2に入射して反射され、その反射光は、観察者視軸8上に第2面2と観察者の瞳7との間に配置された透過面の第3面3を経て接眼光学系10から射出し、観察者視軸8に沿って進み、観察者の瞳7に中間像が結像されることなく入射し、観察者の網膜上に結像する。
【0013】
図40に特願平7−178657号による接眼光学系10の断面図を示す。この接眼光学系10は、3つの光学面2〜4からなり、その間が屈折率が1より大きい媒質で満たされた偏心プリズム体であり、観察者視軸8上に観察者の瞳7と対向して偏心配置された反射面の第2面2が兼ね、画像表示素子9に対向して配置された透過面の第1面1を経て接眼光学系10に入射した画像表示素子9からの表示光は、観察者視軸8上に第2面2と観察者の瞳7との間に配置された第3面3が兼ねる反射面の第5面5に入射し、そこで反射された光は、反射面の第4面4に入射して反射され、その反射光は、観察者視軸8上に観察者の瞳7と対向して偏心配置された反射面の第2面2に入射して反射され、その反射光は、第5面5で反射された光と交差してから、観察者視軸8上に第2面2と観察者の瞳7との間に配置された透過面の第3面3を経て接眼光学系10から射出し、観察者視軸8に沿って進み、観察者の瞳7に中間像が結像されることなく入射し、観察者の網膜上に結像する。
【0014】
図41に特願平7−211594号による接眼光学系10の断面図を示す。この接眼光学系10は、3つの光学面2〜4からなり、その間が屈折率が1より大きい媒質で満たされた偏心プリズム体であり、観察者視軸8上に観察者の瞳7と対向して偏心配置された反射面の第2面2が兼ね、画像表示素子9に対向して配置された透過面の第1面1を経て接眼光学系10に入射した画像表示素子9からの表示光は、反射面の第4面4に入射して反射され、そこで反射された光は、観察者視軸8上に観察者の瞳7と対向して偏心配置された反射面の第2面2に入射して反射され、その反射光は、観察者視軸8上に第2面2と観察者の瞳7との間に配置された透過面の第3面3を経て接眼光学系10から射出し、観察者視軸8に沿って進み、観察者の瞳7に中間像が結像されることなく入射し、観察者の網膜上に結像する。
【0015】
なお、以上の第1面〜第6面は、平面、球面、非球面、アナモフィック面、アナモフィック非球面で構成され、少なくとも1つの面は正のパワーを有する。また、透過面と反射面を兼ねている面、例えば、図36の第3面と第4面を構成する面での反射は、全反射によるか、透過領域と反射領域が分離している場合は裏面鏡による。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、画像表示素子の高密度化が進み、接眼光学系の収差発生量、特に色収差が無視できない程画像表示素子の画素密度が上がってきた。
ところが、本出願人の提案に係る図33〜図41のような、3面又は4面の光学面からなる偏心プリズム単体で構成され、その間が屈折率が1より大きい媒質で満たされた接眼光学系10を用いた画像表示装置においては、その接眼光学系10への入射面である第1面1とそれからの射出面である第3面3が屈折面であるため(第1面1と第3面3のみが屈折面)、他の収差は偏心した反射面の第2面等で補正したとしても、色収差に関しては完全に補正しきれずに残ってしまう。
【0017】
本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記の本出願人の提案に係るような、3面又は4面の光学面で構成され、その間が屈折率が1より大きい媒質で満たされた偏心プリズム単体からなる接眼光学系を用いた画像表示装置において、残存収差、特に色収差を補正してサイズがコンパクトで広画角で画面全体に明瞭な画像を表示可能にすることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の画像表示装置は、画像を表示する画像表示素子と前記画像表示素子に表示された画像を観察者の眼球に導く接眼光学系とを有する画像表示装置において、
前記接眼光学系が、画像表示素子に対向して配置された第1面と、観察者視軸上に観察者瞳と対向して傾けて配置された第2面と、観察者視軸上に第2面と観察者瞳との間に配置された第3面とを少なくとも含んだ光学部材を備えており、
前記第2面が反射面であり、前記画像表示素子から射出した光線が前記第1面を透過して前記光学部材の内部に入射し、前記第2面で反射されて前記第3面を透過して観察者の眼球に導かれ、
前記第1面と前記第2面と前記第3面とが、それぞれ独立した面にて構成され、
前記第1面と前記第2面と前記第3面の少なくとも1面は、光束にパワーを与える曲面形状にて構成され、かつ、前記曲面は、偏心収差を補正する非回転対称な非球面形状にて構成され、
さらに、前記画像表示素子と前記光学部材の間に平行平板に設けられた回折光学素子が配置され、前記光学部材の透過面で発生する収差と前記回折光学素子で発生する収差の符号が逆になっていることを特徴とするものである。
【0019】
この場合、光学部材の第1面、第2面、第3面に囲まれた領域が、屈折率が1を越える透明媒質によって満たされていることが望ましい。
【0020】
また、画像表示素子から射出した光線が第1面を透過して光学部材に入射した光が第2面で反射する前に反射するように配置された第4面を備えているものとすることができる。
【0021】
本発明のもう1つの画像表示装置は、画像を表示する画像表示素子と前記画像表示素子に表示された画像を観察者の眼球に導く接眼光学系とを有する画像表示装置において、
前記接眼光学系が、画像表示素子に対向して配置された第1面と、観察者視軸上に観察者瞳と対向して傾けて配置された第2面と、観察者視軸上に第2面と観察者瞳との間に配置された第3面とを少なくとも含んだ光学部材を備えており、
前記第2面が反射面であり、前記画像表示素子から射出した光線が前記第1面を透過して前記光学部材の内部に入射し、前記第2面で反射されて前記第3面を透過して観察者の眼球に導かれ、
前記第1面と前記第2面と前記第3面とが、それぞれ独立した面にて構成され、
前記第1面と前記第2面と前記第3面の少なくとも1面は、光束にパワーを与える曲面形状にて構成され、かつ、前記曲面は、偏心収差を補正する非回転対称な非球面形状にて構成され、
さらに、前記画像表示素子から観察者の瞳の間の何れかの位置に屈折率分布型レンズが配置され、前記光学部材の透過面で発生する収差と前記屈折率分布型レンズで発生する収差の符号が逆になっており、
前記屈折率分布型レンズの中心の屈折率をN0、周辺の屈折率をN1とするとき、
0.5<N0/N1<1.5 ・・・(b)
なる条件を満足することを特徴とするものである。
【0022】
以下に、本発明において上記構成をとる理由と作用について説明する。
本発明においては、3面又は4面の光学面で構成され、その間が屈折率が1より大きい媒質で満たされた偏心プリズム単体に残留する色収差、像面湾曲等をフレネルゾーンプレートに代表される回折光学素子(以下、DOE)、又は、屈折率分布型レンズを用いて補正するものである。以下、DOEと屈折率分布型レンズの補正能力について説明する。
【0023】
ゾーンプレートに代表されるDOEは、アッベ数ν=−3.45という大きな逆分散特性を持ち、色収差補正能力が大きい。したがって、前記したように、画像表示素子の高密度化に伴う偏心プリズム単体の残存色収差を効果的に補正することができる。
【0024】
さらに、非球面作用を持つDOEの製法は球面作用を持つDOEの製法と同じであるので、DOEに積極的に非球面作用を持たすことができ、広画角化に伴う軸外収差の増加を効果的に補正することができる。この場合、光軸から離れるに従い近軸的な球面系のパワーより弱いパワーとなるような非球面作用(ピッチ分布)をDOEに持たせると、収差補正能力が大きくなる。また、このようなピッチ配列は、DOEの有効径周辺のピッチを大きくするので、その製作性も向上する。また、屈折系レンズと異なり、DOEは、基板の表面に回折面を加工するだけなので、実質上、体積・重量の増加は伴わず、頭部装着式画像表示装置の光学系としては好ましい。
【0025】
また、本発明においては、屈折率分布型レンズがペッツバール和と色収差の補正作用を有していることに着目して、前記の偏心プリズム単体に組み合わせて、偏心プリズム単体に残留する色収差、像面湾曲等を補正する。以下、屈折率分布型レンズのペッツバール和と色収差の補正について説明する。
【0026】
本発明において用いる屈折率分布型レンズは、光軸と垂直な方向に屈折率分布を有するいわゆるラジアルタイプのもので、その基準波長の屈折率分布は、次の式(1)で表される。
n(r)=N+N+N+N+ ・・・(1)
ここで、Nはレンズの光軸上での基準波長の屈折率、rは光軸から半径方向の距離、n(r)は光軸から距離rの位置での基準波長の屈折率、N,N,N,N,・・・はそれぞれ基準波長の2次、4次、6時、・・・の係数である。
【0027】
まず、ペッツバール和の補正について説明すると、レンズ系の初期設計の段階で特に注意しなければならない量に、パワー配分によって決まってしまうペッツバール和がある。均質系のペッツバール和は、面の屈折力をφ、光軸上のレンズの屈折率をNとすると、次のように表すことができる。
φ/N ・・・(2)
また、屈折率分布型レンズ単体のペッツバール和は、面の屈折力をφ’、媒質の屈折力をφとすると、次のように表すことができる。
φ’/N+φ/N ・・・(3)
この式(3)から明らかなように、屈折率分布型レンズは、その媒質に屈折力を有していることでペッツバール和を補正することができる。
【0028】
次に、色収差の補正について説明すると、屈折率分布型レンズは、その媒質にも色収差を補正する能力を有しており、屈折率分布型レンズ単体で軸上色収差を補正するための条件は次の通りである。
φ’/νod+φ/ν1d=0 ・・・(4)
ここで、νodは、d線、F線、C線によるレンズ光軸上での屈折率をそれぞれN0d,N0F,N0Cとすると、次の式(5)で表される。
νod=(N0d−1)/(N0F−N0C) ・・・(5)
また、ν1dは、d線、F線、C線による屈折率分布式(1)の2次の係数N1d,N1F,N1Cより、次の式(6)にて求められる。
ν1d=N1d/(N1F−N1C) ・・・(6)
すなわち、屈折率分布型レンズの媒質の分布形状を波長毎に変化させることによって色収差の補正が可能になる。
【0029】
本発明においては、図33〜図41に示したような3面又は4面の光学面からなる偏心プリズムに残留する色収差、像面湾曲等の収差を、上記の回折光学素子又は屈折率分布型レンズからなる補正光学素子によって逆の符号の収差を発生させて補正するものである。これら補正光学素子は、偏心プリズム(光学部材)の観察者眼球側あるいは画像表示素子側に配置することができる。
【0030】
補正光学素子として回折光学素子を用いる場合は、回折光学素子の焦点距離をf(mm)とするとき、
−1<1/f<1 ・・・(a)
なる条件を満足することが望ましい。
さらには、
−0.1<1/f<0.1 ・・・(a’)
なる条件を満足することがより望ましい。
より好ましくは、
0<1/f<0.01 ・・・(a”)
なる条件を満足することが望ましい。
【0031】
また、補正光学素子として屈折率分布型レンズを用いる場合は、屈折率分布型レンズの中心の屈折率をN0、周辺の屈折立をN1とするとき、
0.5<N0/N1<1.5 ・・・(b)
なる条件を満足することが望ましい。
さらには、
0.8<N0/N1<1.2 ・・・(b’)
なる条件を満足することがより望ましい。
【0032】
これら条件(a)、(a’)、(a”)、(b)、(b’)は、接眼光学系全体のアイポイント、焦点距離、倍率等を実質的に変更しないで、所望の収差補正を行わせるために、回折光学素子、屈折率分布型レンズが略ノンパワーであること望ましく、そのことを条件式化したものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像表示装置のいくつかの実施例について、図面を参照にして説明する。
まず、最初に、本発明で使用しているDOEを含む光学系の設計方法について述べる。
回折現象に基づく光学素子DOEについての原理的な説明は、例えば「光学デザイナーのための小型光学エレメント」(オプトロニクス社)の第6章・第7章に詳しいが、以下に簡単に説明する。
【0034】
屈折現象に基づく光学素子では、図29に示すように、光線▲1▼はスネルの法則に基づいて曲げられる。
【0035】
n・sin θ=n’・sin θ’ ・・・(7)
ただし、n :入射側媒質の屈折率
n’:射出側媒質の屈折率
θ :光線の入射角
θ’:光線の射出角
それに対して、DOEの場合は、図30に示すように、光線▲1▼は式(8)で表現される回折現象により曲げられる。
【0036】
n・sin θ−n’・sin θ’=mλ/d ・・・(8)
ただし、n :入射側媒質の屈折率
n’:射出側媒質の屈折率
θ :光線の入射角
θ’:光線の射出角
m :回折次数
λ :波長
d :DOEのピッチ
なお、この際、ブレーズ化あるいはブレーズ近似を行うと、高回折効率を維持することができる。
【0037】
DOEを含む光学系を設計する手法として、Sweatt modelが知られている。これについては、『W.C.Sweatt, ”NEW METHODS OF DESIGNING HOLOGRAPHIC OPTCALELEMENTS”, SPIE, Vol.126, pp.46−53(1977) 』に詳しいが、図31を使用して、以下に簡単に説明する。
【0038】
図31において、▲5▼はn≫1なる屈折系レンズ(超高屈折率レンズ:ultra−high index lens )、▲2▼は法線、zは光軸方向の座標、hは基板に沿う方向の座標とする。
上記の論文によれば、式(9)が成立する。
【0039】
(n−1)dz/dh=n・sin θ−n’・sin θ’ ・・・(9)
ただし、n:ultra−high index lens の屈折率(以下に説明する設計では、n=1001とした。)
z :ultra−high index lens の光軸方向の座標
h :ultra−high index lens の媒質に沿った座標
n :入射側媒質の屈折率
n’:射出側媒質の屈折率
θ :光線の入射角
θ’:光線の射出角
したがって、式(8)、(9)より、次の式(6)が成立する。
【0040】
(n−1)dz/dh=mλ/d ・・・(10)
すなわち、「n≫1なる屈折系レンズの面形状」と「DOEのピッチ」の間には、式(10)で表現される等価関係が成立するので、Sweatt modelにより設計した ultra−high index lens の面形状から、DOEのピッチ分布を求めることができる。
【0041】
具体的には、ultra−high index lens を式(11)で定義される非球面レンズとして設計したとすると、
Figure 0003559624
ただし、z :光軸でレンズに接する接平面からのずれ(サグ値)
c :曲率
h :光軸からの距離
k :円錐定数
A :4次非球面係数
B :6次非球面係数
C :8次非球面係数
D :10次非球面係数
ここで、説明を簡単にするために、ultra−high index lens の片面を平面にすると、式(10)、(11)より、
Figure 0003559624
が得られる。この式(12)で定義されるピッチ分布をもたせてやればよい。
【0042】
また、式(10)は任意の波長で成立する必要がある。
【0043】
∴n(λ)−1=Kλ ・・・(13)
ただし、K=m/〔d・dz/dh〕
今回は、n=1001としたので、K=1.7020。
【0044】
したがって、式(13)に従い、n=1118.0、n=930.39、n=828.37、n=742.78とすれば、DOEの分散特性を表現できる。
【0045】
なお、以下に示す実施例では、非球面項として10次までしか使用していないが、もちろん、12次、14次・・の非球面項を使用してもよい。
また、以下に示すDOEを用いる実施例では、DOEを1面しか使用していないが、2面以上使用してももちろんよい。
【0046】
次に、本発明の画像表示装置の実施例1〜6及び比較例について、それぞれ単眼用の画像表示装置の光学系の断面図である図1〜図7を参照にして説明する。これら画像表示装置は、全て図36の接眼光学系10を基本に用いているが、図33〜図35、図37〜図41の接眼光学系10を用いる場合も同様である。
【0047】
各実施例及び比較例の構成パラメータは後記するが、以下の説明において、面番号は、観察者の瞳位置7から画像表示素子9へ向う逆追跡の面番号として示してある。そして、座標の取り方は、図1に示すように、観察者の虹彩位置7を原点とし、観察者視軸8を原点から接眼光学系10に向かう方向を正とするZ軸、観察者視軸8に直交し、観察者眼球から見て上下方向の下から上を正とするY軸、観察者視軸8に直交し、観察者眼球からみて左右方向の右から左を正とするX軸と定義する。つまり、紙面内をYーZ面とし、紙面と垂直方向の面をX−Z面とする。また、光軸は紙面のY−Z面内で折り曲げられるものとする。
【0048】
そして、後記する構成パラメータ中において、偏心量Y,Zと傾き角θが記載されている面については、基準面である1面(瞳位置7)からのその面の面頂のY軸方向、Z軸方向の偏心量、及び、その面の中心軸のZ軸からの傾き角を意味し、その場合、θが正は反時計回りを意味する。なお、偏心量Y,Zと傾き角θの記載のない面は、その前の面と同軸であることを意味する。
【0049】
また、面間隔は、同軸系部分についてのみ示してあり、その面から次の面までの軸上間隔である。なお、面間隔は、光軸に沿って逆追跡の方向を正として示してある。
【0050】
また、各面において、非回転対称な非球面形状は、その面を規定する座標上で、R、RはそれぞれY−Z面(紙面)内の近軸曲率半径、X−Z面内での近軸曲率半径、K、KはそれぞれX−Z面、Y−Z面内の円錐係数、AR、BR、CR、DRはそれぞれZ軸に対して回転対称な4次、6次、8次、10次の非球面係数、AP、BP、CP、DPはそれぞれZ軸に対して回転非対称な4次、6次、8次、10次の非球面係数とすると、非球面式は以下に示す通りである。
【0051】
Figure 0003559624
なお、面と面の間の媒質の屈折率はd線の屈折率で表す。長さの単位はmmである。
【0052】
さて、以下に示す実施例は全て右眼用の画像表示装置であり、左眼用は構成す光学要素を全てY−Z面に対称に配備することで実現できる。
また、実際の装置においては、接眼光学系によって光軸が屈曲する方向は、観察者の上方あるいは下方、側方何れの方向にあってもよいことは言うまでもない。
【0053】
それぞれの断面図において、図中、7は観察者瞳位置、8は観察者視軸、1は接眼光学系の第1面、2は接眼光学系の第2面、3は接眼光学系の第3面、4は接眼光学系の第4面、9は画像表示素子、10は接眼光学系、11は偏心プリズム、12はDOE、13は屈折率分布レンズ(以下、GRIN)である。
【0054】
各実施例における実際の光線経路は、比較例を例にとると、画像表示素子9から発した光線束は、接眼光学系10の第1面1で屈折して接眼光学系10に入射し、第4面(第3面3が兼ねる)4で内部反射し、第2面4で反射されて、再び第3面3に入射して屈折されて、観察者の瞳の虹彩位置又は眼球の回旋中心を射出瞳7として観察者の眼球内に投影される。
【0055】
比較例
この比較例は、図7に断面を示すが、実施例1〜6の基本的な偏心プリズム11に関するものである。この接眼光学系10の水平画角45.4°、垂直画角34.4°、瞳経4mmである。後記する構成パラメータにおいて、2、3、4面はアナモフィック非球面であり、5面は平面である。
【0056】
この比較例の収差補正状態を示すスポットダイアグラムを図26〜図28に示す。これらの図において、スポットダイアグラムの左側の4つの数字の中、上段の2つの数字は、長方形の画面中央の座標(X,Y)を(0.00,0.00)、右端中央の座標を(0、00,−1.00)、右上隅の座標を(1.00,−1.00)、上端中央の座標を(1.00,0.00)のように表現した場合の相対座標(X,Y)を示し、下段の2つの数字は、視軸(画面中央)に対して上記座標(X,Y)方向がなす角度のX成分、Y成分(度表示)を示す。
【0057】
実施例1
本実施例は、図1に断面を示すが、水平画角45.4°、垂直画角34.4°、瞳経4mmである。この実施例は、比較例1の射出瞳7と偏心プリズム11の間に略ノンパワーのDOE12を配置した例である。後記する構成パラメータにおいて、5、6、7面はアナモフィック非球面であり、8面は平面である。
この実施例の収差補正状態を示す図26〜図28と同様なスポットダイアグラムを図8〜図10に示す。
【0058】
実施例2
本実施例は、図2に断面を示すが、水平画角45.4°、垂直画角34.4°、瞳経4mmである。この実施例は、比較例1の偏心プリズム11と画像表示素子9の間に略ノンパワーのDOE12を配置した例である。後記する構成パラメータにおいて、2、3、4面はアナモフィック非球面であり、5面は平面である。
この実施例の収差補正状態を示す図26〜図28と同様なスポットダイアグラムを図11〜図13に示す。
【0059】
実施例3
本実施例は、図3に断面を示すが、水平画角45.4°、垂直画角34.4°、瞳経4mmである。この実施例は、比較例1の偏心プリズム11と画像表示素子9の間に略ノンパワーで両面平面のGRIN13を配置した例である。後記する構成パラメータにおいて、2、3、4面はアナモフィック非球面であり、5面は平面である。
この実施例の収差補正状態を示す図26〜図28と同様なスポットダイアグラムを図14〜図16に示す。
【0060】
実施例4
本実施例は、図4に断面を示すが、水平画角45.4°、垂直画角34.4°、瞳経4mmである。この実施例は、比較例1の射出瞳7と偏心プリズム11の間に略ノンパワーで両面平面のGRIN13を配置した例である。後記する構成パラメータにおいて、4、5、6面はアナモフィック非球面であり、7面は平面である。
この実施例の収差補正状態を示す図26〜図28と同様なスポットダイアグラムを図17〜図19に示す。
【0061】
実施例5
本実施例は、図5に断面を示すが、水平画角45.4°、垂直画角34.4°、瞳経4mmである。この実施例は、比較例1の偏心プリズム11と画像表示素子9の間に略ノンパワーで画像表示素子9側に凹面を向けたメニスカス形状のGRIN13を配置した例である。後記する構成パラメータにおいて、2、3、4面はアナモフィック非球面であり、5面は平面である。
この実施例の収差補正状態を示す図26〜図28と同様なスポットダイアグラムを図20〜図22に示す。
【0062】
実施例6
本実施例は、図6に断面を示すが、水平画角45.4°、垂直画角34.4°、瞳経4mmである。この実施例は、比較例1の偏心プリズム11と画像表示素子9の間に略ノンパワーで画像表示素子9側に凸面を向けたメニスカス形状のGRIN13を配置した例である。後記する構成パラメータにおいて、2、3、4面はアナモフィック非球面であり、5面は平面である。
この実施例の収差補正状態を示す図26〜図28と同様なスポットダイアグラムを図23〜図25に示す。
【0063】
次に、上記実施例1〜6及び比較例の構成パラメータを示す。なお、GRINに13関しては、前記のN1d,N1F,N1Cも示してある。
【0064】
Figure 0003559624
Figure 0003559624
【0065】
Figure 0003559624
Figure 0003559624
【0066】
Figure 0003559624
Figure 0003559624
【0067】
Figure 0003559624
Figure 0003559624
【0068】
Figure 0003559624
Figure 0003559624
【0069】
Figure 0003559624
Figure 0003559624
【0070】
Figure 0003559624
Figure 0003559624
【0071】
さて、以上のような本発明の3面又は4面の光学面で構成され、その間が屈折率が1より大きい媒質で満たされた偏心プリズム単体に残留する色収差、像面湾曲等をDOE又はGRINを用いて補正した接眼光学系を2組使用することによって、片目を閉じて観察像を観察する必要がなくなる。両眼で観察できると、観察者にとって疲れない観察が可能となる。また、両眼に視差のある画像を提示することによって、立体像としての観察も可能となる。また、本発明の接眼光学系を2組使用し、観察者頭部に支持する支持機構を付けることによって、楽な姿勢で観察像を観察することが可能となる。
【0072】
上記のように、本発明による接眼光学系を用い、この光学系と画像表示素子からなる組を左右一対用意し、それらを眼輻距離だけ離して支持することにより、両眼で観察できる据え付け型又は頭部装着式画像表示装置のようなポータブル型の画像表示装置として構成することができる。このようなポータブル型の画像表示装置の1例の全体の構成を図32に示す。表示装置本体50には、上記のような接眼光学系が左右1対備えられ、それらに対応して像面に液晶表示素子からなる画像表示素子が配置されている。本体50に左右に連続して図示のような側頭フレーム51が設けられ、両側の側頭フレーム51は頭頂フレーム52でつながれており、また、両側の側頭フレーム51の中間には板バネ53を介してリアフレーム54が設けてあり、リアフレーム54を眼鏡のツルのように観察者の両耳の後部に当て、また、頭頂フレーム52を観察者の頭頂に載せることにより、表示装置本体50を観察者の眼前に保持できるようになっている。なお、頭頂フレーム52の内側には海綿体のような弾性体からなる頭頂パッド55が取り付けてあり、同様にリアフレーム54の内側にも同様なパッドが取り付けられており、この表示装置を頭部に装着したときに違和感を感じないようにしてある。
【0073】
また、リアフレーム54にはスピーカ56が付設されており、画像観察と共に立体音響を聞くことができるようになっている。このようにスピーカ56を有する表示装置本体50には、映像音声伝達コード57を介してボータブルビデオカセット等の再生装置58が接続されているので、観察者はこの再生装置58を図示のようにベルト箇所等の任意の位置に保持して、映像、音響を楽しむことができるようになっている。図示の59は再生装置58のスイッチ、ボリューム等の調節部である。なお、頭頂フレーム52の内部に、映像処理・音声処理回路等の電子部品を内蔵させてある。
【0074】
なお、コード57は先端をジャックにして、既存のビデオデッキ等に取り付け可能としてもよい。さらに、TV電波受信用チューナーに接続してTV観賞用としてもよいし、コンピュータに接続してコンピュータグラフィックスの映像や、コンピュータからのメッセージ映像等を受信するようにしてもよい。また、邪魔なコードを排斥するために、アンテナを接続して外部からの信号を電波によって受信するようにしてもよい。
【0075】
以上、本発明の画像表示装置をいくつかの実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0076】
以上の本発明の画像表示装置は、例えば次のように構成することができる。
【0077】
〔1〕 画像を表示する画像表示素子と前記画像表示素子に表示された画像を中間実像を結像することなく観察者の眼球に導く接眼光学系と、前記画像表示素子及び接眼光学系を観察者の頭部又は顔面に保持する保持手段とを有する画像表示装置において、
前記接眼光学系が、画像表示素子に対向して配置された第1面と、観察者視軸上に観察者瞳と対向して傾けて配置された第2面と、観察者視軸上に第2面と観察者瞳との間に配置された第3面とを有する光学部材を備えており、
前記第2面が反射面であり、前記画像表示素子から射出した光線が前記第1面を透過して前記光学部材の内部に入射し、前記第2面で反射されて前記第3面を透過して観察者の眼球に導かれ、かつ、
前記画像表示素子から観察者の瞳の間の何れかの位置に補正光学素子が配置され、前記光学部材の透過面で発生する収差と前記補正光学素子で発生する収差の符号が逆になっていることを特徴とする画像表示装置。
【0078】
〔2〕 前記光学部材の前記第1面、第2面、第3面に囲まれた領域が、屈折率が1を越える透明媒質によって満たされていることを特徴とする上記〔1〕記載の画像表示装置。
【0079】
〔3〕 前記画像表示素子から射出した光線が前記第1面を透過して前記光学部材に入射した光が前記第2面で反射する前に反射するように配置された第4面を備えていることを特徴とする上記〔2〕記載の画像表示装置。
【0080】
〔4〕 前記第4面は前記第3面と同一の面であることを特徴とする上記〔3〕記載の画像表示装置。
【0081】
〔5〕 前記第2面は裏面反射鏡であることを特徴とする上記〔4〕記載の画像表示装置。
【0082】
〔6〕 前記の4つの面の中、第1面の透過面と第4面の反射面が同一の面であることを特徴とする上記〔5〕記載の画像表示装置。
【0083】
〔7〕 前記の4つの面の中、第3面の透過面と第4面の反射面が同一の面であることを特徴とする上記〔5〕記載の画像表示装置。
【0084】
〔8〕 前記接眼光学系の同一の面に入射する光線が、一つの光路では臨界角を越えて入射して反射され、他の光路では臨界角以下の入射角で入射して透過するように配置されていることを特徴とする上記〔2〕から〔7〕の何れか1項記載の画像表示装置。
【0085】
〔9〕 前記補正光学素子が回折光学素子であることを特徴とする上記〔1〕から〔8〕の何れか1項記載の画像表示装置。
【0086】
〔10〕 前記補正光学素子が屈折率分布型レンズであることを特徴とする上記〔1〕から〔8〕の何れか1項記載の画像表示装置。
【0087】
〔11〕 前記回折光学素子を前記光学部材と観察者眼球の間に配置することを特徴とする上記〔9〕記載の画像表示装置。
【0088】
〔12〕 前記回折光学素子を前記光学部材と前記画像表示素子の間に配置することを特徴とする上記〔9〕記載の画像表示装置。
【0089】
〔13〕 前記回折光学素子の焦点距離をf(mm)とするとき、
−1<1/f<1 ・・・(a)
なる条件を満足することを特徴とする上記〔11〕又は〔12〕記載の画像表示装置。
【0090】
〔14〕 前記回折光学素子の焦点距離をf(mm)とするとき、
−0.1<1/f<0.1 ・・・(a’)
なる条件を満足することを特徴とする上記〔13〕記載の画像表示装置。
【0091】
〔15〕 前記回折光学素子の焦点距離をf(mm)とするとき、
0<1/f<0.01 ・・・(a”)
なる条件を満足することを特徴とする上記〔14〕記載の画像表示装置。
【0092】
〔16〕 前記屈折率分布型レンズを前記光学部材と観察者眼球の間に配置することを特徴とする上記〔10〕記載の画像表示装置。
【0093】
〔17〕 前記屈折率分布型レンズを前記光学部材と前記画像表示素子の間に配置することを特徴とする上記〔10〕記載の画像表示装置。
【0094】
〔18〕 前記屈折率分布型レンズの中心の屈折率をN0、周辺の屈折率をN1とするとき、
0.5<N0/N1<1.5 ・・・(b)
なる条件を満足することを特徴とする上記〔16〕又は〔17〕記載の画像表示装置。
【0095】
〔19〕 前記屈折率分布型レンズの中心の屈折率をN0、周辺の屈折率をN1とするとき、
0.8<N0/N1<1.2 ・・・(b’)
なる条件を満足することを特徴とする上記〔18〕記載の画像表示装置。
【0096】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の画像表示装置においては、3面又は4面の光学面で構成され、その間が屈折率が1より大きい媒質で満たされた偏心プリズム単体の透過面で発生する色収差、像面湾曲等を、画像表示素子から観察者の瞳の間の何れかの位置に補正光学素子を配置し、その補正光学素子に符号が逆の収差を発生させることによって補正するものであり、補正光学素子にはこれらの収差補正に有効なDOE、屈折率分布型レンズを用いることによって、画像表示素子の画素密度が上がっても、残存収差、特に色収差を十分に補正して、サイズがコンパクトで広画角で画面全体に明瞭な画像を表示可能な頭部又は顔面装着式画像表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の画像表示装置の光路を説明するための図である。
【図2】本発明の実施例2の画像表示装置の光路を説明するための図である。
【図3】本発明の実施例3の画像表示装置の光路を説明するための図である。
【図4】本発明の実施例4の画像表示装置の光路を説明するための図である。
【図5】本発明の実施例5の画像表示装置の光路を説明するための図である。
【図6】本発明の実施例6の画像表示装置の光路を説明するための図である。
【図7】比較例の画像表示装置の光路を説明するための図である。
【図8】実施例1の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの一部である。
【図9】実施例1の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの他の一部である。
【図10】実施例1の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの残りの部分である。
【図11】実施例2の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの一部である。
【図12】実施例2の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの他の一部である。
【図13】実施例2の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの残りの部分である。
【図14】実施例3の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの一部である。
【図15】実施例3の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの他の一部である。
【図16】実施例3の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの残りの部分である。
【図17】実施例4の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの一部である。
【図18】実施例4の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの他の一部である。
【図19】実施例4の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの残りの部分である。
【図20】実施例5の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの一部である。
【図21】実施例5の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの他の一部である。
【図22】実施例5の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの残りの部分である。
【図23】実施例6の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの一部である。
【図24】実施例6の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの他の一部である。
【図25】実施例6の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの残りの部分である。
【図26】比較例の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの一部である。
【図27】比較例の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの他の一部である。
【図28】比較例の収差補正状態を示すスポットダイアグラムの残りの部分である。
【図29】本発明で用いる回折光学素子を説明するための屈折の原理図である。
【図30】本発明で用いる回折光学素子を説明するための回折の原理図である。
【図31】超高屈折率レンズ(ultra−high index lens )の説明図である。
【図32】本発明による接眼光学系を組み込んだポータブル型の画像表示装置の1例の全体の構成を示す図である。
【図33】本出願人の1つの提案に係る画像表示装置の光路を説明するための図である。
【図34】本出願人の別の提案に係る画像表示装置の光路を説明するための図である。
【図35】本出願人の別の提案に係る画像表示装置の光路を説明するための図である。
【図36】本出願人の別の提案に係る画像表示装置の光路を説明するための図である。
【図37】本出願人の別の提案に係る画像表示装置の光路を説明するための図である。
【図38】本出願人の別の提案に係る画像表示装置の光路を説明するための図である。
【図39】本出願人の別の提案に係る画像表示装置の光路を説明するための図である。
【図40】本出願人の別の提案に係る画像表示装置の光路を説明するための図である。
【図41】本出願人の別の提案に係る画像表示装置の光路を説明するための図である。
【符号の説明】
1…第1面
2…第2面
3…第3面
4…第4面
5…第5面
6…第6面
7…観察者の瞳
8…観察者視軸
9…画像表示素子
10…接眼光学系
11…偏心プリズム
12…回折光学素子(DOE)
13…屈折率分布型レンズ(GRIN)
50…表示装置本体
51…側頭フレーム
52…頭頂フレーム
53…板バネ
54…リアフレーム
55…頭頂パッド
56…スピーカ
57…映像音声伝達コード
58…再生装置
59…スイッチ、ボリューム等の調節部

Claims (9)

  1. 画像を表示する画像表示素子と前記画像表示素子に表示された画像を観察者の眼球に導く接眼光学系とを有する画像表示装置において、
    前記接眼光学系が、画像表示素子に対向して配置された第1面と、観察者視軸上に観察者瞳と対向して傾けて配置された第2面と、観察者視軸上に第2面と観察者瞳との間に配置された第3面とを少なくとも含んだ光学部材を備えており、
    前記第2面が反射面であり、前記画像表示素子から射出した光線が前記第1面を透過して前記光学部材の内部に入射し、前記第2面で反射されて前記第3面を透過して観察者の眼球に導かれ、
    前記第1面と前記第2面と前記第3面とが、それぞれ独立した面にて構成され、
    前記第1面と前記第2面と前記第3面の少なくとも1面は、光束にパワーを与える曲面形状にて構成され、かつ、前記曲面は、偏心収差を補正する非回転対称な非球面形状にて構成され、
    さらに、前記画像表示素子と前記光学部材の間に平行平板に設けられた回折光学素子が配置され、前記光学部材の透過面で発生する収差と前記回折光学素子で発生する収差の符号が逆になっていることを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記光学部材の前記第1面、第2面、第3面に囲まれた領域が、屈折率が1を越える透明媒質によって満たされていることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  3. 前記画像表示素子から射出した光線が前記第1面を透過して前記光学部材に入射した光が前記第2面で反射する前に反射するように配置された第4面を備えていることを特徴とする請求項2記載の画像表示装置。
  4. 前記の4つの面の中、第3面の透過面と第4面の反射面が同一の面であることを特徴とする請求項3記載の画像表示装置。
  5. 前記第2面は裏面反射鏡であることを特徴とする請求項4記載の画像表示装置。
  6. 前記の4つの面の中、第1面の透過面と第4面の反射面が同一の面であることを特徴とする請求項3記載の画像表示装置。
  7. 前記の4つの面の中、第1面の透過面と第2面の反射面が同一の面であることを特徴とする請求項3記載の画像表示装置。
  8. 前記の4つの面の中、第4面は、第1面と第2面と第3面の各面と、それぞれ独立した面として配置されたことを特徴とする請求項3記載の画像表示装置。
  9. 前記接眼光学系の同一の面に入射する光線が、一つの光路では臨界角を越えて入射して反射され、他の光路では臨界角以下の入射角で入射して透過するように配置されていることを特徴とする請求項4、6、7の何れか1項記載の画像表示装置。
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