JP2002235259A - エアバッグ用基布およびエアバッグ - Google Patents

エアバッグ用基布およびエアバッグ

Info

Publication number
JP2002235259A
JP2002235259A JP2001027437A JP2001027437A JP2002235259A JP 2002235259 A JP2002235259 A JP 2002235259A JP 2001027437 A JP2001027437 A JP 2001027437A JP 2001027437 A JP2001027437 A JP 2001027437A JP 2002235259 A JP2002235259 A JP 2002235259A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
airbag
base fabric
oil
water
combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001027437A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002235259A5 (ja
JP4570260B2 (ja
Inventor
Fumiaki Ise
史章 伊勢
Takeshi Tanaka
剛 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2001027437A priority Critical patent/JP4570260B2/ja
Publication of JP2002235259A publication Critical patent/JP2002235259A/ja
Publication of JP2002235259A5 publication Critical patent/JP2002235259A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4570260B2 publication Critical patent/JP4570260B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air Bags (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型軽量で柔軟であり、コンパクト性に優れ
たエアバッグであって、燃焼安全性に優れ、引裂強力の
大きなエアバッグ、及びエアバッグ用基布を提供する。 【解決手段】 ポリアミド繊維からなり、基布表面に付
与された油分が0.5〜5wt%、基布より水抽出した
際のpHが6.5〜11、基布より溶媒抽出した油分を
燃焼処理した残渣を水抽出した際のpHが2〜6、であ
ることを特徴とするエアバッグ用基布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに搭載さ
れ、衝突時に拡展して乗員を拘束し、乗員保護を果たす
エアバッグ、及びそれを構成する基布に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車の乗員を保護する安全装置とし
て、エアバッグの装着が常識化してきている。エアバッ
グは、通常、ステアリングホイール、インスツルメント
パネル、カーシート、サイドウィンドウ周辺部などの狭
い場所にインフレーターケースを含めたモジュールとし
て装着されるため、収納容積は小さく、軽いエアバッグ
が望まれている。
【0003】最近は、更にステアリングホイールの空隙
スペースを大きくして、速度パネル等の計器を見やすく
したり、車内空間を大きくするために、エアバッグの収
納容積を極力小さくすることが要求されるようになって
きている。この要請に応えるべく、エアバッグを小型・
コンパクト化するためには、バッグの折り畳み性が優れ
ていることに加えて、燃焼安全性に優れていること、さ
らには、エアバッグ展開の際の人体への加害性回避のた
め、基布が柔軟であることも求められている。
【0004】エアバッグを軽量化するためには、基布を
構成する合成繊維の総繊度を小さくする必要があるが、
一方、基布の引張強さも要求される。その解決策とし
て、基布の織り組織を高密度にして、基布の引張強さを
確保しようとすると、引裂強力が低下してしまうという
問題がある。特開平05−339840号公報には、基
布に油剤を0.08wt%以上残存させることにより引
裂強力を向上させることが開示されている。また、特開
平06−228879号公報には、水系油剤を付与する
ことにより、耐熱後の基布の引裂強力保持性が良好にな
ることが開示されている。
【0005】エアバッグは自動車の内装部品であり、特
性として難燃性を必要とする。難燃性の基準としての評
価は、水平燃焼性試験により行われ、一般にアメリカの
規格であるFMVSS302によって評価される。この
評価方法では、基布を取付具を用いて水平に保持して着
火させ、着火点からA標線(3.81cm)を越え、1
00mm/min以下の遅い燃焼速度であることが、F
MVSS規格により要求されている。さらに、A標線を
越えて50mm以内、60秒以内で消火する場合を自消
性とし、着火点からA標線(3.81cm)を越えない
ものを難燃性とした。油剤が付着したエアバッグ用基布
では、これまである程度の自消性が達成されているが、
より安全性の高い難燃性を示す基布は得られていなかっ
た。
【0006】したがって、充分に軽量で、柔軟なエアバ
ッグであって、耐熱後の引裂強力に優れていることによ
り、車載経時後のインフレーションガスによる展開に耐
え、乗員の突入エネルギーを吸収でき、かつ、水平燃焼
性試験において難燃性の領域であることを共に備えたエ
アバッグおよびエアバッグ用基布は未だ得られていなか
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽量かつ柔
軟で、コンパクトな収納性に優れ、高温環境下に曝され
た後の引裂強力に優れ、かつ、縫い目強力に優れてお
り、エアバッグ展開性能の信頼性が高く、さらには、水
平燃焼試験で難燃性の挙動を示し、燃焼安全性の高いエ
アバッグ、及びそのエアバッグ用基布を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
につき鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、
本発明は下記の通りである。 1.ポリアミド繊維からなり、基布表面に付与された油
分が0.5〜5wt%、基布より水抽出した際のpHが
6.5〜11、基布より溶媒抽出した油分を燃焼処理し
た残渣を水抽出した際のpHが2〜6、であることを特
徴とするエアバッグ用基布。
【0009】2.基布から溶媒抽出した油分を、等量の
水により乳化させた際の粘度が30Pa・s以上を示す
ことを特徴とする上記1記載のエアバッグ用基布。 3.基布から溶媒抽出した油分が、等量の水と2相分離
することを特徴とする上記1記載のエアバッグ用基布。 4.上記1、2又は3記載のエアバッグ用基布よりなる
ことを特徴とするエアバッグ。
【0010】本発明者らは、特定の性質を繊維の表面に
付与することにより、ポリマーの着火ドリップが促進さ
れるということを見出した。即ち、油分が付着した基布
の水平燃焼挙動を観察すると、接炎時に繊維がほぼ一瞬
に溶融してポリマーの塊となることが観察できた。これ
が成長拡大せずに小さなドリップが多発する場合には、
A標線に到達することなく消火することが判明した。そ
の結果、接炎時にポリアミドポリマーを一気に可塑化す
る作用を繊維に付加すれば、難燃性になるということを
見出した。ポリアミドポリマーに対して最も可塑化効果
を有する物質は、水素結合を切断する蟻酸などのプロト
ン酸である。しかし、こうした物質の存在下では繊維そ
のものや油分が経時的に劣化する。
【0011】一方、基布に対する油分付着の目的は、耐
熱後の引裂強力保持率の向上である。しかしながら、基
布に油分を付着させると、付着量とともに、一般には燃
焼しやすくなる。そこで、油分そのものの燃焼挙動を検
討したところ、炎による急激な酸化反応過程で酸性に変
化するものがあることを見出した。完全に燃焼した場合
は往々にして灰分のみとなるが、その中間過程では酸性
物質が多量に生成していると考えられる。
【0012】実際、こうした着火酸性化を有する油分を
付着させた基布では、むしろ基布の燃焼挙動が小ドリッ
プの多発となり、難燃性になることがわかった。本発明
は、以上のような知見に基づいてなされたものである。
以下、本発明につき詳述する。本発明において、油分の
繊維に対する付着量は、0.5wt%以上である。より
好ましくは0.8wt%以上である。付着量が0.5w
t%以上であれば、耐熱引裂強力の保持率が良好であ
る。さらには、縫製時の針による基布のダメージが軽減
され、とりわけ単糸繊度の小さい基布において縫い目強
力の維持に有効である。一方、付与量が多すぎては油剤
そのものが燃料として燃焼促進することがあるため、5
wt%以下であることが好ましい。
【0013】なお、油分は、紡糸油剤、整経油剤、精練
後に付与する油剤等の合計量である。本発明において
は、基布より水抽出した際のpHが6.5〜11であ
る。pH6.5以上であれば、繊維や油分の劣化に基づ
くエアバッグの耐熱処理後の引き裂き強力保持率低下を
より防ぐことができる。また、繊維、基布の取り扱い性
から、著しく強アルカリ性であることを避けるために、
pH11以下が好ましい。
【0014】こうした、pHの制御は、繊維に付与する
油分のpHを制御することで実施できる。繊維油剤に
は、成分を合成する際の酸触媒などが残存していたりす
ることがあるが、アルカリ中和工程を経た成分を組み合
わせたり、また、有機塩基成分などを組み合わせて構成
された油分を繊維に付与することで望ましいpHにする
ことができる。
【0015】本発明では、基布から溶媒抽出される油分
を燃焼処理した残渣を水抽出した際のpHが2〜6であ
る。pHが6以下であれば、こうした油分が付与されて
いるポリアミド繊維は、燃焼中に粘性低下の様子を示
す。なお、燃焼処理とは、コーンカロリーメーター(5
0kW/m2 設定)で、油分を全発熱量の1/2量まで
燃焼することをいう。
【0016】JIS D−1201およびFMVSS3
02に規定の燃焼試験の際に、ノンコート基布や熱可塑
性樹脂コーティングの基布の場合は、着火したときポリ
マーがドリップするため、A標線に達しない内に消火
し、難燃性と判定される。また、シリコーンコーティン
グの基布の場合は、ポリマーの可塑化により、燃焼シリ
コーン層の反りやひび割れを防ぐことで延焼を防ぐこと
ができ、難燃性と判定されるという効果も得られる。
【0017】油分の燃焼処理後の残渣を水抽出した際の
pHが低下する、すなわち着火酸性化の性質を有するよ
うな油分としては、疎水性の油剤組成が好ましい。ポリ
アルキレンオキサイドのように熱分解の際、分子切断の
みで揮散減量する物質は、酸性化に寄与しにくく、逆に
燃焼ガスとなって延焼効果を有するため、含有量を最小
限にする。また、アルカリ金属、アルカリ土類金属で中
和されたスルホン酸塩やホスホン酸塩は、酸性化を妨げ
ることが多い。従って、基布から溶媒抽出した油分を、
等量の水により乳化させた際の粘度が30Pa・s以上
を示すか、または、溶媒抽出した際2相分離するような
疎水性油分であることが好ましい。
【0018】こうした油分の組成としては、脂肪酸アル
キルエステル類、なかでも、多エステル化合物、また、
脂肪酸アルキレンオキサイドアルキルエステル、などを
比較的多量に用いるのがよい。熱酸化によってカルボン
酸などを多量に生成する成分が有効と考えられる。さら
には、硫黄元素を含有する化合物を主成分の一つとして
含有させることが有効である。たとえば、硫黄を含有す
る平滑剤としては、スルフィド結合を有するエステルで
あるチオジプロピオン酸ジエステル、チオールを原料と
するチオエステルやチオールポリアルキレンオキサイド
エステルなどを用いることができる。また、制電剤とし
てアルキルチオポリアルキレンオキサイドなどを用いる
ことができる。
【0019】これらの成分は、硫酸根の生成が着火酸性
化を促進すると考えられる。各種組成の混合物である油
分の着火酸性化の特性は、混合油分で評価することによ
り、配合成分の種類と量を適宜決定することができる。
また、その他の通常用いられる平滑剤、静電剤等と混合
し、製糸性の要求や製織性の要求に応じて配合調整する
ことができる。油剤には、さらに、酸化防止剤、防腐剤
などの添加剤を添加してもよい。
【0020】本発明において、用いる繊維はポリアミド
(以下、ナイロンともいう)類である。たとえば、ナイ
ロン66、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン610
に代表される脂肪族ポリアミドや、ナイロン6T、ナイ
ロン6Iなどの芳香族ポリアミド、さらには、これらの
共重合ポリマーもしくはブレンドポリマーを用いること
ができる。特にナイロン66が、耐熱性と紡糸性の点で
好ましい。
【0021】繊維ポリマー中には耐熱安定剤や酸化防止
剤等を添加することが望ましい。たとえば、各種の銅化
合物を耐熱安定剤として用いることができる。すなわ
ち、酢酸銅などの有機錯塩、および、沃化銅、臭化銅、
塩化第一銅、塩化第二銅などのハロゲン化銅などを用い
ることができる。銅化合物のポリアミドに対する含有率
は1〜200wtppmの範囲で選ぶことができる。さ
らに、銅化合物の熱安定化効果を高めるために、沃化カ
リウム、臭化カリウム、塩化カリウムなどのハロゲン化
金属を併用することができる。さらに、ヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤等を補助として添加するのも良い。
【0022】本発明において、繊維は、繊度60〜50
0dtexが好ましい。さらに好ましくは100〜25
0dtexである。繊度500dtex以下であると、
基布およびエアバッグが軽量にできる。また、繊度60
dtex以上であると、エアバッグに要求される引張強
力などの機械的特性を満たすことができる。繊維の単糸
繊度は、1〜5dtexが好ましく、より好ましくは1
〜4dtexである。単糸繊度が5dtex以下である
と、エアバッグを柔軟なものにすることができる。ま
た、単糸繊度が1dtex以上であると、高密度基布を
製織するのに有利である。
【0023】本発明の基布は、軽量でかつ十分な機械的
強度が要求されることから、総繊度と織り密度の積であ
る織り繊度が、経緯合計で22,000dtex・本/
2.54cm以上であることが好ましい。水平燃焼法に
おいて、製織の糊成分は延焼促進成分であり、また、精
練による完全除去も困難である。そのため、無糊(NO
S)製織が好ましい。無糊で高密度のエアージェット製
織を行う際、ポリアミド繊維は帯電で開繊し、織機が停
台しやすいため、90%RHを超える高湿度下で製織す
ることが好ましい。このとき、油分は疎水性であること
が好ましく、等量の水により乳化させた際の粘度が高け
れば開繊抑制効果が高められ、停台回数が低減できるの
で、単糸繊度が細く高密度の織物でも製織が容易にな
る。
【0024】繊維に対する油分の付与は、石油系希釈剤
を用いるなど非水的に付与することが好ましい。付与す
る時期は、繊維の製糸工程や、製織前の経糸準備工程、
織物の精練工程後の仕上げ工程等のいずれでも、また、
重複しても良い。最も有利な方法は、製糸工程で紡糸油
剤として付与することである。紡糸以降の工程で油分の
脱落の無い非水工程(エアージェット製織、無精錬)
が、繊維間の油分の分散が良く、有利である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、実施例および比較例を挙げ
具体的に説明する。なお、測定法、評価法等は下記の通
りである。 (1)水抽出した際のpH(水抽出pH) JIS L 1096−8.40(付属書2)に従い測
定した。まず、繊維又は基布の試料2.00gを精秤
し、100mlの脱イオン水で1時間振とうした。
【0026】pH測定器は、JIS形式I型準拠のカス
タニーACTpHメーターD−22に電極9300−1
0D(いずれも堀場製作所)を用いた。スパン校正は、
フタル酸塩pH標準液としゅう酸塩pH標準液にて行っ
た。 (2)油分の溶媒抽出 JIS L 1096−8.36に準じた。ただし、溶
媒としてジクロロメタンを用いて抽出した。また、抽出
した油分の特性評価のため、必要な繊維、基布又はエア
バッグ製品の試料の量を適宜増やして行った。
【0027】(3)抽出した油分の燃焼処理 抽出した油分を0.5gステンレスカップ(外径40m
m、高さ30mm、内径30mm、深さ25mm)に入
れ、ASTM E 1354、ISO5660に準拠し
たコーンカロリーメーターIII−C3((株)東洋精
機製作所)を用い、大気雰囲気下でコーンヒーターで加
熱する。コーンヒーターは、ヒーター中心の下面から2
5mmの位置で50kW/m2の輻射熱量となる設定を
した。
【0028】ステンレスカップを、コーンヒーター中心
線の直下で、カップ上面がコーンヒーターの下面に一致
するような水平位置に設置して15秒加熱し、イグナイ
ターで点火し、引き続き燃焼完了までの全燃焼挙動を記
録した。次に、同様の燃焼をはじめから実施し、燃焼が
全発熱量の1/2経過した時点でサンプル台を降下さ
せ、ステンレス蓋で覆って確実に消火して自然冷却で室
温に戻し、これを燃焼処理サンプルとした。
【0029】(4)燃焼処理した残渣を水抽出した際の
pH(燃焼処理pH) 上記により燃焼処理した後のステンレスカップに10m
lの純水を注入し、ガラス棒で撹拌後、超音波浴で3分
間処理した。その後、25℃の恒温水槽で温調しながら
pH測定を行った。pH測定器は、JIS形式I型準拠
のカスタニーACTpHメーターD−22に電極606
9−10C(いずれも堀場製作所)を用い、温度補償セ
ンサーを恒温水槽に投入してpH値を求めた。スパン校
正は,フタル酸塩pH標準液としゅう酸塩pH標準液に
て行った。
【0030】(5)抽出した油分を水に乳化させた際の
粘度(乳化粘度) 抽出した油分の質量を計測し、等しい質量の純水を注入
した。ペンシルミキサーで撹拌し、全体が相分離するこ
となく乳化するか観察した。乳化したものについて振動
式粘度計ビスコメイトVM−1G(山一電機(株)製)
MHプローブで計測した。この際、乳化物がゲル状に固
結するものはプローブ計測上限の30Pa・sを超えて
いた。
【0031】(6)耐熱処理 基布またはエアバッグを120℃、400時間熱風乾燥
機で処理した。 (7)燃焼試験 基布またはエアバッグから切り出した試料を、20℃、
相対湿度65%で24時間放置した後、FMVSS20
8に規定された方法でN=10の燃焼試験をした。A標
線到達以降の燃焼距離と燃焼継続時間を計測した。A標
線に到達しないものは難燃性とした。
【0032】(8)縫い目強力 JIS L 1093(6.1 グラブ法)に従い、基
布やエアバッグから切り出した布を縫い合わせた試料
(糸方向を合わせて縫い合わせた2種類)のそれぞれの
平均値(測定値N=5)を求めた。縫い糸は上糸、下糸
ともにナイロン66の#8番手であり、ミシン針は#1
8番手で、5針/cmのピッチで本縫いした。
【0033】(9)引裂強力 JIS L 1096(6.15.1 A−1 シング
ルタング法)に従い、基布やエアバッグから切り出した
布を、島津製作所(株)オートグラフAG1000型機
により、経・緯それぞれN=3で測定して平均した。 〔実施例1及び実施例2〕ナイロン66を溶融紡糸し、
石油系希釈剤による30wt%溶液の紡糸油剤を付与
し、155dtex/48fの繊維を得た。得られた繊
維の引張強度は7.7cN/dtexであった。紡糸油
剤の組成を表1に示す。
【0034】つぎに、糊付けすることなくエアジェット
製織機で350rpmの製織を行い、185℃で1分間
の熱セットを行って精練することなくエアバッグ用基布
を得た。製造条件及び得られた基布の物性をまとめて表
2に示す。 〔実施例3〕製織前に、経糸に整経油剤S1700(互
応化学製)を付与した以外は実施例1と同様に実施し
た。結果を表2に示す。
【0035】〔比較例1及び比較例2〕紡糸油剤の組成
を変え、25wt%の水系エマルジョンとした以外は、
実施例1と同様にした。油剤組成を表1に、結果を表2
に示す。 〔比較例3〕レピア織機にて製織を行い、80℃、30
分間の精練(非イオン系界面活性剤使用)、湯洗、乾燥
した。精錬後の油剤の付与量は0.08wt%であっ
た。その後、改めて紡糸油剤と同じ組成で油剤を浸漬付
与し、乾燥後、185℃で1分間熱セットした。上記以
外は、比較例2と同様に行った。結果を表2に示す。
【0036】〔比較例4〕ウォータージェット織機を用
い、製織を無糊で行った以外は、比較例2と同様に行っ
た。結果を表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、FMVSS302燃焼
試験において、ドリップ消火により難燃性が合格とな
り、軽量で柔軟であり、縫い目強力の低下が少なく、か
つ、耐熱後の引裂強力保持率に優れたエアバッグ、及び
エアバッグ用基布が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D054 CC26 CC30 FF17 FF18 4L033 AA08 AB01 AB03 AC05 BA21 4L048 AA24 AB07 AC14 CA11 CA12 CA13 CA15 DA25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド繊維からなり、基布表面に付
    与された油分が0.5〜5wt%、基布より水抽出した
    際のpHが6.5〜11、基布より溶媒抽出した油分を
    燃焼処理した残渣を水抽出した際のpHが2〜6、であ
    ることを特徴とするエアバッグ用基布。
  2. 【請求項2】 基布から溶媒抽出した油分を、等量の水
    により乳化させた際の粘度が30Pa・s以上を示すこ
    とを特徴とする請求項1記載のエアバッグ用基布。
  3. 【請求項3】 基布から溶媒抽出した油分が、等量の水
    と2相分離することを特徴とする請求項1記載のエアバ
    ッグ用基布。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載のエアバッグ用
    基布よりなることを特徴とするエアバッグ。
JP2001027437A 2001-02-02 2001-02-02 エアバッグ用基布およびエアバッグ Expired - Lifetime JP4570260B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001027437A JP4570260B2 (ja) 2001-02-02 2001-02-02 エアバッグ用基布およびエアバッグ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001027437A JP4570260B2 (ja) 2001-02-02 2001-02-02 エアバッグ用基布およびエアバッグ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002235259A true JP2002235259A (ja) 2002-08-23
JP2002235259A5 JP2002235259A5 (ja) 2008-03-13
JP4570260B2 JP4570260B2 (ja) 2010-10-27

Family

ID=18892092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001027437A Expired - Lifetime JP4570260B2 (ja) 2001-02-02 2001-02-02 エアバッグ用基布およびエアバッグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4570260B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006160102A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Toray Ind Inc エアバッグカバーおよびエアバッグカバーの製造方法。
JP2009518551A (ja) * 2005-12-06 2009-05-07 ネクシス ファイバーズ アーゲー 安全エアバッグ用コーティング織布または編布
JP2009185421A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Toray Ind Inc シリコーンコートエアバッグ用基布およびその製造方法
JP2012524846A (ja) * 2009-04-24 2012-10-18 コーロン インダストリーズ インク エアバッグガス注入用チューブ状織物部材及びその製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06173169A (ja) * 1992-12-03 1994-06-21 Teijin Ltd 合成繊維用処理剤
JPH06341030A (ja) * 1993-05-28 1994-12-13 Toray Ind Inc ノンコートエアバッグ用基布
JPH08176963A (ja) * 1994-10-25 1996-07-09 Asahi Chem Ind Co Ltd 高タフネスポリヘキサメチレンアジパミド繊維およびその製造方法
JPH1060750A (ja) * 1996-08-21 1998-03-03 Unitika Ltd ノンコートエアーバッグ用基布
JPH1193069A (ja) * 1997-09-10 1999-04-06 Takemoto Oil & Fat Co Ltd 合成繊維処理剤及び合成繊維処理方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06173169A (ja) * 1992-12-03 1994-06-21 Teijin Ltd 合成繊維用処理剤
JPH06341030A (ja) * 1993-05-28 1994-12-13 Toray Ind Inc ノンコートエアバッグ用基布
JPH08176963A (ja) * 1994-10-25 1996-07-09 Asahi Chem Ind Co Ltd 高タフネスポリヘキサメチレンアジパミド繊維およびその製造方法
JPH1060750A (ja) * 1996-08-21 1998-03-03 Unitika Ltd ノンコートエアーバッグ用基布
JPH1193069A (ja) * 1997-09-10 1999-04-06 Takemoto Oil & Fat Co Ltd 合成繊維処理剤及び合成繊維処理方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006160102A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Toray Ind Inc エアバッグカバーおよびエアバッグカバーの製造方法。
JP2009518551A (ja) * 2005-12-06 2009-05-07 ネクシス ファイバーズ アーゲー 安全エアバッグ用コーティング織布または編布
JP2009185421A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Toray Ind Inc シリコーンコートエアバッグ用基布およびその製造方法
JP2012524846A (ja) * 2009-04-24 2012-10-18 コーロン インダストリーズ インク エアバッグガス注入用チューブ状織物部材及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4570260B2 (ja) 2010-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100497927B1 (ko) 실리콘 코팅 포백 및 에어백
KR101380519B1 (ko) 에어백용 직물 및 에어백
EP3279377B1 (en) Coated base fabric for airbag, airbag, and method for producing coated base fabric for airbag
KR101947220B1 (ko) 비코팅 에어백용 직물
JP5697346B2 (ja) エアバック用ナイロン66繊維およびエアバック
JP4570260B2 (ja) エアバッグ用基布およびエアバッグ
KR102062934B1 (ko) 비코팅 에어백용 기포
CN102959147B (zh) 使用耐热性优异的聚对苯二甲酸乙二醇酯纤维的气囊用织物
KR20100117527A (ko) 에어백 가스 주입용 튜브형 직물 부재 및 그의 제조방법
JP2014037229A (ja) エアバッグ用基布
CN102713031B (zh) 气囊用聚对苯二甲酸乙二醇酯纤维及由其制造的织物
JP5246835B2 (ja) エアバッグ用基布およびエアバッグ
JP5425563B2 (ja) エアバッグ用織物およびエアバッグ
EP0461097A1 (en) An improved process for preparing flame retardant polyamide molding resins containing melamine cyanurate
EP3034686B1 (en) Coated woven fabric
Chang et al. The comparison of phosphorus-nitrogen and sulfur-phosphorus-nitrogen on the anti-flammability and thermal degradation of cotton fabrics
KR20110073992A (ko) 에어백용 폴리에틸렌테레프탈레이트 섬유 및 이를 이용한 직물
KR101367401B1 (ko) 에어백용 원단
KR101881242B1 (ko) 에어백용 기포 및 에어백
JP2007138357A (ja) 耐熱性高強力エアバッグ用基布
JP4372297B2 (ja) エアバッグ用基布およびエアバッグ
KR101394654B1 (ko) 에어백용 폴리에틸렌테레프탈레이트 직물

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040116

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20060810

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080125

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080125

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090410

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100803

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100810

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130820

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4570260

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term