JPH1193069A - 合成繊維処理剤及び合成繊維処理方法 - Google Patents

合成繊維処理剤及び合成繊維処理方法

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JPH1193069A
JPH1193069A JP26505997A JP26505997A JPH1193069A JP H1193069 A JPH1193069 A JP H1193069A JP 26505997 A JP26505997 A JP 26505997A JP 26505997 A JP26505997 A JP 26505997A JP H1193069 A JPH1193069 A JP H1193069A
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JP
Japan
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group
carbon atoms
synthetic fiber
formula
poly
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JP26505997A
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English (en)
Inventor
Toshio Yamamoto
壽男 山本
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Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Original Assignee
Takemoto Oil and Fat Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】合成繊維に優れた静電気防止性を付与でき、ス
カムやタール等による毛羽発生等の障害を生じない優れ
た合成繊維を得ることができる合成繊維処理剤及び合成
繊維処理方法を提供する。 【解決手段】静電気防止剤として特定の(ポリ)アルコ
キシアルキルチオアルキルカルボン酸塩を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合成繊維処理剤(以
下、単に処理剤という)及び合成繊維処理方法(以下、
単に処理方法という)に関する。合成繊維の製造乃至加
工では、該合成繊維に静電気防止性を付与し、或はまた
潤滑性を付与するため、静電気防止剤を含有する処理剤
を付着させる。かかる処理剤には、合成繊維の製造乃至
加工の高速化及び高温化が更に一層図られる近年におい
て、これらの過酷な条件に耐え得る高度の静電気防止性
が要求され、同時に脱落防止性及び耐熱性が要求され
る。一旦は合成繊維に付着させた処理剤が該合成繊維か
ら脱落し、或は更に熱劣化(タール化)すると、これら
に起因して、毛羽や糸切れが発生するからである。本発
明は上記のような要求に応える処理剤及び処理方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、処理剤としては、静電気防止剤と
してアニオン性界面活性剤を含有するものが広く使用さ
れている。具体的には例えば、1)アルキルサルフェー
ト塩を含有するもの(特開昭48ー22793)、2)
アルキルスルホネート塩を含有するもの(特開昭50ー
155795)、3)アルキルホスフェート塩を含有す
るもの(特開昭48ー19892)、4)脂肪族カルボ
ン酸塩を含有するもの(特開昭50ー4321)、5)
チオアルキル基を有するジカルボン酸塩を含有するもの
(特開昭56ー159365)、6)アルキルエーテル
カルボン酸塩を含有するもの(特開平2ー6661)等
がある。ところが、静電気防止剤として上記のようなア
ニオン性界面活性剤を含有するこれら従来の処理剤に
は、高温下、高速下或は低湿下における静電気防止性が
不充分であり、また静電気防止剤として使用される上記
のようなアニオン性界面活性剤とこれに通常併用される
潤滑剤との相溶性が悪いため、脱落防止性に劣り、更に
耐熱性も不充分という欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来の処理剤では、近年の過酷な製造乃至
加工条件にさらされる合成繊維に対し、静電気防止性、
脱落防止性及び耐熱性を同時に且つ充分に付与できない
点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
上記課題を解決するべく研究した結果、特定の(ポリ)
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩を静電気
防止剤として含有する処理剤が正しく好適であることを
見出した。
【0005】すなわち本発明は、下記の静電気防止剤を
含有して成ることを特徴とする処理剤に係る。 静電気防止剤:下記の式1又は式2で示される(ポリ)
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩から選ば
れる一つ又は二つ以上
【0006】
【式1】
【式2】
【0007】式1,式2において、 R1:水素原子、炭素数1〜40のアルキル基、炭素数
2〜40のアルケニル基、フェニル基又は炭素数1〜1
8のアルキル基で置換されたアルキルフェニル基 R2,R4,R5:炭素数3又は4のアルキレン基 X1,X2,X3:酸素原子又はイオウ原子 A1,A2,A3:炭素数2〜4のアルキレン基 M1,M2,M3:アルカリ金属、無機アンモニウム、有
機アンモニウム又は有機ホスホニウム p:1〜100の整数 q,r:1〜50の整数 d,e,f:1〜3の整数 R3:下記の式3、式4又は式5で示される有機基
【0008】
【式3】
【式4】
【式5】
【0009】式3,式4,式5において、 R6,R7:炭素数1〜40のアルキル基又は炭素数2〜
40のアルケニル基n:1〜12の整数
【0010】本発明において、静電気防止剤として用い
る(ポリ)アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸
塩には、1)式1で示される分子中に1個のカルボン酸
塩基を有する(ポリ)アルコキシアルキルチオアルキル
カルボン酸塩、2)式2で示される分子中に2個のカル
ボン酸塩基を有する(ポリ)アルコキシアルキルチオア
ルキルカルボン酸塩が包含される。
【0011】式1で示される(ポリ)アルコキシアルキ
ルチオアルキルカルボン酸塩は、(メタ)アリル基を片
末端に有する(ポリ)アルコキシレート化合物にメルカ
プトアルキルカルボン酸を付加反応させて(ポリ)アル
コキシアルキルチオアルキルカルボン酸とし、更に該
(ポリ)アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸を
塩基で中和して得られる。本発明は(メタ)アリル基を
片末端に有する(ポリ)アルコキシレート化合物の合成
方法を特に制限するものではなく、これには公知の合成
方法を適用できる。例えば、1価の活性水素含有化合物
に低級アルキレンオキサイドを逐次開環付加重合した
(ポリ)アルコキシレート化合物の末端水酸基を(メ
タ)アリルエーテル化する方法が挙げられる。
【0012】低級アルキレンオキサイドの逐次開環付加
重合に供する1価の活性水素含有化合物としては、1)
メタノール、ブタノール、オクタノール、ラウリルアル
コール、ステアリルアルコール等の炭素数1〜40の直
鎖飽和1級アルコール、2)イソブタノール、2−エチ
ルヘキサノール、イソドデシルアルコール、イソヘキサ
デシルアルコール、イソステアリルアルコール、イソテ
トラコサニルアルコール等の炭素数4〜40の側鎖飽和
1級アルコール、3)2−プロパノール、2−ヘキサノ
ール、12−エイコサノール等の炭素数3〜40の直鎖
飽和2級アルコール、4)ヘキサデセニルアルコール、
オレイルアルコール、エイコセニルアルコール等の炭素
数2〜40の直鎖不飽和1級アルコール、5)2−メチ
ル−2−プロピレン−1−オール、6−エチル−2−ウ
ンデセン−1−オール等の炭素数4〜40の側鎖不飽和
1級アルコール、6)2−オクテン−5−オール、15
−ヘキサデセン−2−オール等の炭素数4〜40の直鎖
不飽和2級アルコール、7)オクタンチオール、ドデカ
ンチオール、オクタデカンチオール等の炭素数1〜40
の直鎖飽和脂肪族チオール、8)2−エチルヘキサンチ
オール、イソドデカンチオール等の炭素数1〜40の側
鎖を有する飽和脂肪族チオール、9)フェノール、1
0)プロピルフェノール、オクチルフェノール、トリデ
シルフェノール等の炭素数1〜18のアルキル基で置換
されたアルキルフェノールが挙げられるが、なかでも炭
素数4〜24のアルキル基或は炭素数4〜24のアルケ
ニル基を有する1価の活性水素含有化合物が好ましい。
【0013】また前記した(ポリ)アルコキシレート化
合物の合成に供する低級アルキレンオキサイドとして
は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,
2−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド
等の炭素数2〜4のアルキレンオキサイドが挙げられ
る。これらの低級アルキレンオキサイドは単独で或は混
合で使用できるが、なかでもエチレンオキサイド単独或
はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの混合
が好ましい。前記した(ポリ)アルコキシレート化合物
において、1価の活性水素含有化合物への低級アルキレ
ンオキサイドの付加モル数は1〜100とするが、2〜
20とするのが好ましい。
【0014】本発明は前記した(ポリ)アルコキシレー
ト化合物の末端水酸基を(メタ)アリルエーテル化する
方法を特に制限するものではなく、これには公知の方法
が適用できる。例えば、(ポリ)アルコキシレート化合
物の金属錯塩に(メタ)アリルハライドを反応させる方
法が挙げられる。かかる(メタ)アリルハライドとして
は、アリルハライド、メタリルハライドが挙げられる。
【0015】本発明に供する式1で示される(ポリ)ア
ルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩は、前記し
た(メタ)アリル基を片末端に有する(ポリ)アルコキ
シレート化合物の(メタ)アリル基にメルカプトアルキ
ルカルボン酸を付加反応させて(ポリ)アルコキシアル
キルチオアルキルカルボン酸とし、更に塩基で中和して
得ることができる。本発明は(ポリ)アルコキシアルキ
ルチオアルキルカルボン酸の合成方法を特に制限するも
のではなく、これには公知の方法が適用できる。例え
ば、前記した(メタ)アリル基を片末端に有する(ポ
リ)アルコキシレート化合物とチオアルキルアルキルカ
ルボン酸とを過酸化物触媒の存在下に加熱して合成する
方法が挙げられる。かかるメルカプトアルキルカルボン
酸としては、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン
酸、メルカプト酪酸等の炭素数2〜4のメルカプトアル
キルカルボン酸が挙げられる。
【0016】前記した(ポリ)アルコキシアルキルチオ
アルキルカルボン酸の中和に供する塩基としては、1)
ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、2)アンモニ
ウム、テトラメチルアンモニウム、オクチルトリメチル
アンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム、オ
レイルジメチルベンジルアンモニウム、メチルトリヒド
ロキシエチルアンモニウム、メチルピリジニウム等の第
4級アンモニウム、トリブチルハイドロジェンアンモニ
ウム、オクチルジヒドロキシエチルハイドロジェンアン
モニウム、トリイソプロパノールハイドロジェンアンモ
ニウム、ブチルハイドロジェンモルホリニウム、ハイド
ロジェンピリジニウム等の有機ハイドロジェンアンモニ
ウムのような無機アンモニウム或は有機アンモニウム、
3)テトラブチルホスホニウム、トリブチルメチルホス
ホニウム、トリフェニルホスホニウム等の有機ホスホニ
ウムが挙げられる。なかでもナトリウム、カリウム等の
アルカリ金属、テトラブチルホスホニウム、トリブチル
メチルホスホニウム等の有機ホスホニウムが好ましい。
【0017】式2で示される(ポリ)アルコキシアルキ
ルチオアルキルカルボン酸塩は、前記した式1で示され
る(ポリ)アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸
塩の合成において、1価の活性水素含有化合物に代えて
2価の活性水素含有化合物を用いて、式1で示される
(ポリ)アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩
の合成と同様に得られるものである。
【0018】低級アルキレンオキサイドの逐次開環付加
重合に供する2価の活性水素含有化合物としては、1)
1,2−ジヒドロキシプロパン、1,2−ジヒドロキシ
ブタン、1,2−ジヒドロキシテトラデカン、1,2−
ジヒドロキシオクタデカン等の炭素数3〜42のアルキ
ル基を有する1,2−ジヒドロキシアルカン、2)1,
2−ジヒドロキシブテン、1,2−ジヒドロキシドデセ
ン等の炭素数4〜42のアルケニル基を有する1,2−
ジヒドロキシアルケン、3)1,2−ジヒドロキシプロ
ピルブチルエーテル、1,2−ジヒドロキシプロピルオ
クチルエーテル等の炭素数1〜40のアルキル基を有す
る1,2−ジヒドロキシプロピルアルキルエーテル、
4)1,2−ジヒドロキシプロピルブチニルエーテル、
1,2−ジヒドロキシプロピルオクテニルエーテル等の
炭素数2〜40のアルケニル基を有する1,2−ジヒド
ロキシプロピルアルケニルエーテル、5)エチレングリ
コール、1,3−プロピレングリコール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,12−
ドデカンジオール等の炭素数1〜12のアルカンジオー
ル、6)1,2−ジメルカプトプロパン、1,2−ジメ
ルカプトブタン、1,2−ジメルカプトドデカン等の炭
素数3〜42のアルキル基を有する1,2−ジメルカプ
トアルカン、7)1,2−ジメルカプトブテン、1,2
−ジメルカプトドデセン等の炭素数4〜42のアルケニ
ル基を有する1,2−ジメルカプトアルケン、8)1,
2−ジメルカプトプロピルブチルエーテル、1,2−ジ
メルカプトプロピルオクチルエーテル等の炭素数1〜4
0のアルキル基を有する1,2−ジメルカプトプロピル
アルキルエーテル、9)1,2−ジメルカプトプロピル
ブチニルエーテル、1,2−ジメルカプトプロピルオク
テニルエーテル等の炭素数2〜40のアルケニル基を有
する1,2−ジメルカプトプロピルアルケニルエーテ
ル、10)エタンジチオール、1,3−プロパンジチオ
ール、1,6−ヘキサンジチオール、1,5−ペンタン
ジチオール、1,12−ドデカンジチオール等の炭素数
2〜12のアルカンジチオールが挙げられる。なかでも
炭素数4〜24のアルキル基を有する1,2−ジヒドロ
キシアルカン、炭素数4〜24のアルケニル基を有する
1,2−ジヒドロキシアルケン、炭素数2〜22のアル
キル基を有する1,2−ジヒドロキシプロピルアルキル
エーテル、炭素数2〜22のアルケニル基を有する1,
2−ジヒドロキシプロピルアルケニルエーテルが好まし
い。
【0019】式2で示される(ポリ)アルコキシアルキ
ルチオアルキルカルボン酸塩の合成において、(ポリ)
アルコキシレート化合物の合成に供する低級アルキレン
オキサイドは前記した低級アルキレンオキサイドと同様
である。この場合、2価の活性水素含有化合物への低級
アルキレンオキサイド付加モル数は、活性水素1個当た
り1〜50とするが、2〜20とするのが好ましい。
【0020】式2で示される(ポリ)アルコキシアルキ
ルチオアルキルカルボン酸塩の合成において、(ポリ)
アルコキシレート化合物の末端水酸基を(メタ)アリル
エーテル化する方法は前記と同様である。
【0021】本発明に供する式2で示される(ポリ)ア
ルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩は、前記し
た(メタ)アリル基を末端に有する(ポリ)アルコキシ
レート化合物の(メタ)アリル基1モルにメルカプトア
ルキルカルボン酸1モルの割合で付加反応させて分子中
にメルカプトアルキルカルボン酸基を2個有する(ポ
リ)アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸とし、
更に塩基で中和して得ることができる。分子中にメルカ
プトアルキルカルボン酸基を2個有する(ポリ)アルコ
キシアルキルチオアルキルカルボン酸の合成は、前記の
(ポリ)アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸の
合成と同様である。また原料として用いるメルカプトア
ルキルカルボン酸も前記と同様である。更に分子中にチ
オアルキルアルキルカルボン酸基を2個有する(ポリ)
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸の中和に供
する塩基も前記と同様である。
【0022】本発明の処理剤は、以上説明した式1又は
式2で示される(ポリ)アルコキシアルキルチオアルキ
ルカルボン酸塩から選ばれる一つ又は二つ以上を静電気
防止剤として含有するものである。本発明は処理剤中に
おけるかかる静電気防止剤の含有割合を特に制限するも
のではないが、通常0.1〜30重量%の割合とし、好
ましくは0.2〜10重量%の割合とする。
【0023】本発明の処理剤は以上説明した式1で示さ
れる(ポリ)アルコキシアルキルチオアルキルカルボン
酸塩又は式2で示される(ポリ)アルコキシアルキルチ
オアルキルカルボン酸塩から選ばれる少なくとも一つを
静電気防止剤として含有するものであるが、更に潤滑剤
を所定の割合で含有することができる。かかる潤滑剤は
その種類を特に制限されず、公知のものが適用できる
が、なかでも鉱物油、脂肪族エステル、芳香族エステ
ル、(ポリ)エーテルエステル、シリコーンオイル及び
ポリエーテルから選ばれる単独物又は混合物であって、
その凝固点が40℃以下である単独物又は混合物が好ま
しい。
【0024】前記した鉱物油としては、各種の粘度を有
する鉱物油が使用できるが、なかでも30℃における粘
度が5×10-6〜125×10-62/sであって且つ
パラフィン成分比率が60重量%以上のものがより好ま
しい。かかる好ましい鉱物油としては流動パラフィンオ
イルが有利に使用できる。
【0025】前記した脂肪族エステルとしては、1)ブ
チルステアレート、オクチルステアレート、オレイルラ
ウレート、オレイルオレート、イソペンタコサニルイソ
ステアレート等の脂肪族1価アルコールと脂肪族モノカ
ルボン酸とのエステル、2)1,6−ヘキサンジオール
ジデカノエート、トリメチロールプロパンモノオレート
モノラウレート等の脂肪族多価アルコールと脂肪族モノ
カルボン酸とのエステル、3)ジラウリルアジペート、
ジオレイルアゼレート等の脂肪族1価アルコールと脂肪
族多価カルボン酸とのエステル等が挙げられ、また前記
した芳香族エステルとしては、1)ベンジルラウレート
等の芳香族アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエス
テル、2)ジイソステアリルイソフタレート、トリオク
チルトリメリテート等の脂肪族1価アルコールと芳香族
カルボン酸とのエステル等が挙げられるが、なかでも脂
肪族1価アルコールと脂肪族モノカルボン酸との総炭素
数15〜50の脂肪族エステル、脂肪族多価アルコール
と脂肪族モノカルボン酸との総炭素数15〜50の脂肪
族エステル、脂肪族1価アルコールと芳香族カルボン酸
との総炭素数15〜50の芳香族エステルが好ましい。
【0026】前記した(ポリ)エーテルエステルとして
は、前記したエステル化合物に該エステル化合物の分子
量以下の(ポリ)アルコキシアルキル基が挿入された構
造を有する(ポリ)エーテルエステル化合物が挙げられ
る。かかる(ポリ)アルコキシアルキル基としては、
(ポリ)オキシエチレン基、(ポリ)オキシプロピレン
基、(ポリ)オキシブチレン基及びこれらを混合したポ
リアルコキシアルキル基等が挙げられる。かかる(ポ
リ)エーテルエステル化合物を例示すると、1)ラウリ
ルオキシポリエトキシエチル(エチレンオキサイドの付
加モル数5モル、以下m=5という)イソステアレー
ト、1,4−ブタンジオールの水酸基1個当たりプロピ
レンオキサイドを3モル付加した化合物1モルとオレイ
ン酸2モルとから形成されるジエステル等の、炭素数4
〜26の脂肪族アルコールにエチレンオキサイドやプロ
ピレンオキサイドを1〜9モル付加反応して得られたエ
ーテル化物と炭素数4〜26の脂肪族カルボン酸とから
形成される1〜3個のエステル基を有する(ポリ)エー
テルエステル化合物、2)フェニルオキシポリアルコキ
シプロピル(m=2、プロピレンオキサイドの付加モル
数1モル、以下n=1という)ラウレート、ビスフェノ
ールの水酸基1個当たりプロピレンオキサイドを4モル
付加したジオールとオレイン酸とから形成されるジエス
テル等の、非置換芳香族アルコールやアルキル基又はフ
ェニル基等で置換された置換芳香族アルコールにエチレ
ンオキサイドやプロピレンオキサイドを1〜9モル付加
反応して得られるエーテル化物と炭素数4〜26の脂肪
族カルボン酸とから形成される1〜3個のエステル基を
有するエーテルエステル化合物、3)オクチルオキシポ
リアルコキシプロピル(m=3、n=2)トリメリテー
ト等の、炭素数4〜26の脂肪族アルコールにエチレン
オキサイドやプロピレンオキサイドを1〜9モル付加反
応して得られるエーテル化物と、非置換芳香族カルボン
酸やアルキル基又はフェニル基等で置換された置換芳香
族カルボン酸とから形成される1〜3個のエステル基を
有するエーテルエステル化合物等が挙げられる。
【0027】前記したシリコーンオイルとしては、線状
ジメチルシリコーン、環状ジメチルシリコーン及びそれ
らの種々の変性基を有するジメチルシリコーンが挙げら
れる。変性基の具体例としてはエチル基、フェニル基、
フロロプロピル基、アミノプロピル基、カルボキシオク
チル基、ポリオキシエチレンオキシプロピル基、ω−メ
トキシポリエトキシ・ポリプロポキシプロピル基等が挙
げられる。なかでもシリコーンオイルとして30℃にお
ける粘度が5×10〜1000×10-62/sである
線状ポリジメチルシロキサンが好ましい。
【0028】前記したポリエーテルとしては、ポリアル
コキシアルキルホモポリマーとポリアルコキシアルキル
コポリマーがある。かかるポリアルコキシアルキルホモ
ポリマーとしては、活性水素1個当たり炭素数が6〜3
0の活性水素含有化合物とエチレンオキサイド又はプロ
ピレンオキサイドとの付加重合反応で得られる平均分子
量150〜1000のものが好ましく、活性水素含有化
合物が、いずれも活性水素1個当たり炭素数が4〜24
である、アルコール類、有機アミン類、カルボン酸類で
あって、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド
の付加モル数が2〜10であるものがより好ましく、エ
チレンオキサイドの付加物が特に好ましい。またポリア
ルコキシアルキルコポリマーとしては、活性水素含有化
合物とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
1,2−ブチレンオキサイドから選ばれる2種以上のア
ルキレンオキサイドとの付加重合反応で得られる平均分
子量500〜20000のものが好ましく、活性水素含
有化合物が、いずれも活性水素1個当たり炭素数が1〜
26である、アルコール類、有機アミン類、カルボン酸
類であって、該活性水素含有化合物にエチレンオキサイ
ドとプロピレンオキサイドイドとが付加した平均分子量
700〜10000のものがより好ましい。以上説明し
たアルキレンオキサイド付加物の末端水酸基は、エステ
ル化、アルキルエーテル化、シリルエーテル化等の変性
したものも使用できる。
【0029】本発明では、潤滑剤として好ましくは前記
したような鉱物油、脂肪族エステル、芳香族エステル、
(ポリ)エーテルエステル、シリコーンオイル及びポリ
エーテルから選ばれる単独物又は混合物であって、その
凝固点が40℃以下である単独物又は混合物を用いる
が、かかる凝固点はJIS−K8004(試薬1級試験
法)に記載された方法で測定される値である。前記した
潤滑剤を混合物として用いる場合には、その凝固点が4
0℃以下となるように混合する潤滑剤の割合を適宜決定
することができる。
【0030】本発明は、以上説明した本発明に供する静
電気防止剤としての(ポリ)アルコキシアルキルチオア
ルキルカルボン酸塩と潤滑剤との含有割合を特に制限す
るものではないが、該静電気防止剤/該潤滑剤=30/
70〜0.1/99.9(重量比)の割合とするのが好
ましく、10/90〜0.2/99.8(重量比)の割
合とするのがより好ましい。
【0031】次に本発明の合成繊維処理方法について説
明する。本発明の処理剤を合成繊維に付着させる際の該
処理剤の形態としては、ニート、有機溶剤溶液又は水性
液等、公知の形態が適用でき、合成繊維に本発明の処理
剤を付着させる工程としては、紡糸工程、延伸工程、更
には延伸後の各工程等が挙げられる。好ましくは、本発
明の処理剤を5〜30重量%の水性液となし、該水性液
を2500〜7500m/分の速度で巻き取られる紡糸
工程において合成繊維に対し処理剤として0.1〜3重
量%の割合で付着させる。処理剤を合成繊維に付着させ
るには、ローラー給油法、計量ポンプを用いたガイド給
油法、浸漬給油法、スプレー給油法等、公知の給油方法
が適用できる。
【0032】本発明の処理剤を付着させた合成繊維は、
延伸工程、撚糸工程、仮撚工程、製経工程、製織工程、
製編工程等、必要な工程を経て加工されるが、本発明の
処理剤を100〜1500m/分の速度で仮撚加工に供
されるフィラメント糸条に適用した場合に本発明の効果
の発現が著しい。
【0033】本発明の合成繊維処理剤及び合成繊維処理
方法を適用する合成繊維としては、ポリエステル繊維、
ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、
ポリウレタン繊維等が挙げられるが、ポリエステル繊維
又はポリアミド繊維に適用する場合に本発明の効果の発
現が著しい。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明に係る処理剤の実施形態と
しては、次の1)〜39)が挙げられる。 1)式1において、R1がn−ブチル基、X1が酸素原
子、(A1O)pがプロポキシ単位の繰り返し数が2でエ
トキシ単位の繰り返し数が8から成るブロック状に付加
したポリアルコキシ基(A1がプロピレン基とエチレン
基から成り、pが10の場合)、R2がトリメチレン
基、dが2、M1がカリウムである場合の(ポリ)アル
コキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩を静電気防止
剤として含有する処理剤。
【0035】2)式1において、R1がn−オクチル
基、X1が酸素原子、(A1O)pがエトキシ単位の繰り返
し数が5であるポリアルコキシ基(A1がエチレン基、
pが5の場合)、R2がトリメチレン基、dが2、M1
カリウムである場合のポリアルコキシアルキルチオアル
キルカルボン酸塩を静電気防止剤として含有する処理
剤。
【0036】3)式1において、R1がオレイル基、X1
が酸素原子、(A1O)pがプロポキシ単位の繰り返し数
が2でエトキシ単位の繰り返し数が8から成るランダム
状に付加したポリアルコキシ基(A1がプロピレン基と
エチレン基から成り、pが10の場合)、R2がトリメ
チレン基、dが2、M1がテトラブチルホスホニウムで
ある場合のポリアルコキシアルキルチオアルキルカルボ
ン酸塩を静電気防止剤として含有する処理剤。
【0037】4)式1において、R1がエイコサニル
基、X1が酸素原子、(A1O)pがプロポキシ単位の繰り
返し数が4でエトキシ単位の繰り返し数が16から成る
ランダム状に付加したポリアルコキシ基(A1がプロピ
レン基とエチレン基から成り、pが20の場合)、R2
がトリメチレン基、dが2、M1がテトラブチルホスホ
ニウムである場合のポリアルコキシアルキルチオアルキ
ルカルボン酸塩を静電気防止剤として含有する処理剤。
【0038】5)式1において、R1がn−オクチル
基、X1がイオウ原子、(A1O)pがプロポキシ単位の繰
り返し数が2でエトキシ単位の繰り返し数が8から成る
ブロック状に付加したポリアルコキシ基(A1がエチレ
ン基とプロピレン基から成り、pが10の場合)、R2
がトリメチレン基、dが1、M1がオクチルトリメチル
アンモニウムである場合のポリアルコキシアルキルチオ
アルキルカルボン酸塩を静電気防止剤として含有する処
理剤。
【0039】6)式1において、R1がi−オクチル
基、X1が酸素原子、(A1O)pがエチルエトキシ単位の
繰り返し数が2でエトキシ単位の繰り返し数が8から成
るブロック状に付加したポリアルコキシ基(A1がエチ
ルエチレン基とエチレン基から成り、pが10の場
合)、R2がトリメチレン基、dが2、M1がオクチルト
リメチルアンモニウムである場合のポリアルコキシアル
キルチオアルキルカルボン酸塩を静電気防止剤として含
有する処理剤。
【0040】7)式1において、R1がノニルフェニル
基、X1が酸素原子、(A1O)pがプロポキシ単位の繰り
返し数が10であるポリアルコキシ基(A1がプロピレ
ン基であって、pが10の場合)、R2がトリメチレン
基、dが2、M1がナトリウムである場合のポリアルコ
キシアルキルチオアルキルカルボン酸塩を静電気防止剤
として含有する処理剤。
【0041】8)式1において、R1がエチル基、X1
酸素原子、(A1O)pがプロポキシ単位の繰り返し数が
5でエトキシ単位の繰り返し数が5から成るランダム状
に付加したポリアルコキシ基(A1がプロピレン基とエ
チレン基から成り、pが10の場合)、R2がトリメチ
レン基、dが2、M1がナトリウムである場合のポリア
ルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩を静電気防
止剤として含有する処理剤。
【0042】9)式1において、R1が水素、X1が酸素
原子、(A1O)pがエチルエトキシ単位の繰り返し数が
2であるポリアルコキシ基(A1がエチルエチレン基で
あって、pが2の場合)、R2がテトラメチレン基、d
が2、M1がトリイソプロパノールハイドロジェンアン
モニウムである場合のポリアルコキシアルキルチオアル
キルカルボン酸塩を静電気防止剤として含有する処理
剤。
【0043】10)式1において、R1がi−ドデシル
基、X1がイオウ原子、(A1O)pがエトキシ単位の繰り
返し数が70であるポリアルコキシ基(A1がエチレン
基であって、pが70の場合)、R2がテトラメチレン
基、dが2、M1がトリイソプロパノールハイドロジェ
ンアンモニウムである場合のポリアルコキシアルキルチ
オアルキルカルボン酸塩を静電気防止剤として含有する
処理剤
【0044】11)式2において、R3が1−ラウリル
エチル基、X2及びX3が酸素原子、(A2O)q及び(A3
O)rがプロポキシ単位の繰り返し数が2でエトキシ単位
の繰り返し数が4から成るランダム状に付加したポリア
ルコキシ基(A2及びA3がいずれもプロピレン基とエチ
レン基から成り、qとrが6の場合)、R4及びR5がト
リメチレン基、e及びfが2、M2及びM3がカリウムで
ある場合のポリアルコキシアルキルチオアルキルカルボ
ン酸塩を静電気防止剤として含有する処理剤。
【0045】12)式2において、R3がラウリルエチ
レン基(式3で示される有機基であって、1,2−ジヒ
ドロキシテトラデカンから水酸基を除いた残基)、X2
及びX3が酸素原子、(A2O)q及び(A3O)rがエトキ
シ単位の繰り返し数が4であるポリアルコキシ基(A2
及びA3がいずれもプロピレン基とエチレン基から成
り、qとrが4の場合)、R4及びR5がトリメチレン
基、e及びfが2、M2及びM3がカリウムである場合の
ポリアルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩を静
電気防止剤として含有する処理剤。
【0046】13)式2において、R3がラウリルオキ
シメチルエチレン基(式4で示される有機基であって、
1,2−ジヒドロキシプロピルラウリルエーテルから水
酸基を除いた残基)、X2及びX3が酸素原子、(A2O)
q及び(A3O)rがエトキシ単位の繰り返し数が4である
ポリアルコキシ基(A2及びA3がいずれもエチレン基か
ら成り、qとrが4の場合)、R4及びR5がトリメチレ
ン基、e及びfが2、M2及びM3がトリブチルメチルホ
スホニウムである場合のポリアルコキシアルキルチオア
ルキルカルボン酸塩を静電気防止剤として含有する処理
剤。
【0047】14)式2において、R3がエトキシメチ
ルエチレン基(式4で示される有機基であって、1,2
−ジヒドロキシプロピルエチルエーテルから水酸基を除
いた残基)、X2及びX3が酸素原子、(A2O)q及び
(A3O)rがエトキシ単位の繰り返し数が4であるポリ
アルコキシ基(A2及びA3がいずれもエチレン基から成
り、qとrが4の場合)、R4及びR5がトリメチレン
基、e及びfが2、M2及びM3がオクチルトリメチルア
ンモニウムである場合のポリアルコキシアルキルチオア
ルキルカルボン酸塩を静電気防止剤として含有する処理
剤。
【0048】15)式2において、R3がヘキサメチレ
ン基(式5で示される有機基であって、n=6の場合の
有機基)、X2及びX3がイオウ原子、(A2O)q及び
(A3O)rがプロポキシ単位の繰り返し数が5でエトキ
シ単位の繰り返し数が5から成るブロック状に付加した
ポリアルコキシ基(A2及びA3がいずれもプロピレン基
とエチレン基から成り、qとrが10の場合)、R4
びR5がトリメチレン基、e及びfが2、M2及びM3
トリイソプロパノールハイドロジェンアンモニウムであ
る場合のポリアルコキシアルキルチオアルキルカルボン
酸塩を静電気防止剤として含有する処理剤。
【0049】16)式2において、R3がテトラメチレ
ン基(式5で示される有機基であって、n=4の場合の
有機基)、X2及びX3がイオウ原子、(A2O)q及び
(A3O)rがエトキシ単位の繰り返し数が30であるポ
リアルコキシ基(A2及びA3がいずれもエチレン基から
成り、qとrが30の場合)、R4及びR5がテトラメチ
レン基、e及びfが2、M2及びM3がナトリウムである
場合のポリアルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸
塩を静電気防止剤として含有する処理剤。
【0050】17)粘度が30℃で50×10-62
sの流動パラフィン(以下、流動パラフィンAという)
/イソステアリルラウレート/ラウリルアルコールにエ
チレンオキサイドを8モル付加重合したポリエーテル
(以下、ポリエーテルPEという)=30/30/15
(重量比)の混合物であって、凝固点が40℃以下の混
合物である潤滑剤(L−1)を、前記1)のポリアルコ
キシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−1)/
潤滑剤(L−1)=25/75(重量比)の割合で含有
する処理剤。
【0051】18)流動パラフィンA/イソステアリル
ラウレート/ラウリルアルコールにエチレンオキサイド
を8モル付加重合したポリエーテル(以下、ポリエーテ
ルPEという)/POE(25モル)硬化ヒマシ油=3
0/35/15/10(重量比)の混合物であって、凝
固点が40℃以下の混合物である潤滑剤(L−2)を、
前記1)のポリアルコキシアルキルチオアルキルカルボ
ン酸塩(SM−1)/潤滑剤(L−2)=10/90
(重量比)の割合で含有する処理剤。
【0052】19)前記18)の処理剤において、ポリ
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−
1)を前記3)のポリアルコキシアルキルチオアルキル
カルボン酸塩(SM−3)に代えた以外は同じとした処
理剤。
【0053】20)前記18)の処理剤において、ポリ
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−
1)を前記4)のポリアルコキシアルキルチオアルキル
カルボン酸塩(SM−4)に代えた以外は同じとした処
理剤。
【0054】21)前記18)の処理剤において、ポリ
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−
1)を前記5)のポリアルコキシアルキルチオアルキル
カルボン酸塩(SM−5)に代えた以外は同じとした処
理剤。
【0055】22)前記18)の処理剤において、ポリ
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−
1)を前記7)のポリアルコキシアルキルチオアルキル
カルボン酸塩(SM−7)に代えた以外は同じとした処
理剤。
【0056】23)前記18)と同じ潤滑剤(L−2)
を、前記10)のポリアルコキシアルキルチオアルキル
カルボン酸塩(SM−10)/潤滑剤(L−2)=5/
95(重量比)の割合で含有する処理剤。
【0057】24)前記18)の処理剤において、ポリ
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−
1)を前記12)のポリアルコキシアルキルチオアルキ
ルカルボン酸塩(SD−2)に代えた以外は同じとした
処理剤。
【0058】25)前記18)の処理剤において、ポリ
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−
1)を前記13)のポリアルコキシアルキルチオアルキ
ルカルボン酸塩(SD−3)に代えた以外は同じとした
処理剤。
【0059】26)前記18)の処理剤において、ポリ
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−
1)を前記14)のポリアルコキシアルキルチオアルキ
ルカルボン酸塩(SD−4)に代えた以外は同じとした
処理剤。
【0060】27)前記23)の処理剤において、ポリ
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−
10)を前記16)のポリアルコキシアルキルチオアル
キルカルボン酸塩(SD−6)に代えた以外は同じとし
た処理剤。
【0061】28)流動パラフィンA/イソステアリル
ラウレート/ブタノールにプロピレンオキサイドとエチ
レンオキサイドとを順次等モルでブロック付加重合した
平均分子量1000のポリエーテル(以下、ポリエーテ
ルBEという)/ポリエーテルPE/POE(25モ
ル)硬化ヒマシ油=30/10/25/10.5/10
(重量比)の混合物であって、凝固点が40℃以下の混
合物である潤滑剤(L−3)を、前記1)のポリアルコ
キシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−1)/
潤滑剤(L−3)=10/90(重量比)の割合で含有
する処理剤。
【0062】29)イソステアリルラウレート/ポリエ
ーテルBE/オレイルアルコールにプロピレンオキサイ
ドとエチレンオキサイドとを等モルでランダム付加重合
した平均分子量9000のポリエーテル(以下、ポリエ
ーテルOEという)/ポリエーテルPE=10/50/
27/10(重量比)の混合物であって、凝固点が40
℃以下の混合物である潤滑剤(L−4)を、前記1)の
ポリアルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(S
M−1)/潤滑剤(L−4)=3/97(重量比)の割
合で含有する処理剤。
【0063】30)ラウリルアルコール(EO6モル)
イソステアレート/粘度が30℃で7×10-62/s
のジメチルシリコーンオイル/ポリエーテルBE/ポリ
エーテルOE/ラウリルアルコールにエチレンオキサイ
ドを8モル付加重合したポリエーテル=20/5/26
/25/20(重量比)の混合物であって、凝固点が4
0℃以下の混合物である潤滑剤(L−6)を、前記1)
のポリアルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩
(SM−1)/潤滑剤(L−6)=4/96(重量比)
の割合で含有する処理剤。
【0064】31)ラウリルアルコール(EO6モル)
イソステアレート/ポリエーテルBE/ポリエーテルO
E/ポリエーテルPE=20/35/35/8(重量
比)の混合物であって、凝固点が40℃以下の混合物で
ある潤滑剤(L−7)を、前記2)のポリアルコキシア
ルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−2)/潤滑剤
(L−7)=2/98(重量比)の割合で含有する処理
剤。
【0065】32)前記31)の処理剤において、ポリ
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−
2)を前記6)のポリアルコキシアルキルチオアルキル
カルボン酸塩(SM−6)に代えた以外は同じとした処
理剤。
【0066】33)前記31)の処理剤において、ポリ
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−
2)を前記8)のポリアルコキシアルキルチオアルキル
カルボン酸塩(SM−8)に代えた以外は同じとした処
理剤。
【0067】34)ラウリルアルコール(EO6モル)
イソステアレート/ポリエーテルBE/ポリエーテルO
E/ポリエーテルPE=20/35/35/7(重量
比)の混合物であって、凝固点が40℃以下の混合物で
ある潤滑剤(L−8)を、前記1)のポリアルコキシア
ルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−1)/潤滑剤
(L−8)=2/98(重量比)の割合で含有する処理
剤。
【0068】35)前記31)の処理剤において、ポリ
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−
2)を前記11)のポリアルコキシアルキルチオアルキ
ルカルボン酸塩(SD−1)に代えた以外は同じとした
処理剤。
【0069】36)前記31)の処理剤において、ポリ
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−
2)を前記12)のポリアルコキシアルキルチオアルキ
ルカルボン酸塩(SD−2)に代えた以外は同じとした
処理剤。
【0070】37)前記31)の処理剤において、ポリ
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−
2)を前記13)のポリアルコキシアルキルチオアルキ
ルカルボン酸塩(SD−3)に代えた以外は同じとした
処理剤。
【0071】38)前記31)の処理剤において、ポリ
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−
2)を前記15)のポリアルコキシアルキルチオアルキ
ルカルボン酸塩(SD−5)に代えた以外は同じとした
処理剤。
【0072】39)ポリエーテルBE/ポリエーテルO
E=50/49.5(重量比)の混合物であって、凝固
点が40℃以下の混合物である潤滑剤(L−9)を、前
記1)のポリアルコキシアルキルチオアルキルカルボン
酸塩(SM−1)/潤滑剤(L−9)=0.5/99.
5(重量比)の割合で含有する処理剤。
【0073】また本発明に係る合成繊維処理方法として
は、次の40)、41)が挙げられる。 40)前記1)〜13)の処理剤を20重量%の水性液
となし、該水性液を、紡糸されそして5000m/分の
速度で捲き取られるまでの紡糸工程にてポリアミド繊維
に対し処理剤として0.1〜3重量%となるように付着
させる方法。
【0074】41)前記14)〜39)の処理剤を15
重量%の水性液となし、該水性液を、紡糸されそして3
400m/分の速度で捲き取られるまでの紡糸工程にて
ポリエステル繊維に対し処理剤として0.1〜3重量%
となるように付着させる方法。
【0075】以下、本発明の構成及び効果をより具体的
に示すために実施例を挙げるが、本発明がこれらの実施
例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例
等において、部は重量部を、また%は重量%を意味す
る。
【0076】
【実施例】
試験区分1{(ポリ)アルコキシアルキルチオアルキル
カルボン酸塩の合成} ・ポリアルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩
(SM−1)の合成 温度計、撹拌機、滴下ロート、コンデンサーを設置した
四つ口フラスコに、オクチルオキシポリアルコキシエチ
ルアリルエーテル(ポリアルコキシエチル基がプロピレ
ンオキサイド2モルとエチレンオキサイド8モルとをブ
ロック状に付加してなるもの)5820g(10モル)
を秤量した。内容物を撹拌しながら加温し、内温が80
℃に達した時点で、ラウロイルパーオキサイド2gを予
め混合した3−メルカプトプロピオン酸1060g(1
0モル)を、滴下ロートを用いて100分かけて滴下し
た。次いで、100℃まで加温し、同温度で12時間撹
拌を続けて反応を終了し、淡黄色液体の反応物を得た。
得られた反応物を高速液体クロマトグラフ及び赤外線吸
収スペクトルで分析したところ、純度97.5%のポリ
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸であった。
次に水浴に設置して冷却したフラスコに20%KOH1
900gを入れ、撹拌しながらこの中に上記で得たポリ
アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸5000g
を徐々に滴下して中和し、目的とするポリアルコキシア
ルキルチオアルキルカルボン酸塩(SM−1)を得た。
【0077】・ポリアルコキシアルキルチオアルキルカ
ルボン酸塩(SM−2)〜(SM−10)の合成 ポリアルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(S
M−1)と同様にして、ポリアルコキシアルキルチオア
ルキルカルボン酸塩(SM−2)〜(SM−10)を合
成した。内容を表1にまとめて示した。
【0078】
【表1】
【0079】表1において、 TBP:テトラブチルホスホニウム OA−4:オクチルトリメチルアンモニウム TIPA:トリイソプロパノールハイドロジェンアンモ
ニウム
【0080】・ポリアルコキシアルキルチオアルキルカ
ルボン酸塩(SD−1)の合成 温度計、撹拌機、滴下ロート、コンデンサーを設置した
四つ口フラスコに、1,2−ジ(オキシポリアルコキシ
アルキルアリルエーテル)テトラデカン(ポリアルコキ
シアルキル基がプロピレンオキサイド2モルとエチレン
オキサイド4モルとをランダム状に付加してなるもの)
8940g(10モル)を秤量した。内容物を撹拌しな
がら加温し、内温が90℃に達した時点で、ラウロイル
パーオキサイド20gを予め混合した3−メルカプトプ
ロピオン酸2120g(20モル)を、滴下ロートを用
いて100分かけて滴下した。次いで、100℃まで加
温し、同温度にて12時間撹拌を続けて反応を終了し、
淡黄色液体の反応物を得た。得られた反応物を高速液体
クロマトグラフ及び赤外線吸収スペクトルで分析したと
ころ、純度96.2%のポリアルコキシアルキルチオア
ルキルカルボン酸であった。次に水浴に設置して冷却し
たフラスコに20%KOH2340gを入れ、撹拌しな
がらこの中に上記で得たポリアルコキシアルキルチオア
ルキルカルボン酸5000gを徐々に滴下して中和し、
目的とするポリアルコキシアルキルチオアルキルカルボ
ン酸塩(SD−1)を得た。
【0081】・ポリアルコキシアルキルチオアルキルカ
ルボン酸塩(SD−2)〜(SD−6)の合成 ポリアルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩(S
D−1)と同様にして、ポリアルコキシアルキルチオア
ルキルカルボン酸塩(SD−2)〜(SD−6)を合成
した。内容を表2にまとめて示した。
【0082】
【表2】
【0083】表2において、OA−4,TIPA:表1
と同じ TBMP:トリブチルメチルホスホニウム B−1:式3で示される有機基 B−2:式4で示される有機基 B−3:式5で示される有機基
【0084】試験区分2(処理剤の調製) ・処理剤(T−1)の調製 撹拌機を設置した20リットルの容器に、粘度が30℃
で50×10-62/sの流動パラフィン3000g、
イソステアリルラウレート3000g及びポリエーテル
PE1500gを投入し、撹拌溶解して潤滑剤(L−
1)を得た。次いで濃度76%のポリアルコキシアルキ
ルチオアルキルカルボン酸塩(SM−1)水溶液329
0gを加えて撹拌・混合して処理剤(T−1)を調製し
た。
【0085】・処理剤(T−2)〜(T−27),(t
−1)〜(t−11)の調製 処理剤(T−1)の調製と同様にして、処理剤(T−
2)〜(T−27)、(t−1)〜(t−11)を調製
した。内容を表3及び表4にまとめて示した。
【0086】試験区分3(ポリアミドフィラメントへの
処理剤の付着とその測定及び評価) ・ポリアミドフィラメントへの処理剤の付着 硫酸相対粘度ηr2.4、酸化チタン含有量0.3重量
%のナイロン−6,6チップを常法により乾燥した後、
エクストルーダー型紡糸機により290℃にて溶融紡糸
した。紡糸口金から吐出して冷却固化した後の走行糸条
に表3に示した処理剤の20%水性エマルションをガイ
ド給油法にて付着させ、40℃に加熱した4200m/
分の速度で回転する第1ゴデーローラーで引き取り、1
85℃に加熱した第2ゴデーローラーに至る間で1.2
倍に延伸し、第2ゴデーローラーとワインダーとの間に
設置したエア交絡ノズルにて2.5kg/cm2の圧空によ
り交絡処理を施し、5300m/分の速度で捲き取り、
処理剤付着量が0.1〜3%の範囲にはいる30デニー
ル10フィラメントの処理済みポリアミド直接紡糸延伸
糸を5kg捲きケークとして得た。
【0087】・処理剤の付着量の測定 JIS−L1073(合成繊維フィラメント糸試験方
法)に準拠し、抽出溶剤としてノルマルヘキサンを用い
て、前記の処理済みポリアミド直接紡糸延伸糸の処理剤
付着量を測定した。結果を表3にまとめて示した。
【0088】・静電気防止性の評価 上記で得た処理済みポリアミド直接紡糸延伸糸のケーク
から糸を巻き返し、糸量200gのチーズを得た。この
チーズを20℃、相対湿度40%の雰囲気下に3日間調
湿し、下記の条件で発生電気の測定と評価、靜電反発の
測定と評価を行い、結果を表3にまとめて示した。
【0089】発生電気の測定及び評価と靜電反発の測定
及び評価:20℃、相対湿度40%の雰囲気下、チーズ
20本をクリールスタンドに設置して糸を解舒し、ワッ
シャーテンサーを通した後、入角度及び出角度共に10
度になるように調製した直径2cmで長さ5cmの3本のア
ルミナピンに接触走行させ、200m/分の速度で捲き
取った。この時、走行する20本のフィラメントから成
るシートの帯電圧(発生電気)を、3番目のアルミナピ
ンを出て20cmの位置にて、集電式電位測定器により測
定した。測定値を下記の基準により判定した。また、走
行を停止した後のフィラメント同士の靜電反発によるシ
ート幅の広がりを計測し、下記の基準により判定した。
【0090】発生電気の基準 ◎:発生電気が0.5kV未満であって、制電性が優れて
いる。 ○:発生電気が0.5kV以上〜1kV未満であって、制電
性が良好である。 △:発生電気が1kV以上〜2kV未満であって、制電性が
やや不良である。 ×:発生電気が2kV以上であって、制電性は不良であ
る。
【0091】靜電反発の基準 ○:靜電反発が見られず、シート幅の広がりが0.5cm
未満で、良好である。 △:靜電反発により、シート幅が0.5cm〜2cm広がっ
て、やや問題である。 ×:靜電反発により、シート幅が2cmを越えて広がり、
問題である。
【0092】・紡糸工程における発生スカムの測定及び
評価と発生タールの評価 前記したポリアミドフィラメントへの処理剤の付着と同
条件で紡糸機を連続運転した時の、発生スカムを測定
し、また発生タールを観察して、それぞれ次の基準によ
り評価した。結果を表3にまとめて示した。
【0093】・発生スカムの測定と評価:紡糸機を2日
間連続運転後の、エア交絡ノズル部に発生したスカムを
採取し、そのまま精秤した。測定は4コップにて実施
し、4コップの平均値を下記の基準で評価した。 ◎:発生スカムが10mg未満であって、優れている。 ○:発生スカムの10mg以上〜50mg未満であって、良
好である。 △:発生スカムが50mg以上〜200mg未満であって、
やや問題である。 ×:発生スカムが200mg以上であって、問題である。
【0094】・発生タールの評価:紡糸機を2日間連続
運転後の、第2ゴデーローラー表面を拡大鏡により観察
し、発生したタールの程度を次の基準で評価した。 ○:タールの発生が見られず、優れている。 △:微量のタール発生が認められ、やや問題である。 ×:2mm2以上にわたりタール化物が見られ、問題であ
る。
【0095】
【表3】
【0096】表3において、 使用量:部 付着量:合成繊維に対する処理剤の付着量(%) L−1:粘度が30℃で50×10-62/sの流動パ
ラフィン(流動パラフィンA)/イソステアリルラウレ
ート/ラウリルアルコールにエチレンオキサイドを8モ
ル付加重合したポリエーテル(ポリエーテルPE)=3
0/30/15(重量比)の混合物であって、凝固点が
40℃以下の混合物 L−2:流動パラフィンA/イソステアリルラウレート
/ポリエーテルPE/POE(25モル)硬化ヒマシ油
=30/35/15/10(重量比)の混合物であっ
て、凝固点が40℃以下の混合物 L−3:流動パラフィンA/イソステアリルラウレート
/ブタノールにプロピレンオキサイドとエチレンオキサ
イドとを順次等モルでブロック付加重合した平均分子量
1000のポリエーテル(ポリエーテルBE)/ポリエ
ーテルPE/POE(25モル)硬化ヒマシ油=30/
10/25/10.5/10(重量比)の混合物であっ
て、凝固点が40℃以下の混合物 L−4:イソステアリルラウレート/ポリエーテルBE
/オレイルアルコールにプロピレンオキサイドとエチレ
ンオキサイドとを等モルでランダム付加重合した平均分
子量9000のポリエーテル(ポリエーテルOE)/ポ
リエーテルPE=10/50/27/10(重量比)の
混合物であって、凝固点が40℃以下の混合物 L−5:流動パラフィンA/イソステアリルラウレート
/ポリエーテルPE/POE(25モル)硬化ヒマシ油
=30/35/10/10(重量比)の混合物であっ
て、凝固点が40℃以下の混合物 r−1:ラウリルスルホネートNa塩/オレイン酸K塩
=2/3(重量比)の混合物 r−2:ラウリルスルホネートNa塩/オレイン酸K塩
=10/5(重量比)の混合物 r−3:ラウリルスルホネートNa塩 r−4:オレイン酸K塩 r−5:ラウリルチオコハク酸ジカリウム塩 r−6:R−O−D−CH2COONaで示される化合
物であり、DがPO/EO=2モル/8モルのブロック
型のポリアルコキシル基であって、Rがn−オクチル基
であるエーテルカルボン酸塩 r−7:ポリオキシエチレン(5モル)ラウリルエーテ
ルジプロピルアミンオキサイド
【0097】試験区分4(ポリエステルフィラメントへ
の処理剤の付着とその測定及び評価) ・ポリエステルフィラメントへの処理剤の付着 固有粘度0.64、酸化チタン含有量0.6重量%のポ
リエチレンテレフタレートチップを常法により乾燥した
後、エクストルーダー型紡糸機を用いて295℃にて溶
融紡糸した。紡糸口金から吐出し、冷却固化した後の走
行糸条に、表4に示した処理剤の15%水性エマルショ
ンをローラー給油法にて付着させ、機械的な延伸を伴う
ことなく3400m/分の速度で捲き取り、処理剤付着
量が0.1〜3%の範囲にはいる75デニール36フィ
ラメントの処理済みポリエステルフィラメント部分延伸
糸を10kg捲きケークとして得た。
【0098】・処理剤の付着量の測定 JIS−L1073(合成繊維フィラメント糸試験方
法)に準拠し、抽出溶剤としてエチルエーテルを用い
て、前記の処理済みポリエステルフィラメント部分延伸
糸の処理剤付着量を測定した。結果を表4にまとめて示
した。
【0099】・コンタクトヒーター仮撚機による仮撚加
工及び評価 上記で得たポリエステルフィラメント部分延伸糸をコン
タクトヒーター仮撚機を用いて、下記の条件で仮撚加工
を行い、発生電気、発生スカム、発生タール、毛羽を測
定し、それぞれの基準により評価した。結果を表4にま
とめて示した。
【0100】・コンタクトヒーター仮撚機による仮撚加
工条件 コンタクトヒーター仮撚機(アーネストスクラッグアン
ドサンズ社製)を使用して、加工速度=650m/分、
延伸倍率=1.518、施撚方式=3軸ディスク外接式
摩擦方式、加撚側ヒーター=長さ2.5mで表面温度2
05℃、解撚側ヒーター=無し、目標撚り数=3300
T/mの条件で10日間連続運転による仮撚加工をし
た。
【0101】・静電気防止性の評価 前記した仮撚加工において、施撚装置を通過した後の走
行糸条の帯電圧(発生電気)を、集電式電位測定器によ
り測定し、下記の基準で評価した。
【0102】発生電気の基準: ◎:発生電気が0.5kV未満であって、制電性が優れて
いる。 ○:発生電気が0.5kV以上〜1kV未満であって、制電
性が良好である。 △:発生電気が1kV以上〜2kV未満であって、制電性が
やや不良である。 ×:発生電気が2kV以上であって、制電性は不良であ
る。
【0103】・発生スカムの測定と評価:前記した仮撚
加工において、10日間連続運転した後、加撚側ヒータ
ー通過後のクーリングプレート表面に発生したスカムを
採取し、そのまま秤量した。測定は6錘にて実施し、6
錘の平均値を下記の基準で評価した。 ◎:発生スカムが200mg未満であって、優れている。 ○:発生スカムの200mg以上〜500mg未満であっ
て、良好である。 △:発生スカムが500mg以上〜1.5g未満であっ
て、やや問題である。 ×:発生スカムが1.5g以上であって、問題である。
【0104】・発生タールの測定と評価:前記した仮撚
加工において、10日間連続運転した後、加撚側ヒータ
ー表面の糸道上のヒータータールをブラシで落として採
取し、そのまま秤量した。測定は6錘にて実施し、6錘
の平均値を下記の基準で評価した。 ◎:発生スカムが50mg未満であって、優れている。 ○:発生スカムが50mg以上〜200mg未満であって、
良好である。 △:発生スカムが200mg以上〜500mg未満であっ
て、やや問題である。 ×:発生スカムの平均値が500mg以上であって、問題
である。
【0105】・毛羽の測定:前記した仮撚加工におい
て、連続運転10日目に得られた加工糸チーズ(2kg
巻)の任意の10個の端面の毛羽数を肉眼により測定
し、1個当たりの平均毛羽個数を下記の基準で評価し
た。 ◎:3個未満であって、優れている。 ○:3個以上〜10個未満であって、良好である。 △:10個以上〜20個未満であって、やや問題であ
る。 ×:20個以上であって、問題である。
【0106】
【表4】
【0107】表4において、 使用量:部 付着量:合成繊維に対する処理剤の付着量 L−6:ラウリルアルコール(EO6モル)イソステア
レート/粘度が30℃で7×10-62/sのジメチル
シリコーンオイル/ポリエーテルBE/ポリエーテルO
E/ラウリルアルコールにエチレンオキサイドを8モル
付加重合したポリエーテル=20/5/26/25/2
0(重量比)の混合物であって、凝固点が40℃以下の
混合物 L−7:ラウリルアルコール(EO6モル)イソステア
レート/ポリエーテルBE/ポリエーテルOE/ポリエ
ーテルPE=20/35/35/8(重量比)の混合物
であって、凝固点が40℃以下の混合物 L−8:ラウリルアルコール(EO6モル)イソステア
レート/ポリエーテルBE/ポリエーテルOE/ポリエ
ーテルPE=20/35/35/7(重量比)の混合物
であって、凝固点が40℃以下の混合物 L−9:ポリエーテルBE/ポリエーテルOE=50/
49.5(重量比)の混合物であって、凝固点が40℃
以下の混合物 r−3〜r−7:表3と同じ
【0108】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、合成繊維を製造・加工する工程において、合成
繊維に優れた静電気防止性を付与でき、スカムやタール
等による毛羽発生等の障害を生じない優れた合成繊維を
得ることができるという効果がある。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の静電気防止剤を含有して成ること
    を特徴とする合成繊維処理剤。 静電気防止剤:下記の式1又は式2で示される(ポリ)
    アルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸塩から選ば
    れる一つ又は二つ以上 【式1】 【式2】 {式1,式2において、 R1:水素原子、炭素数1〜40のアルキル基、炭素数
    2〜40のアルケニル基、フェニル基又は炭素数1〜1
    8のアルキル基で置換されたアルキルフェニル基 R2,R4,R5:炭素数3又は4のアルキレン基 X1,X2,X3:酸素原子又はイオウ原子 A1,A2,A3:炭素数2〜4のアルキレン基 M1,M2,M3:アルカリ金属、無機アンモニウム、有
    機アンモニウム又は有機ホスホニウム p:1〜100の整数 q,r:1〜50の整数 d,e,f:1〜3の整数 R3:下記の式3、式4又は式5で示される有機基 【式3】 【式4】 【式5】 (式3,式4,式5において、 R6,R7:炭素数1〜40のアルキル基又は炭素数2〜
    40のアルケニル基n:1〜12の整数)}
  2. 【請求項2】 静電気防止剤が、R1が炭素数4〜24
    のアルキル基又は炭素数4〜24のアルケニル基であ
    り、A1が炭素数2のアルキレン基及び/又は炭素数3
    のアルキレン基であって、pが2〜20の整数である場
    合の式1で示される(ポリ)アルコキシアルキルチオア
    ルキルカルボン酸塩から選ばれるものである請求項1記
    載の合成繊維処理剤。
  3. 【請求項3】 静電気防止剤が、R3が式3又は式4で
    示される有機基であって且つ式3中のR6及び式4中の
    7が炭素数4〜24のアルキル基又は炭素数4〜24
    のアルケニル基である場合の有機基であり、A2及びA3
    が炭素数2のアルキレン基及び/又は炭素数3のアルキ
    レン基であって、q及びrが2〜20の整数である場合
    の式2で示される(ポリ)アルコキシアルキルチオアル
    キルカルボン酸塩から選ばれるものである請求項1記載
    の合成繊維処理剤。
  4. 【請求項4】 更に下記の潤滑剤を、静電気防止剤/該
    潤滑剤=30/70〜0.1/99.9(重量比)の割
    合で含有して成る請求項1、2又は3記載の合成繊維処
    理剤。 潤滑剤:鉱物油、脂肪族エステル、芳香族エステル、
    (ポリ)エーテルエステル、シリコーンオイル及びポリ
    エーテルから選ばれる一つ又は二つ以上の潤滑剤であっ
    て且つ凝固点が40℃以下である潤滑剤
  5. 【請求項5】 静電気防止剤を0.1〜30重量%の割
    合で含有して成る請求項1、2、3又は4記載の合成繊
    維処理剤。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載の合成
    繊維処理剤を5〜30重量%の水性液となし、該水性液
    を2500〜7500m/分の速度で捲き取られる紡糸
    工程において合成繊維に対し該合成繊維潤滑剤として
    0.1〜3重量%となるように付着させることを特徴と
    する合成繊維処理方法。
  7. 【請求項7】 合成繊維が更に100〜1500m/分
    の速度で仮撚加工されるものである請求項6記載の合成
    繊維処理方法。
  8. 【請求項8】 合成繊維がポリエステル繊維或はポリア
    ミド繊維である請求項6又は7記載の合成繊維処理方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002235259A (ja) * 2001-02-02 2002-08-23 Asahi Kasei Corp エアバッグ用基布およびエアバッグ
JP4570260B2 (ja) * 2001-02-02 2010-10-27 旭化成せんい株式会社 エアバッグ用基布およびエアバッグ

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