JPH1194095A - 磁性流体を利用した密封装置 - Google Patents

磁性流体を利用した密封装置

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JPH1194095A
JPH1194095A JP9276440A JP27644097A JPH1194095A JP H1194095 A JPH1194095 A JP H1194095A JP 9276440 A JP9276440 A JP 9276440A JP 27644097 A JP27644097 A JP 27644097A JP H1194095 A JPH1194095 A JP H1194095A
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JP
Japan
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annular
sealing device
magnetic fluid
magnetic
fixed ring
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Application number
JP9276440A
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English (en)
Inventor
Takumi Kimura
巧 木村
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Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Publication date
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Publication of JPH1194095A publication Critical patent/JPH1194095A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
    • F16J15/40Sealings between relatively-moving surfaces by means of fluid
    • F16J15/43Sealings between relatively-moving surfaces by means of fluid kept in sealing position by magnetic force

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性流体が保持されるステージ部へ伝達され
る熱の影響を削減し、磁性流体を安定して保持すること
により密封性能を向上可能とする磁性流体を利用した密
封装置を提供する。 【解決手段】 軸孔部3と回転軸2の間の環状隙間4
に、磁束が通過するステージ部STを配置し、このステ
ージ部STの構成を回転軸2に固定される固定環部9
a,9bと、この固定環部9a,9bから軸方向に延出
される環状対向面部9cと、回転軸2と環状対向面部9
cの間に形成される環状の断熱空間14からなるものと
し、さらに、断熱空間14と真空チャンバVC内部とを
連通する連通孔15を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性流体を利用し
た密封装置に関し、密封装置の温度変化による密封性へ
与える影響を低減可能とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、界面活性剤等の流体中に磁性
体の粒子を懸濁して存在させ、永久磁石や電磁石等の外
部磁場の磁力により、その粒子が磁気吸引されることで
流体の位置を保持し得る磁性流体の特性を利用した種々
の密封装置がある。
【0003】図4(a)は、このような磁性流体を利用
した一従来例としての密封装置100の断面構成を説明
する図であり、図4(b)は、図4(a)のD101部
の磁場の強さを説明する図、図5は、図4(a)のD1
01部の拡大図である。図4及び図5により密封装置1
00を説明する。
【0004】この密封装置100は、圧力差のある高圧
側H(この従来例においては大気側)及び低圧側L(こ
の従来例においては真空チャンバの容器内)の2領域間
にまたがる回転軸101及び回転軸101の軸受部10
3の間に備えられている。
【0005】軸受部103は、回転軸101の保持及び
密封を行う円筒部103aと、円筒部103aの一方の
端部に、内部空間を真空状態(低圧側L)とする容器1
02の開口端部102aにボルトにより取り付けられる
フランジ部103bを備えている。
【0006】また、軸受部103の円筒部103aと回
転軸101とはベアリングB1,B2により相対回転運
動に対する動的な保持が行われている。
【0007】そして密封性に関しては、軸受部103の
円筒部103a内側に備えられた環状の磁石104によ
り形成される磁気回路MCに介在させた磁性流体MLに
より行っている。
【0008】磁石104は軸方向に異極(N及びSと図
示される)が配されており、軸方向両側には磁石104
の磁極となる磁極部材105,106(以降の説明にお
いては、磁極部材105を代表させて行う)が備えられ
ている。
【0009】そして、磁極部材105に対向する部位に
複数本の周方向に連続する凹溝107a,107b,・
・・を形成したスリーブ107が、ベアリングB1,B
2に挟まれるように回転軸101の表面に一体的に嵌合
固定されている。なお、回転軸101とスリーブ107
は一体部品とすることも可能である。
【0010】従って、磁極部材105の内周面105a
と各凹溝の間の凸条部108a,108b,・・・の頂
面との各間隙領域(ステージ部ST(複数)と呼ぶ)に
は、磁束が集中して通過するような構成となっており、
各ステージ部STに磁性流体MLが保持され磁性流体シ
ール部MSを形成するようにしている。
【0011】そして、このように形成された磁性流体シ
ール部MSは、低圧側Lと高圧側Hとの間に複数の室1
09a,109b,・・・を形成し、各室の圧力が各ス
テージ部の耐圧範囲内で変化することにより、密封領域
の両側で圧力差がある場合においても効果的な密封性を
発揮し得るようになっている。例えば、全ステージ部で
の耐圧の総和が100KPa(1.0kgf /cm2 )以
上になれば、真空シールとして利用することができる。
【0012】尚、110a,110bはベアリングB
1,B2の間での磁石104及び磁極部材105,10
6の軸方向の位置を定めるスペーサリング、111は円
筒部103aの内側に備えられた各構成部材を封止固定
する固定環部材、112,113は円筒部103aの内
周面側と磁極部材105,106の外周面側との密封性
を維持するOリング、114,115はスリーブ107
の内周面側と回転軸101の外周面との密封性及びガタ
ツキやホールド性を維持するためのOリングである。
【0013】図4(b)は、密封装置100のD101
部の磁場の強さを説明する図である。この図は、図5に
示す磁極部材105と回転軸101の間のステージ部S
Tの軸方向の磁束の分布を磁場の強さとして模式的に表
わしたものである。
【0014】すなわち、磁石104により形成される磁
気回路MCの磁束は、磁性体である凸条部108a(複
数の凸条部全てが該当するが、代表して記載する)に磁
束が集中するので、磁束密度の大きい領域と小さい領域
とに分かれて存在する。従って、凸条部108aの頂面
の磁場の強さ120aはその両側の凹溝107a,10
7bにおける磁場の強さ121a,121bよりも強
く、その差分Δfが存在することになる。
【0015】また、磁性流体MLが凸条部108aに保
持される保持力の強さは、この磁場の強さの差分Δfに
より定められると共に、保持力の強さがそれぞれのステ
ージ部STの耐圧能力に比例することになる。
【0016】このような密封装置100を、例えば10
-7Pa程度の真空度を必要とする機器(例えばスパッタ
リングを行なう真空チャンバ等)の真空シールとして機
能させる場合には、低圧側Lと高圧側Hの圧力がそれぞ
れ約0及び約1.0kgf /cm2 となる。尚、真空度を
必要とする機器としては例えば10-1Pa程度のより低
い真空度を必要とする機器においても、低圧側Lの圧力
は約0kgf /cm2 とみなされることとなり、同様に適
用することが可能である。
【0017】従って、この使用形態においては、それぞ
れの磁極部材105,106における各凸条部108a
・・・の耐圧能力の総和が1.0kgf /cm2 以上とな
るように設計されている。
【0018】例えば、各ステージ部STの耐圧能力が
0.1kgf /cm2 の場合には、少なくとも10個のス
テージ部と、これらのステージ部STにより独立的に分
割される9個の室が必要であり、さらに安全係数を考慮
した場合にはステージ部STと室とを複数個追加して備
える構成となっている。
【0019】そして、この従来技術においては片側の磁
極部材(磁極部材105または106のいずれか一方)
だけでも真空シールとしての耐圧能力を発揮可能な構成
としている。
【0020】密封装置100の作動開始の際には、低圧
側Lの圧力を真空ポンプ等で序々に低下させることが行
われており、まず低圧側Lと室109aとの間で圧力差
が発生し始め、その圧力差が凸条部108aに対応する
ステージ部STに存在する磁性流体MLの耐圧能力以上
の差圧となるとブレーク(圧力均衡化現象)が発生し、
隣接する室109bへと低圧側Lの圧力が序々に高圧側
Hの室へと伝播されていく。
【0021】従って、低圧側Lが完全に真空となった状
態では磁極部材105の各室(109a・・・)の圧力
が段階的に変化して、容器102内と外部(大気側)の
約1.0kgf /cm2 の圧力差を維持しつつ低圧側Lを
密封することが可能となっている。
【0022】尚、高圧側Hの磁極部材106は、磁極部
材105の密封性能が低下した場合に、高圧側Hの大気
が直接容器102へと進入し、低圧側Lの真空度が低下
してしまうことを防止可能としている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】このような密封装置1
00では、密封流体MLが存在するステージ部STを形
成する構成として、軸101の外周に嵌合された中実剛
体のスリーブ107、もしくはスリーブ107部が一体
となった軸101により構成していた。
【0024】従って、ステージ部STは回転軸101の
温度が直接的に伝熱されることになり、磁性流体シール
部MSのクリアランスGの隙間寸法が熱膨張で変動する
ことにより(図5参照)、磁性流体シール部MS及びス
テージ部STにおいて磁束密度の変化や磁性流体MLの
保持容積の変化等を発生させたり、あるいは磁性流体M
Lの温度が上昇し易くなり劣化が促進する等、密封性や
耐久性の低下をまねく一つの要因となっている。
【0025】本発明は上記従来技術の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、回転軸
から磁性流体シール部及びステージ部へ伝達される熱の
影響を削減して磁性流体を安定して保持することにより
密封性能を向上可能とする磁性流体を利用した密封装置
を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、軸孔と該軸孔に挿通される軸との
間の環状隙間に、磁束が通過する環状対向面を有するス
テージ部を配置し、このステージ部の環状対向面の間に
磁性流体を保持することにより、前記環状隙間を密封す
る磁性流体を利用した密封装置において、前記ステージ
部は、前記軸孔部あるいは軸のいずれかの部材に固定さ
れる固定環部と、該固定環部から軸方向に延出される前
記環状対向面の一方と、前記固定環部が固定される部材
と前記一方の環状対向面との間に形成される環状の断熱
空間と、を備えることを特徴とする。
【0027】この構成により、環状対向面は固定環部を
介して保持されると共に、断熱空間により環状対向面と
軸孔部あるいは軸のいずれかの部材との直接的な接触が
おこなわれず、環状対向面への伝熱量を低減することが
可能となる。
【0028】前記軸孔は低圧力状態となる密封容器に設
けられ、この密封容器内部と前記断熱空間とを連通する
連通孔を備えることを特徴とする。
【0029】これにより、断熱空間内の圧力を低下(最
適には真空状態)することで、断熱空間自体の断熱効果
を高めることができ、環状対向面への伝熱量をさらに低
減することが可能となる。
【0030】また、前記断熱空間と外部とを連通する連
通孔を備えることも好適である。
【0031】これにより、断熱空間内の気体の温度変化
に伴う圧力変化により、環状対向面が膨張・収縮等変形
することを防止可能とする。
【0032】さらに、温度差のある前記固定環部と一方
の環状対向面の熱膨張による径方向の寸法変化の差分を
解消する弾性変形部を、前記一方の環状対向面と固定環
部の接続部に備えることも好適である。
【0033】これにより、安定した寸法の得られる環状
対向面に対し、固定される部材の熱が直接的に伝熱され
る固定環部は径方向の寸法変化が大きくなるが、弾性変
形部により両者の寸法変化の差分を解消させることが可
能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)以下に本発明を図示の第1の実施の形
態に基づいて説明する。図1は磁性流体を利用した密封
装置1の要部断面構成説明図である。
【0035】この密封装置1は、密封容器として内部を
真空状態にする真空チャンバVCの外部から内部に回転
動力を伝達する回転軸2の回転駆動力導入部VC1に備
えられている。
【0036】真空チャンバVCの運転時には、真空ポン
プ等により内部の真空引きを行うのでその内部圧力は低
下して低圧側L(真空状態)となり、真空チャンバVC
の外部の高圧側H(大気圧状態)との間に圧力差が発生
する。
【0037】従って、この実施の形態の密封装置1は、
その圧力差のある2領域間を隔て、低圧側Lの真空度を
保持しつつ、回転軸2により真空チャンバVC内部に回
転動力を導入するために、回転軸2と回転軸2が挿通さ
れる軸孔としての軸孔部3との間の環状隙間4に備えら
れている。
【0038】軸孔部3は、回転軸2の保持及び密封を行
う円筒部3aと、円筒部3aの一方の端部に、真空チャ
ンバVCの回転駆動力導入部VC1に取り付けられるフ
ランジ部3bを備えている。
【0039】密封装置1において、軸孔部3と回転軸2
とはベアリング5a,5bにより相対回転運動に対する
動的な保持が行われている。そして密封性に関しては、
軸孔部3の円筒部3a内側に備えられた磁力発生手段と
しての磁石6により形成される磁気回路MCに介在させ
た磁性流体MLにより行っている。
【0040】磁石6は軸方向に異極が配されており、軸
方向両側には磁石6に当接して磁極となる環状の磁極部
材7a,7bが備えられている。
【0041】そして、磁極部材7a,7bに対向する部
位に複数本の周方向に連続する凹溝(図5の107a,
107b・・・に相当)を形成したスリーブ9が、ベア
リング5a,5bに挟まれるように回転軸2の周壁面2
aに一体的に嵌合固定されている。
【0042】従って、磁極部材7aの内周面と各凹溝の
間の凸条部(図5の凸条部108a,108b,・・・
に相当)の頂面が接近した環状対向面となり、その各間
隙領域(ステージ部ST(複数)と呼ぶ)には、磁束が
集中して通過するような構成となっており、各ステージ
部STに磁性流体MLを保持して磁性流体シール部MS
を形成するようにしている。
【0043】そして、このように形成された磁性流体シ
ール部MSは、低圧側Lと高圧側Hとの間に複数の室
(図5の室109a,109b,・・・に相当)を形成
し、各室の圧力が各ステージ部STの耐圧範囲内で変化
することにより、密封領域の両側で圧力差がある場合に
おいても効果的な密封性を発揮し得るようになってい
る。例えば、全ステージ部での耐圧の総和が100KP
a(1.0kgf /cm2 )以上になれば、真空シールと
して利用することができる。
【0044】尚、10a,10bはベアリング5a,5
bの間で磁石6及び磁極部材7a,7bの軸方向の位置
を定めるスペーサリング、11は円筒部3aの内側に収
容された各構成部材を封止固定する固定環部材、12,
13は円筒部3aの内周面側と磁極部材7a,7bの外
周面側との密封性を維持するOリングである。
【0045】ところで、この実施の形態のステージ部S
Tを構成するスリーブ9は、次のような特徴的な構成を
備えている。スリーブ9は概略円筒状を呈しており、軸
方向両端部に回転軸2の周壁面2aに嵌合固定する固定
環部9a,9bと、これら固定環部9a,9bに挟持さ
れ、かつ軸方向に延出する環状対向面部9cを有してい
る。
【0046】環状対向面部9cの内周径寸法は、回転軸
2の外周径寸法よりも大きく設定されており、従って、
回転軸2の周壁面2aと環状対向面部9cの間には環状
の断熱空間14が形成されている。
【0047】尚、環状対向面部9cは、弾性変形部とし
てのくびれ部9d,9eを介して固定環部9a,9bに
接続し、また、低圧側Lのくびれ部9dには断熱空間1
4と真空チャンバVCの内部の低圧側Lを連通する連通
孔15が備えられている。
【0048】16,17はスリーブ9の固定環部9a,
9bの内周面側と回転軸2の周壁面2aとの密封性及び
ガタツキやホールド性を維持するためのOリングであ
る。
【0049】このような構成の密封装置1を真空チャン
バVCの回転駆動力導入部VC1に備えた場合には、磁
性流体シール部MSにより真空チャンバVC内部の圧力
(真空状態)を維持しながら、その内部に回転軸2の回
転駆動力を導入することができる。
【0050】ステージ部STを構成するスリーブ9の環
状対向面部9cは、断熱空間14により回転軸2の周壁
面2aとは直接接触しておらず、中実のスリーブと比較
して環状対向面部9cへの伝熱量は低減する。
【0051】従って、回転軸2側から環状対向面部9c
に熱が伝わることによる磁性流体シール部MSの隙間寸
法の変動や磁性流体MLの昇温に伴う劣化等を抑えるこ
とが可能となり、密封性や耐久性を安定させることがで
きる。
【0052】また、断熱空間14は真空チャンバVC内
部と連通孔15により接続されているので、真空チャン
バVC内部の圧力が低下すると共に断熱空間14の圧力
も低下して真空状態となるので、断熱空間14自体の断
熱効果を高めることができ、環状対向面9cへの伝熱量
をさらに低減させた状態で密封性や耐久性を安定させる
ことができる。
【0053】このように、スリーブ9の環状対向面部9
cへの伝熱量を少なくして温度上昇を抑えることが可能
となるが、一方、スリーブ9の環状固定部9a,9bに
対しては依然として回転軸2からの直接的な伝熱があ
り、環状対向面部9cと環状固定部9a,9bとの間
で、温度差による径方向の寸法変化の差分(回転軸2に
より加熱された場合には環状対向面部9cが大きくな
る)が発生する。
【0054】従って、環状対向面部9cは環状固定部9
a,9bから拡径方向に付勢されながら支持されること
になるが、くびれ部9d,9eを環状対向面部9cより
も弾性変形のし易い薄肉の脆弱部となるように設定する
ことにより、環状固定部9a,9bから環状対向面部9
cに加わる拡径方向の付勢力を吸収し、環状対向面部9
cの変形を抑えることができる。
【0055】尚、くびれ部9d,9eには弾性変形によ
る集中応力が加わることになるが、くびれ部の厚みや軸
方向長さを適宜に設定することにより、環状対向面部9
cの安定した保持と付勢力の吸収を両立させることが可
能である。
【0056】(実施の形態2)図2は、第2の実施の形
態の密封装置21の断面構成を示す図である。この実施
の形態の構成で第1の実施の形態の構成と同様の構成に
は同じ符号が付されている。
【0057】この密封装置21では、軸孔部3と回転軸
2の動的な保持はステージ部STを構成するスリーブ2
2を介してベアリング5a,5bにより行なわれてい
る。
【0058】スリーブ22の軸方向両端部には第1の実
施の形態と同様に環状固定部22a,22bが備えら
れ、この環状固定部22a,22bの外周表面にベアリ
ング5a,5bが嵌合している。
【0059】従って、密封装置21としてはスリーブ2
2を筒状の軸として予め備えた構成となり、装置稼働の
際にスリーブ22の内周に別体構成の回転軸2を嵌め込
み、固定リング22によりコレット部22dを締め付け
ることで回転軸2の固定を行なえるような構成としてい
る。
【0060】尚、断熱空間14及び連通孔15の構成は
第1の実施の形態と同様であり、真空チャンバVC内部
の圧力が低下すると共に断熱空間14の圧力も低下して
真空状態となるので、断熱空間14自体の断熱効果を高
めることができ、環状対向面部22cへの伝熱量を低減
させて密封装置21の密封性や耐久性を安定させること
ができる。
【0061】(実施の形態3)図3は、第3の実施の形
態の密封装置31の断面構成を示す図である。この実施
の形態の構成で第2の実施の形態の構成と同様の構成に
は同じ符号が付されている。
【0062】この密封装置31では、断熱空間14と外
部とを連通する連通孔32を高圧側Hと通じる位置に設
けている。従って、断熱空間14の温度変化に伴い内部
圧力が変化して環状対向面部22cが膨張・収縮するこ
とを防止して密封装置31の密封性を安定させる。
【0063】
【発明の効果】上記実施の形態により説明された本発明
の磁性流体を利用した密封装置によると、ステージ部を
構成する環状対向面への伝熱量を低減することができ、
環状対向面の熱による変形や磁性流体の温度上昇による
劣化を抑え、密封性や耐久性を向上させることができ
る。
【0064】低圧力状態となる密封容器内部と断熱空間
とを連通する連通孔を備えることにより、断熱空間内の
圧力を低下させて環状対向面への伝熱量をさらに低減す
ることが可能となり、密封性が向上する。
【0065】断熱空間と外部とを連通する連通孔を備え
ることにより、断熱空間内の気体の圧力変化による環状
対向面の変形が防止され密封性が向上する。
【0066】弾性変形部を環状対向面と固定環部の接続
部に備えることにより、固定環部と環状対向面との寸法
変化の差分を解消させて、環状対向面の安定した保持が
なされ、密封性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施の形態の密封装置の
断面構成説明図。
【図2】図2は本発明の第2の実施の形態の密封装置の
断面構成説明図。
【図3】図3は本発明の第3の実施の形態の密封装置の
断面構成説明図。
【図4】図4は従来の密封装置の断面構成説明図と磁場
の強さを説明する図。
【図5】図5は図4のD101部の拡大図。
【符号の説明】
1 密封装置 2 回転軸 2a 周壁面 3 軸孔部 3a 円筒部 3b フランジ部 4 環状隙間 5a,5b ベアリング 6 磁石(磁力発生手段) 7a,7b 磁極部材 9 スリーブ 9a,9b 固定環部 9c 環状対向面部 9d,9e くびれ部 10a,10b スペーサリング 11 固定環部材 12,13,16,17 Oリング 14 断熱空間 15 連通孔 H 高圧側 L 低圧側 MC 磁気回路 ML 磁性流体 MS 磁性流体シール部 ST ステージ部 VC 真空チャンバ(密封容器) VC1 回転駆動力導入部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸孔と該軸孔に挿通される軸との間の環
    状隙間に、磁束が通過する環状対向面を有するステージ
    部を配置し、このステージ部の環状対向面の間に磁性流
    体を保持することにより、前記環状隙間を密封する磁性
    流体を利用した密封装置において、 前記ステージ部は、 前記軸孔部あるいは軸のいずれかの部材に固定される固
    定環部と、 該固定環部から軸方向に延出される前記環状対向面の一
    方と、 前記固定環部が固定される部材と前記一方の環状対向面
    との間に形成される環状の断熱空間と、 を備えることを特徴とする磁性流体を利用した密封装
    置。
  2. 【請求項2】 前記軸孔は低圧力状態となる密封容器に
    設けられ、 この密封容器内部と前記断熱空間とを連通する連通孔を
    備えることを特徴とする請求項1に記載の磁性流体を利
    用した密封装置。
  3. 【請求項3】 前記断熱空間と外部とを連通する連通孔
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の磁性流体を
    利用した密封装置。
  4. 【請求項4】 温度差のある前記固定環部と一方の環状
    対向面の熱膨張による径方向の寸法変化の差分を解消す
    る弾性変形部を、前記一方の環状対向面と固定環部の接
    続部に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    か一項に記載の磁性流体を利用した密封装置。
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